映画鑑賞

昔の名画から最近上映の映画まで、国内外を問わず幅広く楽しんでいます。別世界へ連れて行ってくれる作品が好み(本棚6)。

「ムーラン」

2014-07-27 22:57:36 | TV放映
1998年公開、アメリカ映画。
監督 バリー・クック、トニー・バンクロフト

 『ムーラン』(Mulan)は、1998年6月19日にアメリカ合衆国より公開されたディズニーの長編アニメーション映画作品である。古代中国を舞台にした物語で、中国の伝説『花木蘭』をモデルとしており、ストーリーは一部異なるものの京劇「木蘭」に基づいている。主題歌の『Reflection』はクリスティーナ・アギレラが歌唱、サブキャラの声優としてエディ・マーフィーが出演した。2004年12月には続編のビデオ作品『ムーラン2』も発売されている。
日本では興行成績が振るわず知名度は高くないものの、ミュージカル場面の軽快さや圧巻のヴィジュアルセンス等、ディズニー・ルネッサンスと呼ばれるに相応しい評価を得ている。アニー賞作品賞受賞。

ストーリー>(Wikipediaより)
 昔々のある日、中原侵略を目論む北方騎馬民族、フン族が侵攻してきたため、国中に各家男子一人の徴兵令が下った。これによりファ(花)家も男子一人を軍に入隊させなければならないが、ファ家の男性は高齢で病を患っている父のファ・ズーしかいなかった。父想いの一人娘ムーランは足の悪い父に代わり男装して従軍する。訓練で失敗も多く、仲間達の意地悪もあったが、努力によって力をつけ、周囲の仲間達もムーランに一目置くようになる。行軍を続ける中、ムーランは司令官シャン隊長に淡い憧れを抱くようになる。
 しかし、シャン隊長の父、リー将軍が率いていた別働隊がフン族によって全滅した事で、事態は風雲急を告げる。フン族に雪山で襲撃された軍は、ムーランの奇策によって勝利を収めるが、交戦中に負傷したムーランは気を失い、手当てを受ける間に女である事が発覚してしまう。軍規違反だとして処刑を迫る文官に対し、シャン隊長は彼女に「追放」を言い渡し、命を救う。
 傷心のムーランは故郷へ帰ることを余儀なくされるが、その途中、シャン・ユー率いるフン族の残党が都に向かったことを知り、馬を走らせ皇都へ急ぐ。その頃、都と王宮は勝利の祝宴に酔っていたが、そこへ潜伏していたフン族が急襲、皇帝を捕らえて王宮を制圧してしまう。この緊急事態に、ムーランはシャン隊長や戦友たちとともに、皇帝奪還作戦を行う。作戦は見事に成功し、フン族の首領との凄絶な一騎打ちも、ムーランが制した。真相を知った皇帝は、女性でありながら勇敢に戦ったムーランを公正に褒め称え、累代の秘宝を下賜する。
 こうして、大功を挙げたムーランは帰郷、父に誇りと愛情をもって迎え入れられる。そしてシャン隊長も彼女に想いを寄せ、木蘭の花咲く庭に訪ねてくる。


 公開されたときから見たいと思い続けていつの間にか16年も経ってしまいました。光陰矢のごとし。
 今回はWOWOW放映を録画して視聴しました。

 ストーリーは“勧善懲悪”ものでアメリカらしいわかりやすさがあり、フン族はみな野蛮人として描かれ悪者顔をしています。
 世の中、こんな単純に善と悪を区別することなんかできないのに・・・という突っ込みは置いときましょう(苦笑)。
 フン族の一人ひとりにも人生があり、愛する家族があり、それを守るために戦う、という設定にすればストーリーは膨らみ深みが増すはず。
 そこはまあ、子ども向けの作品ということで・・・。

 馬に乗ったフン族が集団で山から下りてくる場面は圧巻です。
 TV-CMにも使われました。
 あれを映画館の大画面で見たら、さぞかし迫力があるだろうなあ。


★ 5点満点で3.5点。

「25年目の弦楽四重奏」

2014-07-15 21:52:47 | TV放映
2012年、アメリカ映画
原題「A Late Quartet

監督:ヤーロン・ジルバーマン
キャスト:フィリップ・シーモア・ホフマン(ロバート・ゲルバート)、クリストファー・ウォーケン(ピーター・ミッチェル)、キャサリン・キーナー(ジュリエット・ゲルバート)、マーク・イバニール(ダニエル・ラーナー)、イモージェン・プーツ(アレクサンドラ・ジュリエット)



Yahoo 映画より
【解説】
 結成25周年を迎えた弦楽四重奏団のチェリストが難病を患い引退宣言したことで、残された楽団員の関係に不協和音が生じていく人間ドラマ。狂っていく音程の中で演奏するルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの名曲、弦楽四重奏曲第14番に着想を得て、個々のエゴや嫉妬など、長い人生の過程で生じてくるさまざまなひずみに直面したメンバーの葛藤を描く。オスカー俳優のフィリップ・シーモア・ホフマンとクリストファー・ウォーケン、キャサリン・キーナーら実力派キャストによる演技合戦は圧巻。
【あらすじ】
 ダニエル(マーク・イヴァニール)、ロバート(フィリップ・シーモア・ホフマン)、ジュリエット(キャサリン・キーナー)、ピーター(クリストファー・ウォーケン)から成る弦楽四重奏団は、結成25周年を迎えようとしていた。そんな折、チェリストのピーターがパーキンソン病を宣告され、引退を申し出たことで残されたメンバーは動揺する。それを機にライバル意識や家庭の不和など、それまでセーブされてきた感情や葛藤が噴出し……。


