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クチヒゲノムラガニの生態

退職し晴耕雨読的研究生活に入った元水族館屋の雑感ブログ

スランプは電磁波(電波)の影響か?

2023-02-06 | 雑感
 コモンサンゴ類の分類学的研究では、顕微鏡やパソコンを長時間にわたって使用するため、慢性的な体の不調に悩まされている。それは、ありがちな目の疲れ、肩凝り、腰痛であるが、最近は軽い耳鳴りや頭痛、さらには集中力や意欲の低下、ひらめきの消失等々である。ただし、後者はスランプとも呼べるが。。。

 そんな最中、「家電からは必ず電磁波(電波)が発生し、その影響は人体に悪影響を及ぼす可能性があり、住まいにおいてはできるだけ電磁波を減らしておいた方が良い」ということを、偶然に見た住宅関連のユーチューブで知った。

 作業を行う自宅研究室の机上周辺には、利便性を追求したため、様々な電気機器を集約させている。家電の電磁波は基本的に近距離(1m以内)で発生する。そのため、もしかしたら体の不調原因の一部は、近すぎる電気機器からの電磁波の仕業かも知れない、との疑いを抱いた。そこで、将来のことも考え、安価でかつ評判もそこそこ良い電磁波計を購入し、研究室のみならず住まいの電磁波環境を調査した。


購入した電磁波計:ERICKHILL EMF meter RT-100:Amazon 3399円(送料込み)。電界と磁界を計測でき、安全値内(電界強度40 V/m以下)では画面は青色、それ以上では赤色に変わり、併せてブザーが鳴る。

 さて、さっそく机上(各電気機器から30cm程離れた実際の作業部分)で測定器のスイッチを入れると、即座に画面は赤色になり、ブザーは鳴り止まず、電界強度は150 V/m 前後を示した。しばらくの呆然状態の後に、この値をどう判断してよいか、ネットで調べてみた。

 世に日本電磁波協会「EMFA」なる機関があり、住まい(家電)における電磁波安全基準を公開している。それによると、電界強度の安全基準は25 V/m以下(磁界強度は2.5 mG以下)で、これはスウェーデンが提唱した電磁波規制ガイドラインに準拠したもので、準国際基準でもあるようだ。この値と照合すると、我が作業環境の電界強度は基準値の6倍もあり、とても良くない状態であることが判明した。

 これはちょっとやばい。この環境でこのまま仕事を続ける気が起こらない。そこで、どの電気機器が主要発生源であるかを調査した。

 机の周囲には10近くの電気機器があり、それらの電界強度を1つ1つチェックすると、2つの主発生源があることが判明した。それはノートパソコンとオーディオアンプ(FOSTEX PC200USB-HR)で、共に単独で100 V/m以上の電界強度が机上で計測され、他(プリンター、照明器具、充電器、卓上扇風機等)は微々たる値であった。



 さて、次は対策である。ネットで調べると根本的対策は簡単明瞭。それはアーシング。すなわちアースを取ること。ただし、アーシングには電気機器のコンセントプラグとコンセントにそれぞれアース端子が付いていることが必要となる。残念ながら、洗濯機や電子レンジのコンセントにはアース端子が付いているが、それ以外の部屋には端子が付いていない(新築の際に必要性に気づけなかったことが悔やまれる)。

 コンセントにアース端子が付いていない場合は、庭に金属のアース棒を埋め込み、アース棒と連結させたケーブルを室内に引き込まなくてはならない。これは面倒である。他に方法がないか、さらに調べて見るとクーラーにはアーシングが義務づけられていることが分かった。研究室の壁面上部にはクーラーがあり、その専用コンセントを調べると空きのアース端子があった(クーラーはアーシングされていない?)。ここからケーブルを引いて件の機器のアース端子と連結させれば良い。


クーラーのアース端子にケーブルを接続

 ただし、さらに問題があった。パソコンのコンセントプラグにはアース端子が付いているものの、アンプにはそれが付いていないのである。この場合にも対処方法があった。アンプの電源ACアダプタ差し込み口の金具部にアースケーブル末端を接触させてアンプ本体に差し込む方法である(天然住宅・2016/11/09 https://tennen.org/read_contents/647)。


 以上の方法でアーシング処理を行った結果、机上における電界強度は10 V/m 程度に激減し、安全基準値を軽くクリアーすることに成功した。



 これまで電磁波について全く気にしたことはなかったが、日常生活で基準値を大きく超える量を暴露していたことを知ってしまった以上、知らんぷりでは過ごされない。今後は、住まいの低電磁波環境の形成を心がけたい。ちなみに、作業を行う机上では計測されなかったが、電気温風機使用時の足下の磁界強度は半端ない値(11 mG)であった。従って、電気温風機で「手あぶり」という行為は以ての外ということになる。

