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海外メンタルヘルスニュース

13%が心理的支援を求めた (EU)

2006年12月12日 | Weblog

過去1年間で心理的な治療を探した人(実際に治療を受けたではなく、電話などで問い合わせた人も含む)は、8人に1人という高い確率だった。

以下がEU各国の%です。

* Luxembourg - 22%
* Slovakia - 18%
* Netherlands- 17%
* Estonia - 17%
* Denmark - 17%
* Portugal - 16%
* Lithuania - 16%
* Austria - 15%
* Ireland - 14%
* France - 14%
* Germany - 14%
* Sweden - 13%
* Hungary - 13%
* Greece - 13%
* Czech Rep - 13%
* UK - 12%
* Italy - 12%
* Belgium - 12%
* Slovenia - 11%
* Poland - 11%
* Finland - 10%
* Latvia - 10%
* Cyprus - 10%
* Spain - 10%
* Malta - 9%

一週間に一回の殺人事件 (英国)

2006年12月08日 | Weblog

過去8年間で精神病患者による殺人事件が約400件発生した。一週間に一人の被害者が出ていることになる。約3分の1は社会生活で重大な問題を犯すことはないと判定されていた人々でした。ただし、条件としては処方されてる薬を毎日服用することだったのですが、守っていた人々は少数だったようです。




スプーン一杯 9

2006年12月07日 | Weblog

10月には生活のパターンを固定しました。旦那の仕事は比較的自由がきいたのでKittyの昼食は旦那が一緒に食べて、万が一駄目なときだけ私がカバーするようにしました。その頃にはさらに6パウンド増えていましたよ。まあ、身長も1インチ伸びていましたけど。食べて体重も増えていたけど、Kittyは空腹感を全然得られませんでした。「ママお腹すいてない」これの繰り返し。この頃は食べたくないのではなくて、満腹感で食べられない状態でした。Kittyの体と脳はどういう状態になってるのか心配でした。

11月の第1週にはKittyの体重は90パウンドに増えていました。目標値まであと10パウンド。それ自体すごい嬉しかったんですが、それよりも嬉しかったのはKittyの情緒が素晴らしく安定してきていたんですよ。でも、長くは続かないものよね。11月の下旬はまた最悪。また食べることを拒否しだして、お昼もわざと床に落としたりしたのよ。Kittyは「ごめんなさい。落としちゃったの…わざとじゃないよ」と言ってたけど、そう何度もあるわけないですよね。

拒食症を経験した人の約50%は過食症も経験するんですよ。Kittyはいったいどうなるんだろう?これで今度は過食なったら、我が家は破産かしら?何て考えたものですよ。

12月。Kittyの体重は増減の繰り返しでした。で、結局90パウンドで1年が終了。始めた頃から比べたら増えてるんだから喜ぶべきだったのかもしれないけど、その頃は失望感が大きかったですよ。良いのか悪いのか知らないけど、少し自棄になってたのかしら?年始は1日4000キロカロリーを食べさせるように料理を工夫しました。ええ、体重は増えましたよ。

冬が去り、春がやってきてKittyの体重は完全に目標値に到達しました。順風満帆ではなかったけど、食べること、そして食べさせること完治への一番の近道と信じてやってきました。他人から見れば私のやり方は無理があったと思う人もいるかもしれませんし、私自身疑心暗鬼になることもありました。でも、このやり方で正しかったんですよ。

5月のある日、Kittyは学校から帰ってくると私にこう言いました。

「ねーねー何でしょう?」

「どうしたの?そんなニコニコして?」

「あのね。スーが学校にケーキ持ってきたの。でね、私はケーキ食べたんだよ。すごいでしょ!!」

翌日の朝食にゴマ入りのべーグルを出しました。別に珍しいことではなく、いつもの朝食ですよ。プレーンのベーグルよりカロリーがありますからね。

「ゴマのベーグル嫌だ」

「いつも食べてるじゃない?」

私は分かっていました。この言葉の裏側にある意味をね。でもその言葉はKittyから言って欲しかったの。

「これプレーンベーグルよりカロリーとっても高いのよ!」少し声色が変化していました。でもすぐに落ち着いてこう言いました。

「でも、それは摂食障害が原因だもんね。食べなきゃね」

そう言って静かにべーグルを食べ始めたの。

Kittyを誇りに思いましたよ。この子は自らの意思で今拒食症を克服しようとしてたのですから。もう時間の問題だと思いました。勿論いい意味でね。

6月に遂にその日が訪れました。Kittyが私の職場に電話をかけてきたんですよ。たった2単語を言うためにだけにね。でも私にとっては世界でもっとも美しい響きの2単語でした。

