新・仏像ワンダフル!

千年の時を超えて仏像との新しい出会い
いやいや街を見渡せばよく似た人がいたような・・

雲中供養菩薩シリーズ 北8号

2011-10-31 07:35:17 | 旧仏像ワンダフル
排簫(はいしょう)と呼ばれる管楽器の演奏
を担当する北8号さん。

素竹を20本前後並べて、下端は節によって
閉じ、内部に紙を詰めて音階を調節し、
上部に息を吹き込んで音を出します。
西洋ではパンフルートと呼ばれるようです。

打楽器、弦楽器ときて、遂に管楽器の登場です。
なんか素朴な音色がしそうですね。

耳を澄ませば太古の息遣いが聴こえてくる様な
どっしり安定した構図です。
思わず自分もふか~く深呼吸。
今日一日を迎えにいきましょう。


雲中供養菩薩シリーズ 南7号

2011-10-30 11:43:56 | 旧仏像ワンダフル
多分、何か楽器を持っていたと思われる南7号さん。
指の感じから縦型の弦楽器、ハープのようなものでは
ないかと思います。
あまり資料が無くて未解明です。
ご存知の方は教えてください。

調べものに便利なネット検索も、キーワードを入れて
自分のブログの記事なんか出てくると衝撃ですね。
あの~私のほうが知りたいんですが・・

学術的な価値もなく、自分のとぼけた文章を目の当たり
にして、もっとましな事書けよーって自分で突っ込みます。
なるべく忠実に再現する努力ぐらいしか出来ませんが。

今回7号対決も、横向きでおきて破りの雲のゴージャスさ
から、北に軍配。

◆判定:北 5勝 - 南 2勝

雲中供養菩薩シリーズ 北7号

2011-10-29 14:03:33 | 旧仏像ワンダフル
貴重な横向き像がもう出てしまいました、北7号。
材料出尽くしか。
なんだか坊主めくりみたいで楽しくなってきますよ。

しかし横位置からの雲の表現はホント素晴らしい。
前出の北6号もそうですが、ゴージャスで、
見つめていると沸き立つ雲のごとくわくわくしてきます。

こんなソファを創ってたそがれてみたい。
そのままアッチの世界に行ったきり帰れなくてもいいかも。
現実逃避が頭をうろつく仕事の刹那。
だ~れも知らない、知られちゃいけーない♪デビルマン








雲中供養菩薩シリーズ 南6号

2011-10-28 21:44:26 | 旧仏像ワンダフル
点子(ばっし)というシンバル系の打楽器を奏でる
リズムセクションの南6号さん。

小首を傾げるというのは、優雅さの流儀のような
気がしてくる雲中供養菩薩の世界です。
だから女性的な感があるんでしょう。

ご多分に漏れず、反響を楽しむような
悦に入った表情を浮かべて傾けた顔は
満たされています。

さて今回の6号対決は北の憂、南の悦、
不条理を達観するような共感度から北に軍配。

◆判定:北 4勝 - 南 2勝

雲中供養菩薩シリーズ 北6号

2011-10-27 10:17:52 | 旧仏像ワンダフル
完全な横向きの像は2つくらいしかないのですが、
北6号はそのひとつ。

竜の頭のような装飾のついた風にはためく旗を
かかげています。
が、片膝立てて肘を下ろし、なんだか思惑げですね。

せっかくだから横からのアングル写真があったので
簡単に記録しておこうと思い追加しました。
驚くべきことに、左側の壁に対して上半身はほぼ完全に
造形して、下半身から雲にかけて調整して
不自然さがありません。



よく車で移動しながら空の雲を眺めているんですが
こんなふうに雲が見えたらどんなに素晴らしいでしょう。
まだまだ修行が足りず、その片鱗さえつかめない。

ひとつずつ線をたどるにつけ、♪ため息がで~ちゃあう~





雲中供養菩薩シリーズ 南5号

2011-10-26 06:01:08 | 旧仏像ワンダフル
鉦鼓(しょうこ)という打楽器をたたく南5号さん。
今のところ楽団員はリズムセクションが続きますね。
太鼓が木の枠に吊るされている構造上、あまり
力を入れて叩く事はなさそうです。

