Happyday of LUCKY

日々の気付きと感謝を忘れないように綴るページ

再生していく決意

2013年09月14日 | Photography
写真展は11日目。きょうは夕方からパーティーだ。



昼間、早い時間に表現大学のK先生と生徒さんが来られる。
彼らは無言で作品やブックを真剣に観ている。ギャラリー内の空気が張り詰めていて、なかなか声をかけられない。
15分くらい経ったところで、K先生が口を開いた。
「きょうは授業の一環なので、作品解説をしてもらっていいですか?」
そういうことなら、パーティーのあいさつでしゃべろうと考えていたことを、練習のつもりで話しよう。

で、わたしの略歴や今回の作品が生まれた経緯、コンセプトなどを一通りお話しした。
生徒さんのなかに、わたしと同じく学校の先生を辞めて写真家をめざしている人がいた。しかも、わたしが辞めた歳と彼の歳が同じだったので、お互いにおどろいた。
30歳半ばというのは、ちょうど人生の折り返し地点だから、だれでも「こんなことやってていいのか?」「ホントにやりたいことはなに?」という自問自答をするのかもしれない。
だけど、そこで仕事を辞めて、すべてを捨て、リセットできる人間は少数かもしれない。
大半の人はさまざまな理由(しがらみ?)で辞めることができずに、疑問を感じながらも同じことをつづけていく。
どちらが幸せな人生かは、その人の考え方しだいだ。
わたしは一度しかない人生なら、たとえ貧乏でも自分のやりたいことをやって死にたい、という考えである。
そんなことまでは言わなかったけど、その生徒さんもきっと腹をくくって一歩を踏み出したのだろう。がんばってほしい。



表現大の人たちと入れ替わりに、パーティーの準備を手伝ってくれるLさんが来る。いつもありがとう。
すでに飲み物は買ってきて、ギャラリーの冷蔵庫で冷やしてあるので、あとは簡単な食べ物を用意するだけ。
彼女と二人で近くの商店街へ買い出しにいく。
お惣菜屋でおいしそうな惣菜を袋いっぱい買い、スーパーでお菓子類を買う。
さいごに精肉店で揚げたてのコロッケとトンカツをどっさりと買ったら、店のおばちゃんが「サービスしとくわ」といってウインナーの串フライを2本付けてくれた。
1本ずつ食べながらギャラリーにもどる。

買ってきたものを並べて用意をしていると、ほどなく写真茶話会のメンバーが来られる。
さらに写真学校時代の同級生たちもつぎつぎに来廊。何年も会ってなかったMさんやNちゃんも現れ、まるで同窓会のような感じになる。
定刻をすぎたので、とりあえず乾杯して、そのあと一人一人にあいさつして回る。



1時間ほど歓談して、一応、中締めのごあいさつをする。
昼間、表現大学の生徒さんたちに一度しゃべっているので、もう緊張はしない。
と思ったら、白ワインを呑みすぎたせいか、途中で話す内容を忘れてしまって、後半は頭の中がまっ白。完全にアドリブでしゃべる。
ああ、カンペを用意しておくべきだった。

あいさつのあと、同級生のOくんが意見をのべた。
「マツノさんはテクニックがあるのに、それを写真には見せないで、ストレートに情熱をぶつけてくる。そこがいい」うれしいこと、いってくれるね。ありがとう、Oくん。
そのあとを写真茶話会のSIGN氏が請けた。
「この写真展はマツノさんの崩壊していく過程を見せていて、これから再生していくという決意だと感じた」
さすがはSIGN氏、わたしの写真をよく見てくれている。まだ崩壊の過程なんだ。これから再生するのか。たのしみだな。

さいごにPさんが「次回の写真展に向けての展望を聞かせてほしい」と質問された。
わたしは「つぎもREBORNです。本当の意味での再生を撮ります」と答える。これは酔った勢いでいったのではなく、本当にそう思っている。
頭の中にはもうイメージもある。撮りたいものもあるし、その撮影に使うカメラまで決まっている。あとは撮るだけ。
今回やりたかったことは全部やったので、また新しいことをやって進んでいくのである。
こんなエラそうなことを書いて、来年できなければお笑いだけど、できるかできないかは撮ってみなければわからない。

