遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

金工19 水滴たち

2020年05月17日 | 金工

金属の水滴、5個です。

黄銅器が4個、銅器は1個です。

金属の水滴は数多くあったのですが、値が付く(かろうじて)物は処分しました。

残った物のいくつかです。

いずれも取り立てての品というほどの物ではありませんので、まとめて紹介します。

水滴は、墨をするとき、硯に水を注ぐ容器です。

私は書は全くダメですので、水滴を実際に使ったことはないのですが、今回、使う立場で、5個の水滴を評価してみました。

形や大きさは様々ですが、片手で操作する関係上、大きさ(6-11㎝)と重さ(95-300g)は、そこそこの範囲におさまっています。

 

 

 

鍔型の水滴です。黄銅製。

8.2㎝x7.7㎝x高 2.0㎝、重さ 283g

七宝で色紅葉が表されています。

鍔の向きはこちらでしょう。

大型ですが、水がなかなか入りません。また、どういう訳か、注ぎ口から、水がなかなか出てきません。重いので、そのうちに手首が疲れてきます(^^;)

 

兜型の水滴です。黄銅製。

8.0㎝x8.0㎝x高 5.6㎝、重さ 276 g

 

水は、武将の口から出るのですが、出が悪い。強く傾けるとドッと一気に出てしまいます。そこで、指で兜の頭にある注入穴をふさごうとすると、兜の前立にあたって痛い(^^;)

 

オーソドックスな水注型水滴です。青銅製。

11.2㎝x7.6㎝x高 2.3(5.4)㎝、重さ  300g

安定感のある形の水滴です。上側全面に唐草模様。

水の入れ口も大きく機能的に思えるのですが、いざ使ってみると、水がなかなか出てきません(^^;

 

唐物とおもわれる水滴です。銅製。

8.0㎝x4.6㎝x高 6.5㎝、重さ 115 g

デザインがしゃれています。

側面には雰囲気のある文字が彫られています。

 

蓋をとると、穴が2つ。真ん中の穴は・・・

裏まで続いています。蓋のピンはそこへ収まります。

水を入れるのは、その横の小さな穴。ずいぶん時間がかかります。

そして、いざ、水注ぎとなっても、肝心の水がなかなか出てこない。

これはもともと別用途の物だったのでしょうか。

飾っておくには格好の品です(^^;

 

瓢箪形の小さな水滴です。

6.0㎝x3.9㎝x高 2.1㎝、重さ 115 g

瓢箪とマサカリに、紅葉があしらわれています。

養老の滝でしょうか。

 

裏側はかなり擦れていて、よく使われていたことがわかります。

水は、上の口からなんなく入ります。

肝心の水注ぎですが、片手で、すんなりと水が出ます。しかも、上の口も、親指で調整自在。さらに、瓢箪の口が少し手前を向いているので、わずかの手首の動きで、微妙に注水をコントロールすることができます。点、点、点・・・と水を落とすことも可能です。

 

手のひらにすっぽりと収まる大きさと形です。

このまま、手の上でころがしたくなります。

実際、数限りなく手の中で遊ばれてきたのでしょう。

まろやかな手触りです。

根付けに似ていますね。

 

結局、道具として、評価に値するのは、1個でした(^.^)

 

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする