雑踏にて‥

人が一番孤独を感じるのは実は人混み
雑踏の中では無いでしょうか？
例えば渋谷のスクランブル交差点で
朝の新宿駅で、宵闇のミッドタウンで
溢れる人いきれの中で見知らぬ人の群れの中で
群れからはぐれた自分に気がつく、そんな気がします。




何処かの新聞記事で、
今の十代が携帯の中に残されたアドレスの数を
数百という人の名前を、
友達として登録してあるであろう人数を
競い合っていると。
そんな記事を読んだ事があります。
「なんてこの子達は孤独なんだろう‥」
僕は逆にそう思いました。
沢山の友達の名前に囲まれているけれど
恐らく自分が苦しい時、悩んでいる時に
話を出来る友人がこの中に居るでしょうか？
僕は居ないだろうと思います。
友達の数で幸せを感じる心。
何て不幸な時代なんだろう‥
そう思いませんか？




「頑張って！！」「笑顔で！！」
そうかな？皆頑張っているんじゃないかな？
これ以上頑張れ、無理して笑え。
どうもそう言う風に聞こえる時があります。
そうして誰もが頑張り過ぎて少し疲れてないかな？
今よりの向上を上昇を望み過ぎて
疲れてしまったんじゃないかな？人間の社会が。
富や名声、裕福さや利便性を求め過ぎて
目に見えない欲望を向上と勘違いして
国さえもお金で買われ、お金で滅びる。
ああ、そんな時代が来たんだとユーロの
崩壊の予兆の記事を見て感じました。




だから僕は「強くなくていいよ　笑顔も要らないよ
だから少しだけ　空を見上げて‥」と
そう言いたくなったのだと思います。
頑張ってるよ皆、必死で生きている。
大人も子供も凄く勤勉に努力して向上を目指してると思う。
でもその努力の行く先に答える未来を社会が提示できないから
喪失感と閉塞感に人々は包まれてしまったのではないでしょうか。
少し休んで良いんじゃないかな？
少しサボって良いんじゃないかな？
でないとさ、持たないよ、体も心も。
無理して笑う事無いよ、可笑しくもないのに。
頑張ろう、頑張ろうって思わなくて良いよ。
だって今より頑張ったら壊れるよ。



All Photo by：Kara Allyson

日常の中に、心の中に今と違う景色。
違う視点を用意しないと人混みの中に
雑踏の中で自分を見失しなう様な気がします。
孤独は恥しくない事だと、自分を見つめる時間だとそう思います。
好きな音楽を聴いて好きな本を読んで自分の心と向き合う時間。
案外そんな時間を誰もが持てなくなっているのではないでしょうか？
孤独にパソコンの画面を見ながらそんな事を書いています。
「強くなくていいよ 笑顔も要らないよ」そう思いながら‥