新・仏像ワンダフル!

千年の時を超えて仏像との新しい出会い
いやいや街を見渡せばよく似た人がいたような・・

木造観音菩薩立像  奈良・法隆寺 奈良時代

2012-03-29 06:00:37 | 旧仏像ワンダフル
法隆寺には同じような菩薩像が6体、
2対のものが3組あるので六観音とも
呼ばれているようです。

頭に乗っている三面宝飾冠の中央に
化仏というかわいい仏像があります。
お地蔵さんのような素朴さです。

その特徴から阿弥陀仏の脇侍として
阿弥陀三尊像として造られたと
いうことです。

クスの一材から掘出した一木造で、
耳を巻き込んでお下げにされた髪や
単純で洗練された胸の飾り、
朴訥とした表情と引き締まった身体、
それぞれが調和した美しさを感じます。

ほんわかした春近しの空気にぴったりです。






木像観音立像 奈良・金竜寺 奈良時代

2012-03-23 15:43:04 | 旧仏像ワンダフル
幼さと無垢な表情、体型の観音さまです。

だいたい法隆寺の観音立像と同じ時代の
製作だといわれています。

蓮台に乗り、蓮のモチーフに彩られた光背もあいまって
桃太郎ならぬ、まるで蓮太郎です。

一足先に春うららの桜色にどっぷりと、
甘い夢でも見ていただこうかと。


木造阿弥陀三尊像 大阪・四天王寺 平安時代

2012-03-21 08:50:37 | 旧仏像ワンダフル
 あらよっと   ほいさっ

 中尊を挟んで右足を上げる観音、左足を上げる勢至、
三体揃って阿弥陀三尊像。

 来迎の形ではないかという事ですが、なぜに片足立ち?

 そして中尊の髪の毛は剥落して出家したようです。

 仏像が出家すると悟りは開きなおされるのかどうか。
 
 ともあれ何か人情が感じられるお姿ですね。

木像十一面観音立像-2 奈良・霊山寺 平安時代

2012-03-18 08:26:29 | 旧仏像ワンダフル
微妙です・・顔面アップの時のオーラが
別の方向へと向かっていきそうです・・

当時の美的感覚とは、崇拝する対象としての
威厳とはどんなものだったのか気になるところですが
顔→全体で剛→柔な印象に変わるように思います。

どれだけ顔をデカくできるのか、
この身体にはこれが限界ではないでしょうか。

深刻な悩みも拡散させる穏やかな効能がありそうです。



木造十一面観音立像-2 国(文化庁) 平安時代

2012-03-15 23:18:23 | 旧仏像ワンダフル
スマイル十一面観音の全身です。

胴体は細身ながら引き締まって張りがあり
かすかに右足を開いて
非常にしなやかな立ち姿です。

多少腕が長いですが
バランスは保たれています。

ぬくもりが残るような
振り向けばそこに立っていそうな
確かな存在感がありますね。



木造十一面観音立像 国(文化庁) 平安時代

2012-03-14 06:12:48 | 旧仏像ワンダフル
笑って 笑って 笑って~

像高42.8cmの立像なのですが、
頭部の10面、頭頂の1面と9面のすべてが
かなりのほほえみなんです。

あらゆる感情を認めて、喜怒哀楽を
現している十一面観音ではなく、
後ろのお顔も悪を嘲笑する
暴悪大笑面ではなく、
本当に360度スマイル満開なんです。

とても精巧な像ですが
そこから漂う意図は限りなくやわらかく
やさしい。

こんな感じの人間になりたいもの、
いつまでも名残惜しい仏像です。