goo blog サービス終了のお知らせ 

CPNN(平和の文化ニュースネットワーク):国連の「世界の子どもたちのための平和と非暴力の文化国際10年」(2001~2010)

生命尊重・非暴力・助け合い・良く聞く・地球環境・寛容と連帯・男女平等・民主主義の記事を配信します。

Miracle Worker

2012-05-25 13:25:56 | 映画・ビデオ
レポーター:礼貴

 映画「Miracle Worker」はヘレンケラーが言葉を獲得していくにあたって、家庭教師として雇われたサリバン先生がヘレンと格闘しながら、また家族の放任と闘いながら取り組んだ記録である。原作は劇場上演用に作られているが、ほぼその台本に沿って映画のシナリオが構成されている。
 到着して早々に部屋に閉じ込められ、外からカギをかけられてしまうという事態に遭遇し、サリバン先生はこのヘレンが並々ならぬ知恵を持っていると判断する。毎日のように指文字で単語を教えるが、ヘレンはあらゆるものにことばがついていることを理解できない。
 結局家族と一緒にいると自立して生きていこうとしないので、サリバン先生は敷地内ではあるが、家族と切り離されたヘレンと生活をともにしながら2週間ことばを教え続ける。約束の日、夕食会でヘレンが前と同じように家族の皿から自由に食べ物をとって甘えているのを見てやめさせようとするが水差しの水をかけられてしまう。サリバン先生はヘレンを連れて井戸まで行って、水を汲ませようとしてヘレンが「水」ということばの存在をつかんだことを知る。
 「大地」「階段」「ポンプ」…ヘレンが次から次へと指差すものを、サリバン先生は指文字でスペルを表現していく。人間が言葉を獲得する瞬間だ。
 人間にとって言葉を獲得することがどれほど意味のあることなのか、改めて考えさせてくれる映画である。

コメント
 「奇跡の人」と日本語では訳されていますが、この奇跡の人はヘレンケラーではなくサリバン先生のことなんですね。人間が人間らしく生きること、それが平和や非暴力の文化にとって大事なんですね。

キーワード
(1)生命の尊重  (2)傾聴


ウルトラミラクルラブストーリー

2011-06-03 09:43:19 | 映画・ビデオ
レポーター:olympas

 主演・松山ケンイチ。監督・横浜聡子。青森県が舞台。全編津軽弁。陽人(松山ケンイチ)は農業を営みながら一人で暮らしている青年。近親者にモツ(渡辺美佐子)がおり、近くに暮らしている。陽人は落ち着きがない。農協に10数円しか持たずに「農薬けろ!」と押しかけ暴れる程。「脳ミソが人とは違」い、「頭の中をヘリコプターが走る」ためらしい。ある日、東京から町子という保育士がやってくる。保育園のイモ掘り担当として陽人と出会う。陽人は町子に心を奪われる。
 ある日、陽人は散歩中に小学生に声をかけ、畑で遊ぶ。なぜか陽人は畑に顔だけ出して埋まる。小学生は農薬の機械が転がっているのを見つけ、キャベツと陽人に農薬を撒く。空になると飽きてどこかへ行ってしまった。病院で目を覚ました陽人は「静かだじゃ」とつぶやく。これを機に「ヘリコプターがスイスイ走る」ようになった。陽人は町子を待ち伏せし「“進化”の授業がしたいという話をしながら一緒に帰る。
 町子に「人が変わったみたい」と言われ「前のわーと今のわーどっちがいいべ?」と聞くと「今かな」と言われ喜ぶ陽人。自分の薬は農薬だと信じ、進化できると信じ、町子を振り向かせたい一心で農薬を浴び続ける陽人。その直向きさに心を打たれる。

モデレーターのコメント
 『ウルトラミラクルラブストーリー』とあるように、現実的には起こりえないような話ですが、人間の心というものがどのように開いていくのか、それを教えてくれる映画ともいえますね。

