「迷宮レストラン―クレオパトラから樋口一葉まで」(河合真理著)
会員制の「迷宮レストラン」は、お迎えしたお客様に合わせて
とっておきの料理コースを用意して、おもてなしします。
お客様はレオナルド・ダ・ヴィンチや、ダーウィンをはじめとする、歴史上の偉人…だけではなく!
シンドバッドや、河童の河太郎など、架空の人物も。
著者の方の下調べがすごいのです。
お客様一人ひとりの好みのために、たくさんの文献を読んでいる印象を受けました。
料理の多くは、お客様の生きた時代・土地に合わせた食材を使うので
手に入れづらい材料ばかりで、再現は早々に諦めましたが、
「これこれこう言う理由で、このような料理を用意いたしました」と言う解説に胸がときめきます。
レシピ本と考えると、実用的ではありませんが
読み物として、大変面白かったです。
先に書いたダ・ヴィンチは、菜食主義者なので、
スープストックも野菜で取ります。
聖徳太子に出した「にんじんの蘇和え」。
蘇(そ)とは、古代のチーズのようなもの…なのですが
牛乳を数時間煮詰めて作ります。
(あの…手作りカッテージチーズじゃ駄目ですか?)
コロンブスが新大陸の先住民にした仕打ちを読み、ヤツの事が嫌いになりました。
食卓の写真が、またステキなのです。
雰囲気のある食器をそろえて、セッティングされています。
本や映画に出てくる料理に食欲をかきたてられるタイプの方に
おすすめしたい本です。
そういえば、私もブログ内では
架空のお客さんに料理を作って、出してましたわ。
ランカにパインケーキとか、
フレデ肉さんに熊肉とか、
フェリシアにステーキサンドとか。
「迷宮レストラン」にならって、今度は誰に何を作りましょうかね。