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映画鑑賞

昔の名画から最近上映の映画まで、国内外を問わず幅広く楽しんでいます。別世界へ連れて行ってくれる作品が好み(本棚6)。

「スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐」

2017-01-03 14:00:54 | TV放映
2005年、アメリカ映画。



時系列では3番目のエピソード3は、アナキン・スカイウォーカーがダークサイドに堕ちてゆく過程を描いています。

その主因は「家族を失う不安」。
ジェダイの騎士は感情を理性で完璧にコントロールすることを要求されますが、アニーは母の死に際してその張本人の一族を怒りのままに皆殺しにしてしまいました。
そして妻、パドメの出産の際に死の危険があることを知るにつけ、それを阻止するためにはダークサイドのフォースを用いなければかなわないことを共和国議長のパルパティーン卿(=シス卿)から吹き込まれ、心は千々に乱れ、パドメを愛するがためにジェダイを捨ててダークサイドに身を投じてしまうのでした。

怒り狂う自分を制御できずパドメもなんと自らの手で殺めてしまう悲しい結末。
師であるオビ・ワンとの長時間に及ぶ戦いに敗れ、しかし命だけは助かり、手足がサイボーグ化したダースベイダーとして彼は復活します。

・・・アニーを見ていると、いろんな人物が頭に浮かんできました。

まずは「救急救命室ER」のジョージ・クルーニー演ずる小児科医ダグラス・ロス。
心が優しすぎる彼は、感情に流されて患者のためを思い、許されない治療に手をつけてしまうトラブルメーカー。
最後には病院を追われることになる。

それから、アニメマンガ「NARUTO」のサスケ。
怒り・恨みが彼を強くする(写輪眼・輪廻眼開眼)という設定は、アニーが怒りや不安に出会うたびに強くなることと似ています。
そういえば、NARUTOに出てくる“チャクラ”って、フォースからヒントを得たのかな?

人間は誰しも、不安や恐怖に支配されることがあります。
それをどう処理すべきなのか、という大きなテーマがシリーズの根底に流れていることを今回感じました。
マスター・ヨーダは、アニーから「親しい人と死別する不安・哀しみをどうしたらよいのか?」と相談されたとき、「運命を受け入れて穏やかに送り出すべし」と答えていたことが印象的でした。

★ 5点満点で4点
エピソード2で登場したマスター・ヨーダのパダワン(弟子)であるドゥーニー卿が簡単に死んでしまったのがちょっと解せない。
アニーの心の揺れに共感できましたが、戦闘シーンが長すぎます(^^;)。

「スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃」

2017-01-01 21:11:16 | TV放映
2002年、アメリカ映画



エピソード2は青年となったアナキン・スカイウォーカーを成長物語です。
ジェダイの騎士、オビ・ワン・ケノービのパダワン(弟子)として研鑽を積むアニー。
しかし、元々の彼の荒い性格や、母との死別、警護に就いたナブーの女王パドメとの恋など、彼の心は乱れに乱れます。
理性で感情を完璧にコントロールすることを要求されるジェダイには不適格であることが明らかになっていきます。

ジェダイのマスター・ヨーダはそれを「危険」と気にして、当初(エピソード1)はアニーのジェダイ修行に反対していました。
アニーの不安や怒りが、ダークサイドに引き込まれる要素を感じ取っていたのですね。
その片鱗が見えてきたのが、このエピソード2。

師弟関係にも注目。
オビワンのパダワンはアニー。
シスに取り込まれ政治を混乱させる張本人のドゥークー伯爵はマスター・ヨーダのパダワン。

ヒーローの成長物語に複雑な政治闘争を絡めたストーリーは、舞台が宇宙であること、登場人物が奇妙(宇宙人やロボット)であること、武器が非現実的であること、などを除けば“ふつう”の映画です。
“スペースオペラ”と呼ばれる所以ですね。
戦闘シーンは興味がないので、わたしには退屈でした。