ピースキー:
(1)生命の尊重  (4)傾聴   

God father 1.2

2011-06-03 09:41:38 | 映画・ビデオ
レポーター:ぽん

 この映画はイタリア シチリア島出身のニューヨークマフィア、ニューヨークに数あるマフィアの中でゴッドファーザーと呼ばれたドン・コルレオーネとその息子、マイケル・コルレオーネの物語です。マイケルは父の家業そのものを否定し、自分は絶対にマフィアにはならないと自分に言い聞かせ軍人として妹の結婚式に出席する所から物語は始まります。
 この後は、様々に物語は動いて行きます。麻薬に反対した父への暗殺未遂、血で血を洗う復讐の連鎖、組織の後継者だった兄の死、ドンと後継者を失った組織への幹部の裏切り、粛清、そして家族をファミリー(組織)を守る為に、二代目のドンとなり強引な方法で力をつけるマイケル。
 この映画で私が最も印象的だったのは最後のシーンです。「この世で歴史が証明している1つだけ確かな事がある、、、人は殺せるってことだ」ここまでマフィアの世界に染まったマイケルが最後のシーンで思い出したのは、父がいて、兄達がいて、仲間がいる、父の誕生日パーティの情景でした。
 今はもう失ってしまった物ばかり、家族を守る為にファミリー(組織)を作った父と、ファミリー(組織)を守る為に家族を失ってしまったマイケルとの対比が最後に表されています。
 一見この映画は暴力描写の格好よさや、マフィアの生き様を描いただけの様に見えますが、家族の絆と愛憎、そして暴力を使って何かを成し遂げることは、同様に何かを失ってしまう可能性を持っているということも表していると私は感じました。

モデレーターのコメント
 決して新しくない映画ですが、テーマソングとともに人間とは何か、家族とは何かを私たちに問いかける映画ですね。暴力が使われる映画はなかなか評価しにくいところですが、その映画がめざしているテーマがはっきりしていると、たとえ殺しの場面でも表現が変わってきます。

ピースキー:
(1)生命の尊重  (2)非暴力   (3)助け合い  


ランドリー

2011-06-03 09:39:55 | 映画・ビデオ
レポーター:lan

 この映画は、知的障害を持った青年テル(窪塚洋介)と、心に傷を負った水絵(小雪)を中心とした話です。テルは、祖母の経営するコインランドリーで、洗濯物を盗まれないようにと監視をする仕事を任されています。水絵の忘れ物の洗濯物を届けるためにと、この後いろいろと展開されていきます。
 主人公のテルが純粋なまっすぐさや、一生懸命な姿に癒されて、また感動できます。映画の名前の通りに、心が洗濯されるような映画です。観終わった後には心がすっと軽くなり、温かな気持ちにさせてくれます。疲れたとき、気持ちをリセットしたいときにおすすめです。人との繋がりっていいなと感じます。テルだけではなく、コインランドリーを利用しているお客さんなど、登場人物も非常に面白くて飽きさせません。BGMもよく映画と合っていて、映画の雰囲気を引き立ててくれます。窪塚さんの演技力の高さにも、注目してほしいです。これから先何度も繰り返し観たくなるような映画です。

モデレーターのコメント
 物語の構成としても見たくなるような映画ですね。知的障害の人々は本当に「純粋なまっすぐさや、一生懸命な姿」を見せてくれます。だから「害」などということばを使うには抵抗もあります。私たちがこの世界の人間関係で失っているものをもう一度教えてくれる存在でもあります。是非見てみたい映画ですね。

