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サワノのお気に入りだけで構成するブログ

資生堂アートハウス

2013-06-24 | 美術館・博物館

貴重な梅雨の晴れ間に 掛川にある資生堂アートハウス資生堂企業資料館に行ってきました!

こんな感じ、新幹線から見覚えのある方も多いはず ↓↓

まずは 高宮真介、谷口吉生の設計のアートハウスから見学。

6月も下旬に入るというのに 春をテーマにした展示会をしているのは少々 疑問に思いましたが

上村松園の長男、上村松篁を数枚 みることが出来たのは嬉しかった ↓↓ 

もちろん 展示品の撮影は出来ないので ポスターを撮ってます ↑↑

 

コレクションの中心は 資生堂が開催してきた展覧会に出品された絵画、彫刻、工芸品で

船越保武、船越桂、佐藤忠良、そう、前田青邨なんかもありました。

思っていたよりずっと見応えがあるし 更に無料で一般公開しているなんて

こんな企業、なかなか無いです。資生堂の芸術に対する情熱を感じてしまいます。

 

 

そして そのお向かいにあるのが 資生堂企業資料館 ↓↓

こちら、1872年に洋風調剤薬局として創業した資生堂の歴史的資料を展示する資料館で

パッケージデザイン、テレビCM、ロゴマーク などが公開されています。

中でも 明治から平成にかけてのポスター、新聞広告の変遷は圧巻!

60年代から70年代にかけての日本は高度成長期。

圧倒的、挑戦的で刺激的な広告は これぞ「デザイン」の世界。

写真 撮りたかったなぁ....

80年代から90年代にかけては トレンディでバブリー。

残念なことにバブルは知らないけれど 自分の中の記憶と広告がダブってくる面白さ。

00年代になると かつての大胆さはほとんど無くなり

中性的で可愛らしく優しい、落ち着いた雰囲気のモノが多い気がする。

あぁ....遠い昔の授業を思い出した。

私達、前田美波里サンや山口小夜子サンの名前を デザイン史で習ったのです。

 

 

 

「好きなもの 苺 珈琲 花 美人 懐手して宇宙見物」

アートハウスで展示されていた寺田寅彦のうた。

 

 

 


国立新美術館

2012-06-16 | 美術館・博物館

国立新美術館内 2階のサロン・ド・テ を ↑↑ 3階から撮影。

 

 

 

さて、ただただ チョコレートショップ巡りに来たワケではありません。

本来の目的はココにありました ↓ じゃじゃん! 国立新美術館でございます。

私 初めて行きましたが この界隈 いつの間にやら5周年を迎えているそうです 

オープンがヒトアシ早かった六本木ヒルズの森美術館をはじめ、この国立新美術館、

お向かいのミッドタウン内にある サントリー美術館、21_21 DESIGN SIGHT と、

当時 新しい美術館エリアになる期待があったように記憶していますが....、

どうなんだろうか?

定着したのだろうか?

(うん、正直な所 疑問....

開館当時、巨額な建築費用を投じて作った 収蔵品を持たない空箱と聞いて

日本の あるいは日本人の 芸術、文化に対する基礎的な意識の低さを露呈する様に感じて

半ばあきれる様に驚きましたが(当時のブログ参照)

今から 質の高い収蔵品を持つ美術館を国内でオープンするのは非常に難しいし

ビジネス面でいえば 資源のない国でいかに美術館として売り、生き残るのか、

それを模索した上での カシコイ生存方法のひとつかもしれない 

などと(諦めに似た気持ちで→)思ったりもします。

 

とはいえ この巨大な黒川建築に躍らされる 田舎者の私。

1階から見る 逆円錐 ↓↓ デカイ!! フレームに入りきらない!!

          

コチラ ↑↑ の円錐は3階 ブラッスリー ポール・ボキューズ、

コチラ ↓↓ の円錐は2階 サロン・ド・テ となっております。

お目当ては「大エルミタージュ美術館展」でした。

基本的に 海外の美術館展はあまり好きではないです。

異常な混雑に耐えられないのもあるけれど やっぱりその土地で見るのが 一番 理想だから。

でもね、もうね、考えるワケですよ。

一生のうちに あと何ヵ所 美術館に行けるのかって。

今まで 最大限 頑張ってきて ようやく10ヵ国の渡航。

そう考えると そろそろエルミタージュ辺りは いつか行けるのか やっぱり行けないのか、

かなり微妙なラインになってくるんです。

ルーベンスやレンブラントはもちろんのこと

ヴィジェ・ルブランヴァン・ダイクの自画像には目を見張るものがあった。

したたかな計算を自在に表現出来る腕を持つってどれだけ楽しいだろう!

そんな風にも生きてみたい(笑)!

ヴィンターハルターの「女帝 マリア・アレクサンドロヴナの肖像」も良かった。

「真珠がまるで涙の様」と言われた彼女は 最後のロシア皇帝 ニコライ2世の祖母にあたる。 

ロシアの歴史も 調べてみるとすごく興味深い。

それから女性をキレイに描ける画家は どの国でも重宝され

文字通り腕一本で 世界中の王室や貴族の間を渡り歩ける。

なんて素敵な商売(笑)!

ヴィンターハルターは オーストリア フランツ・ヨーゼフ1世(事実上の最後の皇帝)の

美貌の皇后 エリザベートの肖像画で知られているけれど

英国ヴィクトリア女王のお気に入りの画家で 女王&アルバート公なんかも描いているのね。

こういう一人の画家の人生から見た ヨコの歴史もオモシロイ。

日本にお招きして 徳川慶喜(最後の将軍)とか描いて欲しかったです  笑。

 

 

 

ところで この美術館、各所に名作椅子が置かれていて 小休憩できる場所がたくさんある。

ウェグナーのスリーレッグシェルチェア ↓↓ 座ったら立てなくなった 笑。

近くに美術品さながらの解説もありました ↑↑

一度は逆円錐に入りたくて 2階のサロン・ド・テ に行ってみたら(トップの写真のカフェ)

そこには ずらりとYチェア ↓↓

Yチェアの座面に ことごとく黒いシートが敷かれていましたが 何だろう?

