弱い文明

「弱い文明」HPと連動するブログです。 by レイランダー

顔色の悪い安倍ちゃんを見た夜

2006年12月07日 | アクション

 昨日6日、国会前の「第三波ヒューマン・チェーン」に参加してきた。
 主催者発表では参加人数は約3500人。残念ながら前回の5000人には届かなかったが、平日の夕方5時という微妙な時間に、寒空の下、3000人以上も集まったというのは、なかなかどうして普通のことではないだろう。
 「タウンミーティング」(「ハローワーク」と同じセンスのネーミングだよな・・・)の参加者のようにギャラがもらえるわけでもないのに、よくもまあ──これは実は、政治コントでおなじみのザ・ニュースペーパーの福本ヒデが安倍首相に扮して応援に駆けつけ、そこで延々かましたギャグの中の一つである。「私たちの場合ですと、3万円くらいは支払わないと、こんなに集まってくれないのでありまして・・・」「教育再生のために、円周率は今後1の位も四捨五入して“0”にさせていただきます」その他いろいろ。
 僕が立っていた位置からは彼の姿は見えず、ただ屋外スピーカーを通して声だけが聴こえていた。その声が激似だったので、「声だけ聴こえている」状態がかえっておかしい。こんなに声帯模写のうまい人だとは、今まで気がつかなかった。はっきり言って、テレビで見るより全然面白い(ほめてるんか)。
 そのあとその扮装のまま、参加者全員に挨拶するためにこっちにも歩いてきてくれたのだが、これもテレビで見るより、シュールでおかしかった。ものすごく顔色の悪い安倍ちゃんなのである(こちらを参照)。
 確かに福本はもともと安部ちゃんにうっすら似た系の顔だが、それをさらに無理やり白く塗りたくった上に安倍ちゃんの似顔絵を書きこんだようなメイクだった。夕闇の中、寺山修二の映画みたいな白塗りのさえない安倍ちゃんがやって来る。しかも後ろにドラえもんとピカチュウの着ぐるみを着たメンバー二人を従えて。さらに警備の警察官(これはもちろん本物)が7、8人もガチャガチャついて来る。なんであんなに警官がついて来る?一応、タレントだから?何か混乱が起こるのを警戒したのだろうか?僕の隣にいたおばさんは「さすが大物ね」とジョークを飛ばしていた。
 想像してほしい。ライトアップされた国会議事堂の裏手を、安倍ちゃん+ドラえもん+ピカチュウ+7~8人の警官が一団となって歩き過ぎていく。警官たちは、自分達がこの絵を異常に面白くするのに一役買っている自覚はなかったのだろうが(誰かこの瞬間の映像撮ってないかな…)。
 芸人はライヴが命、ではあるが、ニュースペーパーの場合、ホールとかライヴハウスのような「それ用」の空間ではなく、まさに政治家が仕事をするこの現場こそが「ライヴ」なのかもしれない。同じネタをやっても、場所によっておかしさがこれだけ違う。ただ、国会前にいつも客がいるわけではないのが、つらいところではある。でも個人的には、日本の市民運動にはもっとお笑いが参入してもいいと思う。笑いは人を元気にするし。

 まじめな話、冷え込む中、風邪気味の僕はマフラーも手袋もして、靴下2枚はいていても、あー一杯やりてー、とグズグズ言いいながら、お笑いの出し物でもなければやってらんない、というところもあった。僕より二回りも三回り小柄な老人が、薄っぺらいジャンパー一枚で毅然と立っているのを見ると、我が身が情けなかった。それ以上に、ピンクのレース・クイーン・コスチュームのセクシーおじさん(こちらとか)には「冬でもやるか!」と感服した。ただあの人、何回も見てるけど、笑えないんだよな、俺・・・。
 幸いというか、集会の終わりには、今週の強行採決は阻止できたらしいという吉報が主催者より報告された。勝負は来週に持ち越し。安倍ちゃんが東アジアサミットから戻る14日あたりが次の山場か(あるいは臨時国会延長もあるかもしれない)。とりあえず、サミット帰りの安部ちゃんを国会前で迎えましょうというわけで、来週13日(水)に第4波ヒューマン・チェーンを実施することも決定した。
 だが保坂議員のブログでも刻々伝えられている通り、教基法や共謀罪のような大きな法案問題が紛糾する影で、著作権法違反の厳罰化や政党献金の外資規制解除など、より目立たないが(国民にとって)必要性のないトンデモ法案がぽんぽん可決していく。一方では、それこそ世界100カ国以上が加盟している国際刑事裁判所の設置規程をめぐっては、ようやく来年の通常国会から加入に向けての国内法整備が検討されるという。ありえねえだろ。
 安倍ちゃんが首相の座にいる限り、こんな状態が続くのだ。まあ、覚悟はしてるけど、できることなら任期前にお引取り願う材料もそろえておきたいものだ。本来憲法違反の為政者は、市民逮捕(シチズン・アレスト)の対象になってもよさそうなものではないか?憲法の中に具体的な規定があるわけじゃないけれど。


最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (megawatt)
2006-12-07 18:09:36
TBありがとうございました。

>日本の市民運動にはもっとお笑いが参入してもいいと思う。笑いは人を元気にするし。

同感です。
元吉本の木村政雄が『ブッシュにはつっこみではなく、ボケで返せ』とマガジン9条のインタヴューで語られています、昨年の3月30日という古い情報ですが。笑いの要素が必要なのは国会議員こそかもしれません。

http://www.magazine9.jp/interv/kimura/index.html


別記事のコメントになってしまいますが、私もユンカーマン監督の映画「日本国憲法」を昨年観ました。外国人が9条についてよく知っていて評価しているという点に驚いたと同時に、誇りに思っていいんだと感じました。私も大多数の国民(になるのかなあ)と同様に、現実に則すべきなんて思った時期もあったので。次回作は米軍基地がテーマということで期待が高まります。
返信する
>megawattさん (レイランダー)
2006-12-08 10:56:53
TB直してくださって、あとこちらにも送っていただいてありがとうございます。

マガジン9条は、僕もHPの方でリンクにいれさせてもらってます。読み忘れが多いんですけど・・・。でも今回の木村氏のインタヴューは笑いましたわ。ちょっと大阪のおばちゃん買いかぶりすぎでは?って気もしないでもなかったですけど。

でも、ヒューマンチェーンでも、その他の集会でもいつも思うのは、やっぱり「若い人が少ない」ってことです。まあ自分が若い頃のこと思えば当たり前、って気もするけど、今はその頃よりもっと状況は悪化している。お笑いの人間が絡んでくれば、お笑い好きの若い人が一挙に集まって面白くなるのに、という思いが捨てきれないんです。ちょっと安直な考えだとは思いますが。
返信する
Unknown (雅無乱)
2006-12-09 02:35:33
コメントありがとうございました^^

しかし変な法律がいっぱいできる時代になって不安です。
特に外資の規定撤廃は気になってます。
ますますアメリカにコントロールされるのか…と
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。