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映画鑑賞

昔の名画から最近上映の映画まで、国内外を問わず幅広く楽しんでいます。別世界へ連れて行ってくれる作品が好み(本棚6)。

「父と暮らせば」

2014-08-08 07:59:31 | TV放映
2004年、日本映画

出演:宮沢りえ, 原田芳雄, 浅野忠信
監督:黒木和雄
原作:井上ひさし



~「Yahoo! 映画」より~
解説
井上ひさしの同名戯曲を、『TOMORROW/明日』『美しい夏キリシマ』など、戦争をテーマに市井の人々の姿を描いてきた黒木和雄監督が完全映画化。彼の戦争レクイエム三部作が、本作でついに完結する。原爆で父や友を失い、自分だけが生き残った罪悪感に苛まれる娘を宮沢りえが熱演。わが子の幸せを思い死にきれず、愛娘の前に現れる心優しき父親を原田芳雄が演じる。後世に語り継がれるべき悲劇を真摯に伝える入魂の一本。
あらすじ
3年前広島に落とされた原爆で家族や友を失い、一人暮らしをする美津江(宮沢りえ)の前に、突然亡くなったはずの父(原田芳雄)が現れる。彼女は父に勤務先の図書館で会った青年(浅野忠信)の話をする。


原爆関連の映画です。
NHK-BSでの放映は2011年8月6日。
広島へ原爆が投下された日です。
録画しておいた映画を減らさなくちゃと軽い気持ちで見始めた映画ですが、奇しくもその日は2014年8月6日(何ときっかり3年後)。
単なる偶然以上のものを感じました。

戦争で生き残った人たちには、不条理な罪悪感が芽生えます。

生き残りやない、死に損ないや

これは、他の番組(ドキュメンタリー)で太平洋の戦地から生還した兵士の口から出た言葉です。
この映画の主人公にも、このような思いが見え隠れします。

戦争は、人を殺し、生き残った人たちにさえも罪悪感という深い傷を残す犯罪です。

しかし、アメリカは今でも原爆投下を正当化しています。
1日で10万人の市民を焼き殺した東京大空襲を正当化しています。

現在、アメリカが外国での戦争活動に参加し、市民がまきぞいになるとそれなりの反省の弁が聞かれます。
しかし、やめようとしません。
勝者の論理ですね。

アフリカの貧困は、元を正せば欧米の植民地政策です。
その反省の弁も聞かれません。

“勝ち組”は博愛の精神で手をさしのべますが、それは後ろめたさの裏返しなのでしょう。

そんなことを想わせる映画でした。

★ 5点満点で4点。
 宮沢りえさんは本作でキネマ旬報主演女優賞を受賞しました。

「ムーラン」

2014-07-27 22:57:36 | TV放映
1998年公開、アメリカ映画。
監督 バリー・クック、トニー・バンクロフト

 『ムーラン』(Mulan)は、1998年6月19日にアメリカ合衆国より公開されたディズニーの長編アニメーション映画作品である。古代中国を舞台にした物語で、中国の伝説『花木蘭』をモデルとしており、ストーリーは一部異なるものの京劇「木蘭」に基づいている。主題歌の『Reflection』はクリスティーナ・アギレラが歌唱、サブキャラの声優としてエディ・マーフィーが出演した。2004年12月には続編のビデオ作品『ムーラン2』も発売されている。
日本では興行成績が振るわず知名度は高くないものの、ミュージカル場面の軽快さや圧巻のヴィジュアルセンス等、ディズニー・ルネッサンスと呼ばれるに相応しい評価を得ている。アニー賞作品賞受賞。