「I'm hungry!(お腹すいた)」

「やったー!!」思わず仕事場で叫んじゃいましたよ。

「やったよーママ!!」Kittyも学校で叫んでましたけどね(笑)

その2週間後には完全に目標体重を維持出来るようになっていました。夏も秋も体重が落ちることはありませんでしたよ。医者からも完治のお墨付きを頂きました。それでもKittyは継続してセラピストに会いに行くことを望みました。完治と言っても何かあれば直ぐに元に戻る可能性はあるし、心の安定をはかるのは良いことですから嬉しい選択でした。友達からのパーティーの誘いはあるし、友人とも家族とも楽しい食事をすることが出来ています。

でも最近夢を見ましたよ。怪しげな家で私がKittyを必死で探していました。やっとの思い出見つけ出したKittyはKittyではなかった…

「夕飯食べなかったの?朝食は!?」

「食べてないよ」笑顔でKittyは答えました。

まだどこかでおびえてる私がいるのかもしれませんね。

実際あの悪魔はまだ私たちの生活を見てると思っています。陰からこっそりとね。でもそれでいいのかもしれません。安心して忘れてしまうよりはね。3ヵ月後、1年後、3年後にまたあの悪魔が再び姿を見せない保証はありますか?Kittyは絶対再び拒食症になりませんか?本当に完治したのですか?何1つ私は正しい答えを知りません。

朝ベットから起きてキッチンに行き、卵を割って目玉焼きを作りミルクとバターとジャムを用意する。それが今私に出来る全てのことなんですよ。








スプーン一杯 8

2006年12月06日 | Weblog

Kittyが高校生になる前日の夜のことでした。またあの悪魔がやってきたのよ。さらに力をつけてね。過去に経験したことがないほどKittyの状態は悪くなりました。マッチ棒のような腕を振り回してこう叫び続けました。

「高校になんか行きたくない!皆は絶対こう言うに決まってる『おいKittyを見ろよ。あいつ夏休みの間にどんだけ太ったんだよ』笑いもの何かになりたくないの!!」

Kittyは再び食べることを拒絶しました…私たちはKittyをおだて、脅し、懇願して食べてもらうように努めました。だけど、何を言っても何をしても完全に無駄だったの。だから今までお世話になった医者やセラピスト全員に連絡を取りました。でも夜だから誰一人捕まえられなかったのでメッセージを残すだけでしたけどね。それからKittyにもう一度あの病院、そうあのチューブの病院に行くことを伝えたの。そう言っても実際本当にあの病院に連れて行けるか確信はありませんでしたよ。だって、Kittyはその時かなり体重が回復していましたから入院を認めてもらえる可能性は低いと自分でも思っていました。

混乱している私に精神科医から折り返し電話がきました。

「精神安定剤と飲ませて横にさせなさい。もし朝も何も食べなければ直ぐここにつれて来なさい」そういうアドバイスを頂きました。

その言葉を聞いたとき、少しだけ安心しました。でも瞬時に新しい不安が私を支配したのも確かです。

「新しい地獄の始まり」

Kittyを信じることや希望を持つことよりも絶望感に支配されていました。

だけど次の日何事もなかったようにKittyは朝食をとったの…そして普通に学校へ行き、驚いたことに友人を数人連れて帰宅しました。日課となっているミルクシェイクを友人の分も作って部屋に持っていったの。するとKittyがこう言ったの。

「皆知ってる?アイスクリームが一番カロリー高いのよ」

すると他の子が反応して

「何が一番カロリー低いのかしら?私おしりが大きくて嫌になっちゃう」

「私はウエストがね…」

女の子はダイエットの話好きですよね。私は口を挟んで「皆十分綺麗で健康的でいいじゃない」って言ったの。笑顔でね。でもすごい悲しかった。泣きたい位でしたよ。だって、皆が皆自分たちの体型や容姿を批判しているのよ。皆十分綺麗で健康的な体なのに…

