新・仏像ワンダフル!

千年の時を超えて仏像との新しい出会い
いやいや街を見渡せばよく似た人がいたような・・

銅像観音菩薩立像 鶴林寺・兵庫 奈良時代(7世紀)

2012-05-30 06:09:03 | 旧仏像ワンダフル
仏像にしては極端に細くて
くびれた身体をひねり
「細くてもワイルドだろぉ?」と
手を上げる。

頭上には小さな仏様を擁し
なんとまぁ素朴な微笑み。

特異で端正なプロポーションは
冷たい印象になりがちなところを、
木漏れ日のような表情が
その場の空気も暖かくしています。




ガネーシャ(歓喜天)

2012-05-27 07:24:22 | 旧仏像ワンダフル
今でもインド南部ではこのガネーシャのお祭りが
大々的に行われるような、身近な神様のようです。

インドから日本に渡って歓喜天などとも
呼ばれていますが、さすがにあまり見かけないですね。

ですが一度見たら忘れないインパクトのあるお姿で、
実際は豪華な装飾品に身を包み、極彩色の絵が多く、
そのポーズにも様々なバリエーションがあります。

ヒンドゥー教の神の父シヴァ、母パールヴァティの
ご子息で、父が知らない間に入浴中の母の垢から
出来た事から首をはねられてしまい、
息子だとわかった父があせって通りすがりのゾウの首を
つけて生き返らせたとか、はたまた。

悲惨な生い立ちもこの姿を拝んでみれば
エブリバディHAPPYじゃーないでしょか~

木像観音菩薩立像 清水寺・長野 平安時代(9-10世紀)

2012-05-15 16:32:07 | 旧仏像ワンダフル
メリハリボディでマッチョ、
ちょっと関取風で異色な立ち姿ですね。

ウミヘビのような華麗な渦を巻く
衣が素敵です。

平安初期の年号から貞観(じょうかん)彫刻
と呼ばれて、これ以後木彫の像が増えていった
ようです。

弾力があって力強い身体と
自在に翻る衣の妙ですね。

今でいう肉食系って感じです。

銅像観音菩薩立像 法隆寺・奈良 奈良時代(7世紀)

2012-05-13 18:04:18 | 旧仏像ワンダフル
こちらが全体像、とても端正で頭部が小さく
現代でも通用するようなスマートさです。

細部のディテールも大事ですが、
仏像って全身で語るんですよね~

凛とした厳しさと、
どうしようもないものを赦す寛大さ
そんなものが見える気がします。

この前、車の窓越しに積乱雲を見かけて、
ずっと眺めていたいと思うんですが
どんどん後ろに消えて見えなくなり、
戻ろうという思いも流れて消えてしまう、

何に追われているのか
それとも逃れているのか

自問自答の中にもじっと佇んでいる仏像なんです。


銅像観音菩薩立像 法隆寺・奈良 奈良時代(7世紀)

2012-05-10 16:31:37 | 旧仏像ワンダフル
7世紀の奈良時代初頭の像で
通称「夢違観音」と呼ばれて親しまれています。

この像に念ずれば悪夢も吉に転じてくれる・・
ような気もしてくる品性漂うお姿です。

固い銅像のどこからか
滲み出て手を差し伸べてくれる
疲れ果てて閉じこもろうとする心にも




銅造如意輪観音坐像 金峯神社・山形 平安時代

2012-05-06 06:03:40 | 旧仏像ワンダフル
座高18.5cmでしかも銅製、
平安時代の6本の腕を持つ如意輪観音
で金属製で現存しているのは
これだけという希少な像だそうですが。

おかしいですよね、
どう見ても頭と腕と身体のバランスが。

それでも平然と鎮座していて
如意輪独特の思惟の穏やかさを持っていて

 これが普通ですけど何か?

手で包み込める小さな宇宙があるんです。

木造観音菩薩半足跏坐像 長岳寺・奈良 平安時代

2012-05-05 13:19:12 | 旧仏像ワンダフル
阿弥陀三尊増の左脇侍だから
左足を伸ばして座ります。

玉眼といって水晶の目玉を埋め込む手法の
最古に近い像として名高いようです。

確かに眼光差してぐっと存在感が増し
プロポーションも申し分なし。

でも今日はそんなこと関知しません。

ふぁ~っ ここらで一服、
たまにはちょいと腰を下ろして
JAZZにでも耳を傾けてみます。

戦士の休息ですかね。

木像馬頭観音立像 浄瑠璃寺・京都 鎌倉時代

2012-05-02 11:34:27 | 旧仏像ワンダフル
   辛いという字がある
もう少しで幸せになりそうな字である

口で描く画家の星野富弘さんの言葉のように
 
憤怒と笑いは紙一重だとつくずく思う
馬頭観音像です。

かなりの迫力なので前に一度登場していますね。


http://blog.goo.ne.jp/coookai/e/17de2ab51a24eb0c4b2edc661c17ded4

色彩に気を取られて見過ごしてしまうのですが
全体像は調和が図られていて安定して、
確かな存在感があります。

そしてその表情に浮かぶ笑いにも似た怒り。

梅図かずおさんも多分、気付いていた事でしょうね~
恐怖と笑いを。