新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
孫たちの将来に禍根を残さないよう、よき日本を「取り戻したい」。

ゼレンスキーの勇み足がウクライナの悲劇を大きくする

2024年08月26日 11時27分04秒 | 戦争と歴史

他所の国のトップを決める大統領選に対しては、威勢の良いことをいう日本のマスメディア。
 
『社説』ハリス氏は政策で大統領の資質を示せ
 

米国の明るい将来像を描いて聴衆を鼓舞し、ひとまず挙党態勢を演出できたとはいえる。これからは政策も説得力をもって語り、超大国を率いるリーダーとしての資質を備えていることを証明しなければならない。
民主党の大統領候補に指名を受けたハリス副大統領が受諾演説に臨んだ。「最も高い志のもとで国民を束ねる大統領になる」「(米国には)無限の可能性がある」。こうした前向きな言葉をちりばめて支持者を熱狂させ、4日間の党大会を締めくくった。
インド系の母とジャマイカ系の父を持ち、検察官や上院議員のキャリアを歩んだ。初の黒人女性、アジア系の大統領をめざす自らの生い立ちを踏まえた言説は、多様な有権者の共感を得る効果を狙ったものだろう。
「強い中間層を築くのが決定的な目標だ。私も中間層出身だ」と訴えたのは、不動産王の経歴を誇示する共和党のトランプ前大統領との対比を意識した。「彼をホワイトハウスに戻すことの結果は極めて深刻だ」と危機感をあおるバイデン大統領の手法もまねた。
もっとも「反トランプ」だけで有権者をひき付けられるかは疑問である。ハリス氏はバイデン氏の選挙戦撤退を受け、大統領候補の座が転がり込んできた。幅広い政策などが吟味される通常の予備選を勝ち抜いたわけではない。投開票日まで2カ月半でその点が問われなければならない。
米国民の関心が高い物価高への対応はその一例だ。先に発表した経済政策はインフレ対策の一環で価格を統制し、従わない企業に罰則を科す内容を盛った。専門家からは実効性に疑問の声があがる。エネルギー政策や医療保険制度を巡って上院議員時代から考え方を改めた点についても、説明を尽くしていないとの指摘がある。
受諾演説で、同盟国との国際協調を重んじるバイデン政権の外交路線を踏襲すると宣言した点は評価できる。「世界における米国のリーダーシップを放棄せず、強化する」という発言の具体的な中身を聞いてみたい。
ハリス、トランプ両氏による9月10日の初のテレビ討論会はその絶好の場である。ハリス氏はバイデン氏の後継の座を固めて以降、長い時間のインタビューや記者会見に応じていない。討論会にとどまらず、政策について話す機会を積極的に設けるべきだ。

 
確かに言っていることは間違ってはいない。
 
ましてや、超大国を率いるリーダーの選挙となればそれ相応の資質が問われるのは当然であろう。
 
だから日本のトップリーダーになる候補者に対しても昨日のつぶやきでも、「総裁選候補の政策をメディアは厳しく評価しなければならない」と指摘した。

 


 
しかしながら、日本のマスメディアは「刷新」の演出に精を出し、候補者の本質を引き出す記事を書くことができないようである。
 
精々、候補者連中がこんな「ニックネーム」で呼ばれるのが「関の山」かもしれない。  

・レジ袋・進次郎
・ツボホーク小林君
・ブロック太郎
・キツネ目の男・茂木
・産まずして何が女性か
・軍事オタクのアンポンタン石破君
(以上は「くろねこの短語」より抜粋。
 
こんな「お花畑ムード満載」の日本だが、目を世界に向けるとかなり悲惨な状況が続いている。
 
ロシア領内への越境攻撃という大胆な作戦に出たゼレンスキー大統領。多くのメディアが「大きな賭け」と報じていたが、はたしてウクライナにとってこの賭けは「吉」と出るのだろうか。今回のメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』では元国連紛争調停官の島田さんが、越境攻撃に対するNATOや各国の反応を分析。その上で、ウクライナにとっての「明るくない未来」を予想していた。
 
