今日はピョートル大帝の夏の離宮
ペテルゴフ
観光の後、夕方の便でモスクワへ飛ぶ
のでスーツケースはまたまたガムテープでグルグル巻きにして室内に置いてロックして出発です。
エレベーターホールから2回もカードキーを開けて入るのに、廊下でさえ安全ではないということです。
エルミタージュ美術館前の船乗り場へ向かいます。何度も通ったシュミット中尉橋の欄干です。
高速船でバルト海のフィンランド湾を横断します。
気温6℃。
厚手のシャツにフリース、コート、もちろん手袋という真冬の格好。それでも船着場から宮殿入口までの500mは海からの冷たい風
でとても寒くて首が縮こまってます。
下の公園の中の道です。散策は後で。まずは宮殿前の大滝に向かいます。
宮殿が近付いてきました。
大滝とサムソンの噴水が涸れてます。
それにしても、キンピカのお兄さん達、その格好じゃ寒いでしょ。
葉っぱ一枚を身に付けたマーキュリー像を、なにげなく見ていると、なんと葉っぱの中もちゃんと作ってあって、ビックリ。
宮殿のテラスからは、フィンランド湾が見えました。
宮殿の入口からの階段は黒い手すりです。壁の金の装飾
に落ち着きを与えながら、より豪華さを引き立てています。
窓から宮殿聖堂と上の公園が見えます。光輝く聖堂の先端には双頭の鷲が乗せられています。
ここにもありました、キラキラの大広間。
皇帝の部屋です。執務室でしょうか、ぐっと落ち着いた感じです。こうじゃなきゃ仕事できませんよね。
天井画が素敵です。
玉座の間です。壁にはピョートル大帝の親族の肖像画が掛けられています。
そして、玉座の後ろにはエカテリーナ2世がペテルゴフに入城した時の騎馬像が飾られています。
実力も兼ね備えた女帝です。
宮殿の中のシャンデリアは、どれも上部にオレンジ、下の方に紫を配して、とってもお洒落なものです。
ちょっとこぢんまりした謁見の間です。威厳を見せるためでしょうか必要以上にキラキラです。
一転して、白の食堂です。もう何を出されても美味しそう。
部屋の隅には真っ白な暖炉です。
中国風書斎です。
この中国風書斎に挟まれるように肖像画の間があります。ちょうど宮殿の中央部分になります。
色々な視線を浴びて、全然落ち着かない感じです。
壁のクロスがとても綺麗な部屋が続きます。
壁の中に隠れるようにかわいいカウチがありました。カーテン閉めたらすごく暗そう。
青い客間です。食器は式典用のセットだそうです。
あはっ、この部屋は豪華な小学校の講堂か披露宴会場みたい。宮殿っぽくないわ~
最後の間は黄色に花柄の部屋でした。
宮殿の外に出ると、大滝の噴水がでていました。
噴水が加わって、着いた時に見たテラスからの眺めとは一味違う景色です。
当時の衣装を着た人と記念撮影やダンスができます。
これです
この大滝を見たかったんです。
ちょっと寒いけど、ギリシャ神話をモチーフにした光り輝く像と噴水が圧巻です。
大滝の前には20mにもおよぶ水柱を吹き上げるサムソンの噴水です。
サムソンはロシア、組み伏せられているライオンはスウェーデンを表しているのだとか。
スウェーデンも大蛇にされたり、ライオンにされたり大変です。
ペテルゴフは“上の公園”と“下の公園”の1000ヘクタールという広大な敷地に150もの噴水があります。
噴水大好きピョートル大帝は、マイナスイオンで癒されていたんでしょうね。
アダムの噴水です。サムソンの噴水を挟んで反対側にはイブの噴水があります。
碗の噴水です。これも左右に2つあります。
海岸近くにはエカテリーナ1世がピョートル大帝に手料理を振舞ったというモンプレジール宮殿がありました。ピンクの屋根がかわいいわ。
モンプレジール宮殿の中庭にはベンチの噴水があります。ピョートル大帝は貴婦人達がベンチに座ると水が噴出すトリック噴水を作って、驚かしては楽しんでいたとか。
