遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

須田青華作『金襴手向付』

2022年10月01日 | 古陶磁ー全般

今回は、九谷焼の向付けです。

径 10.5㎝、底径 5.9㎝、高 7.0㎝。大正―昭和。

九谷焼らしい金襴手の器です。

側面には、梅、菊の花が2つずつ、計4つ、細かな地模様に囲まれて描かれています。

 

見込みには、雨龍が、ほのぼのと描かれています。

 

この品には、大きなニュウが3本走っています。やむなく、私が金継ぎで修復しました。外側のニュウは、金線にまぎれて、あまり目立ちません(^^;

底には、「九谷青華」の銘が書かれています。

作者は、須田青華、九谷焼の名工の一人です。須田青華窯は山中温泉にあって、現在、4代須田青華が窯を守っています。

今回の品は何代目の作かはっきりしませんが、作行きなどからして、初代の作品ではないかと考えています。初代、須田青華は、魯山人に作陶の手ほどきをした人として知られています。生涯、自分自身の道を貫いた魯山人、唯我独尊の彼でしたが、須田青華だけは特別の存在であったようです。

この品は、ガラクタを集めはじめた頃(先回のブログと同時期)、街の骨董屋で「魯山人の師匠の品だよ」と言われ、それなら、と求めた物です。何にでも手を出すクセは、もうその頃から始まっていたのですね(^.^)

コメント (6)
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