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CPNN(平和の文化ニュースネットワーク):国連の「世界の子どもたちのための平和と非暴力の文化国際10年」(2001~2010)

生命尊重・非暴力・助け合い・良く聞く・地球環境・寛容と連帯・男女平等・民主主義の記事を配信します。

『過去から学び、現在に橋をかける』朴日粉(パクイルブン)

2018-07-14 21:47:48 | 
『過去から学び、現在に橋をかける』朴日粉(パクイルブン)
梨の木舎(1800円+税)
レポーター:阿部礼貴

 日朝をつなぐ35人、歴史家・作家・アーティストと題して、様々な人が登場している。朝鮮新報で長期にわたって連載されたものをまとめて本にしたもので、「情勢が厳しいなか、日朝交流に心血を注いできた学者、文化人、ジャーナリスト、芸術家など幅広い人たちが取材に快く応じてくださいました」とインタビューアーで編者の朴日粉氏は語る。
 登場者とタイトルの例をあげると以下の通りである。「愛せ!怒れ!勇気をもって闘え!」(ジャーナリスト・松井やより)、「文化遺産を守る平和の巡礼者」(画家・平山郁夫)、「命ある限り、平和の大切さを訴えたい」(エッセイスト・海老名香葉子)、「映画を通じて日朝の懸け橋に」(映画監督・山田洋次)、「再び加害者の島になってはいけない」(報道カメラマン・石川文洋)等。
 日本が明治末から植民地化した朝鮮半島に対して行ってきた数々の人権侵害、そして戦争に向けて強引に徴兵し、犠牲にしながら、戦後差別を温存し、様々な条約に反して今も人権を奪っていることを35人の登場者は語っている。
 一つ一つの記事が、決して強い口調ではないが、人間の平等と隣国の人々への配慮に基づいており、こうした願いがいつか実現されることを期待している。

モデレーターのコメント:朝鮮人に対する差別は現在も続いている。その問題について日本の有識者が意見を述べているのは貴重な資料である。ともすると批判や攻撃の前に発言を控えてしまいがちであるが、こうした本を紹介していくことは貴重である。

キーワード:民主主義・傾聴

絵本「大きな木」

2012-06-01 13:20:17 | 
レポーター:NOW

作・絵 シェル・シルヴァスタイン  訳 本田錦一郎
 この本を子供から大人まで楽しめる本として紹介します。主人公である木が小さい頃から成長の過程男でも男の子がしたいということにこたえ何でも与えるという内容の絵本です。読み進めると、男の子の自分勝手な願い事にこたえて感謝されずとも見返りを求めず与え続ける木の「無償の愛」とその切なさが心に沁みます。原題は「THE GIVING TREE」、つまり「与える木」。私自身小さいころに1度読んだことはありましたが、最近になってもう1度読みなおしたときその木の愛を再確認しました。
木は男の子が幸せを感じたとき、それを自分の幸せとしました。自分が犠牲になっても男の子が幸せになってほしかった。それが木の幸せだから。今の社会で見返りをもとめない、無償の“愛”が存在するのでしょうか。いったい何人の人が他人の幸せを自分の幸せと言えるのでしょうか。何よりも先に損得を考えてしまう世の中がちょっと深呼吸するための絵本だと思います。ぜひ読んでみてください。

モデレーターのコメント
 「THE GIVING TREE」を直訳すれば「与え続ける木」ということで話の通りです。でも訳者は「大きな木」としました。なぜでしょうか。そんなことを考えるだけでもやさしくなりますね。とてもいい話ですが、この話から私達が何を引き出すのかが問われていますね。

ピースキー:(1)生命の尊重  (2)非暴力 (5)環境保護

:『妖怪アパートの幽雅な日常』シリーズを読んで 

2011-05-27 06:27:56 | 
レポーター:まや

私がこの本に出会ったのは高校3年生のときである。この本は児童書の高学年向けとして本屋さんに売っている。この本は全1巻~10巻まである。主人公が中学卒業から高校卒業そしてその後を書いた作品である。
 この本は、幽霊や妖怪が棲むアパートに中学を卒業した少年が高校の下宿先として一人暮らしをしていく物語である。その中でその少年の成長や下宿先にいる幽霊の生い立ち、またそのアパートに住む住人との共同生活の中で自分を見つめ相手を認めさまざまなものと向き合う話である。一回読みだすと癖になり、最後まで一気に読みたくなる本である。「自分とは、なんなのか」「なんで生きているのか」「何の意味があるのか」そんな問いにも答えてくれる楽しい本である。
 また、アパートには手だけの賄いさんも住んでおり、作る料理は天下逸品である。なんとその賄いさんの料理の本もある。是非一緒に見てもらいたい。そして、今年から漫画化もされる。もちろん私は漫画を買う。是非、読んでみてほしい。