わたしはやはりコアなファンにはなれません(^^;)。

★ 5点満点で3点。

「スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス」

2016-12-31 14:10:08 | TV放映
 年末年始に録画しておいたスターウォーズシリーズ6作を見はじめました。

 スターウォーズ第一作が公開された1977年、わたしは中学生でした。
 同時に「未知との遭遇」も公開され、当時はスターウォーズ派と未知との遭遇派に分かれました。
 
 スターウォーズは「スペースオペラ」と呼ばれる作品で、人間の血なまぐさい戦いの舞台が地球上から宇宙になっただけなので、SF少年だったわたしはストーリーに夢のある未知との遭遇派でした(^^;)。
 まあ、その後スターウォーズも一通り見ましたが・・・。

 わたしの中でのスペースオペラの最高作はエドモンド・ハミルトン原作のキャプテンフューチャー・シリーズですね。
 小中学生の頃むさぼり読んで、SF小説のおもしろさにはまったきっかけとなりました。
 のちに日本でアニメ化もされました(確かNHK)。



 さて、この映画は、言わずと知れたスターウォーズ・シリーズの第4作。
 ストーリーの時系列では最初なので「エピソード1」となっています。
 「ファントム・メナス」とは「見えざる脅威」を意味し、歴史の裏で暗躍するシスの暗黒卿ダース・シディアスのことを指している、とのこと。

 内容は、後に悪の主役ダース・ベイダーとなるアナキン・スカイウォーカーの少年期の物語です。
 あらためて見て感じたことは、宇宙での戦闘はデジタル世代の映像ですが、一方の地上戦ではとってもアナログ的な映像であり、このアンバランスが何とも言えずよい味を出しています。

 主人公の一人を演じるリーアム・ニーソンは、わたしにとって「マイケル・コリンズ」の印象が強すぎてなかなか他の役を演じてもピンと来なくて困ります。

★ 5点満点で3.5点。

「シャニダールの花」(2013年、日本)

2016-10-29 17:20:37 | TV放映
 日本映画はレベルが高いと思っていたのに・・・ちょっと期待外れでした。

 俳優陣の演技の前に、ストーリーの不自然さに納得できなかった私(^^;)。
 私、中学高校生の頃は“SE少年”と呼ばれ、海外のSF小説を読みあさったものですから、半端なストーリーに出会うと我慢できないのです。
 女性の体に“花”を咲かせるのなら、もっと秘密めいた妖艶な演出が欲しかったですね。



監督:石井岳龍
キャスト:綾野剛(大瀧)、黒木華(響子)、 刈谷友衣子(ハルカ)

<解説> (Yahoo! 映画より)
 『その夜の侍』や『新しい靴を買わなくちゃ』などの話題作への出演が続く綾野剛と『東京オアシス』の黒木華が主演を務めた異色ファンタジー。女性の皮膚に植物が芽吹き、美しい花を咲かせるという不思議な現象にまつわるドラマを描く。『五条霊戦記//GOJOE』などの鬼才、石井岳龍が監督を務め、『映画 鈴木先生』の刈谷友衣子や『ほしのふるまち』の山下リオらが共演を果たす。幻想的な物語と登場人物たちの移ろう心模様に引き込まれる。
<あらすじ> (Movie Walkerより)
極少数の限られた女性の胸に謎の植物の芽が現れ、見たこともない美しい花が咲くという不思議な現象が起こっていた。採取したその花の成分は画期的な新薬の開発に繋がることが発見され、製薬会社はその花の提供者を全国から見つけ出し、花の成長を全面的にケアする施設“シャニダール”を発足。その花は“シャニダールの花”と呼ばれ、提供者には億単位の報酬が与えられた。シャニダールで働くことになったセラピストの響子(黒木華)は、植物学者の大瀧(綾野剛)の下、ユリエ(伊藤歩)やミク(山下リオ)ら提供者のケア業務に就く。ある日、ハルカ(刈谷友衣子)という新しい提供者が発見され、早速施設への入居を持ちかけようとハルカの自宅に向かった響子と大瀧であったが、ハルカは頑なに入居を拒むのだった。しかし、響子の不思議な魅力に心を開いたハルカは、一転入居を決意する。そんな中、花の成長に誘われるように、響子と大瀧は次第に恋に落ちていく……。だが、花を採取する際、提供者の女性が謎の死を遂げる事件が相次ぎ、大瀧は施設に不信感を抱き始める。一方、響子はそれが危険な花だと知りながらも、ますますその花の魅力にのめり込んでいく。やがて、互いに惹かれ合っていた二人の運命の歯車が少しずつ狂い始めていくのだった……。


