四万十川レコード 公式ブログ

四万十と言う小さな町に生まれ、思春期に音楽に目覚めそして今も、長い長い音楽の旅をしています。

のんのさん

2014-02-27 01:41:06 | コラム
のんのさん。
子供の頃、祖母は神様を祀る場所をそう呼んでいた。
その昔、呉服屋さんだった古い家に、僕の記憶はある。
朝一番の炊き立てのご飯と、入れたてのお茶を
祖母が“のんのさん”に順番に祀って行く。

かまどの神様、便所の神様、水の神様。
そして居間にある、2メートル程の神棚。
床の間、そして仏壇。
全ての場所にお供えが終わるまでは
ご飯やお茶に手をつけてはいけなかった。

我が家が神主の資格を持つ家であった事を
知ったのも僕が大人になってからだった。
どおりであんな大きな神棚があった訳だ…
ちなみに2メートルの神棚は建て直した
今の実家にもありますが(^◇^)

“応仁の乱”を逃れた、一条教房が
開いた町が今の四万十市なのだが
その一条教房が、京都から無事逃れた
事を僕の町の“貴船神社”に祈念した記録がある。
と言う事は我が家はその“貴船神社”の神主だった
家系だから…一条さんよりもずっと古い時代から
延々と土佐の町人だった訳だ(笑)

今でも母は朝一番の炊き立てのご飯と
入れたてのお茶を神棚と仏壇に祀る。
それは信仰と言うよりも日常なのだ。
毎日“のんのさん”と一緒に生きる生活。
古い昔の日本は…
今も普通にあの町にはある。