モデレーターのコメント
人は何のために生まれ、そして生きていくのか、自分が生まれてきた価値は何なのか。一定の年齢を経過するとそのことを考えざるを得ません。自分と向き合うことをテーマにした本にはひきつけるものがありますね。

ピースキー:
(3)助け合い  (4)傾聴   

はるか

2010-05-21 10:02:20 | 
レポーター:ゆず太郎

『はるか』
著.ゆず 北川悠仁
幻冬舎

日本の歌手で人気フォークデュオのゆずのリーダー北川悠仁さんが初めて書いた本である。2008年に発売されたアルバム『WONDERFUL WOLD』というアルバムの中の『ワンダフルワールド』という曲を作っていく中で北川さんは世界で起こっていることを知るためにUNCHR(国連難民高等弁務官事務所)に行った。そこで知らされた世界の事実を聞いて衝撃を受けた。特にアフリカには内戦などでふるさとを失っている人たちがいてそれでも家族や仲間と支え合い強く、逞しく生きているのを知った。北川さんはそれを聞いて「音楽は心のふるさとになれるかもしれないと」と感じた。そして完成したアルバム『WONDERFUL WORLD』の売り上げの一部は゛WONDERFUL WORLD基金”としてケニアの植樹事業に活用された。そして北川さんはゆずの代表、゛WONDERFUL WORLD基金”の代表としてアフリカに渡った。この本ではアフリカに行った北川さんの現地で感じたことなどが書かれている。
この本ではアフリカの内戦で現地の人と話したりしていることも書かれており改めて内戦の衝撃などを知った。『ワンダフルワールド』という曲は平和への願いもはいっていてとてもいい曲で感動する。またアフリカに行った北川さんがアフリカの大地や感じたことを『はるか』という曲にしている。この曲もとても良い曲になっている。この本はゆずのファンの人だけでなくいろんな人に読んでもらいたい本になっている。また曲も聴くとより本をより深く読めると思う。
世界中の歌手が平和へのメッセージを送っている、このような活動はとても良いことだと改めて感じた。

モデレーターのコメント
 音楽家も社会に関心を持ち、行動を行ってこそ一流であるという風潮が日本に出てきたのはとてもよいことで、アメリカでは社会に役立つことをやらないと一流と評価されません。アフリカの様子などをもとに曲をつくっているというのはすばらしいですね。

ピースキー:
(1)生命の尊重  (3)助け合い  

この世界の片隅に

2010-05-21 10:00:33 | 
レポーター:ゆり

「この世界の片隅に」とは、こうの史代さんという漫画家によって描かれた漫画です。上中下の三巻構成で、戦前戦中の広島を舞台に主人公すずの日常を描いています。
上巻はすずの幼少期のエピソードと、広島の軍港呉に嫁いだ後の日常を淡々と描きます。時はすでに昭和43年で、戦争の影は庶民の生活にも影響を及ぼしていますが、この本の描き方は少し視点が違います。
戦争ものと聞くと、ただ悲惨で悲しいものになりがちですが、「この世界の片隅に」にはどんなに生活が不安定でも、工夫しながらたくましく、且つのんびりと日常を送る広島の人々の毎日がリアリティをもって描かれています。広島が舞台ということで、原爆のエピソードももちろん登場します。
中巻の後半から下巻は終戦に向けてすずたちの生活もどんどん悪化していきます。すずの義理の姪の少女が空襲で死に、すず自身も右腕をなくし、下巻ではついに原爆が投下され広島市に住んでいるすずの妹と両親が被害を受けます。
やはりそこでも、ただ悲しいだけの戦争ものではありません。広島の人々とすずの、優しさとたくましさが、再生と救済への希望をもって描かれています。
どんな環境の中でも、日本人はちゃんと生きていたということ
隣近所や町内会、親戚同士のつながりのなかで、助け合って日常生活を営んでいたこと
戦争という重圧に、人々は完全に屈していたわけではないのだという希望をこの本から得ることができました。
ラストシーン、戦災孤児を拾ってきてしまったすずと家族全員が、ちゃぶ台を中心にして笑いあって終わります。このラストシーンにこの漫画が描こうとしたメッセージが込められている気がしました。