 さて、今回のアーシング対処によって電磁波被爆量が大幅に改善された。今後、頭脳が明晰になり研究が飛躍的に進展することを期待したい。

パンダ列車は怖い

2023-01-30 | 雑感

 踏切を渡る朝の散歩コースをとると、このパンダ列車(パンダくろしお)に出くわすことが多い。

 南紀観光のドル箱はピカイチで白浜にあるアドベンチャーワールド。その30周年を記念して2017年から1日3往復で運行されている。

 先頭車両の顔はそれなりに良いのであるが、後方は怖い。あのパンダが目を血走らせて怒っている。なして?





海は公共のゴミ箱

2023-01-16 | 雑感
 先日、散歩のコースを変えて港を歩いていたらナンヨウツバメウオの亜成体の群れを発見、何気に写して帰宅した。



 後日、画像をパソコンに取り込んで整理していたところ、この魚たちのと一緒に、海底に堆積した大量のゴミが写っていることが分かり驚いた。撮影時は透明度が抜群に良く、普段見えない港の底がはっきりと見えたのであるが、大量のゴミは認識しなかった。無意識に「見たくもない物」を無視したのかもしれないが、さすがに望遠レンズの威力である。
 海は公共のゴミ箱である。人は平気でゴミを捨てる。事業者は産業廃棄物を捨てる。放射能も捨てる。



マグロのおこぼれ

2023-01-09 | 雑感
国内最大規模のマグロ養殖場を眺めていた。


突如として山からハシブトガラスの大群が出現。







何だ?何だ?と思っていたら、その一部は養殖場に降り立った。





 ここではトビもウミネコも霞のように湧く。これらの野鳥は、マグロのみならず養殖業に、少なからず養われている。

 今回は新たに入手した中古の広角望遠ズームレンズ(OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 260g 旧型機)をテストした。広角側の解像度は期待以下であったが望遠側は期待以上。欲を出せば切りが無いが、このレンズのメリットは幅広い画角と軽さ。散歩の良い供となりそうだ。

サンゴ骨格標本撮影システム改良型-ピントから起伏重視へ-

2023-01-06 | 雑感


 純白のサンゴ骨格標本の撮影はいつまで経っても思うように撮れない。それは白トビをうまく克服できないから。

 少し前までは全ての個体にピンが合うように深度合成ソフトを駆使していたが、手間がかかる割には画像が平面的に仕上がってしまう。

 ピンは必要条件ではあるが、標本全体の画像において特に要求されるのは個体の分布状態と共に立体感、すなわち骨格表面の起伏(付属突起)の陰影である。そして、立体感の良し悪しはライティング次第である。

 そこで、照度の高い水中ライトを手持ちで標本に照射し、アングルを変えながらモニターで写りを確認し、ベストポイントの所でシャッターを切る方式に撮影を変えた。

 基本的に深度合成は行わないので、最もピンを合わせたい領域にマニュアルでピンを合わせ、被写界深度を得るためにF値は11~16まで絞る(絞りすぎると解像度が悪くなる)。撮影モードは絞り優先とし、適性よりも1つ絞り、シャッターはレリースを用いる。

 以下は撮影システムである。
①標本
②一眼カメラ(オリンパス E-PL5)
③レンズ(オリンパスフォーサーズマクロ50mm)
④固定カメラ架台
⑤可動カメラ架台
⑥標本用架台(上下可変)
⑦サブライト(ピント合わせ用リングライト)
⑧主ライト(手持ち水中ライト)
⑨フォーカシングステージ(前後可変)
⑩三脚用雲台(上下左右可変)
⑪INPONアルカスイス互換用クイックリリースクランプ+プレート(たいへん便利で、カメラの脱着が容易に行えると供に、左右5cmずつカメラをスライドさせることができる。L型プレートとクランクをセットで買うと格安)

 冒頭の画像は撮影サンプルである。会心の作ではないが、それなりに撮れている。個体の詳細は実体顕微鏡に装着したUSBカメラ(WRAYCAM NOA630)で別途撮影するので、個体はそこそこ写っていれば良い。深度合成をしないので、撮影に手間がかからないのも大きな利点である。

 