ストーリー>(Wikipediaより)
 昔々のある日、中原侵略を目論む北方騎馬民族、フン族が侵攻してきたため、国中に各家男子一人の徴兵令が下った。これによりファ(花)家も男子一人を軍に入隊させなければならないが、ファ家の男性は高齢で病を患っている父のファ・ズーしかいなかった。父想いの一人娘ムーランは足の悪い父に代わり男装して従軍する。訓練で失敗も多く、仲間達の意地悪もあったが、努力によって力をつけ、周囲の仲間達もムーランに一目置くようになる。行軍を続ける中、ムーランは司令官シャン隊長に淡い憧れを抱くようになる。
 しかし、シャン隊長の父、リー将軍が率いていた別働隊がフン族によって全滅した事で、事態は風雲急を告げる。フン族に雪山で襲撃された軍は、ムーランの奇策によって勝利を収めるが、交戦中に負傷したムーランは気を失い、手当てを受ける間に女である事が発覚してしまう。軍規違反だとして処刑を迫る文官に対し、シャン隊長は彼女に「追放」を言い渡し、命を救う。
 傷心のムーランは故郷へ帰ることを余儀なくされるが、その途中、シャン・ユー率いるフン族の残党が都に向かったことを知り、馬を走らせ皇都へ急ぐ。その頃、都と王宮は勝利の祝宴に酔っていたが、そこへ潜伏していたフン族が急襲、皇帝を捕らえて王宮を制圧してしまう。この緊急事態に、ムーランはシャン隊長や戦友たちとともに、皇帝奪還作戦を行う。作戦は見事に成功し、フン族の首領との凄絶な一騎打ちも、ムーランが制した。真相を知った皇帝は、女性でありながら勇敢に戦ったムーランを公正に褒め称え、累代の秘宝を下賜する。
 こうして、大功を挙げたムーランは帰郷、父に誇りと愛情をもって迎え入れられる。そしてシャン隊長も彼女に想いを寄せ、木蘭の花咲く庭に訪ねてくる。


 公開されたときから見たいと思い続けていつの間にか16年も経ってしまいました。光陰矢のごとし。
 今回はWOWOW放映を録画して視聴しました。

 ストーリーは“勧善懲悪”ものでアメリカらしいわかりやすさがあり、フン族はみな野蛮人として描かれ悪者顔をしています。
 世の中、こんな単純に善と悪を区別することなんかできないのに・・・という突っ込みは置いときましょう(苦笑)。
 フン族の一人ひとりにも人生があり、愛する家族があり、それを守るために戦う、という設定にすればストーリーは膨らみ深みが増すはず。
 そこはまあ、子ども向けの作品ということで・・・。

 馬に乗ったフン族が集団で山から下りてくる場面は圧巻です。
 TV-CMにも使われました。
 あれを映画館の大画面で見たら、さぞかし迫力があるだろうなあ。


★ 5点満点で3.5点。

「25年目の弦楽四重奏」

2014-07-15 21:52:47 | TV放映
2012年、アメリカ映画
原題「A Late Quartet

監督:ヤーロン・ジルバーマン
キャスト:フィリップ・シーモア・ホフマン(ロバート・ゲルバート)、クリストファー・ウォーケン(ピーター・ミッチェル)、キャサリン・キーナー(ジュリエット・ゲルバート)、マーク・イバニール(ダニエル・ラーナー)、イモージェン・プーツ(アレクサンドラ・ジュリエット)



Yahoo 映画より
【解説】
 結成25周年を迎えた弦楽四重奏団のチェリストが難病を患い引退宣言したことで、残された楽団員の関係に不協和音が生じていく人間ドラマ。狂っていく音程の中で演奏するルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの名曲、弦楽四重奏曲第14番に着想を得て、個々のエゴや嫉妬など、長い人生の過程で生じてくるさまざまなひずみに直面したメンバーの葛藤を描く。オスカー俳優のフィリップ・シーモア・ホフマンとクリストファー・ウォーケン、キャサリン・キーナーら実力派キャストによる演技合戦は圧巻。
【あらすじ】
 ダニエル(マーク・イヴァニール)、ロバート(フィリップ・シーモア・ホフマン)、ジュリエット(キャサリン・キーナー)、ピーター(クリストファー・ウォーケン)から成る弦楽四重奏団は、結成25周年を迎えようとしていた。そんな折、チェリストのピーターがパーキンソン病を宣告され、引退を申し出たことで残されたメンバーは動揺する。それを機にライバル意識や家庭の不和など、それまでセーブされてきた感情や葛藤が噴出し……。


 久しぶりによい映画に出会えました。

 主役は「フーガ弦楽四重奏団」を構成する4人。
 第一ヴァイオリンは音楽に人生を捧げて追究し孤高の域に達した“求道者”ダニエル。
 第二ヴァイオリンは多彩な才能を封印して四重奏団に残ったロバート。
 ヴィオラは麗人ジュリエット(ロバートの妻)。
 チェロはダニエル、ロバート、ジュリエットの師である音楽大学教授のピーター。