モデレーターのコメント
「どんな環境の中でも、日本人はちゃんと生きていた」は重い言葉ですね。命をかけて戦争に反対した人もいたわけですから確かに日本人は「ちゃんと生きていた」し今も生きていると思います。それをどう広げていくのかが私たちに問われていますね。

ピースキー:
(2)非暴力   (3)助け合い  

「半分の月がのぼる空」

2010-05-21 09:49:20 | 
レポーター:みつ

 「半分の月がのぼる空」という作品を紹介します。これは橋本紡という方の作品で、電撃文庫より全8巻が発売されています。アニメ化、漫画化、実写ドラマ化していて、今年の春には実写映画が公開されました。
ストーリーは、主人公の裕一が肝炎を患い、病院に入院することから始まります。裕一はその病院の中で里香という少女と出会います。裕一は里香のわがままに振り回されながらも、彼女に心惹かれていき、里香も裕一に心を開いていきます。一時は生きる希望を失っていた里香ですが、裕一の自分への想いを知り、生きる希望を再び持つようになります。そして成功率の低い手術を受ける覚悟を決めたのです。手術は成功しましたが、彼女の命はいつまでもつか分からない状態です。それでも裕一と里香は、いつかくる終わりに向けて前向きに生きていく…という物語です。
この本の中には、裕一と里香の他にも、様々な人のストーリーが描かれていて、僕は特に夏目という医師とその恋人である小夜子の話が印象的でした。この本の内容は、とても悲しいお話のようにも思えますが、最後まで読み終わると不思議と明るくなれます。とても素晴らしい作品だと思います。この春に、「完全版 半分の月がのぼる空」としてリメイク版が出版されたので、もしよかったら手に取ってみてください。

モデレーターのコメント
 人間が希望を持って生きていくときに心の支えになる人が必要です。里香にとっても裕一にとってもお互いに「支え」となっているのですね。これは物語の話ですが、実話としても存在する可能性のある話ですね。

ピースキー:
(1)生命の尊重  (3)助け合い  

『パイナップルARMY』

2010-05-21 09:43:42 | 
レポーター:あめ

著者 工藤かずや原作、浦沢直樹作画
『パイナップルARMY』(パイナップルアーミー)全8巻
出版 小学館(1985年~1988年)

内容
主に傭兵として、ベトナム戦争をはじめ1970年代における世界中の様々な戦場で戦った経験を持つ主人公ジェド・豪士。1979年に傭兵を引退した彼は、民間の軍事顧問機関・CMAの戦闘インストラクターとして、多様な事情を持つ人々からの依頼により、それぞれの戦場で生き延びる道をレクチャーするというもの。基本的には1話完結。
平和問題としては、戦争そのもの。また、そこに関係してくる傭兵たちの実情。加えて元軍人、元傭兵たちの抱える問題に関連している。
戦争について今まであまり日の目を見ることのなかった傭兵というものを取り上げることによって悲劇というだけではない戦争に目を向けさせるようにできていると思った。戦争もビジネスであるという考え方には賛同できないが、傭兵という職業がある事実に目を背けてはいけないと思った。戦争経験者がいう「自分の戦争はまだ終わっていない」と言う言葉を考えさせられた。戦争だけでなく戦闘というものを意識したのはこの漫画を読んだときが初めてだったかもしれない。視点によって正義は変わるし、言葉の重さも異なる。しかし、戦争が良くないことだということだけは揺るがない。そのことをあらためて強く思った。


モデレーターのコメント
 戦争を取り扱っているという点では「非暴力」や「平和」とは違っていますが、「自分の戦争は終わっていない」という言葉に象徴される戦争の惨禍を伝えようとする姿勢は重要ですね。また「傭兵」という存在を知らせるという点では意味があると思います。

ピースキー:
(1)生命の尊重  

機動旅団八福神

2010-05-14 10:01:10 | 
レポーター:カメナシ

機動旅団八福神
著者 福島聡

 近未来、極東危機という政治的緊張の中、中国に近代兵器により粛清され、中国を中心とした東アジア共同体とでもいうべき汎亜細亜共栄圏に組み込まれた日本、中国の属国となり、アメリカとの戦争に邁進する中、軍に入隊した主人公の名取は新兵器福神と、謎の少女と出会う

