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海外メンタルヘルスニュース

買い物依存症はごく一般的な障害1

2006年07月27日 | Weblog

Sex and the cityの主役の1人キャリー・ブラッドショー(Carrie Bradshaw)がまさに買い物依存症の1例。ストレス解消方が買い物の彼女を観て共感出来る人も多いのではなかろうか?

買い物依存症がクローズアップされたのは1990年代に入ってからである。日本人のブランド志向は高く、日本が一番買い物依存症の多い国と捉えている人も多いかもしれないが、買うものや料金の差はあれど、ドイツ、イギリスも多い国として知られている。

例えばドイツ人の女性の約20%が買い物依存症。イギリス人の女性の過半数はパートナーとのデートやセックスよりも買い物をしている方が幸せと答えている(全員が依存症ではないが)

心理士のNadezhdaによれば、買い物依存症の人は入店した時や買い物をしてる時は、罪悪感や苦しみは無いが、いざ家に帰ると罪悪感や後悔することが多い。また、かなりの量を買うので開封しないことが多いと言う。

買い物依存症は薬物依存やギャンブル依存となんらかわらない。

買い物依存症に陥る原因は様々だが、Nadezhdaは「一般的な家庭でなに不自由なく育ち、良い教育も受けてきた人が多い。周囲から見れば恵まれた家庭だが、1つだけ共通して足りないものがあります。それは愛情。共働きであったり、しつけに厳しかったり。子供の時愛情に飢えていたパターンが多いようです」

また、買い物依存症の人の共通パターンとしては、impetuous(せっかち・衝動的・性急)な人が多い。先に行動して、その後起こる結果を後から考えるパターンが一般化している。

多くの人はお店に行く前に何を買うか、予算が幾らなのかを考えるが、その逆で先にお店に行き、買いたいものをある程度買った後に、自分の貯金や物欲を考えることになる。このような思考がパターン化していうので、カードはますます買い物依存症に拍車をかけることになる。現金で買えば、財布からお金がなくなれば嫌でも買い物は止るが、カードではそれが起きない。そして、多くのものは借金をするはてめになってしまう。


続く

境界性人格障害のための新しいセラピー

2006年07月26日 | Weblog

(HealthDay News) -- 境界性人格障害の女性に対して弁証的行動療法( dialectical behavior therapy)が有効であることが発表された。

被験者は18歳から45歳の約100名の女性。従来のセラピーを受けた女性よりも自殺未遂や問題行動が減少、またセラピーのドロップアウト率も低い。

一番大きな効果は自殺未遂行動で従来のセラピーと比較しかなり抑えることが出来るそうです。

ちなみのアメリカ人の境界性人格障害の女性の人数は約700万人と言われています。

セックス依存症との闘い8

2006年07月23日 | Weblog

なぜ人々は性依存を止められないのか?薬物やタバコ依存とは異なり体内に入り込む依存性物質はない。セックス依存とこれらの依存症とは違うのだろうか?

「もし友達にギャンブル依存症の人がいるとします。確かに体内に依存性物質は取り込んでいません。だけど、彼らは自分たちで依存性物質を脳に作り上げてしまっています。セックス依存症も同じです。自分で自分の脳に依存性物質を作り上げてしまっているのです」

今でも様々な研究が行われている。セックス依存症も他の依存症と同様なのか?本当に依存症なのか?メカニズムは何なのか?

かなり多くの人はセックス依存症は「本当の依存症ではない」と考えている。これはDSM-Ⅳにカテゴリーされていないことからも容易に分かる。

「でもあの本は常に変化してるから。世論は変化しつつあるし、次の改訂版では追加されるんじゃないかな?」

どのような結果になろうとも、今後もセックス依存症の人は増え続けるだろう。そして、マーク、マリーン、カレンのように支援を探す人も増え続ける。

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カレンは現在も治療を続けており。時には日常生活に支障が出ることもある。少しずつ良くなってるのは分かるが、苦しさは依然彼女を苦しめ続けている。「セックス依存症でした」と言えるようになるまでは、もう少し時間がかかりそうだ。

マリーンはテネシー州でワークショップを開いている。彼女はほぼ克服したに等しい。しかし、気を抜けば、何か大きな不幸が起きればまたいつ戻るか分からない危うさがあることは彼女も自覚している。人を支援するためのワークショップであると同時に自分を保つための活動でもある。

