つれづれな日々のつぶやき♪

ドラマや映画、展覧会や写真展の感想をぽつぽつと。
日々の暮らしの中でふと感じたことをつぶやいたり。

「月夜の散歩」 第21回 愛された証拠

2013-07-30 | 言葉/エッセイ

少し古いのだけど、オレンジページ5/2号に掲載されていた、角田光代さんの連載エッセー「月夜の散歩」。ささやかでかけがえのない日常のお話。
この号の回は、「愛された証拠」というタイトルで男性の食事の仕方にまつわるあれやこれや。
以下、抜粋です。


>ずっと昔から不思議に思っていることがある。
  ものを食べるとき、口をしっかりしめないせいで、くちゃくちゃと音をさせる人がいる。たいてい、というか、私の知るかぎりぜんぶ男の人だ。どの世代にもいる。
 この「くちゃくちゃと音をさせて食べる」という行為を、好ましいと思っている人は、まずいない。女性の場合、毛嫌いしている人が多い。
 私の謎は、ここである。
 謎とはいっても、答えはかんたんである。ひとつしかない。それは「だれも注意しないから」。本人は気づかないのである。
 そしてここでまた、謎。どうしてだれも、男には注意しないのだ?
 くちゃくちゃとものを咀嚼する女性がほとんどいない、あるいはまったくいないのは、成長期のどこかでだれかに注意されたからだ。
 でも、男性には許されている。不思議である。まず、母親が許すのだろう。かわいいし、男だからいいと思うのかもしれない。さらに、成長して、友だちが許す。男友だちはそういうことを気にしないのだろう。そして、彼女が許す。好きだから許しちゃうのだろう。その後、妻が許す。交際時に好きだから許し、その後注意しづらくなったのだろう。同僚も部下も許す。そんなことは仕事に関係ないのだろう。かくして、男の人はどれほど年老いてもくちゃくちゃ食べている。しあわせなことだと思う。その人にとっては。愛され、許されてきた証拠なのだから。


納得、至極。そうなんだよねぇ。。
男の人って、あんまりお行儀とか注意されないで育ち、そのまま大人になって、さらに誰も注意しないからいくつになってもそのままなお方が多いし。
もちろん人にもよるけれど。一般論としてそうだと思う。
ご本人たちは、きっとお気づきではないのだろうな。。そうやって愛されて許されてきたことに(笑


余談。
くすっと笑えて、しみじみとうなずけるこの連載エッセーが好きで、『よなかの散歩』、『まひるの散歩』を2冊購入してしまいました。
これから読むのが楽しみです~^^♪



 

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シアターコクーン・オンレパートリー2013『盲導犬-澁澤龍彦「犬狼都市」より-』

2013-07-27 | 舞台/DVD

Bunkamura シアターコクーンで、シアターコクーン・オンレパートリー2013『盲導犬-澁澤龍彦「犬狼都市」より-』 7月26日(金)開演14:00 を観てきました。

※ネタばれがありますので、ご注意くださいませ。

【原作】澁澤龍彦『犬狼都市』より
【作】唐十郎
【演出】蜷川幸雄
【キャスト】
古田新太:影破里夫
宮沢りえ:奥尻銀杏/トハ
小出恵介:フーテン少年
小久保寿人:タダハル
大林素子:婦人警官サカリノ
大鶴佐助:研修生
松田慎也:研修生
堀源起:研修生
妹尾正文:犬屋の主人
金守珍:刑事
木場勝己:先生/男
【美術】中越司
【照明】勝柴次朗
【作曲】田山雅充
【音楽】井上正弘
【衣装】小峰リリー
【ヘアメイク佐藤裕子、千葉友子[宮沢りえ]
【ストーリー】
新宿。 コインロッカーの前で、盲人の影破里夫(エイ ハリオ)は〝不服従〟の伝説の盲導犬・ファキイルを呼んでいる。婦人警官に補導されかかっていたフーテン少年に出会い、自分の代わりにファキイルを探してくれるように依頼する。衝突しながらも次第に、奇妙な絆を結ぶかの二人。
そこへ、あかずのロッカーを開けようとする女、奥尻銀杏(オクシリ イチョウ)が現れる。鍵を持つ夫は南国で現地の女・トハに殺害された。ロッカーの中には、銀杏の初恋の人・タダハルの手紙が入っているのだ。銀杏は昔の夢が忘れられず、毎夕、ラジオに思い出の曲をリクエストしている。流れる<カナダの夕陽>。
盲導犬学校の教師になるべく研修中のタダハルが現れ、再会を果たす二人。そして、盲導犬学校の先生はいつしか、銀杏の亡夫/男として現れ、銀杏に犬の胴輪をはめて彼女を盲導犬にしてしまう。男と破里夫、二人に胴輪をつかまれてもだえる銀杏。
犬の毛が飛び散るなか、突如現れた自警団たちにリンチを受ける破里夫の爪でロッカーの鍵があく。
南国の海が広がる。ロッカーの中から、探し求められていた黒い犬が飛び出し、銀杏の喉笛を噛み切って走り去る。鮮血にまみれた銀杏は何度も犬の名を叫ぶ。「ファキイル!」