この2週間で多数のご来廊、本当にありがとうございました。また本日のパーティーにもたくさん集まっていただき、心から感謝しています。
みなさんのご期待に応えられるように、作品制作に励んでいきたいと思います。

決戦は土曜日

2013年09月13日 | Life
写真展は10日目。いよいよ大詰め。

きのうは在廊中、ビジュアルアーツの学生さんが二人来られただけで、とても静かな午後であった。
でもなぜか、わたしが帰ったあと、ばたばたと何人か来られたらしい。
作家がいてると落ちついて観られないから、あえて在廊時間を外して来られるのだろうか?
こちらとしても、ヘンな空気をつくらないように、一回りするまでバックヤードで待機して、何分かしてからそっと様子を伺うようにしているのだけど。

きょうも来廊者は少なく、のんびりしていたら、夕方になって写真学校時代の同級生が来てくれた。
学生時代に同じ暗室でプリントしていた仲間なので、つい懐かしい話が飛び出してくる。
彼女もいまだにフィルム派で、ときどきモノクロフィルムでも撮るという。プリントは知り合いのレンタル暗室を使っているとか。
わたしも調子にのって、今回のプリントの苦労話をひけらかしてしまう。
楽しすぎて、時間をわすれて話し込んでしまった。ホントにありがとう、Jさん。



さて、いよいよあしたはパーティーだ。
この2週間ずっと、パーティーであいさつする内容を考えている。
しゃべることを箇条書きにした原稿を、すでに第3稿までつくったが、まだきちんとまとまっていない。
去年も、一昨年もそうだったが、結局、考えていてもしゃべりだすと頭の中が真っ白になって、もうグダグダな話になってしまう。
長いこと人前でしゃべる仕事をしてきたのに、いまだに苦手だ。信じられないだろうけど。

あいさつはともかく、どんな人たちが来られるか、とてもたのしみだ。
わたしと面識のない方も、ぜひ気楽な気持ちでご来廊ください。飲み物や軽食をご用意してお待ちしております。

ラッキーな出会い

2013年09月11日 | Photography
注文いただいた六切りプリントのフラットニングがおわったので、プリントの裏にサインを入れて、用意しておいたフレームに額装する。

午後から全紙プリントをもって、ブルームギャラリーへ行く。
きょうは写真展8日目。
ギャラリーに着いてすぐ焼き直したプリントの入れ替え作業をはじめる。
1枚入れ替えたところでお客さまが入って来られたので、いったん作業を中断する。ずいぶん熱心にご覧になっている。

わたしが近づいていくと「これを撮ったのはあなたですか?」と聞かれ、矢継ぎ早やにいろいろな質問をされる。
ずいぶん専門的なことを聞いてこられるので、高名な写真家かなと思ったら、じつはニコンサロンの選考委員をされている方だった。
きょうはブルームギャラリーのディレクターとの打ち合わせで来廊された。
さすがに長年にわたって選考委員をされているIさんの意見はするどい。
非常に具体的で、あいまいなところが一切ない。
「こんな写真はいらない」や「これは説明的だね」とか、もうビシバシなのである。

要約すれば、1枚1枚の写真はわるくないけど、「REBORN」というイメージにブレがある。もっとしっかりセレクトして、見せたいイメージを絞り込めば良いものができる、という助言をいただく。
さらにモノクロプリントの焼き方や使うカメラの話までうかがい、かなり勉強になった。
調子にのって、去年の作品のブックも見てもらうと、「赤外写真って、すぐに見飽きるから、つまらない」と一刀両断。
でも「今年の作品の方が断然いいよ」といわれて、気持ちをとりもどす。