マークはクライエントであると同時にカウンセラーでもある。一部の批判に負けることなくこのスタイルは今後も続くことであろう。

マークとマリーンは言う

「出来ることは些細なことだけです。皆がこの問題をしっかり認識出来る手助けをし、『希望』があるということを知ってもらうことが出来るように一緒に歩いていくことです」






セックス依存症との闘い7

2006年07月22日 | Weblog

「セックス依存症の本当の問題は、健康的な性を知らないことでどうしたら正常で健康的な性を得られるかということを教えてくれました」

カレンはまだ克服していない。今も闘っているが、行動に移すことはなくなった。
これからも長い闘いが続くであろうことは彼女も覚悟している。

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マークはここ10年間以上回復プログラムを継続している。彼は一生続ける覚悟も出来ている。彼の異常行動が公になった後、彼はトリートメントセンターに通い始めた。

それと同時に現在のマークはセックス依存者対象の団体を運営している。同じ仲間で支えあい助け合うのが目的だったが、依存症でないものからの支援もある。それは彼の妻、デビである。

「離婚も考えましたが、二人で乗り越えていくことを選択しました」(デビ)

二人の関係には常に緊張感があるようだが、マークが抱えている問題をデビが受け止め理解し二人でシェア出来るのは大きいようだ。

「デビと私は内面的にもっと結び付けたと思います。セックスの関係でも満足感を得られるようになりました」

彼の仕事も彼を依存をいくぶんを抑えてきたと言う。仕事とは、カウンセリングの世界。そう、彼は再びこの世界の戻ってきたのであった。


続く


セックス依存症との闘い6

2006年07月21日 | Weblog
マリーンは直ぐに助けを得た。相談した友人がセラピストのもとに連れて行ってくれた。セラピストと共に過去の性的虐待や現在の依存とどう向き合い、コントロールをするかを学び続けた。完全に依存とさようならしたわけではないが、2度目の結婚は継続中であるし、何より彼女自身活き活きしている。

「一度目の結婚は私が原因で駄目になったけど、二度目の結婚生活は何とか継続中よ。勿論、何も問題が起きないわけじゃないけど、それはどの夫婦にも起こるレベルの問題。セラピーを受けて随分楽になったし、考え方にも変化が出てきたと思います」

マリーンが一番驚いたことは「自分は1人じゃないってことに気付いた」こと。当たり前のことだが、過去の彼女はそれに気付けなかった。孤独感が彼女を苦しめていた。

セックス依存症の3分の1は女性である。

「私に何が出来るかは分からないけど、同じ苦しみを抱えている女性の支援をしたいと考えています。無理だなんていわないでね」と言って笑った彼女は再び学校に戻りカウンセリングを1から学んだ。そして、現在テネシー州でワークショップを開いている。

「私がセックス依存症を選んだんじゃないの。セックス依存症が私は選んだの。そして、このフィールド(カウンセリング)が私を選んだんだと思います」

「女性はこの依存症を話すことを恐れています。whores(売春婦・娼婦)とラベルを貼られることに対してね。男性ならまた違ったとらえられかたをするかもしれませんが、女性が性行動でコントロールを失うといったら世間からはね…分かるでしょう?」


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カレンはインターネットで調べ事をしていた。

「私が世界でたった一人の女性かどうか知りたかったの。こんな人他にはいないだろうって考えつつも、心のどこかに同じ苦しみを抱えている人がいるんじゃないか?って希望を持ってたのを覚えています」

そこで見つけたのが12ステップを基本としたセックス依存者のためのプログラムサイトであった。

続く

セックス依存症との闘い5

2006年07月20日 | Weblog

「その瞬間はあたまが真っ白になって何も考えられませんでした」(デビ)

「15年間の意味を…結婚してからの15年間が何だったのか正直分からなくなりました。私は万事が上手くいってると思ってました。あの時のマークの顔は一生忘れないと思います。面と向かい合って椅子に座りあっていました。何かよくわからないけど、何かが壊れた感じ…でも、実際今までも何回かあったんですよ。私はこの家を去るべきかどうかマークに問うたことは。夫婦喧嘩は誰でもしますからね。でも、今回のは違う。私たちが再び幸せな時間を共有出来るかどうか私には確信が持てませんでした」

苦しみのど真ん中。しかし、マークが感じていた感情はデビとはかけ離れていた。

「苦しみ隠し続けていた自分の秘密。もう彼是30年が経過したのかな?それが突然、バックの中から飛び出た。もうバックに詰めて守り続ける必要はなくなったんだよ。怖さや悲しみがあったのは勿論だが、ある種の開放感や安堵感があったのも確かなんだ」

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それでセックス依存症って本当に「セックス」が必要(従事している)?
Sex addiction is really about the sex?

