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サワノのお気に入りだけで構成するブログ

ヴァンジ彫刻庭園美術館

2008-11-08 | 美術館・博物館
こんにちは。
irodoriさんの静岡営業担当サワノです 笑。

自分でも信じられないくらいですが
3週連続でirodoriさんへ行ってきました
今回 初めて車で行きましたが予習の甲斐もあって?わかりやすかった!!



「1日限定6食」のミートパイを3週連続で食べたけれど全然飽きなかった。
そればかりか「コレおかわりしたいよね」なんて気分。
でもおかわりはやめてやっぱりデザート。
トップの写真のバナナカスタードパイをいただきっ
なんと言ってもパイが本当においしいっ!!
いつもパイの後にパイを食べている気がします。
会社のコにはチーズ系のケーキが人気デス。
昨日irodoriさんのブログチェックをしたら新しいメニュー
「焼きりんごアイスクリーム添え」が出来てましたー!
ものすっっっごく美味しそうです。
むうぅやばい、このままでは通いそうな勢い....。







名古屋から友達が来てくれたので1泊2日で静岡案内することになりました。
ずっとYちゃんに来てほしかったクレマチスの丘
ヴァンジ彫刻庭園美術館へ。
あいにくのお天気でしたがこの空間はやっぱり好きです。
もう友の会(?)に入ればいいじゃん!ってくらいよく来ています。



この日は偶然、ピアノとヴァイオリンによるコンサートが行われていました。
ヴァンジの彫刻に囲まれて聴くクラシック音楽。なんて贅沢。
ラファエロの絵の前で「美とは視覚によるモノか、聴覚によるモノか」と
解説されたことを思い出しました。
圧倒的に視覚による美を感じることが多い私は
芸術の中でも音楽を奏でられる人を尊敬します。
ちなみにこの時聴いたピアノはスタンウェイ社のものでした。

美術館の裏側というのかな
コンクリートむき出しの建物と起伏のある丘に植えられた芝生のお庭が
ご飯の後にだらだらだらだらしていた大学の裏庭を思い出すので
私の中で「ミニジョシビ」と呼んでいます。



この時期 お花はすくないなぁー。
でもいつ行ってもキレイに手入れされています。
お花を見ると本当に可愛くて写真など撮ってみるのですが
普通にみんな知っている様なお花さえ知らない私。







5月のクレマチスの丘はこんな感じ。

このクレマチスの丘は美術、自然、そして食の融合です。
ご飯もめちゃ美味しい
4種類のチーズのピザとアシタカ牛のパスタ。
ここで食べた季節のパスタは外れたことがありません。







お皿もカワイイんだ

ていうか、マンジャ・ペッシェが閉店していてショック!!
いつか行きたいレストランだったのに!
すっごくガッカリです。
....行きたいと思ったら即実行しておくべきですね 反省。




フェルメール展

2008-08-03 | 美術館・博物館
東京都美術館のフェルメール展に行ってきました。

今日の朝日新聞によると初日にあたる昨日は
「午前9時の開場前に約380人のファンの列」ができて
「計5173人が来場した」らしい。
日本初公開となった5作品を含む 過去最多の7作品の同時公開。

ナゾが多い日曜画家でその生涯に残した絵は三十数点しかない。
フェルメールの人気は 押しかける人の多さで良く分かった。
同時期のデルフトの画家たちの中でもやっぱり違う光の天才。
そこに感じる空気とドラマ。
あれ?もしかして私、頑張っちゃえば
(盗難されたモノを除く)全ての作品を見られるかもしれない!
と、いう手の届きそうな三十数点の距離も 魅力のひとつ
(私でさえ今までに見た作品は二十点を越えている)。


会場の途中で椅子に座って休憩してる時 
隣のおばさま2人がデルフトに行った時の話をしていた。
(余談だけれど恐竜のことを怪獣と言っていた...
すれ違った男性は あと2~3回は来場すると話していた。
作品の前にできた黒山の人だかりをかき分けて前へ進もうとするおばさん、
「前の人達が動かないから後ろが見えないじゃないか!」と怒り出すおじさん。
一定の時期にどっっっ...と人が押し寄せる日本の美術館の企画展はツライ。
けど、有名人気絵画の前がガラーーンとしている現地では
この異空間は味わえない。



