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海外メンタルヘルスニュース

抗うつ剤と暴力衝動

2006年09月18日 | Weblog

(Reuters)--抗うつ剤の服用によって自殺衝動を引き起こすリスクがあることはよく知られていると思いますが、最近の研究では暴力衝動を引き起こす可能性があることに注目が集まっています。

現在の所、対象とされた薬はGlaxoSmithKline(グラクソ・スミスクライン)のPaxil(パキシル) これを服用すると所謂hostility event(敵対心を見せ付ける言動など)がplacebo(偽薬)を与えられた人と比較して2倍になった。

2倍と言っても、0,31%から0,65%(被験者約1万人)です。




二コール・リッチ&摂食障害

2006年09月17日 | Weblog
Simple Life Starこと二コールリッチが最近ゴシップ誌の標的になっています。理由は彼女の急激な体重の変化。日本と違い、遠慮なくインタビューされたりするわけですが本人は再三否定しています。

「摂食障害になったらそれはそれでいいと思うし、受け入れると思います。でも、今の私は摂食障害ではないの。確かに急に痩せたけど、それは病気ではなく自然になのよ。私はどちらかといえばそれに対して病気よ。皆が病気だおかしいって言うでしょ?人と会うとき、皆が私をみてそう思ってるのかしら?って考えちゃうから、嫌なものよ。私が今より太ってた時は「二コール太りすぎだ」って言うの。勝手なものよ。でも、私は私で大丈夫。でも一度だけすごい困ったというか、動揺したというか…靴屋で試着としてた時にね、中学生位の子とその母親が私の所に来て『二コール病院行ってる?ちゃんとケアしてる?私たちはそう思えないのよ』って言われた時ね。あの時は何とも言えなかったわ」NICOLE RICHIE


メンタルヘルスとインターネット(英国)

2006年09月15日 | Weblog
日常生活で情報源としてインターネットを活用することは一般的な時代になりました。では、心の病を抱えた人々が自分自身の病の情報を調べるためにネットに頼る割合はどの位であろうか?と興味を持ち調べたのがWarwick大学のJohn教授。彼の研究によると、5人に1人があてはまるということです。

回答者は約1000人で質問項目は12項目。しかし、過去ネットを使用したことがないと回答した者が約4割いたために、実質の対象者は600百人足らず。

若い世代になる程情報源としてネットに依存する割合が高まる等のことが書かれていますが、それでもネットを情報源として活用している人々の全体平均は20%

案外少ないと思いましたが、これは英国のお話なので日本で調査すればまた違った結果が出るかもしれません。

一人の精神科医が9月11日障害から学んだこと その2

2006年09月14日 | Weblog

多くのカウンセリングを実施して印象深く心に残っていることは、クライエントの深い悲しみや恐怖、絶望感ではなく、クライエントの「回復力」であった。

「人々は皆立ち直りがとても早かったと感じました。特に子供は私たちが考えている以上でとても驚きました。もし私たちが今回のような困難の最中にいるならば、今やるべきことを実際行動に移すということを教えられた思いです」(Kestenbaum)

Kestenbaumはセンターが提供した数々のプログラムに積極的に参加をし、笑顔を取り戻していった多くの子供たちを見届けた。

勿論、5年前の9月11日はあの日で終わったわけではなく、今もなお多くの人々に深い苦しみを与え続けている。実際、メディアで報道される内容もそのような人々を中心にしているが、その一歩で多くの人々が凄まじい「回復力」で9月11日を消化していったのも事実である。




一人の精神科医が9月11日障害から学んだこと その1

2006年09月11日 | Weblog

Psychiatr Newsより

5年前の9月11日の午前、ワールドトレードセンターに飛行機が激突したニュースを知った時、精神科医Kestenbaumはマンハッタンのアッパーウエストサイドにある自宅に居た。その数時間後、彼女はとあるケーブル局のスタジオで数時間を過ごした。彼女は当時TV番組のコメンテーターとして出演しており、そのための打ち合わせだった。いつも以上に時間を要した話し合いの議題は、勿論当日の午前中に起こったテロについてだった。しかし、スタッフ、ニュースキャスター、そして彼女自身誰もが想像出来なかったこの大惨事をどのように取り扱えば分からなかったし、時間をいくら費やしても心の準備は出来なかった。

「私はこの日数時間出演しました。一番に思い出すのはみんなの不安で心配した表情です。私たちが一番重要と思い時間をかけたのは、子供たちに今回の事件をどう伝えるのか?でした。番組の後半ではTVに電話をかけてきた視聴者の相談にのりました。まるで"live on-air consultation"でした。」(Kestenbaum)