 実力がありながらソリストにならずに四重奏団に属したダニエル。
 彼のセリフに目から鱗が落ちました:
「ソリストになるとオーケストラと数回リハーサルをして数回演奏する、そして次のオーケストラとの共演・・・これがエンドレスに続く。」
「この環境では作曲家が曲に託した音楽を熟成させられない。」
「作曲家の意図を理解し具現化するには同じ曲を同じメンバーで繰り返して練習・演奏する四重奏団が最適な環境である。」

 なるほど。

 年長のチェリスト、ピーターが指の不調を訴え病院でパーキンソン病の診断を受け、引退を決意します。
 しかし、これをきっかけに四重奏団メンバーの人生が複雑に絡み合い不協和音を奏ではじめることになってしまう。

 第二ヴァイオリンに甘んじてきたロバートは第一ヴァイオリンを弾きたいと云いだし、
 その才能はないと告知するダニエルとジュリエットへの嫉妬心から浮気をしてしまうロバート。
 それを許せない妻ジュリエット。
 ダニエルのレッスンを受けることになったロバートとジュリエットの娘アレキサンドラは彼と恋仲になってしまう。
 それを知ったロバートはダニエルに殴りかかる。

 もう、メチャクチャです。

 この映画の素晴らしさは、それぞれの言い分(特に音楽に関して)が全て正しく共感できるよう描かれているところ。
 監督の人間観察力・洞察力が優れている証拠です。
 各人が人生を正直に生きようとすればするほどすれ違い、四重奏団は空中分解の危機に晒されてしまうのです。
 
 答えのない人間ドラマに観客はハラハラドキドキ。

 全てを吐き出した後、それでも音楽を愛する4人はべートーヴェンを演奏するために再び集まりました。
 なんとか、25周年コンサートの開催にこぎ着けたのです。
 いろんな想いが交錯しつつ織り成されるハーモニーは、深い陰影をたたえていたことでしょう。
 しかしピーターは手が思うように動かず途中でリタイアし、次のチェリストにバトンタッチ(予定通り?)。
 彼の願いである四重奏団の継続が実現した瞬間でもありました。

 人生の辛酸をなめたものだけが味わえる、ほろ苦い“ハッピーエンド”が秀逸。
 この監督、すごい!

★ 5点満点で5点(久しぶり)。
 同監督の他の作品も観てみたい・・・と検索しましたが、今のところ本作品だけの様子。
 第二ヴァイオリンを演じたフィリップ・シーモア・ホフマンは2014年2月に薬物過剰摂取で死亡しています(享年46歳)。合掌。

「遠くでずっとそばにいる」

2014-07-13 18:45:39 | TV放映
2013年、日本映画

<Yahoo 映画より>
【解説】
 狗飼恭子の小説を『夜のピクニック』などの長澤雅彦監督が映画化したミステリードラマ。交通事故の影響で過去10年の記憶をなくしてしまった女性が、失われた記憶をたどっていく中、自身の残酷な過去と向き合う姿を、透明感あふれる映像で描き出す。主演は、『花子の日記』などの倉科カナ。『ツレがうつになりまして。』の中野裕太、人気芸人の徳井義実ら多彩な顔ぶれが共演。『ニューヨーク、アイラブユー』などで国際的に活動を続けている岩井俊二監督が、自作以外で初めて長編劇場映画の音楽を手掛けている。
【あらすじ】
 交通事故の後遺症によって、10年分の記憶を失った志村朔美(倉科カナ)。実年齢は27歳でも、17歳までの記憶しかない朔美は、自分を取り巻く変化に困惑しながらも現状を受け入れ生活していたが、空白の10年間の出来事が気になって仕方がない。付き合っているらしい男(中野裕太)や高校時代の同級生(伽奈)らの助けを借りて、喪失した記憶をたどろうとする朔美だったが……。




<スタッフ>
監督:長澤雅彦
製作:北嶋正、毛塚善文、木村良輔
企画:掛須秀一

<キャスト>
倉科カナ(志村朔美)、中野裕太(細見良彦)、伽奈(大島薫)、清水くるみ(志村美加)、大間ジロー(志村弘二)、他


ミステリー調に味付けした恋愛映画。
小道具や伏線の使い方が上手です。
映像表現、演出、音楽のレベルの高さで飽きさせない佳作だと思います。
ただ、ベースはありがちなストーリーなので、魂を揺さぶるような感動はありません。