公式サイトはこちら → シアターコクーン・オンレパートリー2013『盲導犬-澁澤龍彦「犬狼都市」より-』

e+Theatrix! [インタビュー]はこちら → 「古田新太が念願の唐十郎作×蜷川幸雄演出の舞台『盲導犬』で、宮沢りえ、小出恵介と共演!」


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客入れの音楽等はなし。
美術は背景が黒一色。人の背丈ほどのグレーなコインロッカーが舞台幅いっぱいにあり、マッチの火が灯ったり、扉がいっせいに開き犬の毛を模した白い糸状のものが舞ったりします。ほかにも、このコインロッカーにプロジェクションマッピングでモノクロの海が映しだされます。
音楽は冒頭にパイプオルガン、ラスト近くに第九が使われておりました。
全体に色味のない舞台に、銀杏の真っ赤なワンピースと、影破里夫が持つガスバーナーの青い炎だけが色彩として印象に残ります。このふたつを印象づけるために、わざとほかの色を排除したのではないかとさえ思われました。
あと、本物の犬(シェパード、雑種の子犬)が登場したのはびっくり!

笑いは多く、キャストさんたちはとても魅力的で、体をはって熱演されてよかったのですが、作品としては、唐十郎さんの世界観が描けていなかったように感じました。唐十郎さんのあの泥々とした独特な世界、粘着質な皮膚感覚が全くなかったので、正直、肩すかしをくらったような気がしました。
蜷川版といってしまえばそれまでなんですが。。
古田新太さん演じる影破里夫の白いふんどし姿には、『押忍!!ふんどし部!』なのかと思ったり(笑
最終的に印象に残ったのは、銀杏を演じた宮沢りえさんの怪演ぶり。

宮沢りえさんは前述のとおり。文字どおり体をはってらっしゃいましたね。床にのたうち回り、四つん這いになり。台詞とはいえ、あの綺麗なお顔で「○○○○するの?」と伏字、放送禁止用語をしれっとおっしゃるとたじろぎますね。
古田新太さんと木場勝己さんは安定の存在感。よく通る低い声も魅力的。
小出恵介さんのフーテン少年は、いまいち、キャラクターが固まっていないような。

カーテンコールは1回。


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当日いただいた、NINAGAWA新聞です。
「さいたまゴールド・シアター+ネクスト・シアターの『鴉よ、おれたちは弾丸をこめる』の日本公演とパリ公演を終えて、批評が出揃いました。是非読んでいただきたいと思って、「新聞」をつくりました。」とのことです。パリで絶賛♪




フライヤー その1。




フライヤー その2。




プログラム A4判1500円也。渋いメタリックシルバー。
1973初演時の証言集、いのうえひでのりさんと蜷川幸雄さんの対談など。途中に広告が5Pも入っております(笑





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PARCO劇場40週年記念公演 『非常の人 何ぞ非常に~奇譚 平賀源内と杉田玄白~』