座の編み込みも含めて美しい椅子のハズなのに ちょっと残念でした。

不特定多数のヒトに使われるので 座面の傷みを防ぐためかな?

ここでは ローストビーフサンドをチョイス。そしてノーコメントでスルー。

3階から1階のカフェ ↓ 高さどのくらいあるのだろう。

ポール・ボキューズ前のセブンチェア ↓↓

それから地下のスーベニア フロム トーキョーのヨコには 大好きなスワン&エッグ ↑↑

てかこの色、どうにかならなかったのだろーか....。

そこいくと さっすが金沢21世紀美術館はとても軽快にセンス良くまとめているよね。

しかも 金沢の方が先に開館しているからね、それ以上でなくてどうするんだろうね、東京。

地下のカフェはアリンコの大群 ↑↑ 

あーこれ ブラックにしてほしかった(泣) 

やっぱりここでもブラックの3本脚を持ってくる金沢21世紀美術館は 

本気の愛情が コチラにも伝わってくるほどセンスがいいよね。

こんな感じで ココ国立新美術館にも イチオシの北欧家具がずらずらと並ぶ。

スワンもエッグもアリンコもみんなが大好きな椅子、その人気は不動のモノ。

.....な の で す が。

何故 北欧?

数年前に 工房悠さんのブログに書き込んだ自分のコメントを読み返してみても

あの頃の気持ちと 今も少しも変わらない。

巨額の費用を掛け 日本の新しい「国立美術館」を名乗りながら

どこかナゲヤリな、細部まで神経が行き届いていない様な印象を受けてしまう。

もっと、目からウロコ的センスと現代日本の誇りを感じてみたかったです。

 

ま、楽しんできたんですけどね 

 

 

  


河井寛次郎記念館

2012-04-12 | 美術館・博物館

もう随分と前からオススメリストに入っていた 河井寛次郎記念館(京都)に行ってきました 

いえ行ったのはもうだいぶ前の話なのですが もう少し勉強してから記事にしようと思いつつ

そんなこと言っていたらいつまでも書けないままなので 思い切ってUPする次第にございマス、

ハイ。

トップの写真は 記念館の入口に掲げられた ↑大看板ですが

これ、決してただの案内看板と見過ごしてはいけません!

東北の地から「ゴッホになる」と芸術を志した棟方志功の書、

河井寛次郎に感銘を受けて民芸運動に加わった黒田辰秋の作、という、

すでに入口の看板だけで日本の宝、一見の価値あるシロモノになっております。

こちらが柳宗悦、浜田庄司とともに民芸運動を展開した ↓ 陶工 河井寛次郎。

 玄関を入ると次々現れる素敵空間 ↑ わーーーっ、住みたい!ココに住みたい(笑)!

この記念館は 寛次郎が日本各地の民家を参考に 

大工である実家の協力を得て自ら設計し 1937年(昭和12年)に建築されたという

自宅 兼 作業場でした。

参考にしたのは主に飛騨高山の民家だそうです

 .....が、私も本当の意味での飛騨高山の民家なんて見たことないんだと思う。

「民家」とは言いにくいけど 今でも見られるのは

日下部家、吉島家住宅くらいなモンだろうか?

 ちょうど桜の時期の高山です 

昔は高山にもこんな家がたくさん残っていたのかもしれません。

どこを撮っても絵になる  

       

さて、さてさて、

私がこのブログに来て下さる方々に 一番 見てほしいのはコチラ!!

陶房です!! ↓↓

この空間に きゅんっ..... っと来ちゃいました ↓ 

       

カワイイ、という言葉しか出てこない自分があほみたいですが ほんとカワイイ!

なんだろう この感覚。こんな作業場が持てたら良いですよねぇ 

全国に存在する あらゆる方の「作業場」をもっといろいろ見てみたい!と思いました。

陶房からガラス戸を隔てて もくもくコーナー ↓ 

この位置関係もいい!(画面 右奥が上の写真の陶房 ↓↓ )

        

そういえば記念館のHPだったか、真鍮のキセルの写真が載ってました。

寛次郎の制作意欲は陶芸にとどまらず 木彫や金工にも及び

20本以上のキセルをデザインし 実際に楽しんでいたそうです。

いいよねいいよね、10時と3時にはココで一服ですよ!

....おやつ妄想中     

 

 

.....っはい、そして登り窯 ↓ さすがにここにはほとんど興味なし(笑)。

2階に上がってみました。

もう随分前に雑誌で見た時から憧れていた 1階から2階の ↓ 吹き抜け。

逆光で 雑誌みたいな写真にはならなかった.... 

       

       

「日本の木の椅子展」で見た ↑ 寛次郎デザインの椅子。

この椅子にも実際に座れます。

考えてみると 河井寛次郎記念館には行った方が良いと教わったのは

この「日本の木の椅子展」の頃だった。

でもきっと この良さは 当時の私には分からなかったと思う。

2階吹き抜けから1階の床を見ると 朝鮮張り ↓ がはっきりと見えました。

芹沢けい介の家と同じ!