ピースキー:
(1)生命の尊重  (4)傾聴   (8)民主主義

闇の子供たち

2011-06-03 09:21:37 | 映画・ビデオ
レポーター:ロマンチスト

闇の子供たち

 この作品を見るのには勇気がいりました。
 実際に人身売買の話を聞いたことはありましたが、都市伝説的な側面があるのかなと思っていました。しかし、それは実際に存在し、子供には値段が付けられている現実がありました。
 日本にも以前は、間引きと呼ばれる嬰児殺しをする文化が存在していました。それと比べることはできないけれども、子供が子供の意志に関係なく殺されたり、モノとして値札が貼られる現実には非常にやるせない気持ちを感じました。生まれは運命的で、選びようがありませんが、この作品の子供たちには、自らの生死を選ぶ権利もなく、ただの消費物としての人生を歩んでいます。
 子どもの権利条約という権利を考えた時に、それが真に必要とされるのは子どもたちであり、道具やモノではない一個の生命体としての尊厳を尊重するのは、周りの大人達に依拠せざるをえません。結局は子どもが子どもらしく生きるということは、周りの環境によって作られます。従って子どもの権利条約は、子どものための権利ではありますが、周りの大人への物言わぬ子どもたちの宣言文と言えるのではないでしょうか。
 喜んで楽しいよと、人に勧める映画ではありませんが、現実から目を背けてはいけないという思いからこの作品を紹介したいと思います。

モデレーターのコメント
 確かに「楽しい」映画ではありませんが、この映画を見て真剣に考えることができるならばそれは平和の文化に値するものだと思います。現実に子ども達が売買されている事実の告発であり、子どもを尊重する立場に立っています。

ピースキー:
(1)生命の尊重  (2)非暴力   (4)傾聴   


映画『山びこ学校』

2011-06-03 09:11:59 | 映画・ビデオ
レポーター:ASKA

 山形県山元村の新制中学生の作文集「山びこ学校」が原作の作品です。戦後貧しかった時代、小さな寒村の子どもたちが、学級会議を通じてお互いの助け合いや話し合い(民主主義)の大切さを知り、貧困の中でもたくましく生きていく姿を描いた作品です。例えば、修学旅行費のない仲間のために生徒みんなが杉皮運びの仕事をしてそのお金を作ったり、母が亡くなり働かねばならなくなった仲間のために、家の畑仕事を手伝い、一緒に卒業しようとするなど、様々な活動が行われました。これらは、すべて子どもたちが学級会議の中で話し合い、みんなで決めて行ったことです。そして、そんな生徒たちを支えたのは、戦後に生活経験主義教育を目指した無着(むちゃく)先生でした。
 現代では、「仲間のためにお金を稼ぐ」どころか「みんなで何かをやる」こと自体難しい時代になっています。しかし、「何故このような教育ができたのか」という理由を考えることが現代の民主主義の発展や連帯の絆を深めることにつながると思います。また、無着先生の「貧乏は恥ではない、どうしたら自分たちの貧乏をなくすことが出来るか、一緒に考えることが大切だ」という言葉がとても印象に残っています。この言葉は、現代のワーキングプアやホームレス、ネットカフェ難民などの貧困問題を考える上でも生きると思います。

モデレーターのコメント
 民主主義とは何か、連帯とは何かを私たちに教えてくれる作品ですね。作られた物語ではなく事実を書いたものであり、だからこそ読者の心にも響くものがあります。現代の人間関係において、この話をどのように発展させて言ったらよいのか考える必要がありますね。

ピースキー:
(1)生命の尊重  (3)助け合い  (6)寛容と連帯  (8)民主主義

MINDGAME

2011-05-27 06:35:08 | 映画・ビデオ
タイトル: レポーター:ねじ式
      
MINDGAME

MINDGAMEは、ロビン西氏原作の漫画作品を湯浅政明監督のもとSTUDIO4℃によって2004年制作された長編アニメ映画の一つである。何となく生活をする主人公の西はひょんなことで銃殺されてしまう。しかし、天国において神の意思に逆らい現生の死ぬ数秒前に戻り、銃殺される出来事を回避する。「これからは生きたいように生きるんや」と生への欲望を丸出しに生きていこうと西は決意するのだが…
この映画を見ると自分の可能性は自分が想像する自分の枠にとらわれてしまっているような気がしてくるのである。もっと、「生きてやりたいことをやりたいだけやるんだ」と貪欲に想像を前進させ、その想像を現実にしながら生きていく。そうすれば、この映画のように明るく楽しく希望に満ちて生きていけるような気がするのである。

