私が学生時代を過ごした北国の町の駅前はさびれていました。
めぼしい建物は、駅の正面にある映画館。
それも成人映画専門なので、昼間に人の出入りはほとんどありません。
夜になると、人目を気にしながらコソコソ入る男達。
例に漏れず、私も何回か見に行ったことがあります。
たぶん、その時に放映されていた映画は日活ロマンポルノだったと思われます。
さて、最近その日活ロマンポルノが再評価されているらしい。
NHKアナザーストーリーズで取り上げられました(2016.11.22放映)。
斜陽化した日活が方針転換を迫られ、苦し紛れに手を出したのがピンク映画(あるいは成人映画)でした。
落胆し辞表を提出してやめていった社員は300名もいたそうです。
しかし、映画と関わって生きていきたいという社員は残りました。
安い予算で量産し、10分に1回は濡れ場を入れ、1本の長さが70分以内、というルールが決められました。
もともと一流の映画人が撮ったロマンポルノは、それまでのピンク映画とは一線を画し、質が高いと評判になりました。第一作は話題を呼んだものの、しかし内容は公序良俗に反する「ワイセツ物」として警察に摘発され、裁判も始まりました。
一方では雑誌「キネマ旬報」が年間ベストテンの中にロマンポルノをランクインさせるなど、社会を揺るがすほどの論議を呼んでのでした。
1971年から1988年の17年間に1100本が作られたそうです。
1988年、私が大学を卒業した年ですね。
時代の谷間に咲いたあだ花的なロマンポルノですが、「10分に1回は濡れ場を入れる」以外のルールがなかったことで、監督は自由な表現を盛り込むこともでき、それが次の時代への人材を育てるステップにもなったのでした。
■ 『アナザーストーリーズ 運命の分岐点「ロマンポルノという闘い 日活・どん底からの挑戦」』
初回:NHK BSプレミアム 2016年11月16日(水) 午後9時00分(60分)
再放送:NHK BSプレミアム 2017年2月1日(水) 午後9時00分

1970年代、名門日活が経営難から突然ポルノ路線に舵(かじ)を切った。「ロマンポルノ」。だがその現場から「天と地と」や「リング」につながる名監督やプロデューサーが続々生まれる。その知られざる舞台ウラ!のちに「セーラー服と機関銃」を手がける伊地智啓が語る、葛藤と覚悟とは?警察からの摘発、裁判、そこに予想もしなかった味方が!今だからこそ語れる思いを、第1作の主演女優、スクリプターらが赤裸々に明かす。
【出演者】
☆映画プロデューサー 伊地智啓(いじち・けい)
「セーラー服と機関銃」をはじめ数々のヒット作を手掛けた伊地智は、監督昇進目前に、助監督からプロデューサーに転向。ロマンポルノの始動に携わった。
☆女優 白川和子
ロマンポルノ第一作「団地妻 昼下りの情事」の主演女優。白川は「映画の火を消してはならない」という強い決意を抱いて撮影現場に臨んだ。
☆映画監督 中田秀夫
「リング」などでJホラーの旗手として世界的にも評価が高い中田は、ロマンポルノ終了の3年前に日活に入社。 映画づくりをロマンポルノの現場で学んだ。
【司会】沢尻エリカ,【語り】濱田岳
めぼしい建物は、駅の正面にある映画館。
それも成人映画専門なので、昼間に人の出入りはほとんどありません。
夜になると、人目を気にしながらコソコソ入る男達。
例に漏れず、私も何回か見に行ったことがあります。
たぶん、その時に放映されていた映画は日活ロマンポルノだったと思われます。
さて、最近その日活ロマンポルノが再評価されているらしい。
NHKアナザーストーリーズで取り上げられました(2016.11.22放映)。
斜陽化した日活が方針転換を迫られ、苦し紛れに手を出したのがピンク映画(あるいは成人映画)でした。
落胆し辞表を提出してやめていった社員は300名もいたそうです。
しかし、映画と関わって生きていきたいという社員は残りました。
安い予算で量産し、10分に1回は濡れ場を入れ、1本の長さが70分以内、というルールが決められました。
もともと一流の映画人が撮ったロマンポルノは、それまでのピンク映画とは一線を画し、質が高いと評判になりました。第一作は話題を呼んだものの、しかし内容は公序良俗に反する「ワイセツ物」として警察に摘発され、裁判も始まりました。
一方では雑誌「キネマ旬報」が年間ベストテンの中にロマンポルノをランクインさせるなど、社会を揺るがすほどの論議を呼んでのでした。
1971年から1988年の17年間に1100本が作られたそうです。
1988年、私が大学を卒業した年ですね。
時代の谷間に咲いたあだ花的なロマンポルノですが、「10分に1回は濡れ場を入れる」以外のルールがなかったことで、監督は自由な表現を盛り込むこともでき、それが次の時代への人材を育てるステップにもなったのでした。
■ 『アナザーストーリーズ 運命の分岐点「ロマンポルノという闘い 日活・どん底からの挑戦」』
初回:NHK BSプレミアム 2016年11月16日(水) 午後9時00分(60分)
再放送:NHK BSプレミアム 2017年2月1日(水) 午後9時00分

1970年代、名門日活が経営難から突然ポルノ路線に舵(かじ)を切った。「ロマンポルノ」。だがその現場から「天と地と」や「リング」につながる名監督やプロデューサーが続々生まれる。その知られざる舞台ウラ!のちに「セーラー服と機関銃」を手がける伊地智啓が語る、葛藤と覚悟とは?警察からの摘発、裁判、そこに予想もしなかった味方が!今だからこそ語れる思いを、第1作の主演女優、スクリプターらが赤裸々に明かす。
【出演者】
☆映画プロデューサー 伊地智啓(いじち・けい)
「セーラー服と機関銃」をはじめ数々のヒット作を手掛けた伊地智は、監督昇進目前に、助監督からプロデューサーに転向。ロマンポルノの始動に携わった。
☆女優 白川和子
ロマンポルノ第一作「団地妻 昼下りの情事」の主演女優。白川は「映画の火を消してはならない」という強い決意を抱いて撮影現場に臨んだ。
☆映画監督 中田秀夫
「リング」などでJホラーの旗手として世界的にも評価が高い中田は、ロマンポルノ終了の3年前に日活に入社。 映画づくりをロマンポルノの現場で学んだ。
【司会】沢尻エリカ,【語り】濱田岳