ミラノはミラノ

ミラノ在住のおねえさん(うそ)おっさんの気まぐれ場当たり日記

ギリシャは、自助努力で危機を回避できるのか?

2012-05-27 00:01:41 | 日記

一昨日のブログの続きです。

ギリシャは、対外債務を自国の経済力では、償還することができずに、欧州中央銀行やIMF(国際通貨基金)からの大量の融資を、期限が到来した国債の償還資金に充当しています。
一時的に資金がショートしているのとは訳が違って、税収で国債を償還するには、今後数年から十数年必要だと言われていますし、わたくしも同意見です。

融資する側は、もちろん国内経済を早急に立て直して、自力で国債を償還するように緊縮財政を条件にし、定期的な検査も義務づけています。

ギリシャの国内経済は、全くもって火の車ですから、福祉のレベルが下がり、税金や公共料金が上がり、公務員の数も制限され、国民は、これまでとは全く異なった生活を受け入れなければなりません。

こうした最中、議会が解散され、新しい政権が国民から選ばれましたが、与野党の力関係で組閣ができずに、再度総選挙という混乱ぶりを呈しています。

ギリシャ国民は、緊縮財政を受け入れるのに反対で、ユーロ圏離脱も反対ということですから、緊急に国内経済を立て直すことでしか彼らのエゴを通す方法はありません。

しかしギリシャは、これと言った産業がありませんし、観光資源と海運で国家財政を支えているだけですから、国内経済を早急に立て直すことは、先ず無理でしょう。

昨日、イタリアのモンティ首相は、加盟国がギリシャに要求していること(向こう3年以内の経済回復)は現実味を欠いており、広範囲にわたる同国の経済改革達成には数十年を要す可能性があると指摘しました。

これは正確にギリシャという国の状況を見ていると思います。

一昨日のブログでは、ギリシャのユーロ離脱には、自ら撤退の道を選択するか、欧州中央銀行の融資がストップし、撤退させられるという2つのストーリーが考えられると書きました。

モンティ首相の指摘のとおりだとすれば、中央銀行が融資を止める可能性が大きくなってきます。

融資を継続したくても、各国の世論がそれを許さないでしょうし、各国政府も自国の経済を犠牲にしてまで、ギリシャを助ける大儀を見つけられないでしょうから、やむを得ない選択を迫られるXデーがやってくることになりそうです。

デフォルトに陥ると、とてつもないインフレが起こるでしょうし、旧通過であるドラクマとユーロの交換比率が恐らく2:1で始まるだろうとも言われています。
つまり旧通貨ドラクマを今日から復活させますとギリシャ政府が表明した瞬間に50%のインフレから経済がスタートするということです。

軍隊や警察を含む公務員には、通貨ではなく、有価証券のような紙で給与を支払うことになりそうですし、国際的な信用がほとんどない通貨ですから、さらにインフレが拡大し、物価は高騰、仮にお金があっても物がないという状況にもなることでしょう。
最悪の場合、暴動が起こる可能性もあり、軍隊も警察も国家の統制下に置くことは、困難であるかも知れません。

国内のいくつかの金融機関は破綻し、ギリシャ国債が紙切れとなってしまいますので、国外で破綻する金融機関もあると考えられます。

こうなると、EU圏域全体で経済が冷え込み、ユーロの価値は下がり、逃避先の通貨としてのファーストチョイスは円でしょうから、ユーロを売って円、次いでドルを買う動きが相当活発になりそうです。

中国は、ヨーロッパに対する輸出が鈍り、不動産バブルの崩壊と相俟って、経済は縮小
日本も当然ながらこの波によってリーマンショック以上の打撃を受ける可能性があります。

だからどうすればいいの?という疑問に対する答えはないのかも知れません。

最近、ギリシャ国民は覚醒せよ!EUと世界経済全体に対する責務を考えろ!のような論評を見ることもありますが、市場の潮流は、変えられそうにありませんから、皆が腹をくくるしかないと言うのが本当のところでしょう。

