日々是サンゴ礁

普段の生活の中でサンゴ礁保全ができるような話題を綴ってみたいと思います

褐虫藻に眼?

2009-11-13 21:46:15 | サンゴ礁ニュース
昨日に続いてナショナルジオグラフィックのニュースからご紹介です。

褐虫藻に眼があるのではないかという報告を、広島大学の小池一彦准教授がされました。

これまでに、褐虫藻には機能が分からないものが存在していて、その成分が尿酸だということが分かったそうです。尿酸は昆虫や動物の眼に含まれる成分であり、褐虫藻と同じ仲間の藻類には、4種類眼を持つものがいるそうです。

もしこれが眼だとして、どのようにその眼を使っているのか、興味深いですね!

光るサンゴ

2009-11-12 04:45:11 | サンゴ礁ニュース
海の中で、変色したサンゴをご覧になった方は少なからずいらっしゃると思います。

この変色はサンゴが怪我から回復する過程と関係があるという報告がされました。ナショナルジオグラフィックのニュースからご覧下さい。

例えば、ハマサンゴの仲間は組織が傷つくとピンク色になります。これはサンゴの修復過程で放出されるフリーラジカルが蛍光タンパク質に作用したことにより発生するようです。

サンゴが自らの免疫力を高めるために蛍光発光を利用していることを示す研究はこれが初めてだということです。

深海の異変

2009-11-11 06:15:17 | サンゴ礁を守るために、すぐにできること
水深2000mの深海にはサンゴはありませんが、変わった生き物たちがいろいろといます。水温が低く、安定した場所だと考えられていましたが、実は異変が起こっているという研究結果が発表されました。

Think The EarthというNPOのニュースからご覧下さい。

報告によれば、カリフォルニアの海底で、ソコダラという魚が二倍に増え、ある種のナマコが見られなくなりました。この原因を気候変動による湧昇流の変化などと考えられています。

表層での気候変動の影響は、水温上昇によるサンゴの白化現象の発生など、比較的目につきやすいですが、深海はなかなかわかりません。しかし、目に見えないから変化していない訳ではなく、私たちの行為は思いもよらないところにまで影響を及ぼしている、と考える必要があると再認識させれるニュースでした。

影響には、悪い影響もありますが、良い影響もあります。良い影響を提供し続けたいものですね。

サンゴ礁を観る目が変わります 13

2009-11-10 01:27:18 | リーフチェック
引き続き混乱しやすい調査対象について書きたいと思います。今日は類似種です。

(4)チョウチョウウオ類
魚類の代表的な調査対象種のチョウチョウウオの仲間は、たくさんの種類を見ることができます。それゆえに間違えられる対象もたくさんあります。

ツノダシ
こちらも暖かい海では馴染みの魚なのですが、案外チョウチョウウオとの違いをきちんと認識している方は多くありません。違いは目の位置で、ツノダシは口から離れているのですが、チョウチョウウオでは口元にあります。ちなみにツノダシを前から見ると、眉毛がつながっているように見えて、結構ひょうきんです。

キンチャクダイ類
 こちらはチョウチョウウオ類にとても近い仲間ですが、鰓蓋の腹側の端に棘を持っています。ここだけ色が違う種類も多く、注意していれば分かりやすいポイントです。

サンゴ礁を観る目が変わります 12

2009-11-09 03:19:50 | リーフチェック
引き続き混乱しやすい調査対象について書きたいと思います。今日も地域による差です。

(3)クダサンゴ
リーフチェックで造礁サンゴ(HC)に区分しているクダサンゴは、西部太平洋からインド洋に分布しています。生物の分類としてはイシサンゴ類(六放サンゴ類)と異なり八放サンゴ類に属しています。そのため、ポリプには触手が八本あります。