トップの写真は最近になってようやくフェルメール自身によるモノとされた
「ヴァージナルの前に座る若い女」。
この絵を数年前にフィラデルフィア美術館で見た際
珍しく撮影を許されなかったのは個人蔵だからだろうか?
上の写真は「画家のアトリエ(絵画芸術)」のピンチヒッター(?)
アイルランドから急遽来日した「手紙を書く婦人と召使い」。
2004年に同じ東京都美術館で見た「画家のアトリエ」よりも
初めて見られる「手紙を書く婦人と召使い」で
個人的にはラッキーだという人 多いのでは?
30日の朝日新聞から写真撮ってみました。



フェルメールの作品と所蔵する美術館はコチラ→フェルメールの作品
たった一点の絵を見る為に海外に行く。
フェルメールは多くの人にとってそういう画家のひとりだと思う。



模写

2007-11-06 | 美術館・博物館
アムステルダムから電車で1時間ほど。
オランダ第二の都市デン・ハーグに
マウリッツハイス王立美術館というこじんまりした美術館があります。
邸宅美術館のような可愛いらしい美術館です。
そこで意外にも目が離せなくなってしまった一枚の絵がありました。
レンブラントのテュルプ博士の解剖学講義というモノ。
ちょっとグロテスクです。
あまりずっと見ていたい様な雰囲気ではありません。
でも、なぜか、ずっと、目が離せませんでした。
おそるべし、レンブラント。


そんな不思議な感覚から数年。
先日、熱海のMOA美術館で行われていた(終わっちゃいました)
東京芸大120周年記念特別企画展「パリへ 洋画家達の百年の夢」で
黒田清輝がこのテュプル博士を模写したものを見ました。
(余談ですが 和田英作の卒業制作も直に見られたのは嬉しかった!)
忘れもしない 間違いなくあの絵の模写でした。
上手い上手いと思っていた日本洋画家の重鎮、黒田清輝も
「....それほどでもねぇな」
と、思えた一枚でした。



なんて。

冗談です。ごめんなさい。

いえ、嬉しかったんです。
あの絵にひかれてしまったヒトを発見して。
もちろんレンブラントの「ホンモノ」を見た以上、
「ホンモノ」には及びません。
有名な画家のレンブラント模写を見たのは初めてでした。
模写からわかるホンモノの気迫も改めて感じました。



ちなみにマウリッツハイス美術館の一番人気は....
言うまでもありませんが フェルメールの真珠の耳飾りの少女でした。




レンブラントといえば
アムステルダム国立博物館の「夜警」が有名です。
コチラにも数点のフェルメールがあります。
ヨーロッパの美術館は絵画を掛ける壁の色がカワイイ↓





「受胎告知」

2007-03-25 | 美術館・博物館
前泊して成田入りするついでに東京国立博物館に寄ってダ・ヴィンチの「受胎告知」を見てきました。


寄贈したメディチ家との、フィレンツェはウフィッツィ美術館から一歩も出さないという約束を破り、160億円の保険金を掛けて、はるばる日本にやってきました。

金沢21世紀美術館

2006-11-10 | 美術館・博物館
遅ればせながら金沢の21世紀美術館に行ってきました
オープン以来、美術館特集で必ず顔を出す様になったココは
世界的な建築家 妹島和世さんと西沢立衝さんによるSANAAが設計しています。

独特の円形の建物が分かる様な写真が撮れませんでした。が、
この美術館は上から見ると円形になっていて
「誰でも 何処からでも入ることが出来る開かれた美術館」
というのがコンセプトの様です。
なるほど、円形の建物の中心に位置する有料の展示スペースの周りが
ぐるっと一周、無料ゾーンになっています。
この無料ゾーンを一周するだけでも様々な発見がありました。
楽しいです♪
...でもえっと、その前にやっぱりハラゴシラエ!