ユーロ主要国は、絶対に離脱はさせないと公言していますが、ソフトランディングでこのことを解決させたいというのが本音でしょう。
スペインやイタリアが追従する可能性も捨てきれませんし、一気にユーロワールドの崩壊という恐ろしいシナリオも書けてしまいます。

為替相場を見ると、対円でのユーロは、週明けは100円を再度割り込みそうな勢いで下落していますし、ドルに対しても売られ過ぎだと観測されています。
もちろんこのまま一気に下がることはないのでしょうが、徐々に下がって行くとする読みは間違っていないと思います。

円高の今こそ!外貨預金というキャッチフレーズで外貨(特にユーロ建て)預金を始めてしまったのなら、損切りしてもいいので、100円を超している間に円に切り替えておくのが賢明な選択と言えましょう。

こう書いてくると、どうしても離脱させたいの?とお考えになる方もいらっしゃるでしょうが、存続というシナリオが描けないというのが本当のところです。

最近投資家の間で囁かれているスラング
ドラクマゲドン(だったかな?)
ドラクマとハルマゲドンを組み合わせた造語ですが、ギリシャの置かれた立場を端的に表しているような気がします。

わたくし達日本人が、あるいは、日本国がギリシャのデフォルトに間接的にでも関与できることは、何もなさそうですが、今後気をつけなければならないことは、政府民主党がこのことを大々的に利用し、3.11以降の情報隠しに拍車をかけることを我々国民は、かなり冷静に監視しなければなりません。
消費税増税の言い訳に使うことも考えられますし、放射能汚染された震災瓦礫の国内全域へのばらまきを覆い隠すのに格好の材料ともなりかねません。
日本経済に押し寄せる波は、先にも書いたように大きいと思われますが、3.11とギリシャのデフォルトは、全く関連がありません。
そんなことは当然なのですが、あの民主党政権なら「自分のおちどは、小さく小さく」
「人様のおちどは大きく大きく」「都合の悪い情報は、マスコミを丸め込んで覆い隠す」等のことが分かってきましたから。


 

 

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ウリちゃん 逃亡した子犬を助ける

2012-05-26 00:02:57 | 日記

ホントは、昨日の続きで、ギリシャのお話と思ったのですが、「ねえさん事件です」ってなことがあったので、ちょっと寄り道です。

話すと(書くと)結構長くなってしまうので、最初に先ずエクスキューズしときますね。

事件は、昨夜起こりました。
どんな事件かというと
ウリちゃん「逃亡した子犬を助ける」という内容なんです。

昨日の夜、夕食が終わって、ちょっと暑かったので、お友達のやっているジェラート屋さんに行こうと、トコトコと歩いているときに、ジャックラッセルの子犬が後方から猛ダッシュで駆け抜けていきました。
最初は、飼い主に向かって走って行くのかな?と思い、前方を確認してみましたが、誰もいません。
間もなくすると、また後方からイザベル!イザベル!と大声で叫んで子犬を追いかけてくるオーナーが、これも猛ダッシュ! まるで小学生の徒競走のようにウリちゃんを追い抜いて行きました。
とっさのことですし、ジャックラッセルの子犬とはいえ、後方から猛ダッシュで通り過ぎる子を捕まえることは無理
子犬とはいえ、ジャックラッセルは、狐狩りの時に他のハウンドや馬と同じ早さで走るのが特徴ですからね。早い!早い!

あーあ!車に跳ねられたりしなきゃいいのにと思って、さらにジェラート屋さんに向かって行くと、交差点でばったりイザベラちゃん(雌)と遭遇
とりあえず、オーナーがやって来るだろうと思って保護(捕獲)

とにかく無事に保護できたので、オーナーが間もなく我々を見つけるだろうと思っていたら、可愛らしい女性が「あ!この子さっき飼い主が大声出して呼んでた子ね?」と話しかけてくれて、ウリちゃんと子犬とシニョリーナで界隈を一周しながらオーナーを捜すことになり、さらに別のシニョリーナも現れ、この時点で3人と子犬一匹でオーナー捜しが始まりました。