 作中で主人公は絶対的な防御力を誇る福神を装備しながら、人の死なない戦争を追い求めるが、それはいつもさまざまな形で挫折していく。こうかくと名取はまるでかわいそうだが、別にそうでもない、なぜなら最後に明らかになることだが、名取の望みを達成すれば、それは単なる茶番にしかならないからだ(名取は様々なことを含め、人間が闘争を好むことを受け入れたうえでその結論を選ぶのだが。)

 福神は挑戦的な作品でもある、多くの平和が好きな人たちが戦争を嫌うのはいい人が、死ぬからだ、逆に言ってしまえばだれもが人の死以外では戦争を認識できないぐらい平和というものの認識が甘くなっている、
 戦争のおぞましさもしらず多くの人は呆れるぐらい人が死ぬから戦争が悪いと思っている。それはベト戦以後などによる政策的報道のロジックであり、物事の一面を拡大した演出的なものでしかない。
 福神世界では戦うのは遠隔操縦のロボットと、絶対防御を誇る福神だが、それでも果敢に戦争という現実、分かり合うという美しさに満ちた悪意を果敢に描き続ける。
人の死以外を通じて戦争を考えたい人のきっかけにでもなってくれるなら読んでもらいたい

モデレーターのコメント
 内容的には戦争がテーマになっているのでCPNNの記事としてはやや異色では有るが、アメリカの基地を戦後65年以上も置いている日本という国を違った視点から見る題材として紹介しても良いのではないか。読者の「非暴力」の視点が問われる作品です。

ピースキー:
(4)傾聴  (6)寛容と連帯  

ちいさなことにくよくよしない88の方法

2009-11-24 01:13:22 | 
レポーター:ゆい
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      著 : リチャード カールソン
翻訳: 和田 秀樹
出版: 三笠書房 (2006年12月)

この本には、人間関係や家庭や仕事などの様々な場面で「くよくよしない自分」をつくる88の方法が紹介されています。その方法はどれも簡単で誰でもすぐ実行でき、あっという間に心が晴れていくそうです。最初私は「そんなにすぐに変われるものだろうか」と半信半疑でしたが、実際に読んでみると一言一言にとても感心し、なるほどなと思うものばかりでした。日頃いかに些細なことで苛立ち、焦り、悩みを抱え、いつまでもくよくよと落ち込みもったいない時間を過ごしていたかに気付かされました。 
私自身もこの本を読んでから今までより前向きな考え方ができるようになった気がします。ほんの少しの思いやりや気遣いでハッピーな気持ちになれることを身をもって感じました。同じ時間を過ごすなら少しでも多く笑っていたいし、その方が周りの人も楽しいと思うので、これからもこの本を参考にもっともっと前向きな自分をつくっていきたいです。  

モデレーターのコメント
「日頃いかに些細なことで苛立ち、焦り、悩みを抱え、いつまでもくよくよと落ち込みもったいない時間を過ごしていたかに気付かされました」とありますが、私たちは多くの場合「ささいなこと」に悩んでいるのですね。

ピースキー: (2)非暴力   (4)傾聴  

「電車男」(小説)を読んで

2009-11-24 01:05:47 | 
タイトル
レポーター:岩

最初にこれを読もうと思ったのは、高校の夏休みの課題で読書感想文が出たので何を読むか迷っていたところから始まるだろう。家にある本で済ませようと思っていたがそんな本がある訳でもなく、読もうという気持ちすらなかった。でも、ある日友人ととある書店で本を探していたときに、この「電車男」を見つけた。見つけた時は「映画とかドラマになってるあれかぁ」と思っていたが読書感想文のことを思い出し興味もあったのでその場で購入。
まず用語集があることに驚いた。読んでても意味が全く分からないいわゆる「2ちゃんねる語」というのが多々羅列されていたが、全く分からなかった。が、読み進めていくうちにわかった。
その次に小説というのは「縦書き」が主流というのに対し、この「電車男」は「スレ形式」という見たことのないものだった。2ちゃんねる掲示板を見たことがあればわかるだろうが、あれそのままでアスキーアートがたくさん出てきていた。物語終盤の電車男とエルメスさんの関係がどうなったかなどいろんなコメントがあったらしくアスキーアートでもその様子が鮮明に伝わってくる内容だった。
読んでない人に伝えるのがこのブログの趣旨であったら間違っているかもしれないが、物語のおちをあまりばらしては実際に読んだときに面白くないので中途半端に濁す形にとどめたいと思います。
「電車男」は小説のような字詰めで絵の少ないものは読めないという人でも全然読める内容だと思います。膨大な量の書き込みを抜粋しても薄めの辞書ぐらいな厚みがあるのですが、それでもとても面白い内容のものだと私は思います。ていうか、読んでそぉ思いました。よかったら是非お金に余裕があれば買って読んでみてください。

