秋田明治の建物(2)阿仁異人館・北秋田市阿仁銀山 近代化と繁栄の象徴
あきた魁新聞より抜粋(2018年4月8日 掲載)
阿仁鉱山の近代化を担ったドイツ人技師の官舎として建築された「阿仁異人館」=3月中旬撮影
1879(明治12)年、阿仁銅山村(現北秋田市)にある阿仁鉱山を近代化するため、工部省からアドルフ・メツゲルらドイツ人技師が派遣された。彼らの住居兼事務所として洋館が建てられ、地元の人々は異人館と呼んだ。それが今も北秋田市阿仁銀山に残る「阿仁異人館」だ。
建設当時の地元住民は初めて見る洋館や異国の住人を遠巻きに眺め、「異人がべこ(牛)の肉や馬肉を毎日のように食べ、赤い血の酒(ワイン)と茶色の血の酒(ビール)を飲んでいる」とささやき合った―。