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5番目。

2006-06-24 | 美術館・博物館
現在、日本の国立美術館には
東京国立近代美術館、京都国立近代美術館、
国立西洋美術館(東京)、国立国際美術館(大阪)の4つがあり
2007年には5番目の国立美術館が開館予定です。

「国立新美術館」。
東京メトロ 六本木駅、野木坂駅から徒歩圏内。
敷地面積30000平方メートル、延べ床面積47960平方メートル。
日本最大規模で、総工費は380億円から400億円とも言われています。
設計の黒川紀章氏の代表作には名古屋市美術館、広島現代美術館、
クアラルンプール国際空港などがあり 海外でも活躍する日本代表格の建築家。
それはもう、嫌でも期待したい所です。

ところがこの美術館、全館貸し会場。つまり所蔵品を一切持ちません。
所蔵品を持たない美術館なんて聞き慣れないかと思いますが
上野の東京都美術館が存在しています。
国立新美術館でも
日展や院展、海外の美術館展などの企画展が開催されるのでしょう。
そこで この巨大な貸し会場に巨額の税金を使う意義が問われています。


仮称だった「ナショナルギャラリー」は
ロンドンのナショナルギャラリーなどと同等のものと
勘違いされる恐れから変更されました。
ロンドンのナショナルギャラリーと言えば
1824年 わずか38枚の邸宅美術館からスタートし 
現在は2000点以上の常設展示を誇る イギリスの代表です。
(ここのレストランのピーマンの肉詰めの様な料理は微妙でした
所蔵作品数ではルーブルやメトロポリタンには敵わないものの、
イタリア・ルネッサンス、オランダ派、フランドル派、
画家で言えばミケランジェロ、ダ・ヴィンチ、ルーベンス、フェルメール
レンブラント、ティツィアーノ、それからゴッホやセザンヌ、と、
そのコレクションは常設だけで充実しています。
確かにそのような美術館と同じイメージで海外から観光に来られては困ります。


今日の日本に、本当に必要な美術館とは一体 どんな美術館なのでしょうか?
美術館とは、人類の創造の歴史を展示する公共施設です。
他の土地や国の人々に かけがえのない文化財を誇れなければなりません。
そして海外の多くの美術館がそうしている様に
埋もれた名作や作家を発掘し 育てていかなければなりません。


巨額な税金を投資し
(本来ならそれで本物の絵画一枚でも欲しい所ですが 不可能かな?)
企画展だけで話題を作り人を集める美術館を増やすのであれば
国民の基礎的な文化・芸術意識の向上を目指して
世界に通用する様な人材を育成していった方が良いのではないでしょうか?


国立新美術館HP

National Gallery,London HP




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2 コメント

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はろるど (はろるど)
2006-06-25 00:31:37
こんばんは。TBをありがとうございました。



>(本来ならそれで本物の絵画一枚でも欲しい所ですが 不可能かな?)



私も常設を持たないときいて驚きました。

完全なる貸し館であれば、

あえて美術館を名乗らなくても良いとさえ思います。
返信する
こちらこそ。 (サワノ)
2006-06-25 12:43:31
トラックバック ありがとうございます。



今から既存の巨匠の絵画を購入するのは難しそうですが、

それだけの金額を投資するのなら

日本にたくさんの目利きの人材を育て

これから飛躍していきそうな若手の作品の

購入にあてた方が余程日本の為ですよね。



私もあえて美術館を名乗らなくても良いと思います
返信する