最前線の子育て論byはやし浩司(2)

子育て最前線で活躍する、お父さん、お母さんのためのBLOG

●輪形彷徨(3)

2009-07-09 07:00:21 | 日記


もしあなたがそういう状態になったら、あなたはどうするだろうか。一時的には、コーー
を口にしたり、ガムをかんだりして、頭の回転をはやくしようとするかもしれない。効果
がないわけではない。が、だからといって、体の疲れがとれるわけではない。そういうと
きあなたの夫(あるいは妻)に、「何をしているの! さっさと勉強しなさい」と、言われ
たとする。あなたはあなたで、「しなければならない」という気持ちがあっても、ひょっと
したら、あなたはどうすることもできない。漢字や数字をみただけで、眠気が襲ってくる。
ほんの少し油断すると、目がかすんできてしまう。横で夫(あるいは妻)が、横でガミガ
ミとうるさく言えば言うほど、やる気も消える。

思考力が弱い子どもは、まさにそういう状態にあると思えばよい。本人の力だけでは、ど
うしようもない。またそういう前提で、子どもを理解する。「どうすればよいか」という問
題については、あなたならどうしてもらえばよいかと考えればわかる。疲労困ぱいして、
ソファに寝そべっているようなとき、あなたなら、どうすればやる気が出てくるだろうか。
そういう視点で考えればよい。そういうときでも、あなたにとって興味がもてること、関
心があること、さらに好きなことなら、あなたは身を起こしてそれに取り組むかもしれな
い。まさにこのタイプの子どもは、そういう指導法が効果的である。これを「動機づけ」
というが、その動機づけをどうするかが、このタイプの子どもの対処法ということになる。

(2) 思考するとき、すぐループ状態(思考が堂々巡りする)になるタイプ

何かの事件がいくつか同時に起きて、頭の中がパニック状態になって、何から手をつけて
よいかわからなくなることがある。実家から電話がかかってきて、親が倒れた。そこでそ
の支度(したく)をしていると、今度は学校から電話がかかってきて、子どもが鉄棒から
落ちてけがをした。さらにそこへ来客。キッチンでは、先ほどからなべが湯をふいている
……!

一度こういう状態になると、考えが堂々巡りするだけで、まったく先へ進まなくなる。あ
なたも学生時代、テストで、こんな経験をしたことがないだろうか。まだ解けない問題が
数問ある。しかし刻々と時間がせまる。計算しても空回りして、まちがいばかりする。あ
せればあせるほど、自分でも何をしているかわからなくなる。

このタイプの子どもは、時間をおいて、同じことを繰りかえすので、それがわかる。たと
えば「時計の長い針は、15分で90度回ります。1分では何度回りますか」という問題
のとき、しばらくは分度器を見て、何やら考えているフリをする。そして同じように何や
ら式を書いて計算するフリをする。私が「あと少しで解けるのかな」と思って待っている
と、また分度器を見て、同じような行為を繰りかえす。式らしきものも書くが、先ほど書
いた式とくらべると、まったく同じ。あとはその繰り返し……。

一度こういう状態になったら、ひとつずつ片づけていくのがよい。が、このタイプの子ど
もはいくつものことを同時に考えてしまうため、それもできない。ためしに立たせて意見
を発表させたりすると、おどおどするだけで何をどう言ったらよいかわからないといった
様子を見せる。そこであなた自身のことだが、もしあなたがこういうふうにパニック状態
になったら、どうするだろうか。またどうすることが最善と思うだろうか。

 ひとつの方法として、軽いヒントを少しずつ出して、そのパニック状態から子どもを引
き出すという方法がある。「時計の絵をかいてごらん」「1分たつと、長い針はどこからど
こまで進みますか」「5分では、どこまで進みますか」「15分では、どこかな」と。これ
を「誘導」というが、どの段階で、子どもが理解するようになるかは、あくまでも子ども
次第。絵をかいたところで、「わかった」と言って理解する子どももいるが、最後の最後ま
で理解しない子どももいる。そういうときはそれこそ、からんだ糸をほぐすような根気が
必要となる。しかもこのタイプの子どもは、仮に「1分で長い針は6度進む」とわかって
も、今度は「短い針は1時間で何度進むか」という問題ができるようになるとはかぎらな
い。少し問題の質が変わったりすると、再びパニック状態になってしまう。パニックなる
ことそのものが、クセになっているようなところがある。あるいはヒントを出すというこ
とが、かえってそれが「思考の過保護」となり、マイナスに作用することもある。

 方法としては、思い切ってレベルをさげ、その子どもがパニックにならない段階で指導
するしかないが、これも日本の教育の現状ではむずかしい。

(3) 得た知識を論理的に整理できず、混乱状態になるタイプ

パソコン教室などで、聞いたこともないような横文字の言葉を、いくつも並べられると、
何がなんだかさっぱりわからなくなるときがある。「メニューから各機種のフォルダを開き、
Readme.txtを参照。各データは解凍してあるが、してないものはラプラスを使
って解凍。そのあとで直接インストールのこと」と。