激怒のプーチン。ウクライナの越境攻撃でメンツを丸潰れにされた独裁者が加える激烈な報復
 

■「罪人は厳しく処罰されなくてはならない」。ウクライナの越境攻撃に激怒のプーチ
メンツをつぶされたロシアとイラン‐危険な賭けに出たネタニエフ首相とゼレンスキー大統領の狙いとは?
「もうこれで今後何が起こるか予測できなくなった。ゼレンスキー大統領もネタニエフ首相も何を狙っているのだろうか?」
これは報じられていませんが、イスラエルとハマスの紛争と同時進行で、ロシアとウクライナの間での部分停戦の交渉を仲介していたカタールのムハンマド首相兼外相とその周辺が漏らした“本音”です。
事態のエスカレーションが大きく懸念されるロシア・ウクライナフロントと、イスラエルとハマスの終わらない戦いの両面において、ウクライナはロシアに対して、イスラエルはイランに対して、共に相手国が許容できないような軍事的挑発行動を行い、両首脳の面子を潰すという大きくかつ危険な賭けを行いました。
ロシアもイランも大規模な報復攻撃を公言し、その内容によっては地球規模での破滅に繋がりかけない状況を生み出しかねませんが、ロシア・ウクライナ戦争と、イスラエルとイラン・ハマス・ヒズボラの“戦い”は、今後の国際情勢の行方を左右しかねない極めて危険な状態を生み出しかねません。
ウクライナによるロシア・クルスク州への越境攻撃は、ウクライナを支援するアメリカ政府に対してさえ事前に協議されていなかったようですが、この危険な賭けを行うことによってモスクワに対して刃を向けることに繋がり、かつロシア国民に戦争をさらに身近に意識させることに繋がったことは間違いありません。
しかし、ロシア国民に厭戦機運を生み出し、プーチン大統領に対する支持を揺るがせるということを狙いにしたのであれば、攻撃対象にされたクルスク州の住民を除けば、あまり効果が出ていないようで、「ロシアに対して攻撃を加えるとは何事か」と非常に身勝手な心境を拡大し、ゼレンスキー大統領の狙いとは逆に、プーチン大統領によるウクライナ破壊を支持する勢力の拡大に繋がるのではないかとの分析も多数存在します。
今後、ウクライナの“快進撃”を継続するためには迅速な欧米諸国からの追加軍事支援と、ウクライナがずっと要求している長距離射程の兵器の対ロ攻撃使用の許可がNATO諸国から行われる必要がありますが、8月6日の越境攻撃以降、NATO諸国からはあまり前向きな情報は聞こえてきません。
また最近、やっとF16がウクライナに引き渡されていますが、20機弱の供与でロシアの航空部隊に対峙するのは現実的ではないと考えられるため、F16の配備は、まだ象徴的なものにすぎないと思われます。
■レッドラインを越えた報いをウクライナに与えるよう命じたプーチン
今後、ロシアがクルスク州の奪還というダイレクトな目的を追求するのか。それとも、クルスクを囮にして、一気にウクライナ軍の背後を突いてウクライナ全土への苛烈な攻撃に転じるのか?または、キーウに対して本格的なミサイル攻撃を仕掛けて、大規模な破壊に出るのか?
または、核兵器は使用しなくても、ザポリージャ原発への攻撃を加えて、間接的に核の脅威を現実のものとしてウクライナの破壊を試みるのか?
いろいろな恐怖の報復シナリオが考えられますが、ロシアがこのままやられているとは考えられず、ここ1週間ほどの展開を非常に懸念しています。
実際に、ウクライナ軍が精鋭部隊を振り分けて、クルスク州などへのロシア領内の集落へ侵攻を続ける間に、ロシア軍はドネツク州における物流の拠点であるトレツク市を攻略すべく兵を進め、同時にポクロフスク市の攻略も目指しているとの情報が入っており、安易にウクライナ軍が有利になってきていると見るのは危険です。
プーチン大統領は閣僚および軍のトップに対して「罪人は厳しく処罰されなくてはならない」と喝を入れ、ウクライナへの攻勢を強め、かつウクライナによるロシア領への攻撃というレッドラインを越えたことへの報いをウクライナに与えるように命じています。
また核兵器使用のための部隊の司令官にも即時対応態勢を命じたという情報も入ってきています。
ゼレンスキー大統領は繰り返し「今回の攻撃でロシアのレッドラインが無効であることを証明した」と発言し、「NATO諸国は過剰にロシアを恐れることなく、今こそウクライナを全力で支援し、ロシアの企てを挫くときだ」と訴えていますが、様々な情報を総括すると、現時点でNATO諸国内にそれを本気に捉える国々はなく、また供与した武器がロシア領内への攻撃に使用されていることで、自ずから対ロ戦争に引きずり込まれることを恐れ、ウクライナ支援を控えているようです。