たまたまタクシープールを通りかかったら、客待ちの運転手が話しかけてくれて「あ!さっきこの子を捜していた人がいた」ということを言っていて「こんなこともあるだろうから、見つけたら電話してあげるから、番号残していきなよ」とオーナーに言ってくれたらしいのですが、番号を残さずに立ち去ったそうです。
普通こういう場合には、藁をも掴む思いで、番号伝えますよね?
この時点で捕獲してから20分経過
運転手さんも、仕事放棄で捜索隊に仲間入り
最悪今夜は、家に連れて帰って明日朝にでも張り紙しようかと頭に浮かんだのですが、もう少し粘ってみようと思い、2人のお嬢さんと運転手さんも同じように考えてくれていたらしく、4人と1匹でさらにオーナー捜しが続きました。

1ブロックを時計と反対回りに進んでいた4人は、もしかするとオーナーが同じ方向で探していると出くわさないかもしれないという意見で一致して、割と目立つ交差点で待つことにしました。

今度そこに現れたのが、2人組の親切そうなおっさん
あ!この子もしかして?イザベラ?と話しかけてくれて、とうとうオーナー捜索隊は、ウリ隊長を含め、6人と1匹になりました。

いやはや、ここで既に捕獲から40分が経過

やっとのことでオーナーが現れ、愛犬とご対面となり、目出度し目出度し!となった訳ですが、この人お礼も言わずに、おぉ!イザベラ!どこに行ってた?どうしたの?と犬に話しかけるだけ。
しかも我々捜索隊と目を合わせようともせず、子犬に一点集中
ちょっと異常なほどの溺愛ぶりで、うーん!何か変だなという気もしたのですが、まあ愛犬家ならこんなこともあるかなと思って、捜索隊の面々の顔を見ると、誰も口には出しませんが皆同じことを考えていたようです。

家に帰ってから、よーーーく考えてみると
生後六ヶ月ほどと思われる子犬が、猛ダッシュでオーナーから逃走するように駆け出すかな?
なぜタクシーの運転手さんに電話番号残さなかった?
対面したときのいやに興奮した様子で、ありがとうの一言もない
対面したイザベラが普通なら尻尾フリフリで喜ぶシーンなのにそれもなかった

犬を40分程だっこしていたときには、もちろん虐待された形跡なんて皆無だったけど、もしかすと薬物中毒?とか、異常な偏愛傾向とか?いろいろ考えてしまいました。

でも、まさか交差点で出くわした子犬を放置はできなかったし、目の前で車に轢かれたりしたら一生悔いが残るし、、、、、
まあ、これで良かったんだと自分に言い聞かせてみるものの、、、、、、
イザベラは、あのオーナーと暮らしていて、本当に幸せなのだろうかとブログを書いてる今でも、気にかかっています。
どうか、いらない妄想でありますように。

 

 

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ギリシャ離脱への憂鬱

2012-05-25 00:00:49 | 日記

タイトルに憂鬱と書いたものの、離脱したらもっと心地よくない表現になるのだと思います。

ギリシャがユーロから離脱して、旧紙幣であるドラクマに戻るのには、ギリシャがその道を選択する以外に、中央銀行が融資をストップするシナリオが考えられます。
つまり自ら選ぶか退場を突きつけられるかの2つ

ユーロという組織は、ある国が撤退する、あるいは、撤退させるとことを想定していませんから、議決や協議、あるいは、批准することは不可能です。
退場願うということも公式には、言えません。

生命線とも言える融資を断ち切ることで、ギリシャは国債の償還が不可能になりますから、自動的にデフォルト(破綻)になってしまいます。

国内情勢や再選挙に関する報道は、全世界で山のように配信されてきましたが、ここに来てやや焦臭い(きなくさい)内容を見るようになりました。

先に書いた中央銀行が融資をしないというハルマゲドンにも匹敵するニュースが、ある日突然流れるとことは、あり得ないでしょうから、「準備か?」とか「検討か?」のような文言で少しずつリークされると、市場は破綻の秒読みが始まったなと判断することになると考えられます。