柳宗悦からして大の朝鮮の文化好きだったし

当時の民芸運動仲間の中でこの床張りが流行っていたのかも(笑)。

上段の間 ↓ 本当に絵になる。

どの部屋にも良い感じで陽が入っています。

そうそう 各所の電灯笠も寛次郎デザインです ↓

かわいい  うさちゅー ↓ 素材忘れちゃいましたが 何かの金属製(笑)。

       

玄関を入ってすぐの部屋にも 木製うさちゅー ↓  ふふふ。

       

       

記念館としてのオープンは1973年(昭和47年)。

京都の観光名所でちょっと人混みに疲れたら 迷わずココ、

あ いえいえ、清水寺や三十三間堂と同じ位、価値ある場所です。

可愛らしい椅子もあちこち置かれていて 実際に座れるし とても気持ちが落ち着きます 

「見ていただく場所ではなく 過ごしていただく場所でありたい」という

この記念館の学芸員の方のコメントが とてもしっくりくるのです。 

 

 

 


セガンティーニ

2011-09-13 | 美術館・博物館

思ったよりも頑張っている(失礼!)静岡市美術館で開催中の

「アルプスの画家 セガンティーニ 光と山」展に行ってきました!

日本では33年振りの回顧展になるそうです。

60点近い作品が並びました。

海外で開催された展示会の中で 最も作品数の多いうちのひとつだそうです。

倉敷、大原美術館の「アルプスの真昼」

(静岡に限り?)出品されていなかったのは とっても残念です。

折角 姉妹作の「アルプスの真昼」(トップの写真、ポスターになっている絵)が

遠くスイスのセガンティーニ美術館からやって来たのにーっ!

並べてほしかったな....。

児島虎次郎 曰く「セガンティーニ以前にセガンティーニなく

セガンティーニ以降にセガンティーニなし」←かっこいいー

 

国立西洋美術館からは「羊の剪毛」が来てました。

「ヨーロッパをまるごと持って来い!」と言った

(か、どうかは分かりませんが おそらく言ったんでしょうね

松方幸次郎が"松方コレクション"として 初期に手に入れたモノだそうです。

ロダンに憧れて彫刻を志した荻原碌山も セガンティーニに傾倒していたとか。

そんな日本人の好みから考えると 33年振りの回顧展というのは意外ですが

若くして亡くなった画家で 作品数も非常に少ないそうです。

当然 展示作品の撮影は出来ませんでしたが

こちら ↓ ベルリンの 旧ナショナルギャラリーで撮った「故郷への帰還」。

自分がいつからセガンティーニを気にし始めたのか もう忘れてしまったけれど

この画家はヨーロッパの美術館を歩きまわって 好きになった。と思う。

ベルリンで見つけた時には その筆の跡まで 数枚に渡って撮っている。

ここだけ見ると ↑ まるで印象派!

引きで見た時には 全くそんな感じはしないのに。

セガンティーニ展での解説によると

「細い線を平行に並べた様な形、その積み重ねで画面が構成される。

パレットは基本色に3原色とその補色からなる”純色”。

この点も含め フランスのスーラを代表する点描技法に通じるが

櫛で描いた様なタッチはイタリア独自のもの。

セガンティーニは1886年 "湖を渡るアヴェ・マリア"でこの技法を試みている。

イタリアの分割主義は1890年代に最盛期を迎え

続く20世紀初頭の未来主義に多大な影響を与えた」

セガンティーニ独特の、この筆跡は1880年代後半からの様でした。

 

はーーーっ。

アタマを使ったら おなかすいたーーーっ

美術鑑賞の後にハラゴシラエ

ご飯を食べながら 私の頭の中は「美術検定」のことでいっぱいだった。

と、言うのも たまたま チラシを見つけて見てみたら

 

[4級] 「モナ・リザ」「最後の晩餐」を描いたルネッサンスの巨匠は誰?

1.ラファエロ 2.レオナルド・ダ・ヴィンチ 3.ミケランジェロ 4.ティツィアーノ    

 

[3級] 東福寺「阿修羅像」が含まれる仏像グループは? 

1.四天王 2.八部衆 3.十大弟子 4.十二神将

 

[2級] デジタルシステムに介入することで展開する表現形式とは何?

1.パブリックアート 2.インタラクティブアート 3.パフォーマンス 4. シュミレーショニズム

 

....っと例題が載っていた。

チラシに載せる様な例題だから易しいのか、余裕。

いや、少し美術やアートに興味がある人ならこの程度 余裕なハズ。

そんじゃー受けてみようか?!

これなら試験勉強も苦ではない。

 

....っと思ったら 2級の検定料が7500円

....アホくさーい

....いいや別に級なんか持ってなくても

 

 

 

....さっ!!

もう一枚のチラシに切り替えましょうか!!

安曇野市豊科近代美術館で10月10日まで

「西洋の庶民生活家具展」をやってるそうです。

HPよりチラシの方がカッコイイ画面構成してます、

細かい装飾が施されたドイツやハンガリーのワードローブなんか、

どの辺りが"庶民家具"なの? と思いますけどね

豊科近代美術館が所蔵している家具だろうか?

椅子やテーブル、収納家具など 全部で90点ほど展示される様です。

ちょっと芹沢けい介コレクションを思い起こします。

行ってみたいけど ちょっと遠いかなぁぁあ。

やっぱ ↑ 中華は点心だよねー

 

 

 


PAUL KLEE+

2011-06-26 | 美術館・博物館

"パウル・クレー" と名の付く展示会と美術館には

他の画家の展示会より足を運んでいると思いますが

決定打となるベルンが いまだ遠い。

いまだ遠いので とりあえず 東京国立近代美術館で開催中の

「パウル・クレー おわらないアトリエ」展(7月31日まで)に行きました

 

東京駅で地下鉄の切符を買おうとしたら

節電のために券売機の稼働が半分になっていて

切符を買うのに何事かと思う様な長蛇の列!!

仕方ないと思いつつ これには驚いた。

その後もあちこちで「節電」の文字と

エスカレーターが止められているのを見ました。

急ぐ旅をする際には要注意デス!

クレー展自体にそれほどの混雑は見られず すんなり鑑賞することができました

生涯に5つの街(ミュンヘン、ヴァイマール、デッサウ、デュッセルドルフ、ベルン)に

アトリエを構え クレー自身が緻密な計算のもとに写したその住居や作業場の写真と

そこに登場する作品を並べる構成は臨場感がありました。

「油彩転写」のコーナーはかなり良かった私も描いてみたい!

