新・仏像ワンダフル!

千年の時を超えて仏像との新しい出会い
いやいや街を見渡せばよく似た人がいたような・・

雲中供養菩薩シリーズ 北18号

2011-11-30 09:13:02 | 旧仏像ワンダフル
日めくりカレンダーのように進んできたこのシリーズも
すでに終盤、北18号さんです。

スタンダードな鼓を喜びに満ち満ちて打ち鳴らす
晴れやかな表情ですね。

また雲の形状が新しいパターンで、蓮華座の脇から
湧き出てきています。
衣の処理もちょっと誇張されていて
全体的に優雅でのびやかな感じがします。

菩薩さんを描いている時は無心で何も浮かびません。
殺伐とした日常のブラックホールですね~
吸い込まれたくなりにけり。

雲中供養菩薩シリーズ 南17号

2011-11-27 09:43:15 | 旧仏像ワンダフル

落ち込んでいる北17号さんを慰めるように
未敷蓮華(みぶれんげ)という蓮の花のつぼみを差し出す南17号さん。

しかし去年、平等院は復元を依頼している仏師の村上清氏の指摘で、
本来の持ち物は死者の魂を浄土に運ぶ「蓮台(れんだい)」ではないか
との説を発表しているようです。

言われてみれば、この腕の角度ならそんなに不自然ではないですが
肘あたりからそっくり作り直されているとなると、全く違う
ポーズの可能性もありますね。

私も及ばずながら、妄想シリーズで検証してみたいと思います。

17号対決は、こちらの持ち物も定かではないですが
しっくり落ち込んでいる北に軍配。


◆判定:北 8勝 - 南 9勝


蒼山日菜さんの妖精

2011-11-25 23:05:32 | 旧仏像ワンダフル
ちょっと前にドキュメントTVで人柄と作品を
見て以来、その繊細な作風を肌で体験してみたいと
思っていました。

とにかく細かい膨大な作業もさることながら
元となる図案が伝統的でしかも斬新、
情景が鮮やかに溶け込んだ素晴らしさに
衝撃を受けたものです。

著書でも「繊細な切り絵を作る人は数多くいます。
技術は学べる。けれど絵に感情移入できる作家は
少ないのではないでしょうか。
感情移入できた作品にだけ価値がある。
そう私は思い、それを大切に製作しています・・」
と書かれています。

また年齢を経て、日々の生活の中の営みで
作品を生み出してきたというプロフィールも
共感出来るところです。

実際に切ってみると、細かい線は油断すると
すぐにつながりが切れて、頭の中でつじつまを
合わせて作業しないと形にならなくなってしまう
という、とにかく正確なカットの積み上げで
やっと形になる感じでした。

本来はハサミですがカッターでしてみました。
ふう~~ やっぱすごいです。


雲中供養菩薩シリーズ 北17号

2011-11-23 21:17:39 | 旧仏像ワンダフル
旗持ちの北17号さん、北6号さんも旗持ちですが
横向きでしたね。

しかし、何てことでしょう、
この悲痛な面持ちは。
思わず眼・肩・腰に・・と声をかけたく
なってしまいます。

顔の表情の造りは非常に穏やかなのですが
いかんせん塗料の剥落の具合が
「ガーーーン!」の線のように残ってます。
だから疲労困憊のムードたっぷり。
旗も心なしか精彩なく揺れています。

 今日のー仕事はーつらかったー
 あとは焼酎をーあおるだけー♪
そのうち涙がこぼれるかもしれません。

雲中供養菩薩シリーズ 南16号

2011-11-22 23:04:53 | 旧仏像ワンダフル
琴(きん)を弾く南16号さん、北1号と
楽器がダブっていますが、こちらのほうが
ちょっと大型の琴のようです。

顔の部分の塗料がまだらに残っていて
それが思慮深い表情となっています。

材料の木材の年輪の部分が絶妙ですね。
ほかの菩薩さんも必ず膝や肘といった
突き出た部分に年輪の中心がきています。
細部にも神経が行き届いた作品ばかりですね。

また、雲の造作がニュータイプで
角が二方向に出ています。
ため息が出ちゃう感じです。

16号対決は新しい雲の境地を見せ付ける
南に軍配。

◆判定:北 7勝 - 南 9勝

雲中供養菩薩シリーズ 北16号

2011-11-21 06:32:37 | 旧仏像ワンダフル
琵琶をひく北16号さん、
またしても北2号さんと楽器がダブっている
ようですが、こちらはバチを持っています。

ここの楽団員さん総じて受ける印象ですが、
楽器を手にしていても音が出ていない、
いわば間の瞬間ばかりのような気がしますね。
心が周囲を浮遊してふわふわしてます。

己に埋没しているようでいて
外の空気に聞き耳を立てている
そんな感じです。

だから観るものの心が映るのかも
知れないですね。

人生いろいろ
心も想いもいろいろ
その時、場面でも変わります。
なんか心理テストのようですね~


誕生釈迦

2011-11-20 19:46:09 | 旧仏像ワンダフル
仏像っていうのはこういう分野ではあまり
触れられていないのかと思っていましたが、
あるんですね~

型紙があったので作ってみました。

とてもよく情景が浮き出ていますが
見かけよりは相当手が込んでいますよ。
糸を何本も通してより立体的になるような仕掛けです。





平面から立ち上がってくるとワクワクする
いろんな仏像を立ち上がれせてみたいですね。

立ち上がれニッポン!
立ち上がれ仏像!!

雲中供養菩薩シリーズ 南15号

2011-11-19 06:03:50 | 旧仏像ワンダフル
ずっしりとした安定感のある物腰の
南15号さん。

顔のつくり、身体の肉付きが肉感的
祈りの印を結び瞑想しています。

足元に連なる雲の花も見事ですが
菩薩さんの存在感を際立たせる
絶妙のボリュームですね。
見事です。
ちょっと正月の葉牡丹の寄せ植えを
思い出しましたが。

15号対決は重厚な存在感で南に軍配。

◆判定:北 7勝 - 南 8勝

雲中供養菩薩シリーズ 北15号

2011-11-17 15:14:18 | 旧仏像ワンダフル
洞簫(どうしょう)という、縦笛を長くしたような
楽器を吹く北15号さん。

細身で草食系男子的ですね。
表情が演歌かもしれませんが。

いつも写真を見ながらスケッチするわけですが
紙に再現しようとして初めて「足」が見えていた事に
気が付くことが多々あります。

陰でおぼろげにしか見えなかったものが、
ポーズを追ってつじつまを考えると
「あーここに足があったのね~」
突然見えてくるんですよね。

で、こんなリラックしたイレギュラーな
一つとして同じでない表現に触れるにつけ
ますますディープな世界に沈んでしまう、今日この頃。