なんにしても、若いっていいな。
副題は「永遠の片思い」でしょうか。
理由を知りたい方は是非ご覧ください(笑)。

★ 5点満点で3点。

「体脂肪計タニタの社員食堂」

2014-06-08 21:48:20 | TV放映
2013年、日本映画
監督:李闘士男
原作:田中大祐
音楽:小松亮太
<キャスト>
優香(春野菜々子)、浜野謙太(谷田幸之助)、宮崎吐夢(丸山 営業部社員)、小林きな子(福原 営業部社員)、草野イニ(太田 開発部社員)、渡会久美子(光子 食堂パート社員)、藤本静(信子 食堂パート社員)、壇蜜(看護師)、吉田羊(丸山の元嫁)、駒木根隆介(居酒屋の大将)、酒向芳(小泉 専務)、草刈正雄(谷田卯之助)

<Yahoo! 映画より>
(解説)
 レシピ本が空前のベストセラーを記録し、レストランも話題の株式会社タニタの社員食堂にまつわる実話を大胆に脚色したハートフル・コメディー。史上初の体脂肪計を開発しながらも太った人が多いタニタの社員たちと、元肥満の落ちこぼれ栄養士が社運を懸けたダイエット・プロジェクトに挑む。監督は、『デトロイト・メタル・シティ』の李闘士男。ヘルシーなダイエット・メニューを考案すべく悪戦苦闘するヒロインを、およそ7年ぶりの映画主演となる優香が好演。
(あらすじ)
  剛腕で有名な社長・谷田卯之助(草刈正雄)率いる健康機器メーカーの株式会社タニタは、世界初の体脂肪計を開発したものの、2代目副社長・幸之助(浜野謙太)ら太りぎみな社員が多かった。そんな折、新商品発表会のプランを考えることになった幸之助は、社員がダイエットを敢行し、逐一発表するというプランを思い付く。肥満を克服した栄養士の菜々子(優香)を迎え、いざダイエット作戦が始まるが……。


 ベストセラーになった本は買ってありますが、まだ読んでいません。
 TV放映された映画の方を先に視聴してしまいました。

 ウ~ン、なんのインパクトも残らない映画。
 ダイエット前後の違いを際立たせる特殊メイクはわざとらしいし、草刈正雄と浜野謙太が親子という設定にも無理があるし・・・映画に入り込めないままエンディングを迎えてしまいました。

 どうも最近、映画を素直に楽しめない私。
 感性が鈍っているのでしょうか?

☆ 5点満点で3点。

「舟を編む」

2014-06-07 23:20:07 | TV放映
2013年、日本映画。

監督:石井裕也
原作:三浦しをん
キャスト:松田龍平(馬締光也)、宮崎あおい(林香具矢)、オダギリジョー(西岡正志)、黒木華(岸辺みどり)、渡辺美佐子(タケ)、池脇千鶴(三好麗美)、鶴見辰吾(村越局長)、伊佐山ひろ子(佐々木薫)、八千草薫(松本千恵)、小林薫(荒木公平)、加藤剛(松本朋佑)

<Yahoo! 映画より>
解説
 2012年本屋大賞に輝いた三浦しをんの小説を、『川の底からこんにちは』などの石井裕也監督が実写映画化。ある出版社の寄せ集め編集部が、気の遠くなるような歳月をかけて二十数万語が収録された新辞書作りに挑む姿をユーモラスに描く。辞書の編さんに没頭する主人公・馬締光也には、三浦原作の『まほろ駅前多田便利軒』にも出演した松田龍平。彼が一目ぼれするヒロインには、『ツレがうつになりまして。』の宮崎あおいがふんするほか、オダギリジョーら多彩な顔ぶれがそろう。
あらすじ
 玄武書房に勤務する馬締光也(松田龍平)は職場の営業部では変人扱いされていたが、言葉に対する並外れた感性を見込まれ辞書編集部に配属される。新しい辞書「大渡海」の編さんに従事するのは、現代語に強いチャラ男・西岡正志(オダギリジョー)など個性の強いメンツばかり。仲間と共に20数万語に及ぶ言葉の海と格闘するある日、馬締は下宿の大家の孫娘・林香具矢(宮崎あおい)に一目ぼれし……。