きょうIさんに作品を観てもらえたことは幸運だと思う。
たまたま打ち合わせで来られたときに、わたしの写真展がやっていたわけだが、写真展をブルームギャラリーでやらなければ出会えなかったし、この時期でなければすれ違っていたはずだ。
厳しい意見だったけど、明確な目標が見えた気がする。

リプリントいろいろ

2013年09月09日 | Photography
きょうはブルームギャラリーの休廊日。

先週、自分の作品を見つづけて、焼き方の気になるものや差し替えた方がいいプリントを見つけた。
ホントは会期中に写真を入れ替えたりしない方がいいのかも知れないが、不完全なままあと1週間も展示するより、自分の納得いく形にしておきたい。
今回はパーティが最終日の前日なので、その日には完ぺきな方がいいだろう。
なので、きょうは朝から気になるプリントを焼き直している。
ついでに、きのう友人から注文いただいたプリントも焼く。部屋に飾る写真なので、全紙は大きすぎるということで、六切サイズで焼きなおす。

15時半ごろまでかかって予定のプリントを仕上げる。
そのあと、お礼状のポストカードも焼いてみた。
サイズが小さいので、覆い焼きがちょっとやりづらい。20枚ほどプリントして、きょうは終了。
ああ、やっぱりバライタ紙ってきれいだな。印刷物ではこの質感は出ないよね。



とりあえず、きょうで個展用の全紙プリントはおわり。大きなバットと手づくりラックを屋根裏部屋へ片づける。
お礼状はもう少し焼かねばならないだろうが、それはいつもの大四切用のバットで事足るだろう。
考えてみたら、デジタルから3年半ぶりに銀塩にもどったのが今年の1月。
それから8ヶ月ほどで個展にこぎ着けたのは、我ながらすごいと思う。やればできるもんだ。
これで銀塩でもデジタルでも、どちらでも写真展レベルのクォリティはつくり出せるノウハウはできた。

ちなみにこの間、買ったフィルムカメラはたったの4台。写真バカです。

Don't forget Shinzo speech.

2013年09月08日 | Life
2020年のオリンピック・パラリンピックの開催地が東京に決まった。
7年後ならまだ生きているだろうから、チャンスがあればこの目で競技を見てみたい。というのが正直な気持ちだ。
しかしながら、シンゾー首相のプレゼンはどうかと思う。

「フクシマについて、お案じの向きには、私から保証をいたします。状況は、統御されています。東京には、いかなる悪影響にしろ、これまで及ぼしたことはなく、今後とも、及ぼすことはありません」

IOC総会で委員たちが終始質問し気にしていたことは、放射能汚染の影響についてであるが、まさかこんなに堂々と自信たっぷりに言うとは、驚きを通りこして笑ってしまった。心臓強いね。
7年後、汚染水問題や廃炉に向けての作業が良い方向にすすんでいることを祈る。



さて、写真展は6日目。

13時のオープン直後から夕方まで、引きも切らずにお客さまが来廊される。みなさん、ありがとうございます。
高校時代の友人のHくんが夫婦で来られて、長い時間じっくりと作品を観てくれたうえ、2枚も写真を買ってくれた。
今回の作品はインテリアとして部屋に飾っておくような写真ではないと思うので、きっと売れないだろうと思ってたのに。
友だちとはいえ、わざわざ観に来て買ってくれるとは、本当にありがたいことだ。
さらに知人の絵描きさんや彫刻家も観に来てくれて、励ましのことばをいただいた。感謝いたします。

ところで今回のDMに使った写真について、観に来られた多くの方がまず「これはなにが写っているのか」という質問をされる。
そのあとご自分の感想を述べられるのだが、その反応が真っ二つに分かれているのがおもしろい。
これから来られる方もいると思うので、くわしくは書かないが、この写真に対する評価がある種のバロメーターになってるのではないかと感じている。
1週間、この写真をじっと見てきて、写真表現ってホントにおもしろいなと思う。
ぜひ、みなさんの本音のご意見・ご感想をうかがいたい。