NY市、いやアメリカ全土の精神科医と同様に彼女もまた多くの人に9月11日障害のクライエントに薬を処方しカウンセリングをした。彼女が当時トップを務めていたTe New York Council of the American Academy of Child and Adolescent Psychiatryは9月11日障害の子供やその両親に限っては無料(または低価格)でセラピーを実施することを公表していたので、より一層の忙しさだった。




小児癌のサバイバーと自殺衝動

2006年09月10日 | Weblog

The journal of Clinical Oncologyより

小児癌のサバイバー(この記事では小児癌と診断されたから5年以上経過し生存している者)が自殺(未遂)する割合が高いことが分かった。小児癌と診断されてから5年以上の生存率は現在8割であるが、一方で激しい痛みや不安と闘い続けている者は少なくはない。

実施された調査ではボストンの病院で小児癌サバイバー226人(平均年齢26歳)を対象とした。その結果、約13%がその調査から一週間以内に自殺を考えたか、実際自殺未遂をしたと答えた。この226人中うつ病と認定されている者は約40%である。

小児癌になった年齢が若ければ若いほど自殺願望や衝動に駆られる割合は高まると書かれている。

POPPA

2006年09月09日 | Weblog
NY市では毎日約4万人の男女の警官が働いており、様々な人々を助けている。しかし、彼らも時には人を助ける側ではなく、助けられる側になるときもある。

仕事で慣れているとは言え、交通事故直後の現場や殺人現場を見たり、仕事でのミスが重なれば自ずとストレスは溜まるもの。そんな時彼らはThe Police Organization Providing Peer Assistance (POPPA)へ赴く。NYで働く警察官のための専門相談(カウンセリング)センターである。

1995年と1996年にNY市の警察官26人が自殺した。この対策として1996年に設立されたのがPOPPA。運営は多くの助成金や寄付金によってであり、本部があるマンハッタンのブロードウェイのオフィスもKoeppel Companies L.L.Cという会社からの寄付金で建てられた。

ここで働いているのもまた警察官だが、彼らは一定の基準を満たしたトレーニングを積んでいる。守秘義務も勿論しっかりしており、今までに多くの警察官に利用されている。

刑務所内でのメンタルヘルス問題が深刻化

2006年09月08日 | Weblog
Los Angeles Timesより

刑務所内で服役している者の約半数が何かしらのメンタルヘルスの問題を抱えていることが報告された。かなり詳細に書かれていますが、簡素に書くとうつ病とボーダーラインが多いようです。

個人的に興味を持ったのが、約75%がアルコール依存症または薬物依存症で(刑務所に入っているので依存からは回復できた人は多数)、犯罪を犯した時、約40%が薬物を使用した直後だった。

また、刑務所内での暴力行為(喧嘩)も多く、それも問題となっているそうです。


若者ほど相談せず アルコール依存症

2006年09月07日 | Weblog
Pediatricsの2006年9月1日号より

The National Institutes of Health (NIH)内のthe National Institute on Alcohol Abuse and Alcoholism (NIAAA)の報告によると、25歳以下のアルコール依存症者は30歳以上に比べ圧倒的に専門機関に訪れる者が少ないことが分かった。また若い時にアルコール依存になりその問題に高齢になるまで向き合わなかった場合、他の障害を抱えるケース可能性が高まる。

基本的な調査は全米の4万3千人と対象として実施され、その中からアルコール依存症者(または過去においてアルコール依存症であった)約5千人に対してさらに対面式インタビュー等が実施された。

約半数がアルコール依存症になったのが21歳前、25歳前までに拡大すると3分の2が当てはまった。30歳以上でなったのは僅かに約20%

日本人のケースでも比較的似ているのではないでしょうか?本人も周囲も気付いてないだけで、若者のアルコール依存は多いと思います。


トップカレッジ在籍の学生と自傷

2006年09月06日 | Weblog

CornellとPrinceton大学の調査によれば、大学生の17%が自傷経験があることが分かった。この経験者の内の約70%は少なくとも2回以上の経験があり自傷行為が慢性化していることが分かる。

40%が誰にも相談もせず一人で抱え込んでおり、病院等の専門機関を訪れた経験がある者は僅かに20%であった。

この調査結果で特徴的だったのは、入学と卒業が困難な難関大学に在籍している学生ほど自傷経験の割合が高かったこと。しかし、この関係は明確ではない。

アメリカ内で実施されている調査結果を見ると、自傷の割合は10代後半から20代前半ではどれも15%~20%と高い数値を示している。全年齢を見ても3~5%

一昔前の調査では1%~3%であったため、確実に自傷経験者の人数は増加していると考えられている。