★ 5点満点で2点

「イノセント・ガーデン」(2013年、アメリカ)

2016-10-24 22:37:35 | TV放映
 精神的に異常な遺伝子を有する少女と叔父を描いた映画。
 危ない世界と感じながらも引き込まれる「静謐の美学」を感じました。

 「薔薇の名前」などヨーロッパの名画でたまに出会う雰囲気だけど、監督は韓国人と知って驚きました。
 才能ありそう。



<解説>(Yahoo!映画より)
『オールド・ボーイ』『渇き』などで知られる韓国の鬼才、パク・チャヌク初のハリウッド作となるサスペンス・スリラー。広大な屋敷で暮らす母娘のもとへ、長期間にわたって消息を絶っていた叔父が現れたのを機に、次々と起こる不気味な出来事と、その裏に隠された驚がくの真相を息詰まるタッチで追い掛けていく。主演のオスカー女優ニコール・キッドマンや、『アリス・イン・ワンダーランド』のミア・ワシコウスカを筆頭に、実力派が結集。謎が謎を呼ぶ展開に加え、静謐(せいひつ)な美しさにあふれた映像も必見だ。
<あらすじ>
外の世界を遮断するように建てられた、大きな屋敷に暮らしている少女インディア・ストーカー(ミア・ワシコウスカ)。自身の誕生日に、愛していた父親が交通事故で帰らぬ人となってしまう。彼女は、母(ニコール・キッドマン)と葬儀に参列すると、そこへ行方がわからなくなっていた叔父のチャーリー(マシュー・グード)が突如として姿を現わす。彼と屋敷で暮らすことになるが、それを発端にしてインディアの周囲で不可解な現象が頻発するようになる。


★ 5点満点で3.5点
・・・レベルは高いけど、二度と観たくない映画(^^;)。

「博士と私の危険な関係」(2012年、フランス)

2016-10-14 20:31:22 | TV放映
原題:Augustine
監督:アリス・ウィノクール(フランス語版)
出演者:ヴァンサン・ランドン、ソーコ(フランス語版)、キアラ・マストロヤンニ



<あらすじ>
19世紀フランスにおいて催眠療法で知られた神経科医ジャン=マルタン・シャルコーと若い女性患者オーギュスティーヌの実話をもとに、医師と患者の関係を超えた2人の恋愛のような関係を描いている。 第38回セザール賞では新人監督作品賞にノミネートされた(受賞はならず)。


病院経営に悩む有名な精神科医が、学界の注目を浴びて補助金を獲得する目的で公開催眠術を行い、それに見事成功するという単純なストーリー。
そこに「エロス」というトッピングがなされているのがこの映画の特徴です。

公開催眠術に採用される患者は「卵巣ヒステリー」という病名で、性欲を象徴するような発作の持ち主。
学会重鎮達の興味は、学問的と言うより性的に描かれています。

それを面白いと思えば面白い映画ですし、
興味がなければつまらない映画です。

★ 5点満点で3点。
女性団体からクレームは来ないのだろうか・・・。

「テネシー、我が最愛の地」(2009年、アメリカ)

2016-10-14 20:15:46 | TV放映
原題 That Evening Sun
監督:スコット・ティームズ
出演:ハル・ホルブルック レイ・マッキノン ミア・ワシコウスカ キャリー・プレストン ウォルトン・ゴギンズ



<番組紹介/解説>
老人ホームを脱走して自分の農場に帰って来た老男性だが、農場は息子によって別の家族に貸し出されていて……。ベテラン男優H・ホルブルックが主人公役を熱演したドラマ。
主人公の老男性は農場の離れに住むようになるが、農場を借りる若い家族との間で微妙な関係が続き……。「グラン・トリノ」を思い切り渋くしたような、米国でなら本当にありそうな物語を通じ、世代間の価値観の対立を見る者に考えさせる1本。「イントゥ・ザ・ワイルド」のベテラン男優ホルブルックが主人公である老男性を存在感たっぷりに演じるほか、「アリス・イン・ワンダーランド」のM・ワシコウスカ、TV「グッド・ワイフ」のC・プレストンら、多彩な個性派たちが脇を固める。WOWOWの放送が日本初公開。