 いやはや、ゴージャスな顔ぶれに驚きました。
 ただしストーリーはありきたりで、残念ながら新しい感動はありません。
 本屋大賞受賞作は“その場限りの感動”という傾向があり、後世に残りそうな作品は希ですね。
 まあ、丁寧に作られていることが好印象な映画です。

 本に埋もれて半引きこもり生活をしている主人公(松田龍平)が気に入りました。
 私も一時、あんな生活に憧れたことがありました。
 古本屋の主人なんて人生もいいな。

 松田龍平に父親の松田優作の影を探してしまいます。
 この映画ではぼんやりした馬締(まじめ)君ですが、やはり彼には毒を秘めた役柄の方が向いていそう。
 彼を見ているとつげ義春のマンガを思い出します。
 もし、つげ氏のマンガが再映画化される際には、是非松田龍平を起用して欲しい。

 ラブレター(というより恋文)を毛筆で書くところは笑えました。
 それを半分怒りながら喜んでいる宮崎あおいとのやり取りが見物でした。

 池脇千鶴と宮崎あおい・・・私のお気に入りの女優さんが2人揃っている!
 池脇千鶴のコケティッシュ&癒やし系の存在感は健在。
 宮崎あおいは“支える人”という役柄が多いですね。
 「ツレがうつになりまして」もよかった。
 この映画でも光を放っていましたが、一番はまっていたのは「神様のカルテ」かなあ。

 小林薫さんも大好きな男優。
 本作では引退する老編集者という渋い役ですが、ちょっと“いい加減”な役にはまる、味わい深い役者さんです。
 日本酒をチビチビ飲んでいる姿が似合う、男性からも好かれるタイプ(男色ではありません)。

 鶴見辰吾は私にとって柳沢きみお原作、相米慎二監督(デビュー作)の「翔んだカップル」のイメージが未だ強く残っています。
 1980年の作品ですから、すでに30年以上前・・・時は過ぎ、“局長”なんて呼ばれる老け役をこなす年齢になったのですね。

☆ 5点満点で3.5点。
 日本アカデミー賞6部門受賞(内輪受け?)

BUNGO~ささやかな欲望~

2014-04-19 21:30:30 | TV放映
2012年、日本映画

~Amazonの解説より~
世代を超えて描く、日本の恋ごころ
昭和を代表する文豪×将来を担うクリエーター・キャストにより、文豪は、BUNGOになる!
日本文学史上に残る短編を厳選して、ニッポンの傑作ラブストーリー6作品を映像化!

世界に誇れる文豪たちの傑作が、日本の将来を担う俳優、クリエイター、そして巨匠によって輝く―。
山下敦弘、熊切和嘉、冨永昌敬、谷口正晃、関根光才、西海謙一郎・・・日本の将来を担うクリエーターが集結。
石原さとみ、宮迫博之、山田孝之、成海璃子、谷村美月、大西信満、橋本愛、リリー・フランキー、波瑠、三浦貴大、水崎綾女、影山樹生弥・・・将来を担う俳優陣が集結。
普遍的な恋心のなかに、可笑しくて、懐かしくて、楽しくて、切ない、珠玉の映画の誕生!


 


見つめられる淑女たち

1.注文の多い料理店
原作:宮沢賢治
監督:冨永昌敬
キャスト:(藤子)石原さとみ、(左右吉)宮迫博之


不倫カップルが、手切れ金をめぐって何とか相手の口から別れの言葉を引き出そうと、妙に緊迫した空気で貫かれた、スリリングな作品。

2.乳房
原作:三浦哲郎
監督:西海謙一郎
キャスト:(梅村かな江)水崎綾女、(西沢寛次)影山樹生弥


時代は昭和の戦時中。胸が膨らんできて1人悩む思春期の少年が、ホントの女性の胸に触れた経験を機に、何事もなかったようにふつうの生活に戻っていくストーリー。演出が秀逸。

