Rスズキの毎日が大食い

おいしいものと食べることが好き。マンガもね。

赤マルジャンプ2007冬号感想

2007年01月15日 | マンガ
今度の赤マルジャンプはなかなか拾い物でした。

トップバッターは「突撃!!宇宙撃滅隊!!」。ジャンプをタカヤ第2部で震撼させた坂本裕次郎先生の作品。「森」と評された前作を経て、絵の方は格段に上達してまずまずの及第点です。ストーリーは一直線、ひねりがなさすぎのような気もしますが、わかりやすいです。
巫女さんが居ると驚くシーンですが、巫女さんの衣装にこちらがビックリです。コスプレ風巫女さんがポックリ履いて七五三の被布(着物のベストみたいなの)を羽織っています。
間違いだらけの巫女装束あたりをみて、正しい巫女さんの衣装を描いてください。

「不恋愛戦隊 ハヤタ☆ジョー」(KAITO作)ハヤタジョーの無理すぎる平和理論が笑えました。女の子に乳もみしか求めていない男は、ほんとうにむかつきますね。最強は色黒のオネーちゃんでした。ちゃんちゃん。

「篭球フラッシュ!」(及川友高・作)篭球とはなんであるか?バスケットボールですよ。あまり使いませんけどね。
主人公がどういう人物かを示す導入部、双子弟のオフェンス、兄のディフェンスの配置もよろしく、うまくまとまっていました。しかし会社が倒産してしまい、高校の学費が高いから3人とも転校してくれって言うのはあまりリアリティがないとも思いました。高校の学費なんてのはたかが知れております。せいぜい月額5万、特別な事情で収入が激減した場合は授業料免除もありますし、まして優秀なスポーツ選手ならなおさら有利です。次回作があれば今度はもっと別の理由を考えた方が良いと思います。

「マイル=ライフ」(斎藤修・作)主人公リリエンタールの目玉が気持ち悪いのを除けば、絵はデビュー作にしてはまあまあ見れるほう。おとりの村を助けるために軍の命令を無視して出撃、友人の犠牲を苦にして服役してるという、そのあたりの理由がチョッと苦しい。寿命と交換に奉仕をするというシステムの方が不思議なので、なにか世界観に関する説明があると良かったです。

「番外編」ネウロの番外編は「笹塚衛士のアクティブカルテ」。動かざること山の如し、絶対安静を極めた男は直りが早い。ヤコちゃんの好物は「病院食」です。食えりゃなんでもいいんじゃないの!?
「太臓もて王サーガ」番外編は4コマシリーズです。大先生の中学時代の実話がフィクションより面白い。

「白猫豆腐刀」(佐藤真由・作)ちょっと星野桂に似た絵ですがとってもきれいです。小物も配慮されていて好感。着物もまあまあそれらしく描けてますが、着物の袖の形とか裏地、女性の大正風髪形がへんなので、どことなく異国風な感じになっております。主人公のネコっぽいキャラ付けがうまくなされていて、読んで楽しい漫画になりました。なんといってもマンガはキャラクター。今回イチオシ。

「ピクトマン」(浅野裕喜子・作)描いた絵が実体化するという話は手垢がついていてあまり好きじゃないんですが、主人公が絵の中から出てきたものだという当たりは目新しかったです。絵のくせにどうして成長しているのか説明して欲しいところです。

「流星ストーム」(濱田浩輔・作)人体のデッサンがちょっと不安定です。要精進。一人の女の子をめぐる二人の男の子の揺れる気持ちを細やかに描いたまるで少女漫画のような一作。これはこれでよございました。

「island」(古見直志・作)絵も構図も新人離れした出来です。
異世界を構築して日常を書くというのは結構難しいらしく新人ではあまり成功したのを見たことがありませんが、この手のは海外のジュブナイルなどでは結構おなじみです。これは最後のどんでん返しもあって、練り上げたストーリーが感じられる力作でした。
古味直志(こみ なおし)先生と原稿線入れ(3/20)
漫画界に「驚愕の才能」 津野町の古味直志さん(2/3)

「ものがたり」(深山太陽・作)絵は一本調子でやや表情に乏しい感があります。日本では古来より物には魂が宿るということが信じられております。茶碗にも草履にも魂があるのであります。西洋でも刀に名前や人格があったりする話もございます。まとまっては居ますが終始地味な印象でした。

「KNG'S GUN」(ササイシンゴ・作)絵はおしゃれで個性的。町長の娘が手に傷を作ってまで墓穴を掘っていたのだと理解するのに時間がかかりました。ちと判りにくいところは散見するものの、前作よりは読後感も良く仕上がっています。この世界ナンボ王の銃があるねん。

「ゾンビくん」(斜塔タワー・作)ゾンビという言葉で思いついただけであろうというギャグの数々、あまり笑えなかったのが残念でした。

「金と血」(平浜矢陸・作)両親のため魔人に金を貰いにいく兄弟のおはなし。魔人のデザインもアフリカのお面みたいでそれっぽくできてますし、妹の方も可愛くかけてます。セリフも光るものを感じました。ただ、賭けのゲームがトランプの「ババぬき」っていうのはなんかな~、ゲームで何かもう一つネタが欲しかったと思います。そしてラストはまるで青い鳥の寓話のようなオチでした。ジーンとくるようないい話・・・。ジャンプには珍しい・・・。