中辺路紀行⑭ 発心門王子とその周辺

2023-01-04 | 雑感

田辺市熊野ツーリズムビューローの古道地図を引用


20221231 総歩行距離:約7km 述べ歩行時間:3時間

 中辺路内王子巡り全制覇の行程は残り3回となった。今回からはそれまでの田辺市方面から富田川を遡るアクセスではなく、新宮市方面から熊野川を遡る。今回は発心門王子バス停前の駐車場に車を駐め、そこから発心門王子、猪鼻王子跡を巡った後、再びバス停まで戻って水呑王子跡を訪れた。
 発心門王子は数ある王子の中でも格式高い五体王子(ごたいおうじ)の1つとされ、りっぱな社が設けられている。なお、五体王子には他に藤代王子・切目王子・稲葉根王子・滝尻王子がある。猪鼻王子跡と水呑王子跡は解説板と記念碑が置かれているだけであるが、水呑王子跡は整備された廃校やその付属施設内にあり、開かれているため明るくたいへん雰囲気が良い。そのため、車で再び引き返して来て、ポプラ(?)の落葉が敷き詰められたフカフカで美しい絨毯の上で昼食を取った。次回はここを起点として伏拝王子を往復する予定。


五体王子の1つである発心門王子


発心門王子と猪鼻王子間は起伏のある林道を歩く




猪鼻王子跡




バス停横の休憩所にあった親切な表示


水呑王子跡手前にあった

水呑王子




水呑王子跡は廃校とその付属施設内にあり雰囲気は明るい


この木の根元で昼食




F氏の遺品と遺作

2023-01-04 | 雑感
 リーフチェック串本のリーダーで友人でもあったF氏が昨年3月に急逝され、彼の思い出を本ブログに書いた。その後コロナ禍の関係もあって、京都にある菩提寺にはなかなか行くことができなかったが、昨年末にやっとリーフチェックメンバーが集まっての墓参りが実現した。

 その帰りに、家族の方から委託されていたダンボール二箱分ものF氏のカメラ類遺品の整理と処理を引き受けて持ち帰った。

 F氏は本格的な撮影マニアではなかったが、20年以上前からオリンパス製のデジタルカメラで水中撮影をされていた。その数はフルサイズデジタル一眼からコンパクトデジカメまで10台あまり。近年の機種は除いてあったので、半分はフォーサーズやそれ以前の旧式のもので、今でも使えそうなものは私とF氏ゆかりのダイビングショップとで使うことにし、残りはカメラ屋さんに引き取ってもらった。残念ながら、箱や説明書が残っていなかったので、ほとんどは値が付かなかった。

 さて、F氏のカメラ類の一部のメモリ内には画像が残されており、リーフチェックの資料になるかと思い、友人のよしみでデータを読み込ませていただいた。
 
 F氏は近年はマイクロフォーサーズのペン(E-PL5)を使われることが多かったが、ごく晩年は携帯性に優れた小型の古いデジカメ「µTough8010」を使うことがあった。そして、その中に、良質の画像が残されていた。

 撮影日はF氏が逝去される半年前の昨年9月9日~11日、ショップに確認したところ、撮影場所は串本町潮岬、一人でダイビングに来られ、のんびり気ままに楽しまれていたとのことであった。

 それは、メモリ内の遺作を見ても察せられる。たいへん失礼ではあるが、F氏は撮影があまり上手ではなかったが、この遺作の質は良く、F氏はこの時のファンダイビングを心から満喫し、また、撮影の出来映えにも満足されていたことに違いない。そこで、F氏の会心の遺昨をここに披露し、いささかの供養としたい。

 ところで、この遺作は「µToug」で撮ったにしては画質が良すぎる。不思議に思い、画像のデータを調べた所、撮影カメラはOM-D E-M5、レンズの画角は14~35mmであることが分かった。従って、「OM-D」にパンケーキズームを装着して撮影し、そのSDカードを「µToug」に移し替えていたということが真相のようだ。

 余談ではあるが、最近、F氏からだいぶ以前に借用したPEN E-PL5(F氏は2台所有していた)に、昨年末の遺品群の中にあったフォーサーズ40-150mmズームレンズをマイクロフォーサーズアダプタを介して装着して持ち歩いている。このレンズは景観も撮れないし、遠くの野鳥も撮れないが、なかなか面白い。ただし、望遠側は致し方ないとしても、広角をカバーできないのは甚だ物足りない。そこで、14-150mmズームの格安中古を注文してしまった。これからの散歩の供として楽しみである。



