新・仏像ワンダフル!

千年の時を超えて仏像との新しい出会い
いやいや街を見渡せばよく似た人がいたような・・

仏頭 インドネシア 9世紀(中部ジャワ時代)

2012-09-30 10:38:38 | 旧仏像ワンダフル
灰色安山岩の安らかな表情の仏頭ですね。

インドからアジアの周辺の国々の仏像を
見てきましたが、姿かたちが違えど
祈りや怖れといった人の営みには
なにか同じ感情が込められているような
そんな気がしました。

このコレクションをしたアメリカ人の
ロックフェラー3世夫妻は何を感じたの
でしょうか。


「宇宙から来たブッダ」

2012-09-28 10:18:20 | 旧仏像ワンダフル
なにか面白そうな記事がサマリーで流れていたので
描いてみました。

【AFP=時事】------
1938年にナチス親衛隊(SS)の探検隊がチベットから持ち帰った仏像は、
隕石(いんせき)を彫って作られていたという論文が26日、
科学誌「Meteoritics and Planetary Science(隕石学と惑星科学)」
に発表された。
------

出所も怪しいですが、姿もなかなかの怪しさです。

鉄とニッケルを多く含むアタキサイトという極めて珍しい隕石
だという事で、普通千年も前の石の彫刻だと角が取れて
やわらかい感じになるものですが、まあ金属の成分が多く
とてもシャープなんでしょう。

キリストのようなお顔で甲冑のような装具にはっきりと
卍があり、向きははナチスの鍵十字の反対という事ですが
ナチスが興味を持つのは当然ですね。

衣の表現がとてもモダンでギリシャの彫刻のように
お洒落な感じです。

 さて~本人評価額は・・「1億円でお願いします!」

オープン・ザ・プライス~!!

観音菩薩立像 ベトナム 8世紀

2012-09-27 08:04:54 | 旧仏像ワンダフル
青銅で12cmの観音菩薩像です。

アジアの像を見ていますが、こういう
腰から下の衣が多いですね。
上半身は肌に直接首飾り、腕飾り、聖紐
といった装飾品を着けただけ。

そのせいかわかりませんがどの像も
ウェストはかなりシェイプされていますよ。

そしてこの水瓶を持って反対の手を
差し出す姿は、酔っ払いの説教的な
脱力感とは裏腹に、筋肉の緊張感がある
太極拳的な空気感を感じます。
意外とこのポーズで静止は難しいですよ。

まわりの風も巻き込むような
茶目っ気たっぷりの菩薩さんですね。


仏頭 カンボジア 13世紀初頭(アンコール時代)

2012-09-24 05:28:50 | 旧仏像ワンダフル
アンコールトムという都の中に建てられた
仏教寺院には中心に45mの大堂塔があり、
その周り四方には人面をつけた高塔が50基も
林立していたそうです。

灰黄色砂岩のこの仏頭のように
穏やかなものだったんでしょう。

ヒンドゥー教と仏教が争いを繰り返し
この仏教寺院も後にヒンドゥー寺院に
改められているようですが。

改宗にあたって首を挿げ替えられたり
つらいことも多々あったでしょうが
今となっては夢の跡。

世俗の人間はまだまだ争いが絶えません。
せめて残った仏像の声ならぬ声を
聴いてみたいものですね。

蛇の上に坐す宝冠仏 カンボジア 12世紀前期(アンコール時代)

2012-09-23 05:19:21 | 旧仏像ワンダフル
悟りを開いて6週間がたち、その内容を
思い出していた釈迦。
そこに7つの頭を持つムチリンダという蛇が
現れて、釈迦を風雨から守ったという説話を
描いているというこの場面。

それまで質素だった釈迦の像は、この
アンコール時代になると冠をいただき、
宝飾品を身につけ、金箔で黄金に輝く
セレブに変わっていくようです。

それにしても行儀の良い蛇のとぐろに
何事も無いかのよう禅定印を結んで座る
デザインは見事ですね。
アールヌーボーでもここまで凄い椅子は
無かったように思います。

こんな椅子欲しいですね~
でもあちらの方から声が聞こえてきます
「山田君 座布団3枚取って来て!」



シヴァ神 カンボジア 10世紀前後(アンコール時代)

2012-09-19 08:25:48 | 旧仏像ワンダフル
なんと穏やかなシヴァ神でしょう。

灰色砂岩で造られているためもろかったのか
両手・足の先が無い、ちょっと可哀そうな姿です。

わずかに微笑んでいるように見える眼差しの
眼は空洞になっていて、当時は玉眼が埋め込まれ
もっと存在感をアピールしていたかもしれないですね。

の~んびりと、どっしりと、
まあ、ゆっくりいきましょうや~
てな感じですね。

四臂(しひ)菩薩立像-2 タイ東部ブラコーンチャイ出土 800年頃

2012-09-16 11:11:19 | 旧仏像ワンダフル
じゃーん、こんなん出ましたけど~ と
すくっと立つお姿は、顔に似合わず繊細です。

身体は青銅で緑ががっていますが、
青い少年のようなみずみずしさを放ちます。

ボディコンシャスも極めれば
こんな感じになりにけり、
メタボのおやじ仏には真似できませんわ~
後姿も小尻ですねん。

四臂(しひ)菩薩立像 タイ東部ブラコーンチャイ出土 800年頃

2012-09-15 08:22:54 | 旧仏像ワンダフル
立像なのですが、まずはその強烈な頭部に注目です。

タイの前アンコール時代青銅像の最高傑作と
いわれていて、ロックフェラー・コレクションの
中でもっとも著名な四臂菩薩だそうです。

1964年に廃寺の地下室が発見され沢山の青銅像が
発掘されたのですが、研究者の調査を受けないまま
欧米の収集家の手に渡ってしまい、今確認できるのは
24体のみでその中の貴重なひとつなんですね。

クメール人独特の鋭い眼光、厚い唇、
完璧なプロポーション、
まるでタイ版阿修羅のようですよ。

といっても全身像がないから次回につづく。

触地印坐仏  ミャンマー(ビルマ) 12世紀

2012-09-12 06:05:23 | 旧仏像ワンダフル
砂岩に金箔のこの像は、本当はレリーフのように
釈迦の生涯の八大事蹟を現した大河ドラマ風
なのです。

が、中央の釈迦誕生後1週間と思われる像を
クローズアップしてみました。

日本ではあまり見られない、
手をだらんと地面につけた触地印を結び
目を閉じた表情は渋いですよ。

なにか苦虫を噛んでいるようにも見えますが
おでこと左右の張り出した頭の形が
宇宙人のようでもありますね。

菩薩坐像 ネパール 13世紀(初期マッラ時代)

2012-09-07 08:48:05 | 旧仏像ワンダフル
前出のほとんど丸腰に近い弥勒菩薩さんから一転、
全身に宝飾をちりばめた金箔の塗料もかなり残る
華やかな像です。

丁度ネパールがタークリー朝からマッラ朝へ交代して
イスラム教の進攻を受け、インドからの影響を受けていた
文化が中断し、独自の様式が模索された時期とされています。

身体を少しくねらせて、豪華な装飾を身に着け
やわらかい表情で迎える感じは、
とっても親しみと親近感がありますね。

ちょっと「かいーの?」なんて聞いてみたい
気もします。