モデレーターのコメント
「自分の可能性は自分が想像する自分の枠にとらわれてしまっているような気がしてくる」と感じるのは、誰もが一度は経験するものではないでしょうか。自分の可能性を追求している限り人間の成長に終わりはないとも言います。自分で自分の限界を決めずに、一歩でも二歩でも前にすすむことが必要なのだと思います。

ピースキー:
(1)生命の尊重  (4)傾聴   

映画クレヨンしんちゃん嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦

2010-05-14 09:59:36 | 映画・ビデオ
レポーター:ゆず太郎

 この映画は大人気アニメ「クレヨンしんちゃん」の映画第10作目あり、2002年に公開された作品である。
 物語の内容は、ある日主人公の野原しんのすけが夢でお姫様の夢を見る。なんとそのお姫様の夢を野原家全員が見ていたのである。それから飼い犬のシロが庭に大きな穴を掘ってしまった。シロとその穴を掘っていったしんのすけは木箱を見つける。その木箱には戦国時代にいると書かれたしんのすけの手紙が出てきて、しんのすけは戦国時代へタイムスリップしてしまった。しんのすけはその世界で夢で見たお姫様と出会う。そんなお姫様はしんのすけを預かる武士のことが好きなのだが身分の違いから恋人同士になることはできない。しんのすけはその武士も姫が好きなことを知る。現在とは違い好きな人と結ばれることのできないこの時代で、姫に結婚の話が来るが断ってしまいそれが原因で戦が起こってしまう。しんのすけに会いたいという思いでやってきたしんのすけの家族もその戦に巻き込まれていく。

 その時代の戦では勝ったら敵の大将の首をとるのだが、しんのすけは侍に話し合いで解決することを望み、敵の大将の首をとらず戦に勝利することができた。この映画では争いを非暴力的手段で解決することができた。この映画はとても感動的な作品では家族愛や命の尊さなどが組み込まれている。2009年にはこの映画が題材の実写映画も公開された。

モデレーターのコメント
 「クレヨンしんちゃん」は親が見せたくないTV番組のトップになっていたものですが、映画についてはまた別の評価があって、感動的なものがありますね。今回は争いの場面を非暴力で解決するということがテーマになっていて、このCPNN(平和の文化ニュースネットワーク)にふさわしい紹介になりました。

ピースキー:
(2)非暴力   (3)助け合い  

『ベン・ハー(Ben-Hur)』

2010-05-14 09:47:52 | 映画・ビデオ
レポーター:あめ

もともとはルー・ウォーレスによる小説『ベン・ハー』の3度目の映画化作品。
1959年に6年半の歳月と54億円の巨費を投じて作られた。アカデミー賞11部門を受賞した歴史
的にも有名な作品。
ストーリーは、ローマ帝国支配時代のユダヤにローマから一人の司令官が派遣される。彼の名前はメッサーラ。メッサーラは任地のエルサレムで幼馴染のベン・ハーとの再会を喜び合う。ベン・ハーは貴族の子でユダヤ人とローマ人ながら2人は強い友情で結ばれていた。
 しかし、2人の立場はエルサレムでは支配者と被支配者。そのことが2人の友情に亀裂を生むことになる。その折も折、新総督が事故にあいそうになる事件が起きたことで、ベン・ハーはメッサーラに総督暗殺未遂の濡れ衣をきせられ、家族離散、自身は当時奴隷以下の扱いであった罪人におとされるという憂き目にあう。
 罪人としてガレー船のこぎ手(番号で呼ばれ、船が沈没すれば捨てられる捨て駒である)とされたベン・ハーは海戦において司令官の命を救うという大殊勲をあげ、彼を見込んだ司令官の養子にまでとりたてられる。戦車競走の新鋭としても注目されることになり、ユダヤへ戻って家族を探していたベン・ハーは母と妹が死んだという報に涙し、メッサーラへの復讐の鬼と化した。
 やがてエルサレムでの戦車競走で不敗のメッサーラに挑むことになるベン・ハー。激闘の末、ライバルのメッサーラを倒したベン・ハーは、瀕死のメッサーラから思いもかけない言葉を聞くことになる…。