「いいえ。でも、多くの人が誤解することですね」(Dr Carnes)

「セックス依存症は痛み。不安や苦しみからの逃避。解決策」
No. it is really about pain

マリーンは実際セックスを苦痛を介抱する手段としてとられていた。しかし、それは全く作用しなかった。

彼女は何年も同じ繰り返しをし苦しみ悲しみ止めたいと思った。それでも出来なかった彼女は終に相談する決意をした。

「受話器をあげて、仲の良い友達に電話をかけました。そして、全てを話し。誰かの助けがないと生きていけないと伝えました」

続く


セックス依存症との闘い4

2006年07月19日 | Weblog

もう1人の女性カレンもまたセックス依存症に悩まされている女性である。
「24時間いつもセックスのことで支配されているか、そうでない時は自分の愚行に対する後悔の念で苦しんでいます」

カレンの30代は常にセックスに支配されていた。ほぼ毎日のようにバーに繰り出し見知らぬ男に声をかけてセックスを楽しんだ。

「グループを家に連れてきたことも多々ありました。1人の男性と寝るとその人に対して愛情を感じるんですが、終わったとたんに別の感情が。そう、屈辱感かしら?彼らはグラフィックデザイナーみたいなもので、私の身体を使って好きな画を描いて楽しんでるのよ。そう、彼らにとって私は単なる物。愛情なんかあるはずないわよね」

「苦しいし楽になりたいと思いつつ風俗店で働いたりもしたし、本当に私は駄目。セックスに支配された人生を送るのみなのかも」

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マークはある日行動や思考を変えるための1つの行動に出た。宗教と神教を学ぶためにセミナーや学校に通い、最終的にはデグリーも取得した。

「自分が立っていた場とは正反対の場所。モラルがある場所。ケアしてくれる場所でした」

依然として性衝動はあったのは事実だが、徐々にコントロール出来るようになってきた自分に気付き始めた。そして、彼は心理学の博士号取得を目指すようになった。

「今私はマーク『博士』 世の中にはたくさんの依存症で苦しんでる人がいます。実際私のクライエントにも性依存の人が何人かいます。自分だって完璧に克服できたわけじゃないです。ここ何年かも何十回、いや何百回と苦しみ、恐怖し、無気力になりました。その時の感情を正確にあなたに伝えるのは不可能でしょう」

「日曜日に教会に行く。私はこう思ったわけですよ。『神は他の皆を救ってくれるけど、私は救ってくれない』ってね」

「神の前でもう2度としないと誓う」しかし、それはマークにとって困難な事柄であった。

「私は重大な約束を破ってしまった。仲間やクライエントがそれを知った。信頼関係は粉々に崩れました」(注・何を実際したのかは語らず)

「1人の職場の人間が皆に報告したようです。私が恐れていたことが現実になってしまいました。8名のクライエントがその日全員キャンセル。私はクライエントが知ってるなんて思わなかったので、愕然としました」

職場の仲間(マークがカウンセラーとして働いていたセンターのカウンセラー達)は彼に解雇を告げた。それと同時に彼のケアを申し出てくれた。

情けなさや嬉しさで彼は泣いた。

そんな彼に職場仲間は付け加えてこう言った

「最初に君がしないといけないことはデビ(妻)に全てを話すことだよ」


続く

セックス依存症との闘い3

2006年07月18日 | Weblog

マリーンは子供の頃両親の友人から性的虐待を受けていた。そして、彼女のフリーセックスは10代の頃から2度の結婚まで続いた。

「セックスの協同作業が終わった後は何か虚しくて…でも、している時は確かにすごいアドレナリンが湧き上がってきました。それはセックス以外のほかのことでは決して得られなかった何かでした。それもセックスが終わった直後にはすぐ消えるんですけどね。家に帰ったら私は自分の罪と恥をシャワーで流したの。」

この傾向がさらに強まる出来事が起こった。それは子宮頸癌と診断されたこと。原因はHPVで性交渉が原因だと医者から告げられた。

「その時は3回の手術。そして分かったことは、自分が危険な状態であることと、止められないことでした」

マリーンは妻であり母であり、重病の患者でもあったが、それらの何1つ彼女の思考や行動を変化させる要因にはならなかった。彼女自身はいつも止めたいと思っていても…

「不快感でいっぱいで、私はよくなりたいと感じていました。どうすればよくなるの?やめられるの?って。不安になって誰かに知って欲しくて、孤独感を避けたくてまた友人や知人とセックスして自分を落ち着かせて、その後は後悔。そのサイクルの繰り返し」

マリーンは自暴自棄になった。夫とのセックスでは充分な満足感は得られなかった。そして、彼女は思った。こんな馬鹿げたことを止める手段はただ1つ。自分の人生を終えることだと…