印象的な映画でした。

登場人物たちはみな個性的で、それぞれに問題を抱えています。
相手を思う気持ちもあるのですが、かみ合わず、すれ違ってしまう。
ちょっとしたきっかけで、すべてがうまく行きそうな気もするけど、かなわない。

ラストシーンも、ハッピーエンドのような、そうでないような・・・(^^;)。

★ 5点満点で4点
こういう映画、嫌いではありません。

「ストックホルムでワルツを」(2014年、スウェーデン)

2016-10-11 22:16:10 | TV放映
 その昔、ビル・エヴァンスの名曲「ワルツ・フォー・デビー」に歌詞が付いているアルバム「モニカ・ゼタールンド・ウィズ・ビル・エヴァンス
ワルツ・フォー・デビー」に出会い、気に入って一時期よく聴いていました。



YouTube動画(貴重!)

 件名の映画は、この歌姫モニカの半生を描いた作品です。
 「クールな美人シンガー」というイメージが見事に壊され(^^;)、彼女の波瀾万丈の人生が垣間見えてきました。

 レナード・フェザーに見いだされ、アメリカでトミー・フラナガン・トリオをバックに歌うも、不評を買い失望のうちにスウェーデンに舞い戻ったエピソード。
 トミー・フラナガンはハンク・ジョーンズと共にいぶし銀のピアニストですが、彼でさえも楽屋が与えられない黒人差別がまかり通った時代。
 バーで偶然会ったエラ・フィッツジェラルドから「人の真似でなく自分の気持ちを歌いなさいよ」とこき下ろされる。

 二度目のアメリカ行きは、憧れのビル・エヴァンスに自らがデモテープを売り込んで勝ち取った共演です。
 クールで洗練されたヴォーカルが心地よいステージ。
 観客席には頷いて聴くエラの姿もありました。



【スタッフ】(Amazon
監督:ペール・フライ
【キャスト】
エッダ・マグナソン スベリル・グドナソン シェル・ベリィクヴィスト

【解説】
 スウェーデンが生んだ世界的ジャズシンガー、モニカ・ゼタールンド。モダンジャズ全盛期の1961年に、英語ではなく母国語でジャズを歌った試みによりスターダムにのし上がり、巨匠ビル・エヴァンスとの共演「ワルツ・フォー・デビー」で国際的な名声を築いた歌姫だ。本作はモニカが歌手として頂点を極めるまでの波乱に富む数年間に焦点を当てた実話である。ドラマを彩るのは、誰もが1度は耳にしたことがあるモニカが歌うジャズの名曲の数々。そして背景となる1960年代の北欧デザインのインテリアや雑貨、ファッションを再現したお洒落な美術も大きな見どころだ。スウェーデンのアカデミー賞[ゴールデン・ビートル賞]で2014年度最多11部門にノミネートされ、最優秀監督賞・最優秀主演女優賞など4部門を受賞。北欧中を熱い涙で包んだ感動のサクセス・ストーリー!

○モニカ・ゼタールンドとは○
1937年、スウェーデンに生まれる。父の影響で、幼いころからジャズに親しみ、父のダンスバンドでヴォーカルをつとめた。1957年、タレントスカウトに発掘されて活動を始め、翌年最初のアルバム『Swedish Sensation』をリリース。同時期、スウェーデンを代表するサックス奏者、アムネ・ドムネラスのバンドで歌ったことで注目を集め1960年にアメリカへ進出するが、望んでいた収穫は得られなかった。帰国後、ジャズのスタンダードナンバーにスウェーデン語の歌詞をつけて歌い始め、その画期的な試みがセンセーションを巻き起こす。1964年、モダンジャズの巨匠ビル・エヴァンスと共作したアルバム『ワルツ・フォー・デビー』を発表し、その名は世界中のジャズ・ファンが知るものとなった。2005年5月、ストックホルムの自宅アパートで起きた火災に巻き込まれて死去。享年67歳。