さすが!
コジャレてます。
私が行ったお昼の時間は「パレットランチ」と称して 
このパレット型のお皿を持ってバイキングでした。
そして完食...!
ランチに満足した後は無料ゾーンをお散歩です。





↓アリンコチェアの大行進!

デンマークの首都 コペンハーゲン出身のデザイナー、
Arne Jacobsen(アルネ・ヤコブセン 1902~1971)による
アントチェアは 実はかなり憧れています。
一枚板を3次元成型して作られた椅子としては なんと世界初、
そしてデンマーク初のスタッキング椅子でもあります。
非常に良く見掛けますが安定性のある4本脚が多い中で
ヤコブセンがその美しさにこだわったという3本脚が
こんなに揃って行進しているのを見るのは初めてでした。
しかも全部黒い...、
か、かわいい...

↓こちらも成型合板の椅子。






↓透明のエレベーター。

箱も扉も壁もガラス張りなのでちょっとビックリしますが
よおく見ると箱の下で円筒の柱が箱を持ち上げているのが分かります。
でも、分かっていてもコワイです...。




これが有名なプールです。水の中に揺れる人影。

プールの中はこんな感じ↓意外と狭いです...。
プールの上からと中からとで写真を撮りっこしている人達もいました。

↓プールの底から空を見上げてみました。
(水は10センチ程の深さのようです)
水を通して空を見るなんて あまり機会ないですよね??
このふんわりしたゆらゆら感がココチ良い、ずっと見ていられそうです。






こちらはジェームス・タレルによる空。
扉を開けて部屋に入ると 天井が四角く切り取られています。
流れる雲をみながら ヤバイ、気付くとまたまたぼんやり。

この部屋は本当にそのまま空なので
雨天の日は扉を開けると雨が降っているそうです


現在 企画展期間中、奈良美智さんの巨大な犬。
あーー。写真だとどのくらい巨大なのかが分からないですネ、...ショック。




関東・東海エリアからはちょーっと遠い金沢ですが
とってもココチ良い美術館なのでかなりオススメです。
機会をつくって行ってみよう!
まずはコチラからチェック!!→金沢21世紀美術館HP




8月15日

2006-08-15 | 美術館・博物館
東京滞在中、対照的な2つの建築に触れてきました。
1つは日本が世界に誇る建築家 安藤忠雄氏設計の「表参道ヒルズ」、
文句無しでしょう。
....いや、あちこちに微妙な段差があったのは気になったかな?


もう1つは大田区にある「昭和のくらし博物館」。
ここは日本の家具の歴史研究家でもある小泉和子さんが館長を勤めています。

昭和のくらし博物館は小泉さん一家が実際に暮らしていました、
言ってみれば「旧小泉邸」です。
戦争による焼け野原の中で1950年(昭和25年)から始まった政府の住宅政策により 
翌1951年に 建築家 小泉孝さん(和子さんのお父さん)が設計されました。
建築資材不足の為、工事費や建物の面積にも規制があった様で
規模は想像よりもだいぶ小さかったです。



私がこの小さな博物館を訪れたとき「小泉家に残る戦争展」と題した
太平洋戦争についての展示と関連イベントが行われていました。
「赤紙」と言われた召集令状や アメリカに宣戦布告した当時の新聞など
非常に興味深く拝見してきました。
以下は昭和のくらし博物館のHPに出ている館長小泉和子さんの挨拶文です。