この触手の様子が地域によって異なります。沖縄で見られるような鳥の羽状のものから、エーデルワイスの花びらのようにシンプルなものまでさまざまです。

ここまで違うとポリプの写真から見分けるのは、なかなか難しいです。

サンゴ礁を観る目が変わります 11

2009-11-08 11:22:31 | リーフチェック
引き続き混乱しやすい調査対象について書きたいと思います。今日も地域による差です。

(2)アオサンゴ
リーフチェックで造礁サンゴ(HC)に区分しているアオサンゴは、日本では石垣島の白保と沖縄本島の大浦湾の大規模な群集が有名です。

日本では灰色なのですが、他の地域では違う色の場合もあります。例えば、このように黄土色っぽいものもあります。

リーダー養成講座の講義資料ではオーストラリアの写真が主に使われているのですが、アオサンゴはえんじ色に近い赤色をしています。

地域による色彩の差は、その種を見慣れている人に混乱を招きやすいです。

サンゴ礁を観る目が変わります 10

2009-11-07 06:47:21 | リーフチェック
今日から混乱しやすい調査対象について書きたいと思います。

最初は地域による差です。幾つかご紹介します。

(1)パイプウニ
パイプウニは太平洋・インド洋に広く分布し、日本でも紀伊半島より南に分布しているウニです。葉巻のような太い棘を持っています。この棘の断面は、まったくの丸ではなく、若干三角形になっています。特に棘の先端は三角錐に近い形をしています。

ところが、小笠原のパイプウニは、棘全体が三角錐になっており、他の海域のものよりも棘が太くありません。かつては別種と考えられており、異なる学名と和名が使われていたくらいですから、素人からみたら、別のウニに見えてもおかしくありません。この小笠原タイプのパイプウニの写真が出ているハンディ図鑑をお持ちの方が、講義の中で混乱されることが時々あります。

小笠原のリーフチェックに参加しない限りは、小笠原タイプのパイプウニについてきちんと知っていなくても大丈夫ですよ、と説明させていただいています。

九州・天草のオニヒトデ

2009-11-06 00:00:18 | サンゴ礁を守るために、すぐにできること
九州・天草の牛深には、造礁サンゴ群集があります。そこにオニヒトデが大量発生しているそうです。

読売新聞ニュース(11/4)

それでもまだ1000匹にも満たない数ですから、獲りきれる数だと思います。

ただし、元々の自然状態に戻すという観点では、駆除した後に元々いた数だけはオニヒトデが残っていることが必要です。天草はオニヒトデは元々いない地域だとすれば、全て駆除した方が良い、ということになります。

これが石垣島であれば、オニヒトデが元々いる地域ですから、ごく稀に見つかるくらいは残しておくのが良いことになります。が、そもそも大発生すると獲りきれないほど増えるので、そこまで考えなくても良いのかも知れません。

いずれにしても、異常な状態に手をつける時は、元々の状態をよく考えて、それに合うように手をつけることが大切です。

プレコラ

2009-11-05 00:08:39 | コーラル・ネットワーク
私が事務局長を務めるコーラル・ネットワークが、新たに「プレコラ」の支援先に選ばれました。

『プレコラ』 = 『プレスリリース by コラボスタイル』の略で、NPOのウェブでの広報力アップをサポートすると同時に寄付も集めよう、というサイトです。ウェブ構築を本業とされている株式会社ユニファクター様が運営されています。

コーラル・ネットワークの紹介は、ランダムに表示されるトップページおよび団体ページに掲載されています。

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サンゴ礁を観る目が変わります 9

2009-11-04 03:50:13 | リーフチェック
今日は間違えやすいサンゴの被害について書きます。

白く見えるサンゴは、以下のように分けることができます。

1)生きている
・白化している
・白くなる病気になっている

2)死んでいる
・生物に食べられた
 a)オニヒトデに食べられた
 b)ヒメシロレイシガイダマシなどの巻貝に食べられた
 c)チョウチョウウオなどのポリプ食魚類に食べられた
 d)ブダイなどの藻類食魚類に食べられた
・白化が原因で死んだ
・病気が原因で死んだ
・その他の原因で死んだ

これらは一見すると白くて同じように見えてしまいますが、特徴があって区別できるものもあります。例えばオニヒトデの食害にあった場合には、丸い跡がつく、などです。

11/3の無脊椎動物の講座の中でもお話しましたが、11/7の底質の講座でも触れます。