日々是サンゴ礁

普段の生活の中でサンゴ礁保全ができるような話題を綴ってみたいと思います

太平洋のクロマグロの資源管理強化

2010-05-31 09:49:23 | サンゴ礁ニュース
水産庁が太平洋のクロマグロ漁における資源管理を強化するとのニュースがありました。

WWFニュース:水産庁が太平洋クロマグロの資源管理強化を発表

2010年3月に開催されたワシントン条約では、「地中海および大西洋のクロマグロの一時的禁輸」について議論がされましたが、最終的には否決されました。日本はきちんと管理していけば資源量は回復する、という立場を取っており、上記の提案には反対してます。今回の太平洋における管理強化の取り組みは、上記の立場をきちんと実績として示すための試金石となるでしょう。

管理漁業は計画通りにいけば効果があるのかも知れませんが、規制値を超えた量のマグロが流通しているという現状があります。日刊ベリタに詳しい話がありました。

「マグロが食べられなくなる」キャンペーンの陰で起こっていること  佐久間智子

消費者は、将来もマグロを食べようと思ったら、まず自分が食べようとしているマグロが何の種類なのか、どこから来ているのか、に興味を持ち、適切な選択をしていくことが必要です。

「持続的な漁業のための海洋保護区」を対馬で考える(6/5)

2010-05-30 20:39:01 | サンゴ礁を守るために、すぐにできること
「持続的な漁業のための海洋保護区」の制定に向けたシンポジウムが開催されます。対馬なので参加できる方は限られると思いますが、可能な方はどうぞご参加ください。

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  シンポジウム
☆対馬から「海洋保護区」を考える☆
―!おっ な島から ∞むげん の海洋資源を未来へ!―
2010年6月5日(土) 13:00-17:00

対馬市交流センター イベントホール(長崎県対馬市厳原)主催:対馬市
協賛:対馬市漁業協同組合長会
後援:第七管区海上保安本部、環境省九州地方環境事務所、長崎県、全国離島振興協議会、(財)日本離島センター、長崎新聞社、合資会社対馬新聞社、読売新聞長崎支局、朝日新聞社、西日本新聞社、NHK長崎放送局、NBC長崎放送、NCC長崎文化放送、KTNテレビ長崎、NIB長崎国際テレビ
(生物多様性条約第10回締約国会議COP10 パートナーシップ事業)
参加費無料、申し込み不要、資料と席は先着順。

<内容>
基調講演1 「海を守り食を保護する持続型沿岸漁業の創成にむけて」
  桜井泰憲(北海道大学大学院水産科学研究院教授)
基調講演2 「対馬漁業の実態と持続的な資源管理への提案」
  細井尉佐義(上対馬町漁業協同組合青壮年部)
基調講演3 「国内外の海洋保護区をめぐる議論と対馬の可能性」
  清野聡子(九州大学大学院工学研究院環境都市部門准教授)

パネルディスカッション
・財部能成(対馬市長)
・根津廣次(豊玉町漁業協同代表理事組合組合長)
・吉村 厚(対馬地区漁業士会会長)
・扇 次男(対馬森林組合代表理事組合長)
・荒牧ありさ(環境省自然環境局自然環境計画課)
コーディネーター 清野聡子

<問い合わせ先>
長崎県 対馬市 農林水産部 水産振興課 
TEL 0920-53-6111(内線323)
FAX 0920-53-6122
〒817-0022 長崎県対馬市厳原町国分1441番地
対馬市ホームページ
E-Mail y-hada●city-tsushima.jp(●を@に変えてください)
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<開催趣旨>
 対馬は、「海の恵み」を特別に受けてきた地域です。
 対馬暖流は、多くの回遊魚の一生を支え、山猫が暮らす深い森も育み、そこからの水や栄養は磯根の生きものを支えてきました。しかし、今、磯焼けが進み、水産資源も激減し、漁業に頼ってきた島の未来に暗雲がたちこめています。
 島の暮らしには自然を壊してしまったら、そこで生き続けられない、との意識が眠っています。
対馬の私たちは、先に立って海の生態系を守りながら、ていねいに水産資源を利用していきたいと考えています。それが、地元だけではなく、海の恵みを受ける多くの人たちとも、明るい未来を共にできると思います。
 対馬は日本を代表する、海洋、漁業、島の生態系の調査研究が進んでいる地域で、地域の思いとこれらの科学の成果が共に活かされる、日本初の海洋保護区を目指します。