神経を研ぎ澄まし、打ち鳴らすタイミングを
図るような浮遊した眼差し。
一球入魂かもしれません。

5号対決は、その存在感から北の寂聴さんに軍配。

◆判定:北 3勝 - 南 2勝



雲中供養菩薩シリーズ 北5号

2011-10-25 05:49:43 | 旧仏像ワンダフル
北5号は52体の内に5つある、比丘形(僧形)のもの。
同じ僧形で、同じようなアングルと姿勢のものに
南12号があっていろんな資料に採用されていますが、
こちらはほとんど目にする事がないですね。

しかしよく観てみると、出た!寂聴さん、
こんなところにいらっしゃったんですかっ。
東北大震災の後、死なない病気にかかったと
言われていましたが、
やっぱり歩く仏像だったんですね~

お顔に現れた年輪がとても親しみやすい
隣のお寺に普通にいらっしゃるような姿です。


雲中供養菩薩シリーズ 南4号

2011-10-24 06:37:21 | 旧仏像ワンダフル
楽団員が続きます、南4号さん。
左手に均子(きんす)、右手に撥(ばち)を
持っています。

数少ない資料を探し回り、アングルの違うものが
見つかると、とっても嬉しいですね。
どっちを使おうか迷って、どれも捨て難く、
それで頭の中で混ざったりしてるんでしょうね。
ま、自分にはこんなん見えますよって事で
どんどんいきまっしょい!

この楽器、音的には仏壇にあるリンのような
感じなんでしょうか。
はかなさが滲み出ています。

衣装はと言うと、同じリズムセクションでも
運動量が少ないせいか腕に一巻き多いです。
ゆったりした演奏なのでしょう。

運動量の多さから今回は北に軍配。

◆判定:北 2勝 - 南 2勝

雲中供養菩薩シリーズ 北4号

2011-10-23 05:34:14 | 旧仏像ワンダフル
腰鼓(ようこ)という打楽器を軽やかに打ち鳴らす
北4号さん。

楽器の部分、ちゃんとヒモの素材が通してあり
表現が細かいですね。

なにせ52体もあるのですから、ディテールにこだわる部分
簡略化する部分が必然に出てくるはずです。

北4号は雲の部分が簡素ですね。
素晴らしいバランスだと思います。

空気をつかむような手の表情、
やさしすぎるリズムセクションです。

大洪水と寝そべる仏像 タイ・アユタヤ市

2011-10-21 15:04:41 | 旧仏像ワンダフル
雲中供養菩薩シリーズは中断して
ここで臨時ニュースをお届けします。

治水インフラが未整備だったタイでは国土の3分の1に
迫る勢いで洪水が起きているとニュースが伝えていました。
ネットでも沢山の報道写真を見るにつけ
「津波も怖いけど、じわじわと増水する水も怖い」
とつくずく思います。

何年か前に河原でテントを張ってキャンプをしていた時に
大雨が上流で降って、朝4時ごろ川でアユ釣りをしていた人が
増水を知らせてくれて、間一髪で車もろとも水没を免れた事が
あるのですが、同じ日に川のもっと下流でキャンプをしていた
人たちのカメラの前での死亡事故が、TVでも報道されました。
ほんの10分で道だったところが濁流に変わるんですよね。

ま、そんなこともあって、このニュースは気になって
いたのですが、この場面はスルー出来なかったので
描かせていただきました。

各地にある仏像も水没の被害にあってはいるのですが、
その様子というか、態度というか、脱力です、はい。
神様仏様だったらなんとかして欲しいところですが
ちょっと無理ですね。

カリカリしないでやりましょうよ、何とかなるさ。
大きいからどつけないし。