錫製の菓子皿、5枚です。
兎が一匹ずつ彫られた皿です。
裏、表ともに、兎紋、刻銘以外には、何もありません。
11.4㎝x10.6㎝、高 0.8㎝、重 66g(5枚、338g)
女性には、好評の兎皿ですが、この表情は明らかに現代の作です。
器体も新しく、きれいですが、その分、風格はそれほどありません。
この品は、これまで紹介した錫器と異なり、鋳造、轆轤ではなく、錫の薄板を叩き出して(鍛金)して作られています。
裏の刻銘は、「正錫 乾茂號造」。
この銘は、唐物ではなく、大阪錫器株式会社の製品です。
大阪は、江戸時代から錫製品の製造が盛んでした。現在でも、全国生産の7割が、大阪で生産されていると言われています。その中でも、大阪錫器株式会社は最大の会社で、全国シェアの50%を占めると言われています。ですから、「乾茂號造」の銘のある錫製品を目にすることが多くあります。
この品を手に入れた時は、てっきり茶托だと思い、茶碗をのせてお茶をいただきました(^^;)
1回使っただけなのですが、使用した2枚の茶托には、茶碗の高台跡が丸くついています(最初の写真)。少々磨いただけでは消えません。
あらためて、錫は柔らかい金属だ、と実感した次第です(^.^)
で、本来の菓子皿の具合ですが、和、洋菓子、いずれもいけます。銀器に比べ、錫は地味だからでしょうね。
あいにく、コロナでお菓子屋さんがお休みです。
今回は、ブログ読者各位のイメージの中で、お好きなお菓子をのせ、お楽しみください(^.^)