入口でイヤホンガイドを借りてみたけれどレアな情報は無かったです....。

めずらしく張り切ってみたのに ちょっとがっかり

 

もれなく無料チケットが付いてくる工芸館にも行ってみました。

ここは明治43年(1910年)に旧近衛師団司令部庁舎として建築され

昭和52年(1977年)に国立近代美術館の分館としてオープンしました。

現在は重要文化財↓

受付で「建物内部の写真を撮ってもいいですか?」と聞いたら

「建物はもちろん、企画展示品意外なら結構ですよ」と返ってきた!

展示品OKってすごい!!

玄関正面の階段を上りきると↑黒田辰秋。

その正面に↓ジョージナカシマ。奥に柳宗理、剣持勇。

んー、安定した貫禄。

さて 折角なので工芸館の所蔵作品で気になったモノを撮ってみました。

これ↓ガラスで出来ているそうです。どうやって???

分からないけど文句なしに美しい。紙風船みたい。

これは有名な小松誠の「スーパーバック」↓

磁器で紙を表現する様は素人目にも楽しい。

 職人技とは違う工芸家魂を見せてもらいました。

どれも時代は全く感じさせないモノばかり。

こういう刺激はとても大事です

 

最後に、ずっと興味があった三菱一号館美術館、の、

美術館はスルーして(笑)、Cafe 1894へ行きました。

明治の頃の銀行の窓口を再現しているカフェ↓

私は全くもってグルメではないし

大抵のモノは美味しくいただける楽天的性格ですが

ちょっと期待しすぎたかな....

建物内部の再現はキレイ過ぎだし(←仕方ないけど)

紅茶はアカラサマにティーパックだし

クロックムッシュ↑はirodoriさんの圧勝だし。

クロックムッシュというよりホットサンド的でしたうーーーむ。

 

気を取り直して、

自宅へのお土産にフェスティバロの唐芋レアケーキ、リンド

試食させてもらった季節限定?マンゴーも美味しかったけど、

スウィートポテトも美味しかったけど、(どンだけ店頭で試食?)

ココはやっぱり大丸限定紫芋ですわな。

おいしーーーっ、うれしーーーっ

 

 

 


アルテピアッツァ美唄 4

2011-06-05 | 美術館・博物館

トップの写真は札幌駅に置かれた↑安田侃さんの彫刻。

 

昨年 夏、札幌を拠点にイサム・ノグチのモエレ沼公園と

安田侃さんのアルテピアッツァ美唄を訪れました。

帰宅したのち全4回シリーズでブログにUPする予定だった

アルテピアッツァレポートを なんと3回で挫折

今更 誰も覚えていないと思いますが

このブログは時間軸がないので

また夏が来てしまう前に 自分の為に書いておきます(笑)。

忘れちゃってたらココ↓から見て思い出して下さいすっごくステキ空間です。

アルテピアッツァ美唄1

アルテピアッツァ美唄2

アルテピアッツァ美唄3

 

実際に現地に足を運んでみるまで この敷地の広大さは想像もつきませんでした。

その辺りがやっぱり北海道なんでしょうか。

廃校になった学校の校舎とその前の庭園から

山の方にも順路が続いています。

↑階段になっている枕木(?)を打ってある釘。

アタマにナンバーが刻印されていました。かわいい。

 

クマザサがしげる山道みたいな順路は

「分け入っても分け入っても青い山」なんて山頭火が浮かんでしまう程。

思わず「私 美術鑑賞に来たのにーっ!?」と泣きそうになる。

↑だって熊よけながらの美術鑑賞って初めてです。

さすが、北海道は でっかい道←?

本当に感じがいい空間。

これはもう↓森だよ、森!

イサム・ノグチのモエレ沼公園と併せて行けば 森ガールと沼ガールになれるよ

森林浴ー



ここは季節を問わず行ってみたい。

絶対に無理だと思うけれど 真冬もさぞかし美しいに違いない。

何故かヨーロッパ感漂うこの雰囲気、

個人的には国内の美術館の中でもトップクラスだと思っています。

 

 


ぬくもりのあるかたち

2010-08-30 | 美術館・博物館
記事投稿が遅れてしまって申し訳ないです。
もう終わってしまいましたが 7月、芹沢けい介美術館で開催されていた
「ぬくもりの あるかたち 芹沢けい介が選んだ木工」展に行ってきました。
(この「けい介」の「けい」の字が出ないこと、すごく気になる!

ココは渋谷区の松濤美術館と同様、白井晟一さんによる建築で
天井は岐阜の杣工房、早川謙之輔さんが木曽・飛騨産のナラ材を張ったことで有名。
来館者が自由に意見を書き込めるノートを読んでみると
「白井先生の建築、早川さんの天井張りを見にきました!」という方も非常に多い。
静岡県民の私がふらっと立ち寄れるのが申し訳ない程 多かったりする。
学生の頃からこのこじんまりした感じが好きで
県外の友人には必ず付き合ってもらう場所でもある。

ところがこの美術館、隣接する「登呂遺跡」に配慮したせいか
非常に奥ゆかしく、外観の写真がとても撮りにくい!
↓この程度です、すみません



イギリス、フランス、スペイン、フィンランド、オーストリアの棚や椅子、コファーと
朝鮮半島やアフリカ、パプアニューギニアの椅子や小物など、広範囲にわたる展示品。
古いモノだと17世紀の家具がありました!
17世紀のフランドル絵画の中に描かれている家具って
実際にはこんな感じだったのかな なんて考えながら観ると
なんだか木という素材そのものが愛おしい。

最後の展示室に置かれた200年前のイギリスの長椅子は
(確か常設)実際に座ってみることが出来る。


↓コチラ日曜と祝日のみ公開される東京・蒲田から移築された「芹沢けい介邸」。
一部 樹木まで移植して雰囲気を再現したそうですが
ココも相当写真が撮りにくい!笑!
玄関までは入ることが出来て 写真は撮り放題です。



この雰囲気↓とっても素敵です。
ヨーロッパのアンティーク家具と日本の古民家の相性の良さと言ったらない。
ここにもイギリス、フランス、スペインの家具・木工品が展示されている。
ちなみに照明はフィンランド製。





↓上下に可動する障子は光の調節のため。
「師である柳宗悦の示唆によって南面に開けた出窓」なんだそうです。





↑スペインの机とイギリスの椅子。
すごくカワイイ作業机
上手く撮れていないので分かりにくいですが 床はマツ材で
「朝鮮張り」と言う張り方なんだそうです。
床の張り方にも技法があるんですねー。

こんなアトリエが欲しいっっ!!こんな家に住みたーーーい!!





さて、そしてワタクシ。
日本家具室内意匠史研究家の小泉和子さんが会長を務める家具道具室内史学会で
「家具修復講座」があるとの情報をいただきまして早速 申し込んでみました!
大学の図書館でコピー機を陣取って印刷しまくった小泉和子さんの本は
びっくりする程 内容が濃く、今でも何度も読み返したりしています。
小泉さんのお話が聞けるというだけでちょっと嬉しい。
会場は激動の昭和を耐え抜いてきた重要文化財、明治生命館!
戦後 GHQに接収され対日理事会の会場となった会議室など 内部の見学も出来る様です。
私なんか場違いなんじゃないかとかなり心配もありますが
緊張感を持って楽しんできます!

※9月16日まで申し込み可能です。興味のある方 是非!



アルテピアッツァ美唄 3

2010-08-03 | 美術館・博物館

むうううぅーん。
なかなか「シリーズ・アルテピアッツァ美唄」のブログUPが進みませんね。
この後 モエレ沼公園の写真もご紹介しなければいけない(←?)のに。
頑張りマス!

3回目の今回は廃校になった小学校の校舎を利用したギャラリーでの写真。
前回のブログのトップの写真、赤い屋根の建物がギャラリーです。

↓作品の配置の仕方がとても楽しい。
「触らないで下さい」とは何処にも書かれていないのに
みなさん とてもマナーが良く 静かにそっと作品を鑑賞されていました。
その空気が心地良いです。













床、壁、窓、天井↑全て木造です。
こういう「木造校舎」って、TVでは何度か見た気がするけど実際に入ったのは初めて。
私はもちろんコンクリート校舎の世代ですが 木造校舎いいなーと思いました。
こんな素敵な空間で過ごせるのなら掃除の時間の床拭きだって頑張っちゃう!

小学校だった名残↓を見つけました。
ほんの少し、切ない気分。









何処も彼処も二重窓。
「さすが北海道!」と思っていたら 窓越しに庭園の彫刻が見えました。
ああ。どこから見ても絵になる









↑この彫刻、外で見ました。
札幌駅にもこれと同じ白い石の彫刻が どどーーーんと置かれています。

↓これ!
これとっても好きでした。なんだか良いカタチ。






ギャラリーになっている教室を奥に進むと階段がありました。
この校舎への入口は2階だったので2階を一通り見て1階に下りてみると







1階の片隅に、幼稚園が共存していました。
子供達の声が聞こえなかったのでお休みだったのかもしれません。
小さな靴、窓に貼られた折り紙で作った飾り、ひくーい洗面所と
安田さんの作品が同じ目線に置かれていて
こんなに小さな頃から生活の一部として一流の彫刻家の作品と過ごせる子供達が
羨ましくも頼もしくもありました。



次回はいよいよ最終回。
アルテピアッツァの「クマよけの鈴」をご紹介します!

 

アルテピアッツァ美唄4へつづく

 

 


アルテピアッツァ美唄 2

2010-07-26 | 美術館・博物館

全4回シリーズでお伝えする「アルテピアッツァ美唄」の 第2回です。
トップの写真は一番のお気に入り
ね?スイスっぽいでしょ?←?

工房悠さんが イサム・ノグチと安田侃に交流があったことをコメントしてくださいました。
この地を訪れながら全く知らなかった私。
美術・デザインという分野の専門教育を受けたはずの私が
その分野においてさえも この方には到底かなわないと思ってしまう程の知識人で
昨年のブログ「イサム・ノグチ庭園美術館に立ち」を読みながら
この旅行の行き先を札幌にするのか、牟礼にするのか、本気で悩みました。
私の美術館行きを ここまで悩ませてくださる「木工職人」は他にいません。
結果 札幌でしたが、いつか聖地・牟礼も訪れてみたい。



さてコイツ。
アルテピアッツァの中でも印象的に配置されているので気に入る方も多いと思います。
私も一番好きでした。
「MとO」って感じです。
その「M」の字の真中の柱が スレスレで地面に付いていませんでした。
これを見ると、石の重量、ましてや強度なんて想像もつきませんが
もしかしてスレスレのバランスを保っているのではないかと考えてしまいます。











↓「O」から「M」方向。
右に見えるカマボコ型の建物は廃校になる前の体育館らしき建物で
この日はきらびやかな衣装のコーラス隊が占拠していました。





敷地内にある小さなカフェに寄ってみました。
カフェのカウンター席にも安田さんの彫刻が置かれていて
つるつるですべすべで、なんだかもちもちな気さえしてくるので....



↓それを食べようとする私。



んでも無理なので、チーズケーキをいただきました
やっぱり北海道はチーズケーキです←?





薪ストーブもありました。
(ほんとしょーもない写真ですみません
冬は雪に埋もれてえらいことになるんだろうな。
冬はともかく、これだけ緑に囲まれていたら秋も良さそうです。
どなたか、是非!



次回は校舎として使われていた建物の中をご紹介します。
ココもとても素敵空間でした

 

アルテピアッツァ美唄 3 へ続く

 


アルテピアッツァ美唄 1

2010-07-22 | 美術館・博物館

アルテピアッツァ美唄について、4回シリーズでお伝えします。

そもそも、その「アルテピアッツァ」というピザみたいな名前は何?!
っと聞こえてきそうですがこれはイタリア語。
「アルテ」は「芸術」、「ピアッツァ」は「広場」の意味だそうです。
何度かココを「美術館」と書いてしまいましたが 正しくは「広場」なんですね。

私としては「廃校になった小学校を利用した
イタリアに拠点を置いて活躍する彫刻家、安田侃さんの庭園美術館」
という表現がしっくりくる。







↑いつもは絶対に載せない様なショボイ写真も今回は載せます。
ショボイ写真からでも敷地の広さは伝わるかな。

梅雨の無いはずの北海道であいにくの小雨でした。
(どーした?!晴れ女!)
空が青く晴れていたら、彫刻とクローバーの緑がよく映えただろうなぁ









↑勝手なイメージですが、
現地へ赴く前に、いろんな人のブログで写真を見ていた頃から
何所かヨーロッパ的な空気を感じていました。
しかも私の中ではかなりスイス的(いえ、行ったことありませんけど)。



↑この木のせい?
「おじいさぁーん、ヨーゼフーぅ!」(ハイジ)って感じでしょ。

「広場」という位置づけなので門とか柵にあたるものはありませんでした。
そのまま道路に面しています。
↓奥に見える白いガードレールがバスで来た道。









「触らないで下さい」「登らないで下さい」という
彫刻と自分を隔ててしまう注意書きは一切無く
ただ本当に心地良く自然とそこにある作品たち。

あまりにも心地良くて
出来るだけたくさんの人に来て欲しい。是非オススメしたい!
と思うのだけれど....

美唄駅から市民バスで約20分。
その美唄へは札幌駅から特急「カムイ」で約35分。
札幌へは新千歳空港から快速エアポートで約35分。
新千歳空港へは羽田空港から約1時間40分の飛行。
羽田空港へは品川駅から約25分。
品川駅へは静岡駅からヒカリで約1時間。
静岡駅へは清水駅からー....
って、もういいか。

....っっっという、何とも長く遠い道程なのです。





でも、ここを訪れる価値は確かにあります。
私一応、いろんな美術館を目指して歩いている旅の途中ですが
その中でも他に類を見ないレベルの高さを感じました。
世界基準の美術館に、全く引けを取らない。
こんな美術館(しつこい様ですが正確には「広場」)は初めてでした。







バスを降り立った瞬間、すごく好きになってしまったアルテピアッツァ。
次回は一番好きな彫刻とカフェのスウィーツをちらっと、ご紹介します。

 

アルテピアッツァ美唄 2 へ続く

 

 


THE ハプスブルグ

2010-02-21 | 美術館・博物館
京都国立博のTHE ハプスブルグに行ってきました

ウィーン美術史美術館、ブダペスト国立西洋美術館、
ウィーン王宮家具博物館オーストリア工芸美術館の4館の所蔵品から
600年続いたハプスブルグ家の繁栄を紹介する展示会です。

明治30年、片山東熊の設計により開館した国立博物館本館は
建物の外観や平面図を見ると
なるほどこの頃の建築らしくヨーロッパを意識しているのがわかります。
残念なことに趣のある正門は閉鎖中でしたが
リニューアルされた南門だって立派に谷口吉生の設計ですからね。
これがMoMA(ニューヨーク近代美術館)の3年後の仕事かと思うと
一人で勝手にゾクゾクするものがあります。
あ、写真なくってゴメンナサイ←痛恨のミス。



南門入口のポスターやリーフレットに印刷されたこの企画展の代表作が
ハプスブルグ三大美女(?)マリア・テレジア、エリザベート、
マルガリータという女性陣だったので
↑入口のムリーリョにちょっと意外な感じがしました。

↓ウィーン美術史美術館で撮影してきたムリーリョの大天使ミカエル。



彼の作品はこの他に2点。
大工仕事をするヨゼフのいる聖家族の絵には釘付けでした、笑。
いつかブダペストで再会を果たせます様に....

圧巻はやっぱり中央室に展示された肖像画コーナー。
お目当てのマリア・テレジア(トップの写真)は文句なしの美しさでした。
↓こちらも美術史美術館で撮影してきました。
この中から2点、マルガリータとフェリペが来日しています。
純粋な血を守ろうとしたハプスブルグ家は血族同士の結婚を繰り返し
非常に病弱で幼くして世を去る子供も多かったそうです。
マルガリータとフェリペも同様で
可愛らしい姿の中にどこか暗い影を落としている様に思えてなりません。





↑王宮家具博物館で撮ってきたエリザベートと
↓何故かポストカードを買ってしまったフランツ・ヨーゼフ。



フランツ・ヨーゼフについては以前チラッと書きましたが
このハプスブルグ家 最後の皇帝が背負った一族の歴史と
世界の歴史の重圧は計り知れないものがあります。
フランツ・ヨーゼフの額に刻まれた深い苦悩の跡を見ていて
ふと「人生のしわ」という言葉を思い出してしまいました。
たまーに覗くある人のブログで「人生の皺もない様な、
ただ綺麗なだけのタレントを並べて格好良いとすることが気持ち悪い」
と書かれていてそれが忘れられない言葉になっている。




↓ブダペストの老舗カフェ、ジェルボーの板チョコ買ってみました。
あまり言いたくないけど100グラム1200円って
私が日頃 美味しく頂いている明治の板チョコの、6.75倍の値段なんですけどっ....!