その結末は自分の目で確かめてほしい。
ローマ帝国が勢力を拡大していった時代。ユダヤ人のベン・ハーの視点で物語が進んでいく一方で、イエス・キリストの誕生から処刑までのキリスト伝でもあるこの作品。護送中、苦しむ彼に一杯の水をくれた男がいるシーン。ほんの短いシーンだが大きな意味を持つこととなる。
また、戦車闘技場のシーンは現代のアクションものにも引けを取らず、いまだに色あせることはない。あまりにも有名なシーンなので、ベン・ハーは知らなくともこのシーンだけは知っているという人もいるのでは?
壮大なスケールで描かれる上映時間が3時間を超えるという大作。見るほうもかなり気合が必要だ。それに見合う作品だと思うので是非とも見てもらいたい。

モデレーターのコメント
 古い映画ですが、未だに語り継がれる映画ですね。宗教の問題や歴史の問題を含みこみ、それを映画に仕立て上げた監督の想いには心惹かれるものがあります。人間関係の重要さ、家族の意味を教えてくれる映画としても考えさせられますね。

ピースキー:
(1)生命の尊重  (3)助け合い  

:「仮面ライダーブレイド」

2010-05-14 09:46:07 | 映画・ビデオ
レポーター:辛味噌
     
 この作品は二人の青年の成長物語であると言っても間違いではない。一人の青年は、「正義とは何か」を問う。一人の青年は、「愛とは何か」を問う。彼らやその仲間を取り巻く悪意、裏切り、その裏に潜む真実。多くの暗雲に惑いながらも、彼らは世界を生き、そして戦いに身を投じていく。
 古くから続く「仮面ライダー」のシリーズはおおよそ児童向けの番組である。それは同時に、教育番組としての価値の存在を示している。この「仮面ライダーブレイド」というタイトルは、その価値に恥じることのない内容を私たちに提示してくれる。二人の青年が導く「正義」と「愛」。「悪」の裏に潜む真実と、本当の「悪意」。多くの戦いを経て得る「友情」と「信頼」、そして「絶望」と「希望」。多くの困難を乗り越えてそれぞれが成長し、違った形のそれぞれの「強さ」を獲得していく。
 現実において多くの人々が信じるものに迷い、過ちを犯している。そのような混迷した社会を生きていく私たちは、ライダーたちのように挫折や衝突を重ねながらも前へと進んでいかなければならない。

モデレーターのコメント
 仮面ライダーといえば古くからテレビに登場し、多くの子ども達がその「変身」と活躍に心を惹かれてきましたね。子ども達の心をひきつけたもの、それは正義であり愛でした。この「仮面ライダーブレイド」もその発展系として理解できますね。

ピースキー:
(1)生命の尊重  (4)傾聴   

:「僕の初恋をキミに捧ぐ」

2009-11-24 01:09:32 | 映画・ビデオ
レポーター:健康オタク

 この作品は、20歳まで生きられないと宣告された少年と、その少年に恋をした少女の純愛物語。物語はふたりがまだ、8歳の頃に始まる。 8歳の少女・種田繭と少年・垣野内逞。 淡い恋心を抱いているふたりは偶然、逞が心臓の病気のために二十歳まで生きられないことを知ってしまう。悲しみの中、幼いふたりははかない未来に向けて、"最低の約束"をする。 「大人になったら、結婚しよう」
時がたち、少女は少しずつ女へと、少年は男へと成長していく。やがて、自らの余命を自覚した逞は、恋心を封印し、次第に繭を遠ざけるようになる。ふたりは 互いの全てを知っているからこそ、悩み、苦しむ。しかし、残酷にも時は経過し、逞の病状も進行していく。 運命のタイムリミットが近づく中、思いもよらぬ知らせがふたりに届く……。
 私はこの作品を見て、大切な人がこの世からいなくなってしまうということの恐怖というか、悲しさを考えさせられました。また、この作品は「心臓病」という言葉が一つのキーワードとなっているため、最近、臓器移植法の改定がなされた日本の現状についても深く考えさせられる作品だなと感じました。命の大切さについても考えさせられる作品なので、是非たくさんの人に見てもらいたい作品です。