「あの頃は自殺願望が本当に強かったと思います。私は真っ当な人生を送れないと強く思ってましたから。でも死ぬ勇気はなかったの」

続く


セックス依存症との闘い2

2006年07月17日 | Weblog

「こんな馬鹿げた考えと行動はなくなると信じていました。『これで終わりだ。俺は結婚したんだ。普通のセックスの相手がいるんだ』ってね。でも結婚一年目でむしろ私の異常な性的依存は強まりました。毎日ポルノを見てマスターベーションをして…妻がいるのに、頭はポルノのことばかり考えてる自分がいました」(マーク)

人々がセックスや異性のことについて考えることは至って普通のことである。何が異常なのだろうか?

「自分が異常だと感じたのは、その世界を自分が体験したいと思うようになったことです。実際、その世界を実行するための計画を何度も何度もたてましたし、そのことで頭が一杯でした」

マークは直に計画を立てることを止めることが出来た。それは決してよい意味ではなく、彼は計画を立てることなく実際に行動に移すようになったからである。給料の大半を性に関することに支払うようになった。

それでもマークは依然としてデビを愛していたと言う。

「その当時もすごい愛していましたし、常に私をひきつけてくれる存在でした。セックスでは満たせない何かより深いものが彼女との間にはあったと思います。でも、分かりません。何でやめられなかったのかは…」

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「いつも恥を感じていたし苦しんでもいました。何度も止めよう止めようって…」こう語るマリーンもマークと同じように、セックスについての思考や行動をコントロール出来なくなる状態を知る一人だ。しかし、マークと違うのはセックスそのものに対してではなく、関係する相手であった。

「いつもパートナーは友人や顔見知りばかりでした。確かにセックスは気持ちがよく好きでした。そして、セックスが私にとっての『協同作業』だったの。それが最も重要なことかと言うと違ったわ。私は常に性的ではない何かで協同作業をして満たされたかったの。いつもそう考えてたし、行動もしてた。でも結局私が出来るのはそれ(セックス)しかなかったのよね」

続く

セックス依存症との闘い1

2006年07月15日 | Weblog

NBC NEWSより

タバコやお酒に依存している人と家族や友人に持つことは決して珍しくない。しかし、セックス依存症はどうだろうか?この言葉を聞いた時、好奇心の方が勝るかもしれないし、真剣に受け止める人は少ないかもしれない。

「単に性欲が強いんだね」

こんな言葉で片付けられてしまう。

「俺が相手になろうか?」

女性の性依存症者に対してこんな冗談を半分冗談半分本気で言う男性も多い。

しかし、現実的にセックス依存症者は確実に増えてきており、珍しい依存症ではなくなっている。アメリカ人の約一千六百万人がこの依存症に当てはまると言われている(2004年度)

言葉のためか勘違いしている人は多いが、単に異性とのセックスを欲する人のみを示す言葉ではなく、ポルノ画像ややDVD収集なども含まれています。

「わがままや怒り、寂しさ虚しさ・・・色々あったけど止らなかった。結婚もしたし、子供も授かったけど、それでも満たされませんでした。セックスを考えてる時やしているときは何か満たされた気になって幸せでした。勿論興奮もしたし。経験はないけどドラッグをやってる感じと似ているのかな?」

こう語るのはセックス依存症患者のマーク(仮名)

彼の性に関する記憶を辿っていくと最初に思い出すのは11歳の夏。

「家で偶然写真を見つけました。普通のヌード写真でしたが、衝撃的で興奮したのを覚えています。それからその写真が忘れられず、プレイボーイを本屋で盗むようになりました」(注:米国では成人雑誌は専門の書店でしか購入出来ない。プレイボーイは一般の書店にもカバーがかけられ一番隅の高い場所に置かれている)

「いけないことだと分かってましたが、完全に止りませんでした。一度あの"high"を味わったら…」

高校生になったマークは自分の性に対する誤った行動が修正出来ると感じた。恋人デビ(仮名)の存在がそう確信させた。

「彼女は私の一部でした。でも、彼女は何も知らなかった。なぜなら、私は何も彼女に告げなかったから。そうです、自分の問題を彼女に話せませんでした」

本を盗んで観るだけではなく、ビデオにも手を出しマスターベーションも毎日欠かさずに行っていた。この頃の彼の性衝動や行動は完全におかしかったが、デビは彼を疑わなかった。いや、単に気付かなかった。そして、二人は高校卒業後結婚した。この時もマークは完全に異常な性行動から解放されると信じていた…


続く