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海外メンタルヘルスニュース

カウンセラー/セラピストの評価方法

2004年11月16日 | Weblog
Johns Hopkins Universityの John R. Lipsey教授の提案(American Journal of Psychiatry)に管理人の提案を付け加えたものです。状況に応じて異なる場合もありますし絶対的な評価方法ではありません。ご了承下さい。

(1)基本的なことですが、最初にその人が抱えている問題(特に診断名が付く障害や症候群)を正確に理解していなければ適切なトリートメントは受けられません。この教授は医者です。当たり前ですが「誤診」だと適切な治療は施されないと言っていますが、誤診が多いのも事実であると強調しています。セラピストやカウンセラーは薬を処方するわけではななく、クライエントの話を聴きクライエントの「自己の気付き」のためのサポート役(道具)です。しかし、近年障害や症候群も細分化されています。正しい知識を持ち合わせていないと的外れな質問をしたり、バイアス(偏見)がかかる可能性が高まります。

(2)セラピスト/カウンセラーはあなたの悩み(症状)だけを聴くのではなく現在(過去)の生活状況や環境、家族関係、または今までかかった病気等を知るのに十分な時間を割いたか?も重要な要素です。もし何かが欠けていたり、軽視されれば適切なトリートメントが施される可能性は減ります。

(3)柔軟な姿勢や対応を示すかどうか。セラピスト/カウンセラーは治療者ですが、クライエントより偉いわけではありません。クライエントが不満に感じたり、何か要求があるのならばそれを受け入れ柔軟な対応を取るはずです。時に威圧的で押し付けるだけの人もいます。

(4)自分の限界を理解している。どんな問題でも扱えるわけではありません。医者や他の専門家または他のセラピストに紹介する方が適切な場合もあります。上手く進行しないにも関わらず長期間に渡って継続させるのは良いとは言えません。

(5)セカンドオピニオンや家族とのコンタクト。医者の場合ですが可能(必要)であれば家族とのコミュニケーションをはかろうとしセカンドオピニオンを推薦します。カウンセリング/セラピーでは当てはまらない場合もあります。

(6)あなたが会話をしていて快適さを感じるか?知識や経験が豊富か?新しいスタイルにも柔軟な姿勢を示しているか?セラピー/カウンセリングには無数のスタイルがあります。それぞれ習得したスタイルや信仰しているスタイルは異なりますが、異なったスタイルや新しいスタイルを受け入れず拒絶し学ばない人もいます。

(7)受容と共感。最後に持ってきましたが基本中の基本です。クライエントの言うことを信じて受け入れます。時に「しかし…」「本当に?」等の発言をするセラピスト/カウンセラーは×です。カウンセリング機関のサイトの事例集でこの受容と共感を無視した文章を載せている所もあります。気をつけましょう。

家庭料理の重要性

2004年11月12日 | Weblog
ミネソタ大学が「毎日家庭料理が摂食障害の防止に効果的である」という論文を発表しました。
これに女性にのみ当てはまることです。また家庭料理の栄養バランスなど質も重要視されます。ほぼ毎日家庭料理を食べている女性は体重に関する強迫観念的な行動に陥りにくくなります。家庭料理が正しい食生活や知識を与えるのと家族との密接なコミュニケーションをはかる役目を果たしているためだと考えられています。

「1週間に3、4回家庭料理を食べてる女性は食べてない女性に比べ摂食障害になる可能性が3分の1に減る」「1週間に5回だと4分の1に減る」「男性も効果がないわけではないが、女性に比べ効果は薄い」

Copyright 2004 by United Press International

プロザックが骨の成長に影響を及ぼす(ネズミの実験より)

2004年11月12日 | Weblog
ソース:The November issue of Endocrinology

ネズミにプロザックを投与したところ、骨の成長に影響を与えることが分った。プロザックを投与されないネズミに比べ6~13%骨が細く、強度も弱い。人間で同様の結果が得られるかは分りません。ただし特に子供への投与には慎重になるように促しています。

「この研究は人々と不安にさせるために行われているわけではない。しかし、さらなる研究が必要であることは明白です」この研究を実施したインディアナ大学の教授の言葉です。





トゥレット症候群&有名人

2004年11月11日 | Weblog
モウムード・アブドゥル・ラウフ/Mahmoud Abdul-Rauf(NBAプレイヤー)
マイケル・ウォルフ/Jim Eisenreich(ジャズミュージシャン)
サミュエル・ジョンソン/Samuel Johnson(18世紀時代の作家)
ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト/Wolfgang Amadeus Mozart(作曲家)
ジム・アイゼンレイヒ/Jim Eisenreich(MLBプレイヤー引退)

カタカナ表記は自信なしなので英語も全て付け加えました。
勿論診断されてない人もいます。


自閉症&映画・アニメのキャラ

2004年11月10日 | Weblog
映画やアニメで自閉症の性質を持ったキャラクター達(特性が見られるだけで断言はしません。解説は省略)

リサ・シンプソン(ザ・シンプソンズ/アニメ)
ミスター・ビーン(ミスター・ビーン/ドラ魔&映画)
レイモンド・バビット/ダスティン・ホフマンが演じた役(レインマン/映画)
リッキー・フィッツ/ウエス・ベントレーが演じた役 (アメリカン・ビューティー/映画)
ミスター・スポック(スタートレック/ドラマ&映画)
バート(セサミストリート)