 対馬の生態系は、島の海や陸だけでなく、移動する広い範囲の人や生きものの生活にも大事や役割を果たしてきました。 対馬周辺を回遊する魚は、日本各地やアジアの沿岸地域を経済
的にも支え、対馬には海とのつながりで特色ある歴史や文化が生まれました。
 
 「生物多様性」をめぐる国内外の議論は、まさに対馬の来し方行く末と深く関係しています。
2008年にできた海洋基本計画には、水産資源と海洋生態系のために、海洋保護区のあり方を日本でも検討すると明記されました。
 2010年10月、日本で生物多様性条約第10回締約国会議が開かれ、海洋や沿岸の生物多様性について国際的な方向性が議論されます。特に、「海洋保護区」は各国独自の方法と国際的なネットワークづくりが進んできています。
 世界各地の海で生きてきた人たちが、自然保護だけでなく、人間が漁業や観光で生きていくために海の生態系を守っていく決意を持ち始め、大きなうねりとなっています。沿岸だけでなく、沖合・遠洋の全ての漁業にも貢献できる計画づくりも各国で検討され始めました。
 「海洋保護区」を考えることが、今までの海の生態系との関わり方を整理し、未来につなぐ良い機会になります。保護区の基準は、地域の自主的な決まりから、国際的な取り決めまで様々です。
 北海道大学の桜井泰憲教授をお招きし、北海道・知床の世界遺産での海洋生態系と漁業の計画づくりの実例や、イカなどの生態と気候変動の最先端の研究を伺います。九州大学の清野准教授には、生物多様性と環境政策、地域づくりの国内外の事例や動向と対馬での可能性を伺います。
 この「海洋保護区」設定の意義を考えるシンポジウムは、 去る1月23日に行われた林業再生シンポジウムの海洋バージョンと認識いただき、海を生業としている者の視点に立って、森、里、海の繋がりを再認識し、「生物多様性の確保」や「水産資源の持続可能な利用」を考えるものとしたいと思っております。
 皆様方のご理解、ご協力、ご支援、ご参加の程よろしくお願い申し上げます。
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環境副大臣との懇談会(6/2)

2010-05-29 20:48:47 | サンゴ礁を守るために、すぐにできること
環境副大臣との懇談会の参加者を募集しています。参加できる方、ぜひサンゴ礁保全を訴えてきてください!

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■「地域における多様な主体の連携による生物の多様性の保全のための活動の促進等に関する法制度」に関する環境副大臣との懇談会

・日時 平成22年6月2日(水)17:00~18:30
・場所 経済産業省別館11階 1107号会議室
     東京都千代田区霞が関1-3-1

【参加申込み】
 人数の把握及びセキュリティの関係上、参加ご希望の方は、
6/1(火)18時までに、以下の方法によりお申込みください。
<申込先>
・環境省自然環境計画課 石川
  電子メール:TAKUYA_ISHIKAWA●env.go.jp (●を@に変えてください)
  FAX:03-3591-3228
  ※お問合せ:03-5521-8274(内線6978)
<記載事項>
・「懇談会への参加希望」と明記
 (電子メールの場合は件名欄に記載)
・氏名(フリガナ)
・連絡先(住所、電話番号、電子メールアドレス又はFAX番号、
     勤務先又は所属団体名)
<留意事項>
 ・複数名のお申込みの場合も、お一人ずつお申込みください。
<当日の入場について>
 ・会場(経済産業省別館)に入館するには、セキュリティゲート
  の通過が必要です(通過するには通行証が必要です)。
 ・具体的な入館方法は、申込み受付後に改めてご連絡を
  差し上げます。

「サンゴと遊ぼう!サンゴの骨格染めに挑戦!」@青山(7/24)

2010-05-28 00:29:07 | コーラル・ネットワーク
皆様、ぜひお誘いあわせの上、ご参加ください!!

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2010年第3回コーラル・ネットワーク会員勉強会
「サンゴと遊ぼう!サンゴの骨格染めに挑戦!」
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青い海!白い砂!海の中にはたくさんの魚達がいます。
そして魚や生き物達が集まってくるのが、美しいサンゴ礁です。

このサンゴ礁を作っているのは、「サンゴ」です。
サンゴは実は生き物で、白くて硬い骨格を持っています。
よく、沖縄の海岸やお土産屋さんで見かける、
白くてポツポツと穴が空いている、あれですね。
手に取ってみると、一つ一つ色々な模様があって、とても不思議です。

今回はこのサンゴが作る骨格の模様を「こすり出し」という方法で布に写し
取る、染め物に挑戦します。デザインはあなたのアイデアとサンゴとのコラ
ボレーション、世界にひとつだけのオリジナル作品です。

サンゴ礁の海から遠く離れた東京ですが、
サンゴにふれて、遊ぶことで、
海の命のにぎわいを感じることが出来るかもしれません!