国内世論は、緊縮財政には反対で、ユーロから撤退もイヤ!というのが圧倒的ですから、どうやらギリシャに付ける薬なしと判断されても仕方ないのかもしれませんね。

一方ドイツやフランスの国内世論は、どうかと言うと
焼け石に水のようにジャブジャブとお金をつぎ込んでも、ギリシャがそれに応えるということは考えにくく、自分たちの税金がユーロ圏とはいえ、他国に流出することの是非を巡っての討論をテレビ等で見る機会が増えてきました。

         (このおばさん おっと!失礼 ドイツ首相のメルケルさんのこの人差し指が既にトリガーにかかっているのかも知れません。)

このような情勢の中で、日本のインターネットニュースでもこんな内容のものが配信されました。
MSN編集トピックスで、大元のニュースソースは、23日発のロイター ブリュッセルと記載があります

ギリシャ離脱に備え、ユーロ圏各国が対応策準備へ=当局筋
概要は、タイトルのとおりなのですが、「当局筋」とかかれているだけで、具体的にどの国のどのポストの人が言っているのかは、明らかではありません。

ブログが長くなって困るのですが、わたくしとしては、重要な局面でもあると思われますので、全文をコピペしておきますね。

==ここから==

ユーロ圏当局者は、ギリシャのユーロ圏離脱に備え、ユーロ圏各国が個別に対応策を用意する必要があるとの認識で一致した。3人の当局者が23日明らかにした。

ユーログループ作業部会が21日(訂正)、電話会議で合意したという。

当局者の1人は「ユーログループ作業部会は、ギリシャがユーロを離脱した場合に備えて、ユーロ圏加盟各国がそれぞれ緊急対策を用意することで一致した」とし、「情報漏えいの恐れから、ユーロ圏レベルでの作業は現時点で行われていない」と述べた。

2人目の当局者も、ユーログループ作業部会による合意を確認した。

当局者筋の情報に加え、ロイターはユーロ圏諸国が検討すべき要素をまとめた文書を確認した。文書はあるユーロ圏加盟国が作成した。

同文書は、ギリシャのユーロ圏離脱によって加盟各国が直面する可能性のあるコストについて具体的に言及している。また、ギリシャが実際にユーロを離脱することになった場合には「友好的な分離」を模索すべきとしている。

ギリシャがユーロ圏の離脱に踏み切った場合、ギリシャの痛みを和らげるため、欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)は最大500億ユーロ(訂正)の資金援助を行う可能性があるとした。

さらに、ユーロ圏離脱はギリシャ政府に甚大なコストをもたらすことが見込まれる反面、他のユーロ圏諸国の負担はこれよりも小さいとの見通しを示した。

ただ、他のユーロ圏諸国への波及リスクは過小評価されていると警告。「市場は決定的にユーロに不信感を抱くことになるだろう」との見方を示した。

==ここまで==

長くなってしまいましたので、続きは明日に持ち越したいと思います。

 

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雨ばっかりのミラノ あわや洪水

2012-05-24 00:00:01 | 日記

5月も末だと言うのに、雨続きで肌寒いミラノ

本来イタリアには、梅雨というものがありません。
例年4月は、雨量がやや多いのですが、下旬にもなると夏を予感させる太陽光線が降り注ぎ、一年で一番美しい季節が始まります。
今年も例年並みに推移するのかと思いきや、雹(ひょう)が降ったり、嵐のような風が吹いてベランダの草花を痛めつけたり、本来乾燥しているミラノには珍しく、24時間以上の降雨が続いたりと、ちょっとびっくりさせられる天候不順に見舞われています。

今日5月25日は、ちょうど20年前にシチリアでマフィアの仕掛けた400kgものTNT火薬による爆弾で、ジョバンニ・ファルコーニ判事が暗殺された日です。
本当は、その話にしようかなと思ったのですが、あまりにも奥が深く、20年を経過した今でもその事件の背景にあったすべてのことが明らかにはされていません。
ブログ1日分の記事にしては、あまりにもテーマが大きすぎるので、近いうちに5回連載くらいで書いてみようと考えています。