警察官のメンタルヘルストレーニング

2004年11月09日 | Weblog
フロリダ州の警察官のために「Crisis Intervention Training」が新たに3月から開始されます。このプログラムはメンタルヘルスの問題を抱えている同僚に対してどう接し対応すればよいのかを学ぶもので、約40時間の研修を受けます。フロリダ州でも既にマイアミでは5年前から実施されています。必要性から急速にこのプログラムが適応される地域が拡大される予定です。

過労や人間関係も重要なのですが、最も重要な内の1つが「怪我や死に対する恐怖心」勤務中の怪我や死者は近年減少傾向にあるものの(フロリダ州)危険性は依然高いです。マイアミの警察官で心の問題が原因で自殺した人数は5年で12人。現在警察官の心のケアが最も重要視されているそうです。

ギャンブルとメンタルヘルスの関係

2004年11月08日 | Weblog
ギャンブラーはギャンブルをしない人々よりも鬱や薬物依存・アルコール依存になる可能性が高まるとYale Universityが発表しました。この傾向は若者にのみ見られる傾向です。

アメリカでは昨年合法なギャンブル経験者は成人人口の約7割。約900万人が問題ギャンブラー(problem gamblers )に分類、約300万人が病理学的ギャンブラー(pathological gamblers)に分類されました。

problem gamblers=依存症とのボーダーライン
pathological gamblers=ギャンブル依存症(生活や人間関係の破綻)
簡単に分類すればこんな感じです。

Dating Violence (デートバイオレンス)

2004年11月07日 | Weblog
女子高校生の5人に1人がデート相手から身体的暴行または性的暴行を受けた経験があり、14歳~17歳の女子の5人に2人がボーイフレンドから殴られた経験があるということが調査で明らかになった。また1993年~1999年の間で16歳~19歳の殺害された女性の内の22%が加害者はボーイフレンドであった。

「Teen Dating Violence」急増に伴ない、The American Bar Association (ABA)が「Teen Dating Violence Prevention National Summit」をワシントンDCで11月13日・14日に開くことになりました。

危機感の薄い州もあります。専門家をこのサミットに送り込むのは20州のみ(Arizona, California, Connecticut, the District of Columbia, Florida, Hawaii, Idaho, Illinois, Kansas, Kentucky, Massachusetts, Missouri, Michigan, Montana, New Hampshire, North Carolina, Oregon, Rhode Island, South Carolina, Texas, and Utah)

ドメスティックバイオレンス(DV)は日本でも一般的な言葉となりましたが、デートバイオレンスが浸透するにはもう少し時間がかかりそうです。

この記事を読んだ皆さん「デートバイオレンス」を周りの友人や知人、家族や恋人に教えてあげて下さい。
「こんな言葉があるんだよ」と。たいした影響力がないのは重々招致ですが、少しでも理解や対応が得られることを願っています。ちなみにGoogleで「デートバイオレンス」と入力しても該当件数はたったの28件でした。

妊娠中の(解熱)鎮痛剤服用と統合失調症の関係

2004年11月06日 | Weblog
British Journal of Psychiatry, November 2004より

Københavns Universitet(コペンハーゲン大学)がBritish Journal of Psychiatryで発表した研究報告によると、妊娠中にペインキラーを服用すると、その後生まれてきた子供が統合失調症を発病する可能性が高いことが分った。

調査の対象者は約8千人で、116人のケースが統合失調症でした。この研究報告によれば、ペインキラーの服用と統合失調症の関係は統計学的にみて有意でした。

なお、この研究結果では妊娠中の後期にペインキラーを服用した場合のみ有意であり、前期では明らかな関係はみあたりませんでした。ペインキラーが胎児の神経の発達に重大な影響を及ぼし、それが後に統合失調症のリスクを高めていると考えられています。

双極性障害に大勝利

2004年11月05日 | Weblog
10歳の少女「H」は不機嫌でイライラした朝を迎えた。このセンターにやってきた時も彼女は壁を叩いたり、時には母親を叩いたりして暴れていた。

「最初の精神科医はさじを投げました。私に言ったんです『この状況は救いがたい』」と母親は振り返った。絶望の淵に立たされた家族にも諦めずに救いの手を差し伸べた人物がいた。彼の名前は「スティーブ」

双極性障害が幼い年齢で発症することは稀である。母親によれば初めて異変に気付いたのは彼女が僅か1歳の時だった。家族の発見と対応は速かったが、母親と彼女は何件もの病院を歩き回るはめになった。どの医者も彼女が何の病気なのか診断出来なかった。唯一母親だけが「この子は双極性障害では?」と感じていた。

何も解決策が見つからないどころか「H」の言動は年齢を重ねるに連れて激しくなった。他人を傷つけ、自分を傷つけ、時には道路に飛び出す行為もみられた。彼女が9歳の時に初めて入院。入院回数は6回に及んだ。

「H」が10歳の時、両親は窮地に立たされた。医療面の問題もあったが、金銭的な面で限界がきたのである。残された選択はただ1つ「諦める」ことであった。しかし、諦めてすぐ彼女は双極性障害と診断されたのである。家族は喜び、双極性障害のための治療を1からはじめた。

現在彼女は19歳。高校を卒業し、現在は販売員として問題のない生活を送っています。

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正しい診断と正しい導きを。医者だけでなくセラピスト、そして家族、本人にも基本的なことですが重要なことです。約一ヶ月前に「PTSD」の誤診(PTSDでないのにPTSDと診断する)が非常に多いというニュースがありました。医者も報道などで頻繁に見聞きする病気に対して敏感になると思います。もしかしたら「適応障害」の診断がここ一ヶ月で急増している可能性もあります。

「正しい診断と正しい導き」基本だけど難しい問題なのかもしれません。

HealthDay「A Small Triumph Over a Mental Illness」より