皆さまのご参加を心よりお待ちしています!


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日時:2010年7月24日(土)
   13時半~16時半(13時15分開場)

場所:環境パートナーシップオフィス(EPO)内 エポ会議室
      (東京都渋谷区神宮前5-53-67コスモス青山B2F)
      ※表参道駅B2出口より徒歩5分、渋谷駅東口から徒歩10分

主催:コーラル・ネットワーク会員勉強会プロジェクトチ-ム

講師:小林惠美(コーラル・ネットワーク一般会員)
   渡辺未知(コーラル・ネットワーク一般会員) 

対象:コーラル・ネットワーク会員・非会員問わず広く一般の方
   小学生以上(小学生の場合は保護者同伴のこと。
         親子でのご参加歓迎します。)   
     ・海が好きな人
     ・サンゴに興味がある人
     ・夏休みの宿題に困っている人?!

参加費:300円(コーラル・ネットワーク会員は無料)
   (材料を会場でお求めの場合は別途費用がかかります。)

定員:20名

持ち物:染めるもの
    白い布(棉がベストです)で出来た、染めてみたいもの。
    例)Tシャツ、エコバッグ、バンダナ、てぬぐい、ふろしき、
      ティッシュケースなど。
    染めるものを忘れてしまった方には、会場で有料(100円程度)
    にてお譲りいたします。

申込み方法・問い合わせ先:必要事項をご記入のうえ、メールでお申込みくだ
さい。
    メールアドレス moushikomi●coralnetwork.jp
             (お手数ですが、●を@に変えてください)

 必要事項
  ※メール件名:サンゴ骨格染め申込み
  ※本文
   ・お名前(ふりがな)
   ・お子様連れの場合、お子様のお名前(ふりがな)と学年
   ・メールアドレス
   ・コーラル・ネットワーク会員はその旨を、コーラル・ネットワーク
    非会員の方は何でお知りになったかを

折り返し担当よりご案内します(ご連絡までに数日いただくこともあります)。

申込締切:7月22日(木)正午
定員になり次第締め切らせていただきますので、お早めにお申し込みください。

サンゴに擬態する新種のカエルアンコウ

2010-05-27 23:52:46 | サンゴ礁の魚たち
2009年に新種として学名がついたカエルアンコウが、アリゾナ州立大学の生物種探査国際研究所と分類学者で構成された選定委員会が選んだ「2009年度に新たに発見された生物種トップ10」のひとつに選ばれたとのことです。

ナショナル・ジオグラフィック社のニュースには、このカエルアンコウが数種類のサンゴに擬態する、と書いてあります。

このカエルアンコウの新種については、そのサイケデリックな模様で大変印象に残っているのですが、サンゴに擬態するとは知りませんでした。Wikipediaにその素晴らしい擬態の写真がありますので、ぜひご覧ください。

私が大好きなバリでも見つかっているようですね。いつか観てみたいです。

原油流出の被害

2010-05-26 00:23:49 | サンゴ礁ニュース
メキシコ湾で原油流出事故があったのは、記憶に新しいところだと思います。その影響の一つとして、メキシコ湾に棲むマッコウクジラが絶滅の危機にあるという懸念があるそうです。

ナショナルジオグラフィックのニュースから。

「現在メキシコ湾には年間を通じて1400~1660頭のマッコウクジラが生息し、毎年オスが回遊する大西洋のほかの群れとは異なる独自のグループを形成している。アメリカの絶滅危惧種法(ESA)ではすべてのマッコウクジラが絶滅危惧種に指定されているが、中でもメキシコ湾のマッコウクジラの個体群は生息数が比較的少ないため、特に危機に瀕していると考えられている。」

私たちは、日々石油製品を使っています。このマッコウクジラの危機は、ある意味私たちが作り出したことです。どのようにしたら、このような問題が起こらなくなるのか、ぜひみんなで考えていきましょう。

オーストラリアの新種の魚

2010-05-25 22:17:46 | サンゴ礁の魚たち
オーストラリアの温帯域に棲むアンコウ目の魚が新種となったとのことです。ナショナルジオグラフィックのニュースから。

ピンクハンドフィッシュ

スポッティドハンドフィッシュ

レッドハンドフィッシュ

ジーベルズハンドフィッシュ

カエルアンコウをスマートにしたような体型です。面白いですね。

最も保護したい動物 サンゴは2位

2010-05-24 00:02:55 | サンゴ礁ニュース
エアバス社の環境に関する調査で、10カ国で5~18歳の計1万人を対象に行われた調査で、「最も保護したい生物」として日本ではサンゴが堂々の二位に入りました! 毎日新聞のニュースをご覧下さい。