3.人妻
原作:永井荷風
監督:熊切和嘉
キャスト:(浅野年子)谷村美月、(桑田 / クワタ)大西信満、(浅野)矢柴俊博


最後まで思わせぶりなストーリー。

告白する紳士たち

1.
原作:岡本かの子
監督:関根光才
キャスト:(ともよ)橋本愛、(湊)リリー・フランキー(少年期:榎本陸)


2.握った手
原作:坂口安吾
監督:山下敦弘
キャスト:(松夫)山田孝之、(水木 由子)成海璃子、(綾子)黒木華


このシリーズの中で一番訳がわからない作品。

3.幸福の彼方
原作:林芙美子
監督:谷口正晃
キャスト:(絹子)波瑠(幼少期:森くれあ)、(村井 信一)三浦貴大


シリーズ中、一番印象に残った作品。
訳ありの男女が見合いで結婚することになった。結婚後にお互いのヒミツが明かされていくが、それがかえって2人の絆を強くしていくほのぼのストーリー。

「風の中の子供」

2014-04-06 16:12:45 | TV放映
1937年、日本映画

~「Yahoo! 映画」より~
 坪田譲治が朝日新聞に連載した同名小説を、斎藤良輔が脚色し清水宏が監督した。子供たちの日常を、彼らの目線で生き生きと描いた清水の手腕が見事。1957年には山本嘉次郎監督が「善太と三平物語 風の中の子供」というタイトルで再映画化している。
 小学五年の善太と小学一年の三平は、今日も楽しい夏休みを過ごしていた。しかしある日、警察が家にやってきて二人の父親を逮捕してしまうことから、二人の生活は激変する。三平は遠くの親戚の家に預けられることになり、兄弟は離ればなれに。善太は一人でかくれんぼをして寂しさを紛らわせようとする。三平は田舎で冒険の日々を送るが、手を焼いた親戚のおばさんに帰されてしまう。

<スタッフ>
監督:清水宏、原作:坪田譲治、脚色:斎藤良輔、音楽:伊藤宣二
<キャスト>
父親:河村黎吉、母親:吉川満子、善太:葉山正雄、三平:爆弾小僧、おぢさん:坂本武、おばさん:岡村文子、幸助:末松孝行、佐山:石山隆嗣、金太郎:アメリカ小僧、正太:突貫小僧、巡査:笠智衆






山田洋次監督が選んだ日本の名作100本」として2011年~2013年にNHK-BSで放映された一連の映画。
その「家族編」のうちの1本を録画しておいたものを3年越しで試聴しました。
 なんといっても73年前の映画です。
 日本は外国と覇権争いをして戦争を繰り返していた時代に、こんなほのぼのとした映画が撮影されたことにまず驚きました。

 子どもたちは当たり前のようにフンドシ一丁で川で遊び、おとなの移動手段は車よりも自転車や馬。
 村で何かあると、どこからともなく子どもたちが集まってくる・・・現在の発展途上国によくみかける風景がそこにあります。
 そんな「昭和」という時代でした。

 ストーリーはおとなの欺し合いに子ども心が振り回される、少々シビアなものです。
 演出がわざとらしい箇所が見受けられますが、昔の日本の風情を感じられただけでも観た甲斐がありました。

★ 5点満点で4点。
 俳優さんの中で私の知っている方は「笠智衆」さんだけ。彼はこのあと、小津安二郎監督の映画に欠かせない名優に出世していくのですね。

「クラウド・アトラス」

2014-03-23 09:30:13 | TV放映
2012年、ドイツ/アメリカ映画

監督:ラナ・ウォシャウスキー 、トム・ティクヴァ 、アンディ・ウォシャウスキー
出演
役名 ーーー役者名
 ホギンズ(2012年)ほかーーー トム・ハンクス
 ルイサ(1973年)ほかーーー ハリー・ベリー
 ソンミ451(2144年)ほかーーー ペ・ドゥナ
 オールド・ジョージー(遠い未来)ほかーーー ヒューゴ・ウィーヴィング
 カベンディッシュ(2012年)ほかーーー ジム・ブロードベント
 ユーイング(1849年)ほかーーー  ジム・スタージェス
 ホロックスの妻(1849年)ほかーーー  スーザン・サランドン
 ホロックス牧師(1849年)ほかーーー  ヒュー・グラント
 フロビシャー(1936年)ほかーーー ベン・ウィショー

