先日、古伊万里蒐集家Dr.Kさんのブログで、南方系の染付盃が紹介されていました。
例によって後出しジャンケン(^^;)、故玩館にも似たような雰囲気の品があったはず、と探し出したのが今回の品です。
径 6.8㎝、高台径 2.7㎝、高 3.5㎝。中国、明末ー清初。
中国明末と思われる染付の盃です。
器の外側には、暦手とよばれる幾何学的連続模様がビッシリと描かれています。
見込みにも模様が一つだけ。
この盃は、ガラクタ蒐集を始めて間もなく、陶磁器は何を買ったらよいかさっぱりわからないままに、時々、手が届く範囲の物を入手していた頃の品です。
その後、懇意になった骨董屋が、5個揃いならワシが買う、と言っていたところから、それほどハズれた品ではなかったかなと、胸をなでおろした次第です(^.^)
違いのわかる男が、夜半、一人で盃を重ねるにはピッタリの品ですね。もっとも、下戸の私には関係ありません。おまけに、違いのわからない男ですから(^^;
この盃、よくよく見ると、口縁に虫食い状の釉剥がれが、多くあります。
顕微拡大してみると、
火が入った跡があり、釉剥がれが焼成中に起こっていたことがわかります。
古染付といわれる中国明末ー清初にみられるこの虫喰いの原因については、いずれまとめて考えてみたいと思います。