ようこそクッキー 中山本店 

毎日食べたもの、飼い猫のことなどを綴っています。

ノラ猫を考える。vol.10(少年と猫

2009年06月07日 | ねこ・散歩
風呂上がりに酒屋へ行く時にいつも通るのは沿道に駐車場を有する人以外は基本的に車が通れない道で、よくクッキーとも散歩した道です。老人介護施設と小さなワンルームマンション、民家などが立ち並ぶその道沿いには店が一軒もありません。車の往来が比較的ある道に出る手前20m程のところで小学生が懐中電灯で植え込みを照らしていました。塾の帰りかもしれないその少年の自転車がその近くに止めてあります。すると、中からミ~という声がします。明らかに子猫です。実は以前にもそんな事があり探したのですが、姿は見えず仕舞いでした。

ボクも自転車を降りて、猫がいるね?と声をかけると、さっきは大きな猫と一緒に道に出てきたんだと言います。親猫がいるんだったら安心だなと言うと、いや、親じゃないよと言うので、どうして分かるの?と訊き返すと、だって色が全然違ったもんと返ってきた(笑。随分昔だが、アルバイトで塾の講師をしていた時の事を思い出した。小学5~6年生だろうか、育ちの良さそうで賢そうな顔をしている。でもやはり子供なのだ。

君は猫が好きなの?と話しかけてからハッと思った。それは先日、小学校の前で或るおばさんに会った際にまさにボクが言われたセリフで、初対面だったらもっと気の利いたもの言いがあるだろうと言っておきながらのていたらくなのだ(笑。すると少年は、ハイ、家には20年近くも飼った猫がいましたと言うその口調が、心なしか自慢げであったのが可愛らしいとともに、お前まだ生まれてね~だろ!とツッコミたくなりました。ところで、君はいつも懐中電灯を持ち歩いているの?と訊くと、今日はたまたま持っていただけと言います。ボクはたまたまでもそんなものを持ち歩かないが、小学生というのは得てしてそんなとこがある。

やがてさっき少年が言ったとおり、大きな猫が小さな猫を追いかける様に植え込みから飛び出してきました。少年はすぐ近くまで駆け寄ってしゃがみ込むと、ツェッツェッと口を鳴らして手招きしました。ボクも無意識に近くで少年と全く同じ行動に出ていました。すると猫達はまた思わぬ方へ走り出して、そこはどこかの社員寮の食堂に面した駐車場で、工事中なのか重機が停めてある所へ逃げ込んでしまいました。少年は、人が入らない様に鎖で仕切られているその敷地へ何の躊躇もなく入って行きましたが、さすがにボクも入っていって不審者に思われるのは勘弁です。こういったところは子供に許された特権だと思うわけなのですが、ボクは道で待っていることにしました。

すると、ボクのすぐ脇に停まっている車の下から別の子猫が出て来たではありませんか。さっき逃げた奴よりももっと小さい、毛がパヤパヤした生後3週間程といった白猫だ。少年は戻って来て、逃げられました・・と言うので、この車の下にもっと小さいのがいるよと言うと少年は急いで懐中電灯で車の下を照らして眺め込んだ。すると、警戒しつつもピーピーと鳴きながらチビ助が寄って来た。

少年は、段ボール箱を探してきますと言うので、それに捕獲したあと君の家で飼えるの?と訊き返しました。すると黙り込んで困った表情になるのが分かった。少しの間二人でその猫を眺めていましたが、親猫がいるから大丈夫だろうと告げて、じゃあそろそろ帰るよと言いました。すると少年も、ボクも帰りますとペコンと会釈をしてくる。しっかりした躾が伺える。

ボクは自転車にまたがり走り出すと、何故か少年も同じ方角へ走り出しました。途中まで一緒にトロトロと走っていると、やっぱりお母さんに相談してみることにして許しが出たら飼いたいと言いました。急がないとまた見えなくなってしまうのを気に掛けた様子だ。優しい子だなと思いながら、じゃ、ウチはこっちの方なのでと別方向へ去る少年の後ろ姿を見た。突然、狂った様に立ちこぎを始めたのが微笑ましかった。

1時間以上して、食後の散歩がてらその場所へ行ってみると、猫達の姿はありませんでした。今頃、少年の家でみんなにいじられている事を願います。

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