ま、今のところ ジェルボーに行くより安上がりなのでいいけどね。
でもね、分かっているんだ。
私にとって世界で一番美味しい板チョコはmeijiだってこと(笑)。



パウル・クレー 東洋への夢

2009-07-28 | 美術館・博物館
「パウル・クレー 東洋への夢」展へ行ってきました。
先駆けて開催されていた千葉市美術館の展示を見た方の中には
ややパンチに欠けるという様なレビューもあったので心配ではありましたが....。

この展示会はスイス、ベルンにある「パウル・クレー センター」の
日本人研究者が立ち上げた企画なんだそうです。
研究を重ねるうち、東洋(展示会場では主に日本と中国)との繋がりを感じ始め
クレーの所持していた東洋に関する書籍や、
北斎漫画とクレー作品を比較しながらその関係を模索した展示会です。



ドイツは フランス等の文化国家に比べて日本美術に対する感心が低く
ジャポニズムブームも2~30年ほど遅かったそうです。
それでも1900年代に入るとヨーロッパで川上貞奴が爆発的人気を集め、
1902年にはドレスデン、1905年にはベルリンで浮世絵版画の特別展が開催され
ようやくドイツにも日本文化が浸透していきます。
これはクレーがミュンヘンの美術アカデミーを辞め「画家を志す学生」ではなく
「画家」として歩み始めた頃のこと。

こんな時代背景を併せて考えれば
確かに北斎漫画を見て真似たとも思えなくないですし
所持していた幾つかの仏像の本も展示されていますし
実際にクレー「も」貞奴を絶賛しているので
日本に感心がなかったとは言い切れない。
でも、メモ魔なクレーにしては「日本って すごい!」という明確な文献がない。
この展示会は その狭間で揺れる観覧者への問いかけでもあります。



個人的には旅してきたドイツのベルリンやドレスデン、
いつか訪れなければならない美術館のあるミュンヘンや
バウハウスでおなじみのヴァイマールとデッサウ、
クレーセンターのあるスイス ベルンの名前が飛び交い
位置関係もその歴史的な背景も理解しやすかったし
解説のパネルでほんの少し触れていた
当時バウハウスに学んでいた山脇厳とクレーの接点も興味深かった。

また60年の生涯で9000点以上の作品を残したクレーは
(一般的に画家としては10000点前後で作品数が多いとされるそうです。
ちなみにピカソは6~70000点とも140000点とも言われている
非常に熱心な勉強家で 子供の様な無邪気さで描かれた可愛らしい絵一枚とってみても
その裏で理論書を読み、民俗学や古代文学を学んでいたのだそうです....



大学に進学して間もない頃、色彩構成の授業で
先生に 隣り合わせに配色した色の理由を聞かれました。
ただ自分の感覚にそって出した色合わせ。
「この組み合わせがすきなので」と答えたら 厳しく怒られました。
「好きだから、は、理由にならない!」と。

....当然です

東京で、ベルリンで、静岡で、彩度と明度のバランスを
「音楽的なリズムを持って」描くクレーの作品を目の当りにして
あの時の意味が、今なら分かるのです。



王宮家具博物館

2009-05-03 | 美術館・博物館
少々マニアックですがウィーンの家具博物館についてデス。

宮廷家具調度品コレクション、王宮家具博物館とも言われ
シェーンブルン宮殿や王宮と一緒に
シシィチケットにも含まれている博物館にもかかわらず
案の定人があまりいないのでゆったり見ることが出来ます。
ゆったりというか、広い館内には、ほとんど人がいませんでした。



旅先では家具・工芸系の美術館、博物館には行く様にしていますが
どんな家具好きでもうんざりする程の量が展示されています。
ずらーーっとファイヤースクリーン、
ずらーーっとスツールの脚、
ずらーーーーっとコートハンガー。
もう、自分が何かさえ分からなくなります、マジで。



そんな中で綺麗な椅子を見つけました。
座面と背に刺繍。
座が奥に向かって高くなっていました。
結構角度がついていますよね。
一瞬 あれ?っと思いましたが、右の写真
(こちらがシシィの愛称で知られるエリザベート皇后)
の様な(服装の)人がかるーく座るのでしょうね。


全体像がナイので不確かですがビューローの開き部分↓



当時は細かい木象嵌の細工を撮ったつもりですが
まさか自分がアンティークの修理に携わるとは思いもしなかった。
今、この写真を見て一番気になるのは
奥に向かって落ちている、この扉の反りっぷり
長い年月の中でこのビューローが展示に耐える様
修復をした人の存在を感じるワケです。

コレは↓石象嵌?
権力がなければ作れないでしょう こんなモノ。



そしてウィーンと言えばこれはハズせないシリーズ第一弾↓
ちょっと雑な写真で申し訳ない。



第二弾↓ヨーゼフ・ホフマンのジッツマシーナ。



第三弾、ウィーン工房繋がり。
どこかで見掛けた気品漂うおばあちゃんの写真が↓



これ、残念ながらルーシー・リーの作品が辺りに見つけられず
何の為のパネル写真だったのか分かりませんでした。

パーツだけをひたすら展示する所もありました。
当時の私にはすごく珍しくて大興奮









でも今見ると 仕事を思い出す以外の何でもありません。
私が日頃格闘しているアンティーク達が
いかにこれらを真似て作られたリプロダクション
(または庶民バージョン)であるかがよくわかります。

↓ひろーい館内には王宮等の部屋を再現したセットもあります。



以下2枚はパンフレットから。





とにかく広いです。あなどれません。
シェーンブルンと王宮をこなした後に見学したら
あまりの疲れに動けなくなりました





余談ですがコチラ王宮のパンフレットから↓



ヨーロッパ宮廷イチと言われた美貌の持ち主
エリザベート皇后の体操の部屋です。
左に天井から下がっている吊り輪、右に体操器具がわかりますでしょうか?
その体型を維持するため毎日体操に励んだそうです。





