ようこそクッキー 中山本店 

毎日食べたもの、飼い猫のことなどを綴っています。

ノラ猫を考える。vol.12(サバ猫現る2

2009年06月14日 | ねこ・散歩


「こんばんは~」と、突然背後で女性の声がしました。やばっ、どうやらアパートの住人が帰ってきてしまいました。通路をふさぐ様にして階段の下でノラなんかにごはんあげていたものだからとっさに、「あ、すみません」としか返せませんでした。無意識に後ろめたさを感じていたのかも知れません。暗くなりつつあった為、振り返っても一体どんな人なんだか分かりませんでした。「猫、お好きなんですか?」と。やはり初対面にはこの常套句だよなぁと変に納得しつつ、ブログネタにおあつらえなどと思いながら、はいとだけ言って頷きました。

するとどうでしょう、さっきまで俺様のご飯をうなりながら食べていた猫がその女性を鳴きながら追って階段を一緒に小走りで上って行きます。若かりし頃つき合っている女にフラれた時の寂寞感、或る意味嫉妬にも似たような気持ちにかられました。誠心誠意尽くしてもどうにもならない時にはならないのだ、そしてそれこそがいつものボクの役回りなのだ。なんだ、いつもこの人からごはん貰っているのだなと思いました。それとも、ひょっとしたら飼っているのかな?とも思いました。まあそれはそれで良かろう、食いっぱぐれる事が無ければ・・・。気が付けば、ボクは君を心底愛しているのだから幸せになってくれさえすればそれで良いんだよなんて、軽薄なトレンディドラマのセリフを吐く主人公の気分になっていたのでしたよ(笑。

程なくドアがバタン!と閉まりました。家に入ったのかな?と思うや否や、すごすごと階段を降りてくる猫の姿がありました。どうやら入れてもらえなかったみたいです。それか、ボクにご飯もらっているから今日は要らないか?とあの女性が勝手に判断したのかも知れません。とにかく、そのあまりの情けなさそうな姿に思わず笑ってしまいました。そして、一旦自転車の前かごに戻した残りのごはんを差し出すと何事も無かったかのようにまた食べ始めました。もう1匹、たまに一緒にいる奴は別の部屋の前の洗濯機の上で行儀良く誰かを待っているようでした。この2匹はこのアパートにそれぞれパトロンがいるけれど、決して正妻には迎え入れられない・・いや、飼ってはもらえないようです。まあ、人間の世界でもよくある話ではないですか。

翌日の事です。晩の6時頃にそこを通りかかると、奴が車の下から現れてニャ~ニャ~言いながらすり寄ってきました。何故だ?あれだけ警戒心が強かった猫が、自分から来たのだ。ボクの推測はこうだ。あの女性からは日頃何度もご飯を貰って心を許していた。昨晩、その人とほんの僅かな時間だが会話を交わすところを見ていた。だからひょっとしてこの人も大丈夫かもしれない、といった論法だ。それにしても、昨日の今日でのこの豹変ぶりは一体何なのだ?まあ良いや、悪い気分ではない。しかしあいにくごはんをもっていない。仕方がないので家に戻ってあげたのは言うまでもない。
(To be continued)
どれでもポチッとお願いします。
にほんブログ村 料理ブログ 男の料理へにほんブログ村 猫ブログ 元野良猫へにほんブログ村

お知らせ

ブログランキング・にほんブログ村へ ←応援よろしくね