平池緑地公園野鳥観察記 -嬉しくも悲しくも-

2023-01-04 | 雑感
 大阪から帰省中の娘を途中まで送りがてら、和歌山県下では野鳥の楽園として有名な紀の川市貴志川にある平池緑地公園に立ち寄った。

 平池緑地公園は大きなため池で、野鳥の数や種類がそこそこ多く、周囲約1.5kmの遊歩道に加えて駐車場やトイレ等の公園整備も快適に成されている。しかも、一部の野鳥は餌付けによって慣らされており、岸辺に寄ると餌がもらえることを期待してわっと群がって来る。

 こういう所に来ないと野鳥に近づいて観察したり、我がカメラシステムではうまく撮影ができないので、野鳥の接近はたいへんありがたいことではあるが、飼い慣らされた野鳥はもはや「野鳥感」が無い。嬉しくもあり、悲しくもある。

 さて、小1時間の観察で以下の18種が観察されたので記録しておく。

1 カワウ


2 コクチョウ(1羽のみ、自然分布?)


3 マガモ(アイガモ?)


4 カルガモ


5 ヒドリガモ(最も多い)


6 キンクロハジロ(1羽のみ、冠毛がないがたぶんこの種)


7 アイサ類?(近寄れず正体不明、双眼鏡では大型個体はアイサ類に見えたが、写真の小型個体はそうは見えない。長く潜行する)


8 ウミネコ(たぶん、遠すぎた)
9 ダイサギ

10 アオサギ


11 オオバン


12 キジバト

13 カワセミ


14 セグロセキレイ
15 ヒヨドリ
16 ジョウビタキ
17 スズメ
18 ハシブトガラス

何歳になっても

2023-01-01 | 雑感


明けましておめでとうございます。
何歳になっても初日の出は良いものです。
今日は近所の住宅街の縁から、紀伊大島の背から上る日の出を拝みました。

上の画像は娘がスマホでいとも簡単にパノラマ撮影したものです。
最近のスマホの画質や機能には目を見張るものがあります。

たいしたものが撮れるわけでもないのに、それなりに重い一眼カメラを持って歩くのがバカらしくもなりますが、まあ、趣味なので仕方ありません。

下の画像は超広角9mmレンズで写したものですが、娘のパノラマ画像の方が饒舌です。それでも、今年もカメラを持ってどしどしと懲りずに出かけます。今年は新たに広角-望遠ズームに慣れるのが目標です。




この海はどこ?

2022-12-08 | 雑感

昨日この海を潜ってきた。この海はどこでしょう。


クマザサハナムロ(通称グルクン、沖縄の県魚)
ノコギリダイとアカヒメジ
ノコギリダイの成魚の群れ

サンゴに共棲するホシゴンベ

トサカ類を捕食するウミウサギガイ

ササスズメダイとキンギョハナダイ

キイロイボウミウシ


ここは三重県熊野市二木島。静かな漁村。



柱状節理の楯ヶ崎で有名。


潜ったのは海域公園に指定されている笹野島。


ここは20年前から毎年調査で訪れているが、海中の様子が激変を続けている。本来は大型藻類が海中林を形成する温帯の海。ところが海藻が茂らなくなり、ヤギ・カラマツ・トサカ類の海中を彩る刺胞動物も激減し、水深30m付近で見られた深場のサンゴ群集も劣化した。それに置き換わるように、それまで皆無であったテーブル状のミドリイシ類の増加が著しい。また、冒頭に並べた南方系の魚介類との遭遇率も年々多くなっている。


新たに定着した卓上ミドリイシ類は大きいものでは50cmほどに育つ

それは、もう5年もすれば、浅場は卓上ミドリイシ類の景観と化す勢いである。この原因は水温の上昇であるが、単純に地球温暖化のせいばかりではない。2018年から長期大蛇行を続ける黒潮の影響が大きい。実は黒潮が大蛇行して紀伊半島のはるか沖合を流れるようになると、紀伊半島西側海域は寒冷化するが、東側海域は黒潮分枝流により温暖化する。その現象による影響が二木島において極端に現れているのである。


この黒潮の大蛇行は観測史上最長期間を更新し続け、回復の兆しは見られない。が、しかし、やがては、黒潮は以前のように直進型に転じて紀伊半島をかすめるような流路となろう。その時は、紀伊半島東側海域は寒冷化し、生物相が一変するかも知れない。ただし、その保証はない。人工知能の粋を集めた計算システムを駆使しても黒潮の動態は予測不能であるからだ。

万物は止まることを知らず移ろい続ける。


まだ、トゲトサカ類の景観はかろうじて残る