1位 哺乳類(36%)
2位 サンゴ(27%)
3位 鳥類(11%)
4位 爬虫(はちゅう)類(8%)

これまでサンゴ礁の保全活動に関する認知を広げるのに苦労してきたので、なかなか海に行くことが少ない子供たちがこんなに知っているというのは、最近は地球温暖化と絡めてサンゴの危機が多く報道されているためであろうと思います。

知るところから、さらに一歩踏み出して保全につながる行動をしてもらえるように、私たちも活動を続けて行きたいと思います。

ただ、このニュース、心配なのは「自分にとって環境保護が最も重要だ」と考えている子供が10か国中日本が一番少ないこと・・・。

海洋保護区の効用

2010-05-23 11:16:35 | サンゴ礁ニュース
海洋保護区設定でサンゴ復活 日本など83カ国調査で判明」 47newsより

サイトより引用
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水質汚染や地球温暖化の影響で破壊が進んでいるサンゴ礁の復活には、漁業などの活動を規制したり、禁止したりする「海洋保護区」の設定が有効だとの解析結果を、米ノースカロライナ大などの研究グループが22日までにまとめた。

 日本を含めた世界83カ国、4456カ所のサンゴ礁のデータを基にした初の地球規模の調査だといい、グループのジョン・ブルーノ准教授は「サンゴや海の生物多様性保全に対する海洋保護区の効果はこれまで必ずしも明確ではなかったが、有効性が示された」と話している。

 グループは、サンゴが海底のどれだけの面積を覆っているかを示す「被覆率」など、サンゴ礁の健全性についてのデータが整っている各地のサンゴ礁についての研究結果を解析。これに自らが行った調査結果を加え、海洋保護区の存在とサンゴ礁の健全性の関連を調べた。日本は小笠原諸島や南西諸島などのサンゴ礁のデータを使った。

 太平洋とインド洋、カリブ海では2004-05年に、保護区内のサンゴの被覆率は年0.05-0.08%増えていたが、保護区ではない海域では0.27-0.43%減少、その差は鮮明だった。
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ちょっと調べてみたのですが、この記事の元になったのは以下の論文のようです。

A Global Analysis of the Effectiveness of Marine Protected Areas in Preventing Coral Loss , Elizabeth R. Selig, John F. Bruno, PLoS ONE 5(2): e9278. doi:10.1371/journal.pone.0009278

海洋保護区の効用を検証した論文はこれまでもありましたが、調査規模が最大だということなのでしょう。リーフチェックの初期にも同じ結論を導いていますが、その時は25ヶ国くらいの調査範囲だったと思います。

海洋保護区というと、まったく人間が入れないようにして厳正に保護するというイメージで捉えられていることが少なからずありますが、緩やかに人間が利用するというパターンもあります。

日本は漁で利用している水面が多いこともあり、海洋保護区の議論の中では、現在漁師さんが自主的に設定されている禁漁時期・禁漁場所なども含めた「緩やかに利用する」パターンについて、その位置づけと管理をきちんと整備することが主要になってくるのではないかと思います。

サンゴ:久米島に大群落 国内最大規模か

2010-05-22 15:35:13 | サンゴ礁ニュース
久米島にサンゴの大きな群集が見つかったとのニュースです。何の種類なのか気になります。

以下毎日新聞のサイトより
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サンゴ:久米島に大群落 国内最大規模か

2010年5月19日 10時3分 更新:5月19日 12時1分

 世界自然保護基金(WWF)ジャパンは18日、沖縄本島の西約100キロの久米島南東部沿岸に、サンゴの大群落が広がっているのを確認したと発表した。

 水深15~35メートルの海底に、少なくとも幅約200メートル、長さ約300メートルの範囲に分布しているという。

 南北約300メートル、東西約150メートルに分布する大規模なサンゴ群落として知られる沖縄県石垣市の白保のアオサンゴ群落に匹敵する規模で、環境省は、国内最大規模の可能性もあるとしている。

 WWFジャパンによると、沖縄のサンゴは、川から海に流れ出た赤土による汚染や、サンゴを食べるオニヒトデの発生などで、面積の減少が問題になっている。またこれまでは浅い部分が多かったが、今回は比較的深い場所で見つかった。

 調査に参加した琉球大の藤田喜久非常勤講師は「サンゴが減っていると言われる中で大規模な群落の発見は意義深い。正確な分布の把握には、通常より深い所まで調査する必要がある」と話している。