最近の政府の危険な動きについては、みなさんも気付いていらっしゃるでしょう。
北朝鮮のミサイル実験に対し、タカ派の要人が、
「口実を作ってくれてありがたい」といったとか。驚くべき発言です。
今の自民党は、かの自民党安全保障調査会長の山崎拓氏さえもが
「戦争の恐ろしさについての感覚が非常に鈍っている」
「我々がいったん放棄した“軍事力を背景とした外交をやるべきだ”
という考え方が目立ちはじめている」と懸念している状況です。
靖国神社も「あの戦争は正しかった」と平然と言ってはばかりません。
東京都は、歴史を彎曲した教科書を押しつけようと躍起になっています。
今後、戦争反対の動きにどんどん締め付けがきつくなっていくことは目に見えています。
こうしたことは、新聞やニュースでみんな気がついていることですが、
それ以上のことは、「はっきりわからない」、
「それがどういう筋道を経て私たちにところにくるのかつかめない」、
「そうだとしてではどうしたらいいかわからない」というのが多くの人でしょう。
また若い人にとっては、戦争というものは遠い世界の出来事でしかないのかも知れません。
すでに両親からして戦争を体験していない世代が多くなってきているのですから、
無理ないことかも知れません。
たしかに暗くて、楽しくもない戦争のことなんか考えたくもないというのも
わからないではありません。
でもそんなことは言っていられないのです。
政府が決めて、憲法を改正して、徴兵制を敷いたら、嫌も応もなく、
「戦争」に押しやられてしまうのです。
税金は高くなり、日々の生活は苦しくなり、自由な考え方は許されなくなり、
男も女も軍隊に徴発され、命さえ脅かされる苦悶の日々がやってきてしまうのです。
戦争がやってくるのは津波より早いのです。
そして津波のようにすべてを巻き込んで壊滅させてしまいます。
助かるのはあらかじめ知っていて高台に逃げていた政府要人や高級軍人たちだけなのです。
みんなで戦争について勉強して、
どうしたら戦争に引き込まれないかを考えなくてはなりません。
そうしないと取り返しのつかないことになってしまいます。

 敗戦から61年目の2006年8月
                     昭和のくらし博物館 館長 小泉和子





そして今日、日本の首相が 靖国神社の参拝をしました。
ポスト小泉と言われる政治家のおじいさんが
東京軍事裁判の戦犯者であることも最近知った様な、
本当に何も知らない私の様な立場でモノを言うべきではないのかもしれませんが
また、これについては大変複雑な時代背景、政治政略もあるかとは思いますが
「日本の首相が靖国神社に参拝することに賛成か、反対か」という
シンプルな問題として聞かれれば私は断固「反対」です。
今を生きる私達は 歴史を出来るだけ冷静に客観的に正確に理解し、それに学び、
これからに活かさなければなりません。
何時の時代も一部の人間による政治と宗教に翻弄され続けてきた戦争に、
「正しい戦争」などあったのでしょうか?
一国の首相の様な 外交をしていく代表者が 
同じアジアの人々の気持ちを何故無視出来るのでしょうか?

そしてTVやWebのアンケートで「首相の靖国参拝に反対」という意見が
実は少数派であることを知りました。
私にとってこれは予期せぬ結果。
あるアンケート結果では 主に20代30代で賛成派が半数以上を占めています。
理由を聞けば「中国の言うこと(靖国参拝反対)を受け入れたらナメラレルから」
....一体どうなるのでしょうか、これからの日本。




5番目。

2006-06-24 | 美術館・博物館
現在、日本の国立美術館には
東京国立近代美術館、京都国立近代美術館、
国立西洋美術館(東京)、国立国際美術館(大阪)の4つがあり
2007年には5番目の国立美術館が開館予定です。

「国立新美術館」。
東京メトロ 六本木駅、野木坂駅から徒歩圏内。
敷地面積30000平方メートル、延べ床面積47960平方メートル。
日本最大規模で、総工費は380億円から400億円とも言われています。
設計の黒川紀章氏の代表作には名古屋市美術館、広島現代美術館、
クアラルンプール国際空港などがあり 海外でも活躍する日本代表格の建築家。
それはもう、嫌でも期待したい所です。

ところがこの美術館、全館貸し会場。つまり所蔵品を一切持ちません。
所蔵品を持たない美術館なんて聞き慣れないかと思いますが
上野の東京都美術館が存在しています。
国立新美術館でも
日展や院展、海外の美術館展などの企画展が開催されるのでしょう。
そこで この巨大な貸し会場に巨額の税金を使う意義が問われています。