メディアの影響はすごいですよね。それを見て彼女たちも過度のダイエットをしなければならない錯覚に陥ってしまっています。まさにKate Moss syndrome(ケイトモス症候群)ですよ。

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ケイトモス-イギリス出身のモデル。拒食症や違法薬物依存の報道が絶えない。ちなみにKate Moss syndromeという言葉はありません。







スプーン一杯 7

2006年12月05日 | Weblog

悪魔はさらにKittyに苦しみを与え続けましたよ。

「私は醜い豚。ママは私は醜くくして喜んでる。もういいわ私寝るから。そしてそのまま一生起きてこなければいいの!私何か死んだ方がいいのよ!!」

そう叫ばれた時私がどんな感情を抱いたのかは忘れてしまいました。というのも、妹のLuluが血相を変えてどこかへ走っていってしまったんですよ。家の地下室でワンワン泣いていました。

「お姉ちゃんのお葬式なんか嫌だからね…お姉ちゃん死んじゃ嫌だ…」

「ママもよ」力なくこう言い抱きしめるしかありませんでした。

その夜二人が寝静まった後に私はキッチンに立っていました。すごい汚かったのよ、キッチンが…でもね、私も夫も仕事や買い物、育児で掃除をする時間が全くなかったの。言い訳かもしれませんけどね。そんな汚いキッチンを見てるうちになぜか怒りなのかしら?よくは分からないけど、狂ってしまったことは確かです。お皿やコップを次から次へと床に叩きつけました。なぜか分かりませんけどね。割ったお皿やコップを自分で掃除してゴミ箱へと入れている間「明日は紙コップとお皿で我慢しなきゃね」なんて考えてたら泣けてきましたよ…


食事を開始してから3週間目にKittyは1日3,000キロカロリーを摂取出来るまでになっていました。体重も8パウンド位増えましたよ。Kittyが食事をしている間は私か旦那が必ず見守っていました。Kittyがちゃんと食べるか見届ける必要があったし、Kittyも食べるためには私たちの監視が必要なことを認識していましたから。それからKittyは必ずどちらかの職場に連れて行きました。Kittyが2・3歳だった頃に逆戻りですよね。でも、それが必要だったのよ。その頃にはKittyもすっかり私たち両親に依存するようになっていました。

他の人はそこまでする必要はない、したくてもそこまでは出来ないというかもしれませんね。子供を職場に連れて行ったり、食事のたびに帰宅なんて確かに難しいですから、その点では私たちは恵まれていたのかもしれません。だからMaudsleyはそれ程広まらないのでしょう。そういう両親にはこのアプローチを取り入れることは不可能ですから。両親が揃っていなくても不可能。絶対父母二人揃ってないといけません。

Maudsleyを始めてから一ヵ月でKittyに少しだけ笑顔に戻ってきました。と言っても2・3度笑顔を見せてくれた程度でしたけどね。それでも私たちとってはそれがどれだけ嬉しかったことか…映画を一緒に観たり、数十メートル散歩したりもしましたよ。もっと散歩をしたくてもそれがKittyに許された適正距離だったのでそれ以上は散歩できませんでした。とにかく私たち家族は普通の状態に戻りつつあったのよ。その時はね。






スプーン一杯 6

2006年12月04日 | Weblog

そのことも違う本から理解できました。あの研究の被験者は男性であり成人でした。拒食症の症状が現れたときには既に彼らの成長は止まっていたんです。それから6ヶ月は一般で考えれば長期間ですが、大半の拒食症はもっと長期間空腹と闘っており、しかも食べる量は彼らよりももっと少ないんです。体重の問題もありますが、行動や思考にも影響を与えますからね。思考、例えばKittyの様に「私は太ってる。私は醜い豚」と行動、Kittyで言えば長時間の運動。彼らの場合はそういうのがありませんでしたから、食事の量を戻すだけで比較的容易に回復出来たんですよ。でもKittyの場合はまだ成長段階でかかる負担も大きかったし、こびり付いた思考も回復を邪魔させていました。

