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毎日食べたもの、飼い猫のことなどを綴っています。

<ほろ酔い日記 vol.21>「チェ・ゲバラ」vol.3

2013年07月03日 | ねこ・散歩
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チェ・ゲバラに似ている。ファーストインプレはそれだった。
僕には革命家の知り合いもないし目の当たりにしたこともないから
どんな雰囲気を醸し出していれば革命家なのかは知らない。
単にベレー帽からはみ出た髪の毛がモッコリした容姿が似ていた。
ただそれだけのこと。

ボクはゲバラに、あの猫にいつもごはんをあげてるのですか?と尋ねた。
すると返ってきたのはほぼ予想した通りの白々しい嘘の模範回答だった。
通りかかったらたまたま初めて見る小猫がいたので見ていただけ・・と。
思いきりカルカンのドライフードを抱えているくせによくぞそこまで言ったもんだ。
そもそも猫が、とりわけ警戒心の強いノラ猫が、初めて見かける人間に
自分から小走りで駆け寄っていくなんてことはにわかに信じ難い。

べつに僕はこの女性が嫌いで貶(おとし)めようとしているのではない。
手っ取り早く相手の心を開かせるには先ずは僕がこの猫をいかに可愛いがっているかを
伝えるだけで良い。だから、ボクが毎日この猫にごはんをあげていることや
ごはんをあげられない休みの日にも誰かがごはんをあげてくれている形跡があるので
実はちょっと安心してるのだという内容のことをしゃべった。
そこまで言うと心なしか彼女の表情が変わったようにも見えた。
注意されると思っていたのに礼を言われたことへの戸惑いだったかも知れない。



実際、猫缶を缶ごと置いていく人もいるんだけど、猫は上手に食べられない。
表面だけペロペロ舐めてすり鉢状になったところであきらめてしまう。
そのまま腐ったり雨水が溜まったりアリやハエがたかった猫缶、或いは
ごはんの入っていたと思しきお皿代わりのプラ容器なんかが散乱してたら
猫に対する風当たりはますます強くなるだろうから、それらを捨てるのは僕の仕事でもある。
そんなリアルな話を一方的に続けているとゲバラはつい口を滑らせて、
私は食べられる量だけしかあげていないし発泡容器もプラ容器も使ってません、と
ちょっと語気を強くして言った。やはり思った通りじゃん。

とにかく対外的にはノラ猫に餌をあげてはならないことになっているけれども、
このビルにだって実際には猫好きも多く密かにかわいがる人も少なくない。
ノラ猫がうろついていたところで唯一実害といえるのはせいぜい猫嫌いな人の
矛先の誤った小言を聞く程度のことだが、これは猫ではなくその人間の側が問題だ。
そのため管理する側も黙認しているというのが現状なのだ。しかし、だからといって
大っぴらには出来ないところが社会というものをより難しくもしているのだろう。
とにもかくにもそういったことを念頭にこれからもチビクロをよろしく、と伝えた。
かけ離れた本音と建前。猫好きの日本人だったら察してくれよという期待を込めてね。
するとゲバラはありがとうございます、と言って自分の名前と住所を伝えてきた。初対面なのに。

<to be continued>

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