モデレーターのコメント
物語だからこそ成立する純愛と劇的な展開ですね。しかし人間がこうした物語に感動するのは、そのストーリーに人間の素晴らしさが存在するからですね。「心臓病」で二十歳までしか生きられないと知ったら、人間はどう生きていくのでしょうか。それを考える物語にもなりますね。

ピースキー: (1)生命の尊重  (4)傾聴   




「命のたべかた」

2009-05-15 05:06:33 | 映画・ビデオ
レポーター:momo

 この映画は監督のニコラウス・ゲイハルターが作っています。 私たち日本人が1年間に食べるお肉(牛・豚・鳥)は約300万トン。だれもが毎日のように食べている膨大な量のお肉。でも、そもそもお肉になる家畜は、どこで生まれ、どのように育てられ、どうやってパックに詰められてお店に並ぶのだろう? この映画は、そんな私たちの生とは切り離せない「食物」を産み出している現場の数々を描いたドキュメンタリー映画です。
 時に絵画のごとく美しい撮影に驚愕しつつも、改めて私たちが生きていることの意味が問い直され私たちが今食べている肉、野菜、穀物 これらは一体どこから来ているのか、そんな疑問を解決してくれ、とても興味深い映画でした。 牛の眉間に電気棒を当ててショック死させる場面や豚が生きたまま宙づりにされて運ばれていく場面など衝撃的な場面もあるので驚愕します。そのグロさの反面、色彩の美しさを取り入れているので、とても芸術的である。
 そして毎日あれだけの量の 動物や魚を我々は食べているのか!と馴れた手つきで作業している姿を見ると 、不思議と人間が恐ろしくなってしまいましたが、僕もその一人なんだなと痛感させられました 。全編ナレーションが無いく、 それがまた絵に力を与え、魅力的な映像になっています。

モデレーターのコメント
 私たちは自然の中で生かされているという発想を持っていないといつか自然からしっぺ返しにあう、そんな時代に生きています。食べる物の背景など学ぶ機会になればなればいいですね。「食べる」ことから環境保護につながってほしいですね。
ピースキー:
(1)生命の尊重  (5)環境保護

ライフイズビューティフル

2009-05-15 05:05:17 | 映画・ビデオ
レポーター しも

 この映画に出会ったのはもう何年も前だが、ストーリーや映像がすごく心に残っていて今でも平和と聞くとこの映画を思い出す。
 ユダヤ系イタリア人グイドは、本屋開業のためやってきたトスカーナで、小学校教諭のドーラと出会う。やがて結ばれた2人は息子にも恵まれ幸せに暮らしていたが、戦争によって一家はナチの強制収容所へ送られてしまう。しかし、苛酷な収容所生活の中でも、グイドは笑顔を絶やさず、愛する家族の心と命を守るため、ある嘘をつく。絶望と死が支配する収容所の中、グイドの前向きな明るさと絶やさない笑顔が彼ら家族にやがて奇跡をおこす。というのが主なストーリーとなっている。まだ幼い子どもは全然戦争のことを理解しておらず、不遇な環境の中でもかわいらしい笑顔で日々を過ごしている。
 家族を愛して最後まで笑顔で死んでいく父にすごく感動した。戦争映画であるにも関わらず、全体的にどこかコミカルで、優しく温かい雰囲気に包まれた作品だと思う。何度観返しても感動できると思うし、戦争の中でもこんなに明るく生きた家族がいるということで、ぜひみなさんに観てもらいたいです。