まあ何にせよ私たちは闘うしかなかったのよ。おかげで私は高カロリー料理の達人になっちゃいましたよ(笑)マカロニチーズにバターとミルク、大量のクリームチーズ入りキャロットケーキ一杯で1000キロカロリー超えのミルクシェイクとマフィン…やり過ぎじゃないかって?いえ、Kittyの様な飢餓状態を長期間継続した場合は普通のカロリーの食事じゃ駄目なんだよ。The University of California at Sanの DiegoWalter博士が私にそう説明してくれたのよ。2・3日に一度ずつ300キロカロリーさらに増やしていったの。始めて9日にはKittyは1日2100キロカロリー食べられるようになったのよ。それでもある時体重が少し減少して私はパニックになりました。でも先生に聞いたら一時的にある得る事なんだと分かって安心しましたけど、あの時は本当に焦りました。兎に角私はKittyに高カロリーを摂取させ続けるのが使命だったんです。

でもね、思考はそう簡単には変えられないの。Kittyは一生懸命長時間かけて私の料理を食べてくれました。だけど毎回あの憎い悪魔はKittyの内側に侵入してきて泣かせて狂わせ続けてくれたわ。Kittyの食事に対する不安感は相当強くて効果的なモチベーションを上げる方法はなかったの。唯一モチベーションになってたのはチューブに繋がれたくなかったことだと思います。だからKittyがもう少し体重が増えて、完全にチューブが必要なくなったらこの子はどうなるのかしら?と考えると私も不安でしたよ。チューブが必要か不必要かの境界線を行ったり来たりするんじゃないのかと思うと本当に不安でした。











スプーン一杯 5

2006年12月03日 | Weblog

その日の夜、寝室を訪れるとKittyは「それを取り除いてよ。それを…」と呟いていました。「それ」が何なのか意味することは私も既に理解出来ていましたがどうすることも出来ませんでした。まるで悪魔にとりつかれているようでしたよ。呪文のように繰り返すことによって、痛みを和らげてるようにも見えたし更に苦しめているようにも見えました。

その時までに数々の本を読み漁りましたが、その悪魔に関する記述はどの本にも書かれていませんでした。それからしばらくしてだったと記憶しています。Te University of MinnesotaのAncel Keys博士の古い本にに偶然出会いました。第二次世界大戦中に36人の心身ともに健康な男性を被験者として集めて飢えについて研究した論文でした。最初の3ヶ月は普通の食生活でその間に研究者たちは彼らの性格や行動パターンを記録して、次の6ヶ月間は食事の量を半分に減らされての食生活。ほとんど皆25%体重が減ったそうです。入院したときのKittyとまるで一緒でした。それから3ヶ月かけて元の状態に戻して研究終了。そして1950年代にその結果をまとめて出版したのが「The Biology of Human Starvation」でした。その悪魔たちは彼ら全員にもとりついたそうです。食事を減らされてる期間ではなく、回復期間にですよ。食べ物を細かく砕いて今までなら数分で食べられる量を数十分かけて食べるようになり、それだけではなくうつ状態や反社会的行動も目立ったそうです。間違いなく「悪魔」ですよ。Kittyにとりついてる悪魔だと私はそれを読んで思いました。

その研究者たちによれば長期の空腹期間が続くと全ての細胞に影響が出てくるそうです。Kittyをみてる私には納得出来ることでした。でも分からないことが1つだけありました。どうして彼ら被験者は、拒食症の症状が出てのにそれを継続することなく普通の状態に戻れたのかということでした。彼らだけではないですよね。世界中には過度のダイエットや飢餓で苦しんでる人がいるけど、拒食症にならない人だっていっぱいいるのよ。Kittyと彼らの違いは?って思ったの。


スプーン一杯 4

2006年12月02日 | Weblog
「私たちが焦点を当てるのはまず摂食障害を彼女からさようならさせることよ。そのことによって初めて彼女の歩く正しい道を再び歩き始められるし、何か新しい問題が起きればそれはその後考える問題ですよ」

Maudsleyセラピストは近所に1人もいませんでした。とりあえず病院・医者の梯子よ。小児科医。ここに一番ウエイトを置いてたわ、ここが週一。精神科医。ここも最初週一
でそれから月二に減らしたわ。セラピストは週一で、それから栄養士の所にも2,3度たずねましたよ。