さて、話を元に戻してと、、、
この時期せっかく日本からミラノまでいらした観光客の皆さんには、ホントお気の毒です。

これを書いているのが23日のお昼頃で、外の天気は、晴れていますが雲が多く、涼しいというよりは肌寒い感じがしています。

そして河川は満水に

ミラノ東部(中心部から見てヴェネチアの方角)のランブラーテを流れるランブロ川は、警戒水位を超えて、あわや氾濫かというところまで行ってしまいました。

万が一に備え当該区域の警察は、16班で警戒に当たり、700袋で14トンもの土嚢を用意していました。

先にも書いたように、ミラノは雨が少ないので、都市河川は、川底が見えていたり干上がっていることもあって、増水時のための整備が行われていませんので、ちょっとした雨で危険水位に達する可能性が大きいのです。

都市河川って聞き慣れない言葉ですが、その定義は(日本の場合でイタリアも同等)

都市部を流れる河川で、河道又は洪水調節ダムの整備による浸水被害の防止が市街化の進展ににより困難であるものを都市河川と呼びます。

都市部では時々親水護岸のように、都市生活者が水辺を楽しんだり親しんだりできるような整備が行われていますが、これも基本には川の流れを阻害することなす、時には促進する目的で設置されます。

道路も河川も公共物であり、都市の機能には欠かせないものですが、道路と河川が交わるような場所、例えば「橋」等は、すべて河川側の法律が優先されます。

これは、河川は自然公物であり、道路は構造物であるという理由から、河川が優位に立つためと言われています。

仕事と食事の合間に、つらつらと文章を書いていたら、時刻は3時、寒かったミラノにも明るく暖かい光が差し込んできました。
天気予報では、明日と明後日は例年並に気温が上がると言っていました。

これで、ランブロ川の水位も下がり、警察の警戒態勢も解除になることでしょう。

 

 

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イタリア地震によるもう一つの大損害

2012-05-23 00:00:16 | 日記

昨日来、わたくしのブログや他のイタリア在住の方が今回の地震に関する情報を詳細に書いておられるので、報道よりも事実が伝わっているように思います。
中央イタリア北部から北イタリアにかけては、希に見る悪天候で、ここ3日ほど肌寒く、ところにより大雨となっています。
倒壊、もしくは、倒壊はしなかったものの、耐震基準等がないイタリアでは、地震でダメージを受けた建物に居住する恐怖を避けるため、公園や自家用車、仮設テントで一夜を過ごした方が約1万人に達したとの報道もありました。
一級建築士のような建築の専門家も少ないイタリアのこと、地震後の建物診断にも時間を要すると思われ、避難生活が長引く人もおられることでしょうから、イタリア政府には、一層の努力を望みたいところです。

さて、タイトルにある地震によるもう1つの被害とは、冒頭の画像を見ていただくとおわかりのように、地震の影響で熟成中のチーズが棚から転落してしまい、酪農業界における被害額がおおよそ50億円にも達するだろうということが伝えられました。

地震の被害が大きかったエミーリア及びボローニャ地帯は、パルミジャーノ(パルメザンチーズ)や同種のグラナ・パダーノが25万個ほど熟成のため専用の保管庫に眠っていて、このうち特に問題が発生したものが15万個程度あり、今後の熟成場所が確保できなければ、さらに被害は拡大するだろうと推測されています。

イタリアでは、例えばチーズにパルミジャーノという名を冠するためには、製造方法や産地と熟成期間が法律で定められていて、1ホール毎に製造番号が刻印されて厳密に管理されており、類似品をパルミジャーノと偽って販売することはできませんから、今後2年程度は品薄状態が続くことになりそうです。

人が亡くなっている地震を前にして、なにをチーズごときにと仰る方もいらっしゃることでしょうが、パルミジャーノは、イタリアを代表するチーズの1つですし、パルミジャーノの刻印を信じて赤ちゃんの離乳食に用いるお母さんも大勢います。
食文化の一端が地震によって被害を受けてしまったのですから、これもやはり大きな問題と言えましょう。

 

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