仮称だった「ナショナルギャラリー」は
ロンドンのナショナルギャラリーなどと同等のものと
勘違いされる恐れから変更されました。
ロンドンのナショナルギャラリーと言えば
1824年 わずか38枚の邸宅美術館からスタートし 
現在は2000点以上の常設展示を誇る イギリスの代表です。
(ここのレストランのピーマンの肉詰めの様な料理は微妙でした
所蔵作品数ではルーブルやメトロポリタンには敵わないものの、
イタリア・ルネッサンス、オランダ派、フランドル派、
画家で言えばミケランジェロ、ダ・ヴィンチ、ルーベンス、フェルメール
レンブラント、ティツィアーノ、それからゴッホやセザンヌ、と、
そのコレクションは常設だけで充実しています。
確かにそのような美術館と同じイメージで海外から観光に来られては困ります。


今日の日本に、本当に必要な美術館とは一体 どんな美術館なのでしょうか?
美術館とは、人類の創造の歴史を展示する公共施設です。
他の土地や国の人々に かけがえのない文化財を誇れなければなりません。
そして海外の多くの美術館がそうしている様に
埋もれた名作や作家を発掘し 育てていかなければなりません。


巨額な税金を投資し
(本来ならそれで本物の絵画一枚でも欲しい所ですが 不可能かな?)
企画展だけで話題を作り人を集める美術館を増やすのであれば
国民の基礎的な文化・芸術意識の向上を目指して
世界に通用する様な人材を育成していった方が良いのではないでしょうか?


国立新美術館HP

National Gallery,London HP




クレマチスの丘

2006-05-18 | 美術館・博物館
お気に入りの場所です。
何度行っているでしょうか、数えられません。
車を走らせる距離もちょうど良いのかも。

クレマチスの丘には3つの美術館があります。
ベルナール・ビュッフェ美術館、
ジュリアーノ・ヴァンジ彫刻庭園美術館、
木村圭吾さくら美術館 です。

レストランとカフェは4つ。
日本料理、イタリアンレストラン、
イタリアンカフェ
オーガニック・カフェ。



美術館の芸術作品に負けない美味しさを提供してくれます。
お皿もチョット変わっていてカワイイ。



美術館も充実。
レストランもカフェも充実。
その名の通り クレマチスも充実。
まさに、5感を満足させてくれる空間です。

お近くにお越しの際は 是非!
詳しくはコチラクレマチスの丘




世界有数の絵画館

2006-03-25 | 美術館・博物館
スペインの首都 マドリードにあるプラド美術館は
1819年、王室所蔵の絵画コレクションを広く一般に公開する
「王立美術館」として設立されました。
「プラド」とはスペイン語で「牧場」の意味だそうです。

スペイン黄金時代、カルロス1世の絵画収集に始まり、
ティツィアーノやボスに魅せられたフェリペ2世、
ベラスケスを宮廷画家に迎えたフェリペ5世
(この人はフランスのルイ14世の孫にあたります)、
ゴヤに集団肖像画を描かせたカルロス4世。
スペインの誇るプラド美術館は 自国の文化が生んだ作品を
略奪ではなく、
王室の遺産相続と購入品によってコレクションしています。
ハプスブルグとブルボンのスペイン王朝の歴史を
今に伝えているんですね。



ゴヤ 「カルロス4世の家族」


また、巨匠達が先達の描いた作品に感化され
刺激を受けて新たな名画を生み出した場所でもあります。
誰でも知っている天才画家パブロ・ピカソは
ベラスケスの「ラス・メニーナス」に着想を得たシリーズを描き
(58枚!からなる連作。バルセロナのピカソ美術館所蔵)
ゴヤもまた、作品の中にはっきりとしたベラスケスへの敬意を示しています。
そのベラスケスは
スペインを訪問したルーベンスに出会って影響を受けていますし、
ルーベンスはここで多数のティツィアーノを模写しています。


イタリアルネッサンス、北ヨーロッパ、スペイン宮廷絵画に加え
修道院が所有していた宗教画をもとに8000点以上を所蔵。
中でもスペイン、フランドル絵画のコレクションが充実していて
「フランドル絵画を知る為にはプラドを訪れなければならないが
スペイン絵画を研究する為にはプラドを出る必要は無い」
とまで言われています・・・!