このタイプの子どもは、頭の中に、自分がどこへ向かっているかという地図をえがくこと
ができない。教える側はそのため、「これから角度の勉強をします」と宣言するのだが、「角」
という意味そのものがわかっていない。あるいはその必要性そのものがわかっていない。
「角とは何か」「なぜ角を学ぶのか」「学ばねばならないのか」と。そのため、頭の中が混
乱してしまう。「角の大きさ」と言っても、何がどう大きいのかさえわからない。それはち
ょうどここに書いたように、パソコン教室で、先生にいきなり、「左インデントを使って、
段落全体の位置を、下へさげてください」と言われるようなものだ。こちら側に「段落を
さげたい」という意欲がどこかにあれば、まだそれがヒントにもなるが、「左インデントと
は何か」「段落とは何か」「どうして段落をさげなければならないのか」と考えているうち
に、何がなんだかさっぱりわけがわからなくなってしまう。このタイプの子どもも、まさ
にそれと同じような状態になっていると思えばよい。

そこでこのタイプの子どもを指導するときは、頭の中におおまかな地図を先につくらせる。
学習の目的を先に示す。たとえば私は先のとがった三角形をいくつか見せ、「このツクンツ
クンしたところで、一番、痛そうなところはどこですか?」と問いかける。先がとがって
いればいるほど、手のひらに刺したときに、痛い。すると子どもは一番先がとがっている
三角形をさして、「ここが一番、痛い」などと言う。そこで「どうして痛いの」とか、「と
がっているところを調べる方法はないの」とか言いながら、学習へと誘導していく。

 このタイプの子どもは、もともとあまり理屈っぽくない子どもとみる。ものの考え方が、
どこか夢想的なところがある。気分や、そのときの感覚で、ものごとを判断するタイプと
考えてよい。占いや運勢判断、まじないにこるのは、たいていこのタイプ。(合理的な判断
力がないから、そういうものにこるのか、あるいは反対に、そういうものにこるから、合
理的な判断力が育たないのかは、よくわからないが……。)さらに受身の学習態度が日常化
していて、「勉強というのは、与えられてするもの」と思い込んでいる。もしそうなら、家
庭での指導そのものを反省する。子どもが望む前に、「ほら、英語教室」「ほら、算数教室」
「ほら、水泳教室」とやっていると、子どもは、受身になる。

(4) 知識が吸収されず、また吸収しても、すぐ忘れてしまうタイプ

 大脳生理学の分野でも、記憶のメカニズムが説明されるようになってきている。それに
ついてはすでにあちこちで書いたので、ここではその先について書く。

 思考するとき人は、自分の思考回路にそってものごとを思考する。これを思考のパター
ン化という。パターン化があるのが悪いのではない。そのパターンがあるから、日常的な
生活はスムーズに流れる。たとえば私はものを書くのが好きだから、何か問題が起きると、
すぐものを書くことで対処しようとする。(これに対して、暴力団の構成員は、何か問題が
起きると、すぐ暴力を使って解決しようとする?)問題は、そのパターンの中でも、好ま
しくないパターンである。

 子どもの中には、記憶力が悪い子どもというのは、確かにいる。小学六年生でも、英語
のアルファベットを、三~六か月かけても、書けない子どもがいる。決して少数派ではな
い。そういう子どもが全体の二〇%前後はいる。そういう子どもを観察してみると、記憶
力が悪いとか、覚える気力が弱いということではないことがわかる。結構、その場では真
剣に、かつ懸命に覚えようとしている。しかしそれが記憶の中にとどまっていかない。そ
こでさらに観察してみると、こんなことがわかる。

「覚える」と同時に、「消す」という行為を同時にしているのである。それは自分につごう
の悪いことをすぐ忘れてしまうという行為に似ている。もう少し正確にいうと、記憶とい
うのは、脳の中で反復されてはじめて脳の中に記憶される。その「反復」をしない。(記憶
は覚えている時間の長さによって、短期記憶と長期記憶に分類される。また記憶される情
報のタイプで、認知記憶と手続記憶に分類される。

学習で学んだアルファベットなどは、認知記憶として、一時的に「海馬」という組織に、
短期記憶の形で記憶されるが、それを長期記憶にするためには、大脳連合野に格納されね
ばならない。その大脳連合野に格納するとき、反復作業が必要となる。その反復作業をし
ない。)つまり反復しないという行為そのものが、パターン化していて、結果的に記憶され
ないという状態になる。無意識下における、拒否反応と考えることもできる。

 原因のひとつに、幼児期の指導の失敗が考えられる。たとえば年中児でも、「名前を書い
てごらん」と指示すると、体をこわばらせてしまう子どもが、約二〇%はいる。文字に対
してある種の恐怖心をもっているためと考えるとわかりやすい。このタイプの子どもは、
文字嫌いになるだけではなく、その後、文字を記憶することそのものを拒否するようにな
る。結果的に、教えても、覚えないのはそのためと考えることができる。つまり頭の中に、
そういう思考回路ができてしまっている。

 記憶のメカニズムを考えるとき、「記憶するのが弱いのは、記憶力そのものがないから」
と、ほとんどの人は考えがちだが、そんな単純な問題ではない。問題の「根」は、もっと
別のところにある。

Hiroshi Hayashi++++++++July.09+++++++++はやし浩司

●結びに……

 昨年(08年11月)に書いた原稿を読みながら、ふとこう思った。
「去年のほうが、内容が深いのでは……?」と。
つまりこれぞまさしく、「輪形彷徨」。
「輪形彷徨」と言わずして、何という?