 久しぶりによい映画に出会えました。

 主役は「フーガ弦楽四重奏団」を構成する4人。
 第一ヴァイオリンは音楽に人生を捧げて追究し孤高の域に達した“求道者”ダニエル。
 第二ヴァイオリンは多彩な才能を封印して四重奏団に残ったロバート。
 ヴィオラは麗人ジュリエット(ロバートの妻)。
 チェロはダニエル、ロバート、ジュリエットの師である音楽大学教授のピーター。

 実力がありながらソリストにならずに四重奏団に属したダニエル。
 彼のセリフに目から鱗が落ちました:
「ソリストになるとオーケストラと数回リハーサルをして数回演奏する、そして次のオーケストラとの共演・・・これがエンドレスに続く。」
「この環境では作曲家が曲に託した音楽を熟成させられない。」
「作曲家の意図を理解し具現化するには同じ曲を同じメンバーで繰り返して練習・演奏する四重奏団が最適な環境である。」

 なるほど。

 年長のチェリスト、ピーターが指の不調を訴え病院でパーキンソン病の診断を受け、引退を決意します。
 しかし、これをきっかけに四重奏団メンバーの人生が複雑に絡み合い不協和音を奏ではじめることになってしまう。

 第二ヴァイオリンに甘んじてきたロバートは第一ヴァイオリンを弾きたいと云いだし、
 その才能はないと告知するダニエルとジュリエットへの嫉妬心から浮気をしてしまうロバート。
 それを許せない妻ジュリエット。
 ダニエルのレッスンを受けることになったロバートとジュリエットの娘アレキサンドラは彼と恋仲になってしまう。
 それを知ったロバートはダニエルに殴りかかる。

 もう、メチャクチャです。

 この映画の素晴らしさは、それぞれの言い分(特に音楽に関して)が全て正しく共感できるよう描かれているところ。
 監督の人間観察力・洞察力が優れている証拠です。
 各人が人生を正直に生きようとすればするほどすれ違い、四重奏団は空中分解の危機に晒されてしまうのです。
 
 答えのない人間ドラマに観客はハラハラドキドキ。

 全てを吐き出した後、それでも音楽を愛する4人はべートーヴェンを演奏するために再び集まりました。
 なんとか、25周年コンサートの開催にこぎ着けたのです。
 いろんな想いが交錯しつつ織り成されるハーモニーは、深い陰影をたたえていたことでしょう。
 しかしピーターは手が思うように動かず途中でリタイアし、次のチェリストにバトンタッチ(予定通り?)。
 彼の願いである四重奏団の継続が実現した瞬間でもありました。

 人生の辛酸をなめたものだけが味わえる、ほろ苦い“ハッピーエンド”が秀逸。
 この監督、すごい!

★ 5点満点で5点(久しぶり)。
 同監督の他の作品も観てみたい・・・と検索しましたが、今のところ本作品だけの様子。
 第二ヴァイオリンを演じたフィリップ・シーモア・ホフマンは2014年2月に薬物過剰摂取で死亡しています(享年46歳)。合掌。

「遠くでずっとそばにいる」

2014-07-13 18:45:39 | TV放映
2013年、日本映画

<Yahoo 映画より>
【解説】
 狗飼恭子の小説を『夜のピクニック』などの長澤雅彦監督が映画化したミステリードラマ。交通事故の影響で過去10年の記憶をなくしてしまった女性が、失われた記憶をたどっていく中、自身の残酷な過去と向き合う姿を、透明感あふれる映像で描き出す。主演は、『花子の日記』などの倉科カナ。『ツレがうつになりまして。』の中野裕太、人気芸人の徳井義実ら多彩な顔ぶれが共演。『ニューヨーク、アイラブユー』などで国際的に活動を続けている岩井俊二監督が、自作以外で初めて長編劇場映画の音楽を手掛けている。
【あらすじ】
 交通事故の後遺症によって、10年分の記憶を失った志村朔美(倉科カナ)。実年齢は27歳でも、17歳までの記憶しかない朔美は、自分を取り巻く変化に困惑しながらも現状を受け入れ生活していたが、空白の10年間の出来事が気になって仕方がない。付き合っているらしい男(中野裕太)や高校時代の同級生(伽奈)らの助けを借りて、喪失した記憶をたどろうとする朔美だったが……。




<スタッフ>
監督:長澤雅彦
製作:北嶋正、毛塚善文、木村良輔
企画:掛須秀一

<キャスト>
倉科カナ(志村朔美)、中野裕太(細見良彦)、伽奈(大島薫)、清水くるみ(志村美加)、大間ジロー(志村弘二)、他


ミステリー調に味付けした恋愛映画。
小道具や伏線の使い方が上手です。
映像表現、演出、音楽のレベルの高さで飽きさせない佳作だと思います。
ただ、ベースはありがちなストーリーなので、魂を揺さぶるような感動はありません。

なんにしても、若いっていいな。
副題は「永遠の片思い」でしょうか。
理由を知りたい方は是非ご覧ください(笑)。

★ 5点満点で3点。