常臥しのわれの周囲の掃かるると風呂敷を顔に被せられたり
いまわれの臥せる位置にて五年前父が逝きしとふと思ひたり
吾は小さき人となりつつ枕べの盆栽の木立の傍(わき)をさまよふ
病みしよりはくこともなきわが靴ををりをり母が手入れする見つ
(安立スハル この梅生ずべし)
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安立(あんりゅう)スハルは、大正12年、京都生まれ。
思うところあって、ここ数か月、安立スハルの歌を読み、すっかり嵌まっている。手に入りにくい全歌集も、買ってしまった。ぼちぼちと彼女の歌を紹介していきたい。
掲出歌は、ただ一冊の歌集『この梅生ずべし』(昭和39年)に収録された病床の歌。十代で肺結核を患い、療養しながら、生きながらえ、41歳で歌集出版。平成18年に83歳で病没。
いまわれの臥せる位置にて五年前父が逝きしとふと思ひたり
吾は小さき人となりつつ枕べの盆栽の木立の傍(わき)をさまよふ
病みしよりはくこともなきわが靴ををりをり母が手入れする見つ
(安立スハル この梅生ずべし)
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安立(あんりゅう)スハルは、大正12年、京都生まれ。
思うところあって、ここ数か月、安立スハルの歌を読み、すっかり嵌まっている。手に入りにくい全歌集も、買ってしまった。ぼちぼちと彼女の歌を紹介していきたい。
掲出歌は、ただ一冊の歌集『この梅生ずべし』(昭和39年)に収録された病床の歌。十代で肺結核を患い、療養しながら、生きながらえ、41歳で歌集出版。平成18年に83歳で病没。