NATOの事務局の専門家によると「ロシアの設定したレッドラインは存在し、今回のウクライナによる越境攻撃はロシアに、ウクライナのみならず、NATO諸国への攻撃を行う口実を与えてしまったのではないかと恐れている。核兵器の使用はNATOの非核兵器によるロシアへの攻撃に繋がると警告しているため、核兵器の使用には非常に慎重になるものと“望んで”いるが、問題はNATOの即応能力だ。迅速に対応できるのであれば、ロシアの暴発(核兵器の使用)を防ぐことはできるかもしれないが、トルコやハンガリーなどNATOの全会一致の制度を政治利用して自国の要求を通す傾向や、ロシア・ウクライナに隣接する東端の加盟国は、有志国で独自の対応を取ろうとする動きもあるため、即応性にはマイナスとなり、ロシアに時間稼ぎを許す可能性がある。NATO諸国はロシアの核兵器使用という最悪の事態にあらかじめ備えておき、使用の際に具体的にどのような行動を取るかを決めておく必要(その際に議論は必要なく、事務局長のサインで発動できるようにしておく必要)がある。それは自国軍の独自性を失いたくないNATO加盟国には、実際には受け入れられないだろうが」と率直な懸念が存在します。
そしてNATO事務局的には「今回のウクライナの越境攻撃は、決して褒められたものではなく、ゼレンスキー大統領はバックアップの確約と確証もないまま、ロシアが設定したレッドラインに挑戦してしまった。ウクライナが再三要求する長距離兵器をロシアへの攻撃に使用する許可については、正直認めるべきではないと考える」とのことで、ウクライナは「NATOは助けてくれるだろう」という淡い期待をベースに大胆な決断を行ってしまったことが分かります。
■次々とウクライナ戦争の停戦仲介から身を引く有力国
さらにロシアとウクライナの間を取り持ち、部分停戦に持ち込む交渉を水面下で仲介していたカタール政府も「今回の越境攻撃によって交渉への機運は吹き飛び、すべてはまたゼロに戻ったか、マイナスの状態になったと思われる」と失望感を示したうえで、「カタールとしては、現状ではこの案件にこれ以上力を注ぐことは現実的ではなく、イスラエルとハマスの案件に注力すべきだと考えている。もちろん、こちらも決して容易なことではないが」と仲介の停止を示唆しています。
仲介に意欲を示していたトルコも、中国も、今回の越境攻撃を受けて「今は停戦に向けた話し合いをするタイミングではない。せっかくの機会をウクライナが潰してしまった」と考え、ロシア・ウクライナ戦争から一旦距離を置く選択をしているようです。
そのような時に、私にとってサプライズはインドのモディ首相が近くキーウを訪問してゼレンスキー大統領と会談するというニュースですが、いろいろと情報収集を試みてみたところ、目的は「インド政府が考える出口の在り方について伝え、その方向性にウクライナが沿うことが出来るのであれば、モディ首相自らが仲介の労を担うオファーをすること」が含まれているということです。
ロシアと親密な関係があり、プーチン大統領も一目を置く存在のモディ首相が仲介に乗り出せば何かしらポジティブな解が見つかるかもしれませんが、今回の越境攻撃を受けてロシア側の態度が硬化しており、ウクライナへの厳しい報復を後押しするロシア国民の世論の高まりにより、ロシア側は「交渉のための窓口は閉めない」と強調するものの、「交渉するにしてもon Russia’s terms」という強い姿勢をさらに強めていると思われることと、アメリカの後ろ盾とバイデン大統領の空約束を受けて「まだロシアを押し返せるのではないか」とゼレンスキー大統領が信じているらしいこともあり、インド政府は「オファーはするが、高い期待はしていない」という見解を示しています。
ロシアとウクライナの戦いはまさに泥沼化し、ずるずると長期化する背後で、ウクライナ側のNATO諸国からのサポートが先細りし、時間が経つごとにウクライナが窮地に追い込まれるのではないかと予想します。

 
ロシアとウクライナの兵力は圧倒的にロシアが勝っており、ウクライナはNATO諸国と米国の支援なしで戦闘の継続は困難であり、しかもNATO諸国の中には「厭戦気分」もでている。
 
2国間の戦争は最終的にはトップリーダーのメンツ合戦となり、そのために自国民の生命が奪われているという、負のスパイラルが止まらないのではないだろうか、とオジサンは思う。 

 

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