新・仏像ワンダフル!

千年の時を超えて仏像との新しい出会い
いやいや街を見渡せばよく似た人がいたような・・

岡部 健  医療グループ「爽秋会」理事長  医師・在宅ホスピス

2012-06-30 10:32:36 | 旧仏像ワンダフル
28日(木)の読売新聞の夕刊に出ていた
記事から描いてみました。

自らも癌で、現在宮城県を中心に在宅ホスピスの
医療グループを立ち上げて活動されているお医者さんです。

人は必ず100%命の終わりが来ますよね。

発達した医療は必ずしもその人の穏やかな臨終に
つながる訳ではなさそうです。

身体の痛みは薬で消えても
心の充足感はどうして手にすることができるのか。

意識があれば、自ら納得して満足感と共に
消えてゆくというのが、穏やかな臨終でしょうか。

人生の最期に優しい花を添えるような
ホスピスという仕事で大切なのは全人的苦痛に
対処することだと書かれてます。

それは「身体的苦痛」「精神的苦痛」
「社会的苦痛」(仕事や家庭)「霊的苦痛」(死生観)
というように、人それぞれ何を大切にして生きてきたか
によって変わってくるもののようです。

死ぬ時に覚える身体的以外の苦痛は
日常生活の積み重ね、
最期にうまくいった事に意識が向くか
うまくいかなかった事に意識が向くか、
そんな気もしますが。

読売新聞記事1
読売新聞記事2
読売新聞記事3
読売新聞記事4




絹本著色十一面観音坐像  太山寺・兵庫 鎌倉時代(13世紀)

2012-06-24 06:04:38 | 旧仏像ワンダフル
十一面観音を絵画で平面に表現しようと
すると、こんなんなるんですね~

つまり正面から十一面見えるようにする
ので鈴なりの果物のようになりにけり。

そしてもうひとつ、かなり女性的に
感じられるのは爪が長くて髪の毛が
長くなびいているからでしょうか。

ネイルアートをしているかもしれません。

蓮の花、つぼみ、種 という
現在・過去・未来
悠久の時の流れを手中にして
たたずんでいます。






木像観音菩薩坐像  清凉寺・京都 平安時代(9世紀)

2012-06-17 08:46:47 | 旧仏像ワンダフル
棲霞寺の本尊である阿弥陀三尊像の
左脇侍というこの像。
現在はバラバラに納めれているんですね。

しかし清凉寺といい棲霞寺といい
さわやかなネーミングです、梅雨にぴったり。

仏像というとどんなイメージがするか?
ブログで描き始めて10か月くらい経ちましたが
ずいぶん変わりました。

はじめ私の中では奈良の大仏的な
肥満の二重あご(失礼)の印象が強くあり
ありがたくも、そうなりたいか?と言われれば
微妙でしたね。

ですが、奈良時代の超スリムな鋳造の像、
平安時代の優雅で豊満な像、
鎌倉時代の筋骨たくましい像、
もはや人間とは呼べないような像まで
意外と美的感覚を共有できるものが多い
と感じています。

引き締まったウエストで
いさぎよい衣や身体の表現のこの像も
力強さを与えてくれるような気がします、
混迷の明日に。


雲中供養菩薩 北25号 平等院・奈良 平安時代

2012-06-15 10:48:53 | 旧仏像ワンダフル
ヤフーのトピックで目にした雑誌「墨」(芸術新聞社)の
DVD付録のしなやかさに見入ってしまい、
思わず筆ペンを探して描いてしまいました。


石飛博光「雁塔聖教序」芸術新聞社/一から始める楷書/書道

子供の頃近くの公民館で座卓を並べた部屋で正座して、
半ば強制的に習字に通わされていたのを思い出します。

まあでもそのおかげで今、多少まともな字を
書けている気がする今日この頃。

時代が変わり、何でもデジタル即時変換、
難しいこともできる代わりに
簡単な字が、あれっ?思い出せない。

硯で墨をすり、背筋を伸ばして
たまには文字の美しさに気を配って
書いてみたくなるもんです。

しかし雲中葉菩薩はちょっと早まったか~
簡略化が必要でしたね~



日野原 重明  聖路加国際病院理事長 1911-

2012-06-12 09:06:35 | 旧仏像ワンダフル
毎月「致知」という雑誌をとっているのですが
講演CDを聞く機会があり描いてみました。

なにも説明が要らないほどメディアにも出ているし
100歳を迎えて体現する言葉や活動に
人間の可能性が映し出されていますね。

50歳で人生半ばであれば、それこそ何回でも
リセット出来るしスタートできると思えますね。

次々と気力がみなぎる、その思考に近づきたいものです。



致知
http://www.chichi.co.jp/


女神像 江原浅間神社・山梨 平安時代(11世紀)

2012-06-10 09:02:38 | 旧仏像ワンダフル
奈良時代から平安時代にかけて続いた
富士山の噴火の鎮静を祈願して建てられた
という江原浅間神社。

そのご神体の女神像で、近頃制作年代が特定され
富士山信仰の最古の木像になるようだと
昨日の読売新聞にありました。

三人の天女が中心の如来像を背に
囲むようにして一本の木から削り出しで
造られています。

馬頭観音の真柏のリアリティと
女神像の素朴なシンプルさ

江戸時代の円空仏にも似た
技巧以前のものを感じる像ですね。


木像馬頭観音座像 中山寺・福井 鎌倉時代

2012-06-08 14:15:37 | 旧仏像ワンダフル
鎌倉時代の筋骨隆々、骨太の馬頭観音、
バランスのとれた美しさと調和し
重厚なたたずまいです。

玉眼が入っていて
もし対峙できればかなりの迫力を
感じることができそうです。

さて、立ってみたり、座ってみたり、
雲に乗ってみたりとけっこう奔放な仏像たち。

行き詰った時には

 これもアリ、あれもアリ
  たぶんアリ~ きっとアリ~♪

さまざなお姿をまぶたに浮かべます。

木造如意輪観音坐像 吉祥寺・滋賀 鎌倉時代

2012-06-05 18:19:14 | 旧仏像ワンダフル
わずか像高6cmの仏像、
手乗り仏像と言えます。

リラックスの代名詞、如意輪観音。

小さくても緻密に造られていて
アンニュイな表情が秀逸ですね。

本尊吉祥天の胎内仏でしかも
台座後面の銘で正応四年(1291)
仏子定円の作である事など
素性がかなりはっきりしています。

本尊が真面目にお勤めをしている
その中で、カモメと朝寝の風情かな~~