モデレーターのコメント
「読んでない人に伝えるのがこのブログの趣旨であったら間違っているかもしれない」とありますが、詠んでない人にこの本の素晴らしさを伝えるのがこのコーナーの目的です。結果としてはとても良い紹介になっていると思いますが、もう少しストーリーが欲しいですね。

ピースキー: (3)助け合い  (4)傾聴   

「風が強く吹いている」

2009-11-24 00:53:21 | 
レポーター:M

「風が強く吹いている」この本は、とある大学の寮に住んでいる10人が箱根駅伝を目指す物語です。寮長である“灰二”と呼ばれる人が、真夜中にとても綺麗な走りを見せる“走”と出会うところから始まります。 陸上経験が全くない8人が、“灰二”の美味しいご飯が食べられなくなっては困るという、ちょっとくだらない理由から頑張って箱根駅伝を目指すというところで、笑いもありますが、それだけではなく、最後まで一生懸命やることの大切さや、仲間の大切さなどとても大切なことを感じられる物語でもあります。
この本には、仲間や友達の大切さや、あきらめずに夢を追いかけていれば、最後には必ず叶うということを教えてもらった気がします。とても感動できる本です。 ぜひ読んでみてください。

モデレーターのコメント
何事も諦めないことが大切ですね。「風が強く吹いている」(三浦しをん・新潮社2006)には人間を励ます心があるようですね。最後まで一生懸命やれば結果は後からついてくるとも言いますが、結果を気にせずにやることが重要なのですね。

ピースキー:
(3)助け合い  (6)寛容と連帯  

ハッピーバースデー

2009-05-15 15:34:04 | 
レポーター:あやねー

私は、この本の内容を、中学校の授業で聞き、とても心をうたれ、感動しました。
この本のあらすじは、実の母親の思い通りに成長した、長男にたいして、出来の悪い11歳のあすかは、愛してもらうこともできず、誕生日さえ忘れられてしまい、心が傷つき声をうしなってしまいます。しかし、あすかは心優しい祖父母の元で、命の大切さと、無償の愛を学んでゆき、声を取り戻す、物語です。
この本の、本当の良さは、母親の静代の心も描いていて、いけないとわかっていながらも心ない言葉を浴びせてしまう、母親も自分を見つめ直すことによって、娘だけじゃなく、母親も愛について再生するというところです、本当に泣けます。ぜひ、読んでみてください。

モデレーターのコメント
人間の傷つきやすさと生きることへのエネルギーを感じさせる話ですね。特に母親が変わっていくところはいいですね。

ピースキー:
(1)生命の尊重  (2)非暴力   

きいろいゾウ

2009-05-15 04:54:22 | 
レポーター:こびと

きいろいゾウ 絵本 /にしかなこ/絵と文 [本]

 お月さまに仕えているゾウは他のゾウとちがって、きいろいゾウだった。みんなとちがってきいろいのも空が飛べるのも、お月さまに言われたように「えらいゾウだから」だと誇りに思っていた。
 そんなある日、ゾウは病気の女の子に出会う。きいろいゾウは背中に女の子をのせていろんなところに出かける。そのなかで、きいろいゾウはアフリカでゾウの仲間に出会う。女の子はゾウにみんなと一緒にいなくて「さみしくないの?」とたずねる。「さみしい…?」ゾウは初めて自分にそうたずねた。
 ゾウは女の子とのかかわりのなかで、はじめて「さみしい」という自分の気持ちと向き合う。子どもたちが抱えている気持ち(特にマイナスと思われている気持ち)は、誰かと語り合い、響きあいながら紡がれ、気づいていくものなのではないかと思う。
 ゾウは今まで「きいろいこと」「飛べること」がえらいことであり、それが自分にとっても良いことだと思っていた。だけど、女の子とかかわるなかで「それは本当に自分にとって良いことなのか」という疑問を抱いたのではないか。それはすごく大事で、いとおしいなと思った。このように自分の気持ちにきづき、自分の価値観を育てていくことを教えてくれる絵本だと思っている。
 「さみしい…?」と言ったあとのゾウの沈黙。自問自答の時間、この時間がとてもすきな絵本です。