ゾーッ!

 つまりこうして私も、ボケていく。
バカになっていく。
が、それではいけない。
輪形彷徨を打破しなければならない。
何としても打破しなければならない。
そのためには、今、そこにある輪形方向から、一歩、外へ抜け出なければならない。
新しい世界に興味をもち、その世界へと足を踏み入れる。

 今の私にはそれしか思いつかないが、具体的には、こうする。

(1) 書店へ立ち寄っても、立ち止まるところは、いつも同じ。
次回から、それをやめ、別の場所へ行ってみる。
そこで片っ端から立ち読みをしてみる。
(今夜から、さっそく、実行!)

(2) 新しい経験を試みる
今度、近くの温泉街に、静岡県イチという大浴場ができた。
日帰り入浴というのができるそうだから、今週中に一度行ってみる。
つまり今までの行動(生活)パターンを変える。

 その結果、私の脳みその中に、何らかの変化が起きればそれでよし。
その変化を感じたら、それを大切にし、拡大させる。

 そうそう私には、ひとつ大特典がある。
「子ども」という大特典である。
私が教えている子どもたちは、そのつど、私に大きな変化をもたらしてくれる。
どんな遊びを、どのようにしているかを知るだけでも、よい刺激になる。
そこで、

(3) 子どもたちの世界に、もっと積極的に飛び込んでみる。
どんなゲームをどのようにしているかを、知る。
私もそのゲームを自分でも、買ってみる。
いっしょに、子どもたちとしてみる。

 輪形彷徨というのは、いわば思想の渦のようなもの。
渦の中で安穏としていると、そのまま渦の中心部で、押しつぶされてしまう。
自分では気がつかないまま、そうなってしまう。
これからの老後を生きるためにも、それにはじゅうぶん警戒したらよい。

(はやし浩司 家庭教育 育児 育児評論 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi
Hayashi 林浩司 BW 思考のループ ループ状態 はやし浩司 輪形彷徨)


【3】(近ごろ、あれこれ)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

●ダイエット

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無理な減食だけでダイエットしても、意味はない。
それはよくわかっている。
体内脂肪が減るよりも先に、筋肉が萎(な)えてしまう。
それに猛烈な食欲。
飢えた脂肪(摂取)細胞が、「食べ物をよこせ!」と騒ぎ出す。
ふつうの食欲ではない。
ここにも書いたように、「猛烈な食欲」。
で、油断すると、あっという間にリバウンド。
しかもやっかいなことに、これを繰り返していると、
内臓脂肪ばかりが、ふえることになる。
今、私はそれを、身をもって、体験しつつある。

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●私のばあい

 今朝、体重計に乗ったら、61・8キロだった。
2か月前には、68・4キロだったから、約7キロの減量ということになる。
約7キロ!
しかしおかしなことに、体脂肪率は、24・5%から23・5%と、それほど変わって
いない。

 つぎに体重が約7キロ減ったということは、2リットル入りのペットボトルで、
3本半分ということになる。
が、その実感が、ほとんど、ない。
このことは自転車で、いつもの坂を登ってみると、よくわかる。
約7キロ減ったのだから、その分、坂を登るのが、楽なはず。
が、実際には、そうでない。
先日は、かえって体が重くなったように感じた。
つまり無理なダイエットによって、筋肉のほうが、先に萎えてしまった(?)。

 ダイエットは、(1)食事制限と、(2)運動を、並行して行う。
どんな本にもそう書いてある。
そこで今回は、食事制限と並行して、運動の量を、それまでの約2倍以上にふやした。
ほとんど毎日、1万歩前後、散歩した。
加えてサイクリング。
それでもこのザマというか、体力のほうが先に弱ってしまった。

 が、ここであきらめるわけにはいかない。
ここでリバウンドさせるわけにはいかない。
ダイエットするにも、年齢制限のようなものがある。
運動量をふやすといっても、それには限界がある。
70歳や80歳になってからだと、運動そのものが、難しくなる。
それがそのまま年齢制限となる。
今、ここでダイエットに失敗したら、私は死ぬまで67~8キロ台。
こわいのは、悪循環。
(運動不足)→(肥満)→(成人病)→……
これを繰り返しているうちに、持病が持病を呼び込み、そのうち体が動かなくなる。


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