Fireside Chats

ファイアーサイド・チャット=焚き火を囲んだとりとめない会話のかたちで、広報やPRの問題を考えて見たいと思います。

米軍ヘリ基地外墜落問題

2004年08月18日 10時44分58秒 | PR戦略
明治外交の先達は不平等条約の改正に心血を注ぎました。
陸奥宗光がイギリスとの間で治外法権の撤廃に成功したのが1894年。ここに至るまでには大隈重信外相がテロにより隻脚を失うなど多大な犠牲が支払われました。治外法権の撤廃は過去の日本政府が血で贖った権利なのです。

日米地位協定という名の不平等条約に治外法権規定が含まれているとは、知りませんでした。

事実関係を整理しましよう。
13日午後2時20分ごろ、沖縄県宜野湾市の沖縄国際大学敷地内に米軍のヘリコプター1機が墜落しました。
沖縄県警はただちに令状を取り、翌14日に現場検証をしようと数十人の捜査員を待機させていましたが、米軍から拒否されました。
事故機は米軍の財産であり、これを捜査する為には米軍の同意が必要とのことです。
事故機だけでなく、民有地であるはずの事故現場も米軍が管轄下に置き、日本側の警察や消防の立ち入りも排除しました。
16日午前、米軍は沖縄県警の捜査要請に同意を与えぬまま、墜落現場の沖縄国際大学構内で周辺の樹木を伐採し、午後に入り機体を搬出しました。
17日に至り、在沖縄米海兵隊法務部は沖縄県警に対し、機体を含めた墜落現場の検証を、日米地位協定や日米合意議事録を根拠に拒否すると回答しました。
外務省はこの事態にどのように対応しているのでしょう。外務省の荒井正吾外務政務官は、日本側の要請を受け入れさせるべく、現地沖縄で精力的に動き回っているようです。
しかしながら本省は、川口順子外相を筆頭に及び腰です。
そして、われらが小泉総理は、16日には歌舞伎座で「元禄忠臣蔵」を泣きながら鑑賞し、夏休みを満喫していたようです。

拉致被害者や特定失踪者への冷淡な対応、アジアカップサッカーでの国旗焼き捨てへの不感症、今回の治外法権問題への沈黙。
国家主権に対する小泉内閣の無関心もしくは逃避的態度はいつまで続くのでしょう。

マスメディアはいずれも、この問題に注目し報道しています。しかし、アテネオリンピックの喧騒にかき消され、充分に国民には届いていないようです。
そこで、どうすれば国民的関心を呼べるのか、広報視点からいくつか提案したいと思います。


■宜野湾市の伊波洋一市長は直ちに上京し記者会見すべき

やはり情報発信の中心は東京です。
沖縄現地に入りたいが、東京を留守に出来ないジャーナリストはいっぱいいます。
東京で記者会見をすると同時に、沖縄好きの筑紫哲也キャスターのニュース23、日曜朝の報道番組への出演交渉を早速はじめたら如何でしょう。
その際、沖縄の特殊ケースではなく、国内のどこでも同様な事件が起きたら、地位協定により警察の捜査権が及ばない可能性があることを強調してください。

■沖縄現地で「画」になる集会を

墜落機の残骸が撤去された今、テレビメディアは動く画を欲しがっているはずです。
沖縄で画になるシチュエーションを作り出す必要があります。
「沖縄県警を応援する県民集会」が開けないでしょうか。
普天間基地の正面で開ければいいのですが、規制により困難な場合は、沖縄国際大学のキャンパスがいいと思います。

那覇の目抜き通りでの署名活動の絵柄も欲しいところです。

■喜納昌吉がんばれ

こんなときの為に、喜納昌吉は参議院議員になったのではないですか。
直ちにサンシンを抱えて沖縄に帰り、ゲリラ集会で抗議の意志を表してください。
阪神大震災のときの泉谷しげるのノリです。
できれば先島にも行脚し、カチャ―シーのリズムでおばさんたちと踊り狂ってください。

■アメリカへの直接抗議

どうせ小泉総理や川口外相に働きかけても糠に釘にきまってます。
むしろ米国へ働きかけたほうが、外務省はあわてて重い腰を挙げるはずです。
おりしもアメリカは大統領選挙。
しかも、ブッシュ大統領は、同盟国との調整抜きで海外駐留兵力の削減方針を発表したばかり。
アメリカと外務省、防衛庁との擦り合わせが充分でないときだけに、
思わぬ効果をあげそうです。
稲嶺恵一知事はただちに訪米し、日本政府にガイアツをかけることが有効です。

■評論家・コメンテータ・コラムニストのコメント集め

週刊誌や、沖縄の地方紙、琉球新報、沖縄タイムスは、新聞やテレビに登場する回数の多い評論家・コメンテータ、週刊誌に連載を持つコラムニスト・エッセイスト、沖縄フリークの文化人、芸能人など、数多くからコメントを取るべきです。コメントすることはすなわちコミットメントすることです。
なるべく多くの人にコミットメントしてもらうことは、関心を広げる触媒になります。

■ブログデモ

幸い、今年に入り、無料ブログサービスが充実してきました。
これを使わない手はありません。
これまでのデモは、街頭での示威行動を意味しました。
これからは、ネットの中のバーチャル空間でも示威行為が成立すると思います。
抗議するひとりひとりが抗議のためのブログを立ち上げ、トラックバックでつないで見ましょう。
世界初のブログデモが出来るのではないでしょうか。
英語の堪能な人は、ぜひ英語でブログを書いてください。
世界に広がるはずです。



2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (キチガイ)
2004-09-13 17:07:38
これはひどい
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喜納昌吉 国会質問してた (アンドレー)
2004-09-18 19:43:25
喜納昌吉 国会質問してたよ

川口外相の答えに怒って

「結局今のお答えは沖縄の人は死んでもいいということなんですね。わかりました」

とキレてしまっていたけど。



http://kina8888.net/new/9_7.html
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