なぜMaudsley Approachにピンときた私がこうしたかですか?それは本当にMaudsleyがKittyに効くのかは分からなかったし、冷静に客観的にみて本当にベストな選択か
どうか自信はありませんでしたから…でも、ただ指を加えてKittyが消えていくのを見守っているより最悪なことはありませんでしたから、何でもやる覚悟でしたよ。何でもね。

Luluの10歳の誕生日にケーキを焼きました。あ、LuluはKittyの妹です。ケーキはKittyの大好物だけど、勿論彼女は食べることを拒否しました。だから私はこう言いました。

「食べなさい。じゃなきゃ、またあの病院に連れて行ってチューブを受けさせるわよ」

勿論私はこんなこと言いたくなかった。言いたくはなかったわよ…でももう病院を連れまわしたくなかったの。チューブは過去で最も最悪な体験でしたよ。Kittyにとってね。

Kittyはケーキを目の前にして泣いたわ。泣き続けた。フォークをテーブルに叩きつけて「私の喉は塞がってるの。だから食べられない!」と叫びましたよ。でも、私たち夫婦は心を鬼にしていいましたよ。

「ケーキを食べるまでは何もさせませんよ。テレビも本もシャワーも電話も。寝ることも許さないわよ。食べないなら食べるまでお父さんもお母さんも起きてるから」

もうその時は本当に驚きました。Kittyが自らフォークを持って最初の一口を食べたときは思わず声が出そうになりましたよ。全部食べるのに45分位かかりました。最後の一口を食べた後、Kittyは顔を机に伏せてまた泣き叫びました。

「ママ怖かったよ~!!」

4歳のとき牧場に連れて行って大きな馬に乗せたときのことを思い出しました。私たち夫婦は「怖い?怖いなら降りてあっちの小さなポニーさんに乗ろうね」と言ったんですが「大丈夫。お馬さん大好き」とニコニコしてたんですよ。それがこの子Kitty。たった一片のケーキに怯えているこの子なんだって。










スプーン一杯 3

2006年12月01日 | Weblog

専門書では拒食症は1つの要因ではなく様々な要因からなると書いてありますよね。遺伝子、性格、環境…様々な要因が合わさって間違った方向に行ってしまう。Maudsley approachの先生たちは要因に焦点を当てることはあまり意味がないと考えています。何よりも食べること、家族が食べさせてあげることが重要。体重増加に少しでも早く成功出来れば、より良い結果が早く得られるんです。それからKittyはまだ10代だということも幸いでした。20代の治療は10代よりも難しいそうです。長年食事に対する脅迫的思考が根付いているとそれだけ治療も遅れるそうですよ。Kittyの場合はまだ拒食症になって間もなかったですし、私ががんばれば直ぐ治ると信じていました。

私はMaudsley approachを知ってから数日してある1人の人にたどり着きました。その人はThe University of ChicagoのDaniel Le Grange先生でMaudsley病院で5年間訓練を積んだ方なんですよ。そして、StanfordのJames Lock先生と共著でMaudsley approachの本も出版されていました。

Daniel先生は拒食症を癌に例えて話すことが多かったですね。

「もし放置すれば転移し(酷くなり)ます。出来る限り早く撲滅しなければなりません。癌専門医は『まだステージ0で全然平気だからステージ3になるまで大丈夫』とは言いませんよね」

Kittyはステージ0ではなかったけど、徴候が少しでもあればまだ大丈夫と思わないで向き合うことが大切なんですよね。勿論何もしないで治る人もいるかもしれませんけど。

あなたは私が盲目的Maudsley approach信者だと思うかもしれませんね。でも、最初に連絡を取ったときにMaudsley approachが一部の専門家に批評されていることも知ってたし、単刀直入にそれについての考えも尋ねましたよ。一番心配だったのは、親子関係のことでしたね。普通の親子関係から脱線してしまい、Kittyの親離れや自立心を奪い取ってしまう恐れがありましたから。だってそうでしょ?毎日毎日ベットに腰掛けて何時間も娘をあやしてスプーンを口に運んで食べさせてあげるのよ?