エル・グレコ 「胸に手を置く騎士」


共に世界有数の美術館と言われる大英博物館(ロンドン)、
ルーブル美術館(パリ)、メトロポリタン美術館(NY)と比較すると
増築に増築を重ねた迷路の様な小部屋はほとんど無く
大きさも程々、とても見やすい すっきりした美術館でした。

そんなプラド美術館がぎゅっと凝縮されて 
今、東京都美術館に来ています。
さすがに「ラス・メニーナス」は出国しなかった様ですが
なかなかの目玉作品と共に
私の好きなムリーリョの作品も数点、日本に来る様で
この時期がスペイン旅行とかぶらなくて本当に良かったです。
折角 本場スペインに来たのに「東京出張中」では悲しいものがあります。


ムリーリョ 「貝殻の子供たち」


興味のある方は是非是非(激混みだとは思いますが)、
お花見もかねて上野に足を運んでみて下さい。
コチラから→東京都美術館 プラド美術館展




世界最古の博物館

2006-02-02 | 美術館・博物館
イギリス、ロンドンにある大英博物館は
世界三大美術館の1つに数えられ
(世界三大美術館に関してはいろーんな説有り)
年間700万人もの人が訪れると言われています。
特筆すべきは 1753年の創設以来、入館料が無料、
写真撮影も許可されていて 
入館者は展示品の写真を撮る事も可能だという事です。
大英博物館では 図書館と同じ様に、
展示品の閲覧と資料の持ち帰りが出来るのです。
しかし、当然ですが触ってはいけません。怒られます。
(イラスト参照)


以前、日本人の美術館離れと、
企画展だけで人を集める運営の難しさについて書かれた
新聞のコラムを読みました。
その中で大英博物館は「何故 無料なのか?」という問いに対し
「有料にしたら 昼休みに近くで働くサラリーマンが
フラッと立ち寄る事が無くなる」と答えていた様に思います。

実際、大英博物館の中には 世界中の観光客と美術愛好家のほか、
先生に付き添われた未就学児、高校生らしき集団、家族連れなど
実に様々な人々を見る事が出来ます。
なにより 日本ではあまり出会えない光景、
「幼い頃から本物と向き合うこと」は、
この国の美意識の高さ感じた瞬間でした。




そのコレクションの多くが 個人収集家による寄贈、とは言ったものの・・・
略奪博物館と揶揄されることも少なくありません。
博物館の目玉となっているコレクションは全て、国外の文化遺産です。
最近では ギリシャから彫刻コレクション、
エジプトからロゼッタ・ストーン、オーストラリアから、中国から、と
返還要請が後を絶たない状態。
これに対して大英博物館側は
「返還すると その後の保管状態が悪化する。
人類の資産なのだから 世界一の保管技術を持つ我々が管理した方が良い」
としているそうですが、世界の様々な技術が飛躍的に伸びていく中、
こう言い続けるのも時間の問題かと思います。

私はこの返還要請問題に対して 実は
「賛成!返還すべき!」と言いきれない気持ちがあります。
大英博物館が返したいと思うのなら別ですが、
あえて返還の必要は無いのではないかと思います。
何故ならインド、エジプト、イラク辺りの充実したコレクションは
かつての大英帝国の植民地であり、
エジプトからロゼッタ・ストーンを持ち帰ろうとした
フランスの英雄ナポレオンから 更にそれを奪ったのは周知の事実で、
イギリスはそれらの「強欲と略奪の歴史」を
数々の戦利品とともに 展示しているからです。

どう思われますか?






おまけ。
英国旅行展のポスター(未完成)より私と相方のユキちゃん。
「極寒のストーンヘンジにて」