2013-07-24 | 舞台/DVD

PARCO劇場で、PARCO劇場40週年記念公演『非常の人 何ぞ非常に~奇譚 平賀源内と杉田玄白~』 7月23日(火)開演14:00を観てきました。

※ネタバレがありますので、ご注意くださいませ。

【作・演出】マキノノゾミ
【音楽】清水一雄
【美術】奥村泰彦
【照明】中川隆一
【衣装】三大寺志保実
【ヘアメイク】河村陽子
【キャスト】
佐々木蔵之介:平賀源内
岡本健一:杉田玄白
小柳友:菊千代/佐吉
奥田達士:中川淳庵/僧侶/小野田直武/秋田屋久五郎
篠井英介:おきぬ/瀬川菊之丞/須原屋市兵衛/前野良沢/田中三太夫
【ストーリー】※フライヤーより
江戸の町に、時代を先駆ける天才が二人。
一人は時代を先取りすぎた孤独な男、平賀源内。もう一人は学究肌の真面目な男、杉田玄白。
男同士の友情と崩壊を通して描く、男の生き様とは・・・・・・!

公式サイトはこちら → 『非常の人 何ぞ非常に~奇譚 平賀源内と杉田玄白~』   

特設サイトはこちら → 『非常の人 何ぞ非常に~奇譚 平賀源内と杉田玄白~』


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客入れは60~70'sと思われるPOPS。休憩時間にも流れております。
舞台美術は第一幕は、陰間茶屋。華やかな飾り格子に緋毛氈。第ニ幕は、平賀源内の自宅。高い天井に大きな梁、左右の壁いっぱいに書物の詰まった棚と梯子。
幕中に転換はなく、黒子さんが小道具などを片付けや準備をしていました。
暗転前にかかる曲は基本、ロック。ギターやベースがギュイ~ン! ☆新感線かと思ってしまいました(笑
平賀源内役の佐々木蔵之介さんの衣装が粋な柄の着物でしたね♪ 波紋のような柄物とか。こういったデザイン色の強い柄もあるんですね。 

マキノノゾミさんご本人もおっしゃっておられるように、マキノ節全開のどストレートな芝居です。真っ向勝負の直球。熱いです! 
M.O.Pを彷彿とさせるような「男!漢!侍!」な感じ。
第一幕は、元禄時代の洒脱な風情が感じられ、軽めの笑いが中心で気楽に観ていられます。第ニ幕は、平賀源内の歯車が狂っていくさまが描かれています。天才なのに不遇なまま生涯を終えることになった平賀源内、しかも最後は獄中死。
早すぎた天才と実直な秀才、モーツァルトとサリエリのような、男同士の友情の物語。
ラストシーン、杉田玄白の独白は少々、気恥ずかしくなるほどのどストレート。その直後の号泣にうるっと。。ときたところで、「えっ?!」という展開に。
ぽん!と洒落っぽく終演。小粋な終わり方だな~と。こういう感じ好きです♪
個人的に笑えて好きだったのは、第一幕で杉田玄白と中川淳庵が「ターヘル・アナトミア」の翻訳に行き詰まり、平賀源内に会いにきて二人で「あぁ~!」と嘆いているところ。当の本人たちは真剣そのもの。でも、それを端で観ていると可哀想だけどおかしいわけで。

キャストさんは男性5人のみ。無駄にわちゃわちゃした感がなくてよいです。まとまりもあっていいカンパニーなんだなと。
何気に小劇場系の方が多いですよね。作・演出のマキノノゾミさんと奥田達士さんは元M.O.P。佐々木蔵之介さんは元惑星ピスタチオ。篠井英介さんは元花組芝居、現3軒茶屋婦人会。
奥田達士さんと篠井英介さんは役数が多く、それぞれの役のキャラクターを、短時間できちんと演じわけておられてすごいなぁ。。と。やっぱり上手いです。
篠井英介さんの女形は絶品です♪ 見目も所作も美しい。
小柳友さんは初めて観たのですが、菊千代(佐吉)の陰とか闇の部分がよく出ていてよかったです。お綺麗でしたし、大きいけど(笑
岡本健一さんは意外とコミカルな役もお似合いでした。
佐々木蔵之介さんは洒落っ気と色気、プライドと寂しさを合わせもつ複雑な平賀源内を好演されておりました。

