【台北=石井利尚】台湾の游錫コン(ユウ・シャクコン)総統府秘書長(官房長官に相当)は8日、台北の総統府で読売新聞と会見、日本と台湾が今月行う予定の漁業交渉で、尖閣諸島(台湾名・釣魚台列島)問題が絡む境界画定は棚上げし、漁業問題の解決策を求めていく方針を表明した。
游氏は「日本は台湾の大切なパートナーだ。中国のような非理性的な(反日)民族感情が高まることを望んでいない。(尖閣の)領有権問題を漁業と絡めると、他国(中国)が介入して複雑になる」と述べた。先島(さきしま)諸島近海での日本の取り締まり強化に対し、台湾の漁業団体や親中派野党が「日本に強硬姿勢を示すべきだ」と陳水扁政権に圧力をかけているが、政権中枢にいる游氏の発言は、日台関係に配慮して冷静に対処する姿勢を明確にしたものだ。
今年は、中国や台湾にとっては「抗日戦争勝利60周年」にあたり、親中派には中国と連携する動きがある。この点について、游氏は「終戦という言葉が適切で、歴史問題で隣国同士がいがみあうことは地域の平和にマイナス。未来に目を向けるべきだ」と、「抗日」を強調して反日感情をあおる動きを批判した。(コンは「方」の字を2つ並べた下に「土」) →情報源
* * *
ん、まぁ妥当と言うか現実的というか。
尖閣諸島は中国だけじゃなく台湾も領有権を主張してて、ちょっとややこしいことになってるんですよね。こないだもそのあたりで漁をしていた台湾漁船を日本の海保が拿捕して、えらい騒ぎになっておりましたが。それでも中国よりはマシですけどね。あんなお祭り騒ぎで暴動とかやられたら、「台湾よ、お前もか…」とがっくりするところですよ。
台湾も親中派と独立派でちょっと分裂気味なんだとか。政府側はどちらかというと独立派なため、日本やアメリカに対して割合協力的な部分もあるようです。で、野党側は親中派で、日本に対しても攻撃的と。
単純に政党としてのスタンスが元から違うならいいですけど、外交を政争のタネにするとろくなことにならないですからねぇ。中国の中の混迷の度合いが進んできているのに、台湾では中国への依存度が高まってきているそうですから…舵取り間違えると大変なことになりそうな。台湾の人たちがそれでも中国とひとつ、という意識であるのなら、それはそれでいいんじゃないの、と思うわけですが。火の粉さえ飛んでこなきゃねー…。