<解説>
(WOWWOW)
 「マトリックス」シリーズのウォシャウスキー姉弟らが監督。驚異の映像技術を駆使して19世紀から未来まで6つの時代を舞台にしたSF叙事詩。T・ハンクスらが豪華共演。
 ウォシャウスキー姉弟(兄が性転換して姉になった)がD・ミッチェルの小説を原作に、異なる登場人物が6つの時代で繰り広げる冒険を、次々と時代を飛び越えながら描くという複雑なストーリーテリングに挑戦。しかも、T・ハンクス、H・ベリー、韓国のペ・ドゥナら俳優陣に徹底した特殊メイクを施し、ひとり数役を演じさせるという凝った演出をプラス。理解に苦しむ難解な作品に思えるかもしれないが、VFXと切れのいいアクションのおかげで退屈と無縁。いつしか一つの宇宙を思わせる、壮大な世界観に酔わされる。
(YAHOO! 映画)
 19世紀から24世紀へと世紀を超えて、六つの時代と場所を舞台に人間の神秘を描く壮大なスペクタクル・ドラマ。兄が性転換を経て姉弟となったラリー改めラナ、アンディ・ウォシャウスキー監督と、『パフューム ある人殺しの物語』のトム・ティクヴァが共同でメガホンを取る。時代をまたいで存在する同じ魂を持つ複数の人物という難役に挑むのは、名優トム・ハンクスをはじめ、ハル・ベリーやスーザン・サランドンといった豪華キャストたち。過去や未来を映す迫力ある映像や、深いストーリーなど、ロマンあふれる世界観に圧倒される。


 めまぐるしく場面が変わり、メッセージ性のある頭でっかちの映画。
 純粋に映画を楽しみたい、という今の私には合いませんでした。

 1人が複数の役をこなしているのが意外でした。

★ 5点満点で3点。

「阿弥陀堂だより」

2014-02-04 08:18:03 | TV放映
2002年、日本映画。

監督/脚本:小泉堯史
原作:南木佳士(文藝春秋刊)
音楽:加古隆
出演:寺尾聰、樋口可南子、北林谷栄、吉岡秀隆、小西真奈美



<作品紹介>
忘れていた、人生の宝物に出逢いました……。「雨あがる」の小泉監督が贈る癒しの感動作。
心の病をかかえる美智子は夫、孝夫の故郷、信州に二人で移り住む。山里の美しい村に帰った夫婦は、阿弥陀堂というお堂に暮らす96歳の老婆おうめを訪ねる。おうめのところに通ううちに、孝夫は声の出ない少女小百合に出会う。彼女は村の広報誌に、おうめが日々話したことを書きとめ、まとめた「阿弥陀堂だより」というコラムを連載していた。素朴だが温かい村の人々とのふれあい。美しい季節の移ろいに抱かれて暮らしていくうちに、美智子と孝夫はいつしか生きる喜びを取り戻していく。


信州の美しい山里風景の中の人々の営みの中で、ストレスの多い都会生活に疲れた女性医師が生きる力を取り戻していく過程を描いた作品です。
原作者自身がうつ病を患う医師です。
よい映画なのでしょうが、「作り物」の匂いがプンプンして、私は素直に楽しめませんでした。

以前観た日本昔話のような「タイマグラばあちゃん」のインパクトが鮮明すぎたのかな。

★ 5点満点で3.5点
評価は高いようです。ただし、国内だけの内輪受けでしょうか。
★第26回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞&優秀賞12部門受賞<作品賞/監督賞/脚本賞/主演男優賞/主演女優賞/音楽賞/撮影賞/照明賞/録音賞/編集賞/美術賞/新人賞>
★第57回毎日映画コンクール日本映画優秀賞/音楽賞受賞<加古隆>
★第45回ブルーリボン賞新人賞受賞<小西真奈美>
★第26回山路ふみ子文化賞受賞<北林谷栄>(平成14年度)
★第4回文化庁優秀映画賞受賞
★キネマ旬報 読者選出日本映画ベスト・テン第3位、日本映画ベスト・テン第7位日本映画助演女優賞受賞<北林谷栄>、日本映画新人女優賞受賞<小西真奈美>
★2002年度日本映画ペンクラブ会員選出ベスト5日本映画部門2位