【ストーリー】
首都ストックホルムから遠く離れた田舎町に両親と5歳の娘と暮らしているシングルマザーのモニカは、電話交換手の仕事をしながら、時折深夜バスでストックホルムまで出向き、ジャズクラブで歌手としてステージに立つ忙しい日々を送っていた。いつか歌で成功し、この町を出て娘と2人で幸せに暮らせる日が来ることを夢見るモニカに、厳格な父は《母親失格》のレッテルを貼り歌の仕事に反対をしていた。そんな時、モニカの歌を聞いた評論家の誘いによりニューヨークで歌うチャンスが与えられる。一世一代のチャンスに、ジャズの聖地に乗り込むモニカだが、ライブは無残な結果となり、さらには憧れの歌手から「誰かのマネより自分らしい歌を歌いなさい」と厳しい批判を受ける。その評判は故郷まで届き、父は歌をやめ母親業に専念するよう言い放つ。落ち込むモニカだが、ある日バンドメンバーの助言により、母国語(スウェーデン語)でジャズを歌うことを思いつく。誰もが予想していなかったこの歌声は、次第にスウェーデン中の人々の心に響くようになり、モニカは夢のステージへの階段を一歩ずつ上り始めていくのだった―。


★ 5点満点で3点
 しかしジャズの世界ってタバコとアルコールまみれで不健康ですねえ。

「グリーン・マイル」(1999年、アメリカ)

2016-10-10 09:11:41 | TV放映
監督: フランク・ダラボン
原作者: スティーヴン・キング
出演:マイケル・クラーク・ダンカン、トム・ハンクス (ポール・エッジコム)、ダグ・ハッチソン、デヴィッド・モース、サム・ロックウェル



<解説> Amazonレビュー
大恐慌の35年。ジョージア州の刑務所で看守を務めていたポール・エッジコムは、大男ながら暗がりを怖がる黒人死刑囚のコフィーに興味をもつ。あるときコフィーがポールに触れただけで、重度の尿路感染症を治してしまったからだ。コフィーの不思議な力に触れた看守たちは、なんとかコフィーを死刑から救おうとする。
トム・ハンクスが看守ポールを、大男コフィーをマイケル・クラーク・ダンカンが演じた感動作である。スティーブン・キングのベストセラーを、「ショーシャンクの空に」でもキングの小説に挑んだフランク・ダラボンが監督した。ポールの仲間に、好漢デヴィッド・モースとバリー・ペッパーが扮している。注目の若手俳優、サム・ロックウェルの悪役ぶりも強烈だ。3時間8分という長い作品となっている。


刑務所にやってきた殺人犯の巨人は、実は神の使いの超能力者であった・・・というファンタジーです。
善人と悪人をはっきり区別したがる設定や、変に美化する傾向に矛盾とおごりを感じました。
私はクリスチャンではないので理解できないのかもしれません。

すべての悪人には犯罪に至らざるを得ないバックグラウンドがあると思っています。
そこを描いて、やるせない人間の業を浮かび上がらせた作品は後世に残りますが、この作品は忘れ去られるでしょう。

★ 5点満点で3点
 トム・ハンクスは二枚目ではなくどこにでもいるふつうのアメリカ人という風貌ですが、演技は深いですね。

「ギルバート・グレイプ」(1993年、アメリカ)

2016-09-30 07:13:36 | TV放映
 TV録画で観ました。



 アメリカの田舎町の、一家族の日常を描いた内容です。
 しかしその家族、出口の見えない様々な問題を抱えています。
 小さな幸せに喜び、トラブルに振り回され、悲しみに沈む様子にいろいろ考えさせるところがありました。

 この映画の見所は、ジョニー・デップとディカプリオの共演でしょうか。
 二人とも良い味を出しています。
 とくにディカプリオ。知的障害(ASD?)を持つ少年を演じていますが、役になりきっていて、その違和感のない振る舞いに見入りました。

<解説>(Yahoo!映画
 「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」のL・ハルストレム監督による青春映画。アイオワ州エンドーラ。生まれてから24年、この退屈な町を出たことがない青年ギルバートは、知的障害を持つ弟アーニー、過食症を病む250kgの母親、2人の姉妹の面倒を見ている。毎日を生きるだけで精一杯のギルバートの前に、ある日トレーラー・ハウスで祖母と旅を続ける少女ベッキーが現れる。ベッキーの出現によりギルバートの疲弊した心にも少しずつ変化が起こっていく……。

監督:ラッセ・ハルストレム
出演者:ジョニー・デップ、レオナルド・ディカプリオ、ジュリエット・ルイス


★ 5点満点で4点。