ピカソとクレー。

2009-03-01 | 美術館・博物館
Bunkamuraで開催中の「ピカソとクレーの生きた時代」展に行ってきました。
この「ピカソ クレー」と書かれたカタカナのロゴ、二人の絵の世界観を表現していて好きです。

ピカソとクレー?
この二人の共通点が思い浮かばなかったのでこの展示会のタイトルは意外でした。
が、要するに今回この作品群を貸し出してくれたドイツ、
デュッセルドルフのノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館が所蔵する
20世紀美術の主力作品たち、という意味だと思います。
三作品のカンディンスキーを除いて
(コチラは↑その膨大なコレクションで有名な
ミュンヘンのレンバッハハウス美術館より)
全てノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館からやってきました。
この美術館、こんなに主力作品を日本に貸し出して大丈夫なのか?
と思っていましたが大丈夫。
改修工事のため休館し、作品は全て搬出したそうです。

日本までの長旅に耐えられる作品だけがやってきた、
のに、その質の高さは想像以上でした。
現在では西洋美術を柱に、戦後のアメリカ美術など
現代芸術が主なコレクションになっている様ですが
1960年にノルトライン=ヴェストファーレン州知事が
88点のクレー作品を購入したことがこの美術館の始まりです。
これには、過去にデュッセルドルフの美術アカデミーで教鞭をとっていたクレーが
ナチスの弾圧によって解雇されスイスに亡命せざるをえなくなったと同時に
「退廃芸術」と烙印された作品の多くが国外に流出したという
歴史的不名誉を挽回する意味があったそうです。
ドイツ人の、自国の負の歴史に向き合う姿勢は時折深く考えさせられます。
ノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館の増築改修工事は今年の終わりまで。
行ってみたい所がまたひとつ増えました。




さて!
美術鑑賞のあとはハラゴシラエです
今回はずっと狙っていた「Les Deux Magots (レ ドゥ マゴ)」へ!



パリのサンジェルマン・デ・プレで
「Cafe de flore」と並んで観光スポット化する「Les Deux Magots」。
その「海外初、業務提携店」だとか。
個人的には観光スポット化した世界的に有名なカフェよりも
ギャルソンのお兄さんが一生懸命 日本人の私達と意思疎通を図ろうとしてくれる
のんびりしたカフェが好きです。
今回のお目当てはコチラ↓



「 ピカソとクレーの生きた時代」展開催記念メニューのグラーシュ。
このグラーシュはオーストリア、チェコ、ハンガリー、ドイツ辺りのガイドブックに
必ず登場するご当地メニューでパプリカを大量に使った牛肉の煮込み料理。
いやー、美味しかったー。
これで東欧に行っても怖くない



デザートは生チョコ
アイスじゃないトコロが嬉しい、し、コレがまた美味しい。

ちなみにピカソが通ったことでも有名な「ドゥ マゴ」とは「二体の中国人形」の意味。
確か本店内の装飾が名前の由来だった気がします。
ロゴマークにも向かい合う中国人の人形が↓






オーストリア応用美術館

2009-02-08 | 美術館・博物館
CASA BRUTUSで特集された「世界の美術館 パーマネントコレクション」は
10年前から 今でも繰り返し開く数少ない雑誌。
その中に 学生時代、
椅子から家具の世界に興味を持った私が気になっていた写真が載っています(下の写真)。
驚いたことにこの展示方法は私が訪れた時も変わっていませんでした。
特別な仕掛けも何もなく、ただ照明の前に椅子を置き、スクリーンを設置してあるだけですが
シルエットで家具を魅せるなんてちょっと私好みデス
展示方法といえば
とても歴史ある重厚な雰囲気の部屋なのに電光掲示が流れているとか
裸電球のまわりにたくさんのガラスコップを置いて反射させ
より照明を強調させた方法なんかもありました。




オーストリア応用美術館
Osterr.Museum fur angewandte Kunst、通称MAK。
パリやロンドンと違ってはっきりしたイメージの掴めない中欧の国に
まさか自分が行けることになろうとはあの当時 想像もできませんでした。
このクラスの美術館になると現地語が出来る人以外、あまり情報がありません。
事前に読める日本のガイドブックでも書かれていて数行、
現地でも日本語案内のパンフレットなどもちろんありません。
今までの自分の知識か、その場で感じ取る感受性だけが頼りになります。

ヨーロッパの美術館は王家や教会、貴族などの権力者のコレクションを
一般市民に公開するという目的から始まったものが多いのに対して
MAKは英国ヴィクトリア&アルバート美術館の影響を受け
優れた美術工芸作品を展示し 人々の美的感覚を養う目的を持って生まれています。
もちろんウィーンですからゼセッションの牙城とも言われ
トーネットやウィーン工房のコレクションが充実しています。



↑すぅごく綺麗な天井!



↑2階へ続く大階段。
建物も非常に立派で美しい。

館内で撮影が許されるのはエントランスホールのみ。
大き過ぎて写真に納まりきれません。
吹き抜けのエントランスホールはとっても明るくてキレイ↓

  

  

でもココで一番楽しかったのはミュージアムショップでした
私が久しくミュージアムショップに行けていないせいか、
他のウィーンの美術館が古典に正統なモノしか置いていないせいか、
(例えば 名画を使ったマグネットやら筆記具やらメモパッドやら)
ココはちょっと変わった楽しいモノが多かった様に思います。

トップの写真、なんだと思いました?
私はコレをショップで見た時、陶器かと思いました、カタイモノだと。
でも樹脂の様です。
ぐにゃっと曲がります。
シルエットがキレイ過ぎてヒトメボレでした。
コイツ↓は本の背やファイルに住みつくキツツキ。



海外で見掛けたおもしろグッズは 数ヶ月後に国内で見ることが度々あります。
キツツキはコンランショップでも見掛けました。