ボヤ騒ぎ以来、真冬でもこたつ以外は暖房器具を一切使わない生活になり、一応は部屋にエアコンが付いているようですが、使う事もないのだそうです。しかも真冬でも猫が自由に出入り出来るようにと常に窓を10cm程開け放っています。幾ら東北地方と比べれば寒くはないといえ信じられません。でもじじいが言うには、慣れると寒くないだけでなく風邪もひかなくなったということです。
じじいは事件から数日は元気が無いようにも見えましたが、実は当時はあまり私的な会話をした事がありませんでした。また、したいとも思っていませんでしたw。唯一、猫をたくさん飼っているのがうらやましく思った程度のもので。それが、徐々に会話らしい会話、つまり相手のパーソナリティを理解出来るようになったのは、クッキーの存在でした。とりわけ昨年暮れのクッキー失踪事件に際しては、じじいの猫チャンネルにも世話になったことで、本当に優しい人だと救われることも少なくありませんでした。
クッキー捜索には動物を専門とする探偵業者にも依頼しました。12万円@3日がワンクールという高額な支出は堪えましたが、残念ながらそれに見合っただけのサービスであるとは言い難いものでしたので、じき断ってしまいました。ビラ配りやポスター貼りだけの一体どこが専門業者ならではの独自なノウハウといえるのでしょうか?詐欺とまでは言いませんが、今更ながらに憤りがあります。幾ら商売とはいえ、例えば成果報酬制にするとか良心的なやり方はあると思います。まあ、今思うと腹立たしいと共に、単にボクの世間知らずぶりを露呈するだけですのでお恥ずかしい限りではありますが、藁にもすがる思いとはまさにあの時の事でした。同様の境遇にある人は今一度考え直してみるべきです。
業者などに任せておけないと、捜索は自分だけで深夜から明け方にかけて毎日行いました。ただただ寒かったことを憶えています。また、この捜索を通じて予定外のボクのノラ猫ワークが始まったのでもありました。12月の朝方の5時くらいというとまだ暗いのですが、じじいはもう外に出て洗濯物を干したりしています。そこで、クッキーの捜索ビラを見せて尋ねたのが会話らしい会話をする切っ掛けになりました。じじいが可愛がっている猫たちに混じってクッキーがごはんをもらいにひょっこり来る事だって無いともいえないと考えたからでした。
じじいは別棟に住む魚河岸勤めの人にも話をしておこうと言います。その人は会社で余った魚をどっさりと持ち帰って、縁側でノラ猫たちにふるまうのが日課らしいのですが、確かに言われてみるとクッキーがそのノラ猫の群れに混じっていた事があって、強制的に連れ帰った事がありました。そういう事だったのか。
あれからもう少しで1年が経とうとしています。クッキーは帰ってきません。その代わり、多くの別の猫や人と知り合いになりました。
※画像はじじいの家の近くのコンクリート。無数に猫の足跡が・・w。
(つづく)