モデレーターのコメント
 イタリア映画らしく明るさの中に「戦争」という最も非人間的な内容を盛り込んだ映画ですね。タイトルをどのように解釈するのか議論のあるところですが、「家族」「愛」「ユーモア」などが位置づいた映画ですね。

ピースキー:
(1)生命の尊重  (2)非暴力   (8)民主主義

めがね

2009-05-15 05:02:00 | 映画・ビデオ
レポーター あさこ

 そこにいる人たちの共通の得意分野は“たそがれ”ること、それだけ。めがねをみんなかけているのはただの偶然なのです。
 『携帯電話がつながらないところに行きたい』それだけの理由のためにこの場所にきたという、なんとも意地っ張りであまのじゃくな、主人公のタエコ(小林聡美)。長い間『携帯電話がつながらない』場所で民宿を営むユージ、そこにただご飯を食べにやってくる生物科の教師ハルナ(市川実日子)、漂流してきたかのようにやってきたタエコの教え子ヨモギくん、そしてまるでやおよろづの神々のような大きな存在のサクラさん(もたいまさこ)、こんな不思議な人たちとかかわって、離れたり、迎えに来てもらったり、一緒にごはんを食べたりして、タエコが人に対して、そして自分に対して素直になっていくそんな映画である。
 “たいせつなのは、あせらないこと。”忙しすぎてついつい忘れてしまう大切なこと、そんなことを思い出させてくれる映画でございます。

モデレーターのコメント
 「大切なのはあせらないこと」ということば、とても重要ですね。長い人生の中で何か失敗してもまた出直せば良いというゆったりとしたかまえが、子どもだけでなく大人にとっても今こそ必要です。そんなことを気づかせてくれる映画はいいですね。

ピースキー:
(2)非暴力   (3)助け合い  (6)寛容と連帯  

Elephant

2009-05-15 04:59:56 | 映画・ビデオ
レポーター:tity

監督 ガス・ヴァン・サント
製作総指揮 ダイアン・キートン
ビル・ロビンソン
製作 ダニー・ウルフ
脚本 ガス・ヴァン・サント
出演者 ジョン・ロビンソン
撮影 ハリス・サヴィデス
編集 ガス・ヴァン・サント

 この映画は、1999年4月20日にコロラド州で起きた、コロンバイン高校銃乱射事件をテーマにしている。キャッチコピーは「キスも知らない17歳が銃の撃ち方は知っている」というものであった。コロンバイン高校銃乱射事件とは、学校でいじめられていた少年二人が復讐のために自分たちが通っているコロンバイン高校に行って12名の生徒及び一名の今日師を射殺し、重軽傷者24名をだした残虐な事件である。
 Elephantは他の映画に見られる娯楽映画などではなく、収入と集客を気にせず作られた。また、ドキュメント形式な映画であり、その日のできごとであろうことを淡々とシンプルに撮っている。私はそれがこの映画のいいところであると思う。
しかし、「残酷すぎる」「救いが全くない」「あれだけの重い事件をテーマに選んでおきながら、あの事件への回答・答えを何一つとして出してないと」批評されるように、話の落ちがないまま終わっていく。だが私はそこが監督が私たちに考えてほしい場所であり、一番伝えなければならない所を我々に考えさせることがこの映画を作った目的ではないのかと考えた。
 私は、この映画を見たことで日常に潜む狂気というものを感じた。また銃社会への激しい憤りなどを感じることができた。この映画はカンヌのパルム・ドール賞を受賞している。ぜひ皆さんにもいろいろなことをこの作品を通して感じてほしい。

モデレーターのコメント
 この事件については他にも映画になっていて、アメリカの銃社会の問題を提示しています。アメリカにとってこの「銃」の問題は国を左右する問題ですね。そして何よりも人間同士が信頼しあうことがないと武器はこのような結果を招きます。どうやって人間の信頼関係をつくっていくのかそれを考える機会にしたいですね。

ピースキー:
(1)生命の尊重  (2)非暴力   (8)民主主義