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海外メンタルヘルスニュース

カウンセラーが直面している経済的な問題

2006年03月31日 | Weblog
The New York Timesより

アメリカのシカゴ郊外に住むとある女性カウンセラーは自宅でカウンセリングを実施していた。自宅で仕事を行うことによって子供と過ごせる時間が増え、彼女も子供も喜んでいたが、昨年1つの問題に悩まされた。それは収入の問題であった。2005年は前年に比べ約10%ダウン。何も不人気でクライエントが減少したのではなく、むしろクライエント数は少しだが増加していた。

では、なぜ収入が減少したかと言うと彼女が契約している保険会社と関連がある。今までは1時間のセッションで90$だったのだが、保険を使用する人に対しては、保険会社が料金設定出来る権限がある。そして、この保険会社は1時間あたり約70$の料金設定をした。彼女の元を訪れるクライエントのうち約3分の2がこの保険会社の保険を使用するために収入が減少したというわけです。

彼女は今年この保険会社のリストから自分のオフィスを外しました。料金設定で悩まされることはありませんが、日本で言えばタウンページの掲載を中止するようなことなので、恐らくクライエント数は減るでしょう。

カウンセラーやセラピストにとっては切実なお話ですが、クライエントにとっては喜ばしいお話ですね。

ちなみにアメリカでのカウンセリング料金は日本と同様で差がありますが、個人開業だと90$~100$/1時間と設定している所が一番多いと思います。150~200$という値段を聞いただけで鼻で笑ってしまいそうなオフィスも結構多いのですが、大概値引きしてくれます。ほぼ無料で実施しているボランティアや行政団体も無数にあるので、この金額の差はすごいですよね。

高齢者のうつ

2006年03月30日 | Weblog
Archives of General Psychiatryより

高齢のうつが年々増加し続け、現在は55歳~85歳の約15%が何かしらのうつ症状に悩まされていることが分かりました。中でも増えてきているのが高齢になってから初めてはうつに悩まされる方の割合です。現在、様々な予防プログラムの開発と実施に力が入れられています。


抗うつ剤神話の崩壊

2006年03月29日 | Weblog
Los Angeles Timesより

抗うつ剤は多くの人が願っている程の魔法の薬ではない。年々増加し続けていた抗うつ剤の販売額が昨年急速に下降しました(前年と比べ約15%減少)

現在多くの研究で「単一の薬だけでは効果的な治療は得られない」「薬を処方されても、処方された全ての薬を飲み続ける人の数の低下」が明らかにされています。

Andrew Leuchterによれば一番問題なのは「薬が作用するかどうかではなく、誰がどの薬と合うのか全く持って予測出来ないことです」と指摘しています。合う薬を探すために様々な薬が処方されますが、そこにたどり着くまでに断念してしまうケースは多いでしょう。

American Journal of Psychiatryのとある論文にはSSRI単一での治療で効果が得られたのは30%のみと発表されていました。個々に合う「複合の薬」を探し当てるのは至難の業でしょう。といっても、治療を辞めて自然に治るのを期待するのも名案とは言えませんので、非常に難しいことです。

性格とADHD/行為障害の関連性

2006年03月28日 | Weblog
Journal of Child Psychology and Psychiatryより

フロリダ州立大学の研究チームの報告によると、幼少の頃に感情をコントロールするのが困難であったり攻撃的な言動が多かった、りスリルを求めがちな行動が多い場合、ADHDまたは行為障害になる可能性が高まるそうです。

この研究は初めて「性格とADHD・後遺障害の関連性」を調査したものです。行為障害は上記の症状そのものなのでそのままなのですが、ADHDも「幼少の頃の性格」が深く関係しているという見解を示しています。

これらは「性格が障害の一部であり、障害は性格の一部である」という結論付けでしょうか?

性格を変化させるのは困難なことですが、子供の頃は両親の育て方である程度変化させることは出来ます。障害を抜きにしてペアレンティングは非常に重要ですよね。




子供と薬

2006年03月27日 | Weblog
USA Todayより

1995年~2002年間で、anti-psychotic drugsを処方された子供の数は約250万人。約10年前に比べると4倍に増加しています。過半数がADHDの治療のためで、残りの半数はうつなどの治療のために何かしらの薬を服用しました。

低年齢に対しての処方の是非は問われ続けていますが、両親は「薬を飲めば治る」「医者の渡す薬は絶対だ」等の考えが強く、医者に言われるがままに服用するケースが大半です。

子供のへの薬のサイドエフェクトはまだまだ未知数な部分がありますので、薬の服用は慎重に。

管理人の雑記

2006年03月18日 | Weblog
管理人のニュース記事はしばらく休みと書いて早々と更新しますが、これはニュースではなく雑記なのでまあ良いか。現在、待ち時間でどうしようもなく暇なのでネットで時間を潰しております。

おかげさまでサイトの運営も2年以上が経過しました。一度なぜかサーバーから消去されたり、運営人のトラブルで半年以上更新が止まったりと色々ありましたが、ある程度形になってきたかと思っています。

訪問者数は現在500人前後。掲示板のペースを考えると丁度良いくらいの訪問者数ではないでしょうか?あまり書き込みが多くても読むだけで大変ですからね。

あと約半年が現在のペースで更新を続けていくのでこれからもよろしくお願い致します。

アルツハイマーと脳細胞

2006年03月16日 | Weblog

Children's Hospital & Research Center at Oakland (CHRCO)の研究チームが、世界で初めてアルツハイマーの患者の脳細胞がどうのように活動しなくなるのかを説明する論文を先月発表しました。

この論文はアメリカ国内にいる約450万人のアルツハイマー患者の治療とこれからの予防に大きな影響を与える可能性があり、期待されています。


不安障害と鬱が女性の体重に影響を与える?

2006年03月15日 | Weblog

ボストン大学の研究によると、10代の時にうつや不安障害になった女性はならなかった女性より体重増加率が高いことが分かりました。この研究は約20年間の追跡調査の結果です。被験者は男女合わせて約千名。

男性は、病気になった人とそうでない人の体重の差は約2キログラムだったのに対して、女性は約6キロの差がありました。Body Mass Index(BMI)等の具体例をだして、詳細に書かれていますが割愛。ちなみに理由は分かっていません。





結核治療が不安障害に有効?

2006年03月14日 | Weblog
ボストン大学が結核治療が社会不安障害Social Anxiety Disorder(SAD)に対して有効だとのレポートを発表しました。

結核治療で使用されるD-cycloserineという薬が恐怖心を減らすとの示唆は数年前から報告されているのですが、どうなんでしょうか?この報告書内の被験者も30人未満と少ないし、効果の程はいまいち不明。

一番最初にこの研究をしようとした人の動機が知りたい。。。