カーテンコールは1回。


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フライヤー。




パンフレット A4判1200円也。
用語解説やマキノノゾミさんと夢枕獏さんの対談など。キャストさんのお写真では、個人的に、佐々木蔵之介さんのキメ顔とツツジに囲まれて微笑む篠井英介さんが好きです♪




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劇団M.O.Pはもうすでに解散してしまいましたが、好きな劇団のひとつでした。特に、『黒いハンカチーフ』が好きでした。といっても、実際に劇場で観たわけではなく映像のみですが。。
ここのブログ内に、NHK ハイビジョン特集で放送された、解散公演に密着したドキュメンタリー『さらば八月のうた 青春が終わる日』を観た感想記事がありまして。今でも時折、検索でいらっしゃる方がおられます。ちょっと感慨深いです。
そのときの記事はこちらです。 ドキュメンタリー『さらば八月のうた 青春が終わる日』











   





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よく見る夢って。。

2013-07-21 | つぶやき

今日は久しぶりに涼しいので体が楽ですね~ 湿度もこれくらいならね^^
さてと、今朝見た夢のことなど。

*なんだかばたばたしている。慌てているのは時間がないかららしい。
急いで荷造り(外出用)をしているのに、いっこうにはかどらない。ペンケースの中を見るとからから。筆記用具は必須なのに!
慌てている。。とにかく、慌てている。間に合わない~!と思っているのに、もたもたしていてはかどらない。
まだ、着替えもメイクもしていない! さすがに部屋着とすっぴんではまずい。。
時間がない~!!

。。と、プチパニック状態で覚醒。
やれやれ、またこの夢を見たのね。「時間がないのに、全然支度してないよ~!」という夢。
子供のときは、これが修学旅行とか林間学校とかでしたっけ。大人になってからは、大事な用事とか仕事とか。
一体、どういう意味があるんだろう? 夢占いでも見てみればいいのかもしれないけど、まぁ、占いは占いだし。
そういえば、学生のときは、テストなのに勉強してなかったよ~!とか、ピアノの前に座っていて、これから演奏しなければいけないのに弾けないよ~!とかだったっけ。

よっぽど気になっていたんだなぁ。。多分(苦笑
 

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作家の口福「スイッチが入ったときの献立は」 川上弘美

2013-07-20 | 言葉/エッセイ

朝日新聞 be on saturday (Red) に、『作家の口福』というタイトルで川上弘美さんのエッセイが連載中です。
このエッセイは一人の作家が何回か続けて書き、また次の作家が同じタイトルで綴るというリレー形式。内容はそれぞれの作家が「食」に関して思うところを綴っていて、その人によって違う、「食」に対する思い入れや記憶がなかなか興味深いところ。
7月20日付けは「スイッチが入ったときの献立は」。

>そのスイッチは、気温が二十八度以上になると、「かちっ」という音をたてて、まえぶれもなく突然オンになる。
(中略)
 そのスイッチとは、「真夏スイッチ」。
 真夏スイッチが入ると、台所に立つ時間はミニマムになる。
(中略)
台所滞在時間は七分と十八秒(ちゃんと計りました)。なんというか、人間が、百八十度とはいわないけれど、百三十五度くらいは、変わってしまった感じ。あんなに好きだった男が、「なんかめんどくさくて、あんまり会いたくないし」になってしまった感じ。
 真夏の力、おそるべしだ。
 誰か、「置くだけクッキング」あるいは「正真正銘三分でできる料理」を出版してくれないものだろうか。猛暑続きのこの夏の候、せつに願う次第である。

くすくすと笑いつつ、あ~わかるわぁ。。と、ひとりうなづいてみたり。
確かに、真夏のキッチンに立ち続けるのは体に悪いと思うもの。夏になるとスーパーの惣菜売り場で、天ぷらなどの揚げ物が売れるのも納得できるし。真夏の揚げ物は地獄よね。。作るのは。

川上弘美さんが綴る、こんな感じの文章の軽妙さと、「食」に関するさらりとした感じが好きです♪

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