モデレーターのコメント
 絵本というのは人間の大切なものを分かりやすく伝えることができます。またできないと読まれません。この絵本が小さな子どもたちに自分を理解する契機になればいいですね。人間が一人では生きていけないということが伝わってきます。

ピースキー:
(1)生命の尊重  (3)助け合い  (4)傾聴   

「モモ」

2009-05-15 04:43:43 | 
レポーター ちゃぁこ

著 ミヒャエル・エンデ/訳 大島かおり
出版社 岩波書店

 この本の主人公モモは、とある町演劇場に住み着いている。毎日、近くに住む子どもたちと遊んだり、親切で愛着深い大人たちと楽しく過ごしながら平和に暮らしていた。この町は、子どもも大人も夢と希望に満ち溢れており、貧しいながらも一人ひとりが確かな幸せを持っていた。そんなある日、時間銀行からやってきたあやしげな男たち(時間泥棒)がこの町に現れる。男たちは、町の人のゆったりとした時間の使い方を批判し、その時間を自分たちの銀行に預けさせてしまう。
 モモと親しく遊んでいた友達は学校に行き始め、大人たちはせわしなく仕事に励むようになった。そしてついに男は、モモの目の前にも現れる。言葉巧みにモモにも時間を預けるように説得するが、モモは話に乗らない。それどころか、動じないモモに男はうろたえてしまう。そして、男は言ってはいけない秘密をモモにばらしてしまう。男たちはモモのことを恐れ、必死に捕まえようとする。モモは友達を救うために、男たちと戦う決心をし、時間を奪い返す旅に出る。。。。
 この本を読んだのは、中学生の時です。時間はみな平等に持っています。現代社会は、いつも時間に追われています。私たちが使っているはずの時間ですが、時間に私たちが使われてしまっているような気さえしてきます。自分の時間をどう使うのか・・・自分の人生をどう生きるのか・・・見つめ直す機会をこのファンタジーが与えてくれます。ぜひ読んでみてください。

モデレーターのコメント
 現代人にとって最も人間らしさを奪われるのは時間に追われることかもしれません。あくせくと仕事に追われて、気がついたら人間関係を失っていることに愕然とすることがあります。この本はそうした私たちにもっと自分を大切にしようと呼びかけているようですね。

ピースキー:
(2)非暴力   (3)助け合い  (4)傾聴 

『青空のむこう』

2009-05-15 04:40:28 | 
レポーター:メグミ

 アレックス・シアラー(Alex Shearer)作。大人向け、子供向けの小説を多数発表しているイギリスの作家。作家活動の他に、30以上もの仕事を経験し、テレビ・映画・舞台・ラジオ劇の脚本も執筆している。イギリスのサマセット州に家族と滞在。二児の父。
 青空のむこうから、ひとりの少年が降りてきた。やり残したことがあるから・・・。ひとりの少年が私たちに伝えてくれる、生きている今を大切にしようというメッセージ。主人公ハリーというひとりの少年。突然の交通事故で死んでしまった主人公のハリー。この本は死んでしまったハリーの視点で書かれています。面白いほど明るく、しかしそのためか切なく感じてしまいます。幼いハリーが、死というものに直面して、最初の苦しみから「死んじゃったんだから仕方ないじゃん」と受け入れていく過程がリアルです。死ぬことは、ちっとも痛くないし、怖くない。ただ、友達や、家族と会えなくなってしまうのが寂しいのです。子供が突然亡くなる話ですが、決して暗い話ではありません。どちらかというと、受け入れていく心の動きが、楽天的で明るい。
 でも、その感覚になるまでの葛藤と、残された家族の心のありようが伝わってくるので、涙を流してしまいます。私もこの本を読んで友達や家族がとても大切であり、いま生きることができ、気持ちを伝えることができる。これだけで十分幸せなんだと考えさせられました。感動作、「十二番目の天使」を発行している、求龍堂から出版されています。

モデレーターのコメント
 人間は誰でも必ずいつかは死ぬことになります。その死をムダにしたくないという気持ちは誰にでもあり、この本はその気持ちを大切にしてくれますね。今自分が生きていることの素晴らしさを感じさせてくれるものは大事にしたいですね。

ピースキー:
(1)生命の尊重  (3)助け合い  (4)傾聴