
朝日新聞の小冊子に載っていた、茂木健一郎さんの文章が心に残ったので‥
その中の一部を抜粋します。
過去は、育てることができる。
私たちの脳の中の記憶に繰り返し立ち返ることで、新たな意味を見いだし、つややかな光を当てることができる。
そこを越えると「ホームラン」だったブランコや、息子への思いが込められた桜の木はもうこの世にはない。それでも、私の心の中でブランコはまだ風に揺れている。目を閉じれば、桜の木がさらに大きく育って、満開の花を咲かせている有り様さえ見えてくる。
私の胸の中で、「桜の理由」は今でもひそやかに息づいている。
茂木さんの育った家の近所にあった、児童公園の思い出のことを書いてあるエッセイです。
公園にあった桜の木は、当時高校生だった息子さんを交通事故で亡くしたお母さんが、息子さんを思い出すためにと植えたそうです。
人の記憶や思い出は、その人が忘れてしまわない限り‥胸の中でずっと生きているのだと思います。
「過去は、育てることができる」
素敵な言葉だな‥って思いました。