冬の食べ物といえば「おでん」が思い浮かびますが、今年は、おでんの販売を中止するコンビニエンスストアが増えています。以前であれば、コンビニ各社は「だしがうまい」「全品70円セール」などと宣伝し、積極的におでんを販売していました。おでんがコンビニの店頭から消えつつあるのはなぜでしょうか。流通アナリストの渡辺広明さんに聞きました。 

なぜ「おでん」販売をやめるコンビニが増えているのか

ただ、ファストフードもおでんと同様、店員が調理するため手間がかかります。おでんに加え、ファストフードも調理しなければならないということで、人手不足の店舗では手が回らない状況に陥っています。

このほか、コンビニ各社ではトラブル防止などの観点から、調理後4〜8時間程度経過したおでんを廃棄するルールを定めています。商品の見栄えをよくするために、調理容器いっぱいに具材を詰めるので廃棄量が多くなる傾向にあります。廃棄した食品の廃棄コストは、基本的には大部分を加盟店が負担することになっているため、店の経営を圧迫する要因になります」

おでんは1日100個売らないと採算が取れない商品だといわれています。おでんは1人4〜5個買うことが多いので、1人5個買うと仮定すると1日当たり20人、1時間当たりで1〜2人に売る必要があります。売るのは簡単に聞こえるかもしれませんが、シーズン中に毎日100個以上売り続けている店舗はそれほど多くありません」