シリア内戦から祖国を捨てて生き延びる術を探す人々。
それをひねりを効かしたストーリーに仕上げた佳作。
一つのカップルが登場します。
彼らが選択したのは、
男:背中にタトゥーを彫り込み“美術作品”として脱出
女:外交官と結婚することにより脱出
という苦し紛れの方法でした。
しかしいろいろな歪みが生じ、
生活に疲れが出てきて・・・
戦火の故郷に帰る決心をする二人。
人間にとって“幸せ”とは何か?
をあらためて問いかける映画でした。

<解説>
チュニジアの女性監督カウテール・ベン・ハニアが、「もしも生身の人間が芸術作品となり、売買の対象になったら」という設定のもと、移民・難民問題をめぐる偽善や現代アートに関する知的欺瞞を風刺し、理不尽な世界の在りようをユーモアたっぷりに描いた人間ドラマ。内戦の続くシリアから脱出し、難民となったサムは、現代アートの巨匠から驚くべき提案を受ける。それは、サム自身がアート作品になるというものだった。大金と自由を手に入れる代わりに背中にタトゥーを施し、「アート作品」なったサムは、高額で取引される身となる。売買され国境を越えたサムは、やがて恋人に会いに行くのだが……。第77回ベネチア国際映画祭のオリゾンティ部門男優賞受賞。第93回アカデミー国際長編映画賞ノミネート。
2020年製作/104分/G/チュニジア・フランス・ベルギー・スウェーデン・ドイツ・カタール・サウジアラビア合作
原題:L'Homme qui a vendu sa peau
配給:クロックワークス
原題:L'Homme qui a vendu sa peau
配給:クロックワークス
★ 5点満点で4点。