懐かしい未来

常に迷子だと感じてる、帰国後の混乱を擦り抜けようとしてる、無職っぽい休憩を楽しんでるアメリカ人です。

3月11日、私は日本人になりました。

2011-06-20 | 人生

仕事中、人生が変わりました。

 

3月11日から一週間の間、外国人が東日本から姿を消しました。

私の職場の外国人の同僚もいなくなって、空っぽの椅子を残しました。

 

想像もつかなかった状況になったら、想像もつかなかった気持ちになりました。日本に残るのが当然だと私は思いました。えらいと思う人はいるかもしれませんが、全然そんなことないです。

日本に残る日本人に「残っててえらいね」と言わないでしょう。ただ、残るしかないと思っているだけです。でもよく考えると、日本人の場合でも、本当に日本に残るしかないわけじゃないです。もしさっさと荷物をまとめて出ていこうと思えば、できます。

だから「日本に残るしかない」より、「故郷を出るわけない」というのだと思います。私の場合、「帰国しなくていい」じゃなくて、「故郷を出たくない」という気持ちだと気づきました。日本を離れるのが辛い...アメリカに帰ったら日本の事が心配で頭がおかしくなりそうだと思いました。周りの人の元気な顔を見られるので、見られなくなったほうがずっと不安です。特に海外の大げさなニュースを見ていると、日本全体がとんでもない地獄になっているみたい...(汗)

 

思わぬ事件が起きる場合、無意識 の反応で本当の気持ちが明らかになると思います。

私の場合、大震災当日:恐ろしい余震が続く中、生放送で津波を見て感じた恐怖。周りの日本人と国籍関係なく全く同じ気持ちになった瞬間。日本を出たいという思いが頭に浮かばなかったこと。全てが日本人と同じで、全て無意識でした。それに、胸の痛みなどで、自分がどれほど日本を心の底から愛しているかが初めて分かりました。

日本が好きだというのがずっと前から分かっていました。「なんで日本が好きなの?」と聞かれると、例えば食べ物のおいしさや日本人の丁寧さや電車の便利さ等々が答えになれたかもしれません。

でも今回は何か違います。その深さというか...「なんで日本を愛しているの?」という質問の答えがわからなくなりました。

例えがちょっと違うけど、もし親が「なぜ子供を愛していますか」と聞かれたら、子供の性格やマナーや成績や顔のかわいさなどの話が出ないと思います。「我が子だからです。」

だから私はどれほど日本を愛しているか、また、なぜ日本を愛しているか、納得させる答えをあげられないと思います。ただ、3月11日、無意識の反応で、どれほど日本を愛しているか、そして死ぬまで日本が完全に自分の一部になっていること、やっと気づきました。

 

毎日仕事があるし、年休も残っていないのでまだ一回も東北でボランティアができていないのがとても悔しいです。自分の無力感を軽減するためにもなるのが恥ずかしいけど、これからは週末にでも東北に行ってできることをしたいです。我が国のために。

日本の復興を見るのが楽しみになってきています。負けないぞ日本!