ベンチの後ろの緑の服を着て生垣に紛れている(バレバレですけど
)おじさんが、ベンチに誰かが座るとコックを開いて噴水を出します。
ベンチから振り返ると綺麗に整えられた庭の中に、わら束の噴水が見えます。
森の中の道を進むとピョートル大帝の像がありました。道の中央のポチッ
ていうのがそうです。
こちらは太陽の噴水。
なにやらかわいい建物がありました。
温室のよう。
いたずら好きな大帝は色々なトリック噴水を庭の中に造っています。
これは水が噴出す道。
この寒いのに、チャレンジしてずぶ濡れになっている人がいました。
ピラミッドの噴水です。
森の中から、とても広い綺麗な模様の庭に出てきました。庭には同じタイプの噴水が2つ。ローマのサンピエトロ聖堂前の噴水をモデルにしたローマ噴水です。
チェスの山です。この坂を登ると下の公園は終わりです。高台にあるのが上の公園、低い海側が下の公園で、どの噴水も自然の高低差を利用して水が噴出すように造られているそうで、その技術に感嘆です。
チェスの山はドラゴンの口から水が流れていました。
下の公園の散策を終えてここで一旦休憩のランチです。
宮殿と色を揃えたお洒落なレストラン、と思ったらこんな写真が飾ってありました。
これって、、、
まずは前菜のサラダ。そして凄い量のスープと羊肉を串に刺したシャーシュリンク。
とてもおいしいのですが、どれもこれも半端じゃない量で、全部食べると動けなくなります。
上の公園散策の前にちょっとかわいそうなピョートル大帝のお話を
ピョートル大帝の下でロシアは大いなる発展を遂げました。彼は自らヨーロッパ諸国を巡り、医学、数学、軍事、造船など様々な技術を学び、ロシアのヨーロッパ化を進め、特に海に重要性を見た彼は、偽名を使ってプロイセンやイギリスなどの造船所で自ら油にまみれて働いて、その経験や技術を元に、海軍力を強化し、バルチック艦隊を創りあげています。
そんな偉業をなしたピョートル大帝ですが、家庭的には不幸
で、妻エヴドキアはサンクトペテルブルグに移り住むことを拒み、息子と共にモスクワ生活。
単身赴任のピョートル大帝は、農民出身のエカテリーナに一目惚れ。
これがとても健康そうな(恰幅の良い
)女性。
Wikipediaからエカテリーナ1世
大帝は彼女を、ここ夏の離宮に迎え入れ、宗教上離婚できない正妻とのドロドロ三角関係
遂に妻エヴドキアは、ピョートル大帝の暗殺を企てるも失敗に終わり、修道院送りに
同じく暗殺を企てた息子アレクセイは死刑を宣告され、獄中でショック死。
晴れてエカテリーナを正妻に迎え、20年間でなんと12人の子供をもうけます。
それなのに、信頼していたおデブのエカテリーナに浮気をされ、大帝は彼女の目の前で浮気相手を殺してしまいます。
それでもエカテリーナは顔色一つ変えなかったそうです。
ピョートル大帝の最後は、冬の川で座礁している船の乗組員を助けようと、自ら氷のような川に飛び込み、全員を救い出したものの、高熱を出した彼は53歳の生涯を終えました。そして、後継者を指名しなかったため、跡を継いだのは、浮気妻エカテリーナ1世だったと、なんとも気の毒な話です。
食後の上の公園散策に出ます。
上の公園は広いネプチューンの噴水が中心にあります。
ネプチューンの噴水を一周するようにして、宮殿の聖堂に戻ってきました。
サンクトペテルブルグの観光もこれでお仕舞いです。まだまだ見てみたい場所がいっぱい残っています。
これまで色々な国や街を見てきましたが、サンクトペテルブルグはもう一度訪れたいベスト3には入ると思います。
今度はもっと暖かい時期に、来たいわ~
お・ま・け
またまたガタガタのアエロフロート国内線でモスクワに向かいます。
モスクワに向かう途中、ガタガタ揺れて蓋の無い荷物入れから、今にも荷物が落ちそうなところです。